第183条過去問 2
1株式会社は、株式の分割をすることができる。
2株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
1 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第三号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日
2 株式の分割がその効力を生ずる日
3 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類
この条文の過去問 2問
株式会社が株式の併合をしようとするときは、株主総会の決議によって、当該株式の併合の効力発生日のほか、当該株式の併合の基準日を定めなければならない。
解説
本肢は誤り。株式会社が株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の特別決議によって、①併合の割合、②株式の併合がその効力を生ずる日(効力発生日)、③種類株式発行会社である場合には併合する株式の種類、④効力発生日における発行可能株式総数を定めなければならない(会社法180条2項各号、309条2項4号)。基準日はこの法定決議事項に含まれていない。株式の併合では、株主は効力発生日に、その日の前日に有する株式の数に併合割合を乗じて得た数の株式の株主となる(同法182条1項)から、権利者を確定すべき時点は効力発生日の前日として法律上当然に定まっており、これとは別に基準日(同法124条)を設定する意味がないからである。これに対し、株式の分割の場合には、株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の決議で、分割の割合とともに「株式の分割がその効力を生ずる日」および分割の基準日を定めなければならないとされている(同法183条2項1号・2号)。分割は既存株主の持株数を増やすものであり、割当てを受ける株主を確定する基準日が必要となるためである。本肢は、株式の分割に関する規律を株式の併合について述べたものであって、併合の決議事項として基準日を要求する点で誤りである。
株式会社は,会社法の規定に基づき,新株予約権の併合又は新株予約権の分割をすることができる。
解説
本肢は誤り。会社法は、株式については、発行済株式を統合して数を減少させる株式の併合(180条1項)と、既存の株式を細分化して数を増加させる株式の分割(183条1項)の制度を定めている。しかし、新株予約権については、これらに相当する併合・分割の制度を定めた規定は存在しない。したがって、会社法の規定に基づいて新株予約権の併合または分割をすることができるとする本肢は誤りである。新株予約権は、その内容として目的である株式の数、行使価額、行使期間等が個別に定められた権利であり(236条1項各号)、これを一律に併合・分割する必要性に乏しいうえ、新株予約権者ごとに内容の異なる新株予約権が併存しうることから、画一的な併合・分割の制度は設けられていない。もっとも、株式の分割や併合が行われた場合には、新株予約権の目的である株式の数や行使価額を調整する必要が生じるが、これは新株予約権の内容としてあらかじめ調整方法を定めておくこと(236条1項各号)によって対応されている。なお、既存株主に対して払込みをさせないで新株予約権を割り当てる新株予約権無償割当ての制度は存在するが(277条以下)、これは既存の新株予約権を細分化する分割とは異なる制度である。