第390条過去問 4
1監査役会は、すべての監査役で組織する。
2監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
1 監査報告の作成
2 常勤の監査役の選定及び解職
3 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
3監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
4監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。
この条文の過去問 4問
監査役会は常勤の監査役を選定する必要があるが,監査等委員会は常勤の監査等委員を選定する必要がない。
解説
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監査役会は,2人以上の常勤監査役を選定することができる。
解説
本肢は正しい。監査役会設置会社では、監査役会は監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない(会社法390条3項)。常勤の監査役とは、他に常勤の職を有せず、会社の営業時間中は原則としてその会社の監査役の職務に専念する者をいうと解されている。監査役は本来独任制の機関であるが、監査役会設置会社では組織的・効率的な監査を実現するため、日常的に社内に常駐して情報を収集し、これを監査役会に持ち帰る役割を担う者を必ず置かせる趣旨で、常勤監査役の選定が義務づけられている。
もっとも、同項は「常勤の監査役を選定しなければならない」と規定するのみで、その人数の上限については何ら定めていない。すなわち、最低1人の常勤監査役が必要であることが要求されているにすぎず、2人以上の常勤監査役を選定することを禁ずる規定は存在しない。常勤監査役を複数置くことは、社内情報の収集体制を厚くし監査の実効性を高めるものであって、上記の趣旨にもむしろ合致する。実務上も、大規模な上場会社では常勤監査役を2名置く例が珍しくない。
したがって、監査役会が2人以上の常勤監査役を選定することは可能であり、本肢は正しい。
監査役会は,監査の方針を決定する。
解説
本肢は正しい。監査役会の職務は会社法390条2項が列挙しており、①監査報告の作成(1号)、②常勤の監査役の選定及び解職(2号)、③監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定(3号)である。したがって、監査の方針を決定するのは監査役会であり、本肢の記述は同項3号のとおりである。
もっとも、ここで併せて押さえるべきは、監査役会が置かれても各監査役の権限が吸収されるわけではないという点である。監査役は独任制の機関であり、390条2項ただし書は、同項3号の決定が「監査役の権限の行使を妨げることはできない」と明記している。すなわち、監査の方針や調査方法の決定は、複数の監査役による監査を組織的・効率的に行うための内部的な役割分担にとどまり、個々の監査役が自らの判断で報告徴収権・業務財産調査権(381条2項)や子会社調査権(同条3項)、違法行為差止請求権(385条1項)等を行使することを制約するものではない。この「監査役会の権限は認められるが、各監査役の独任制は維持される」という構造が本問全体の解答の軸となる。
監査役会は,監査の方針を決定する。
解説
本肢は正しい。監査役会はすべての監査役で組織され(会社法390条1項)、その職務として、①監査報告の作成、②常勤の監査役の選定及び解職、③監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定を行う(同条2項各号)。したがって、監査の方針を決定するのは監査役会であり(同項3号)、本肢の記述は条文どおりである。もっとも、同項ただし書は、③の決定が「監査役の権限の行使を妨げることはできない」と定める。監査役会設置会社においても監査役は各自が独立して監査権限を行使する独任制の機関であり、監査役会の多数決によって個々の監査役の報告請求権・業務財産状況調査権(381条2項)や子会社調査権(同条3項)を奪うことはできない。監査役会が決定できるのは、職務分担や監査計画といった調整的・指針的な事項にとどまる。この「監査役会は方針は決められるが個々の監査役の権限行使は縛れない」という構造の理解が、本問のエ・オを見抜く鍵となる。