譲渡制限新株予約権の新株予約権者は、その有する譲渡制限新株予約権を他人(当該譲渡制限新株予約権を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限新株予約権を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
第262条過去問 1
株式会社は、譲渡による譲渡制限新株予約権の取得を承認しない旨の決定をしたときは、当該譲渡制限新株予約権を買い取る者を指定し、又は当該譲渡制限新株予約権を買い取らなければならない。
解説
本肢は誤り。譲渡制限新株予約権について、その新株予約権者が第三者に譲り渡そうとする場合には会社に対して承認するか否かの決定を請求することができ(262条)、承認を得ずに取得した者の側からも同様の請求ができる(263条)。承認の可否を決定する機関は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)であり、定款で別段の定めを置くこともできる(265条1項)。決定をした会社は請求者に対しその内容を通知しなければならない(266条)。もっとも、譲渡制限株式について置かれている、不承認の場合に会社自身が買い取るか指定買取人を指定しなければならないという規律(140条)や、売買価格の協議・裁判所による決定の規律(144条)に相当する規定は、譲渡制限新株予約権には設けられていない。株主については投下資本回収の途を確保する要請が強いのに対し、新株予約権者は未だ社員ではなく、権利行使によって株主となり得る地位を有するにすぎないからである。したがって、不承認の決定は当該譲渡が会社との関係で効力を生じないという効果をもたらすにとどまり、会社に買取義務や指定義務が生ずるとする本肢は妥当でない。
第263条
1譲渡制限新株予約権を取得した新株予約権取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限新株予約権を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
2前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した新株予約権の新株予約権者として新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
第264条過去問 1
次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。
1
1 当該請求をする新株予約権者が譲り渡そうとする譲渡制限新株予約権の内容及び数
2 イの譲渡制限新株予約権を譲り受ける者の氏名又は名称
2
1 当該請求をする新株予約権取得者の取得した譲渡制限新株予約権の内容及び数
2 イの新株予約権取得者の氏名又は名称
この条文の過去問 1問
判例の趣旨によれば,権利行使者の指定及び通知を要する旨の会社法の規定は,民法の共有の規定に対する特別の定めに当たる。
解説
本肢は正しい。共有株式についての権利行使の方法については、民法の共有に関する規定(民法264条により準共有にも準用される249条以下)と、会社法106条との関係が問題となる。この点につき判例(最判平成27年2月19日民集69巻1号25頁・会社法百選11事件)は、会社法106条本文の文言を掲げたうえで、「これは、共有に属する株式の権利の行使の方法について、民法の共有に関する規定に対する『特別の定め』(同法264条ただし書)を設けたものと解される」と判示している。民法264条ただし書は、共有の規定を準共有に準用するにあたり「法令に特別の定めがあるときは、この限りでない」とするところ、会社法106条本文がまさにこの特別の定めに当たるという位置づけである。すなわち、本来であれば共有株式の議決権行使は共有物の管理に関する行為として持分の価格の過半数で決すべきところ(民法252条1項本文)、会社法106条本文は、これに加えて権利行使者の指定及び会社への通知という手続を経なければ会社に対して権利を行使できないという制約を課したものである。もっとも、同判例は、同条ただし書は会社が同意した場合に本文の適用が排除される旨を定めたものであり、その場合には民法の共有に関する規定に立ち返って権利行使の適否が判断されるとしている。よって、本肢は判例の趣旨に合致する。
第265条過去問 1
1株式会社が第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、新株予約権の内容として別段の定めがある場合は、この限りでない。
2株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。
この条文の過去問 1問
株式会社は、譲渡による譲渡制限新株予約権の取得を承認しない旨の決定をしたときは、当該譲渡制限新株予約権を買い取る者を指定し、又は当該譲渡制限新株予約権を買い取らなければならない。
解説
本肢は誤り。譲渡制限新株予約権について、その新株予約権者が第三者に譲り渡そうとする場合には会社に対して承認するか否かの決定を請求することができ(262条)、承認を得ずに取得した者の側からも同様の請求ができる(263条)。承認の可否を決定する機関は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)であり、定款で別段の定めを置くこともできる(265条1項)。決定をした会社は請求者に対しその内容を通知しなければならない(266条)。もっとも、譲渡制限株式について置かれている、不承認の場合に会社自身が買い取るか指定買取人を指定しなければならないという規律(140条)や、売買価格の協議・裁判所による決定の規律(144条)に相当する規定は、譲渡制限新株予約権には設けられていない。株主については投下資本回収の途を確保する要請が強いのに対し、新株予約権者は未だ社員ではなく、権利行使によって株主となり得る地位を有するにすぎないからである。したがって、不承認の決定は当該譲渡が会社との関係で効力を生じないという効果をもたらすにとどまり、会社に買取義務や指定義務が生ずるとする本肢は妥当でない。
第266条過去問 1
株式会社が譲渡等承認請求の日から二週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内に前条第二項の規定による通知をしなかった場合には、第二百六十二条又は第二百六十三条第一項の承認をしたものとみなす。ただし、当該株式会社と当該譲渡等承認請求をした者との合意により別段の定めをしたときは、この限りでない。
この条文の過去問 1問
株式会社は、譲渡による譲渡制限新株予約権の取得を承認しない旨の決定をしたときは、当該譲渡制限新株予約権を買い取る者を指定し、又は当該譲渡制限新株予約権を買い取らなければならない。
解説
本肢は誤り。譲渡制限新株予約権について、その新株予約権者が第三者に譲り渡そうとする場合には会社に対して承認するか否かの決定を請求することができ(262条)、承認を得ずに取得した者の側からも同様の請求ができる(263条)。承認の可否を決定する機関は株主総会(取締役会設置会社では取締役会)であり、定款で別段の定めを置くこともできる(265条1項)。決定をした会社は請求者に対しその内容を通知しなければならない(266条)。もっとも、譲渡制限株式について置かれている、不承認の場合に会社自身が買い取るか指定買取人を指定しなければならないという規律(140条)や、売買価格の協議・裁判所による決定の規律(144条)に相当する規定は、譲渡制限新株予約権には設けられていない。株主については投下資本回収の途を確保する要請が強いのに対し、新株予約権者は未だ社員ではなく、権利行使によって株主となり得る地位を有するにすぎないからである。したがって、不承認の決定は当該譲渡が会社との関係で効力を生じないという効果をもたらすにとどまり、会社に買取義務や指定義務が生ずるとする本肢は妥当でない。