公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
この条文の過去問 6問
正しい。被疑者の供述を記載した弁解録取書は、被疑者及び司法警察員の署名押印がまだなくても、公務所の用に供する文書に当たる(最決昭32.1.29)。
258条は、公務所の用に供する文書を毀棄した者を処罰する。「公務所の用に供する文書」とは、公務所において現に使用され、又は使用の目的で保管されている文書をいい、作成者が公務員か私人かを問わない。同罪は文書の証明力ではなく、公務所が文書を使用して行う事務を保護する罪であるから、完成した文書であることは要件ではなく、作成の途中の文書であっても、文書としての意味・内容を備えるに至っていれば客体となる。最決昭32.1.29は、被疑者の供述を記載して読み聞かせた弁解録取書は、被疑者と司法警察員の署名押印がまだなくても、同条の文書に当たるとした。署名押印を欠いていても、弁解の内容が記載された書面は、すでに捜査の手続のために使用される文書となっているからである。警察官Bが甲の弁解を記載した弁解録取書は、甲及びBの署名押印がなくても公務所の用に供する文書であり、これを手で破り捨てた甲には公用文書等毀棄罪が成立する。

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
正しい。被疑者の供述を記載した弁解録取書は、被疑者及び司法警察員の署名押印がまだなくても、公務所の用に供する文書に当たる(最決昭32.1.29)。
258条は、公務所の用に供する文書を毀棄した者を処罰する。「公務所の用に供する文書」とは、公務所において現に使用され、又は使用の目的で保管されている文書をいい、作成者が公務員か私人かを問わない。同罪は文書の証明力ではなく、公務所が文書を使用して行う事務を保護する罪であるから、完成した文書であることは要件ではなく、作成の途中の文書であっても、文書としての意味・内容を備えるに至っていれば客体となる。最決昭32.1.29は、被疑者の供述を記載して読み聞かせた弁解録取書は、被疑者と司法警察員の署名押印がまだなくても、同条の文書に当たるとした。署名押印を欠いていても、弁解の内容が記載された書面は、すでに捜査の手続のために使用される文書となっているからである。警察官Bが甲の弁解を記載した弁解録取書は、甲及びBの署名押印がなくても公務所の用に供する文書であり、これを手で破り捨てた甲には公用文書等毀棄罪が成立する。

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
誤り。違うのは「公用文書毀棄罪が成立することになる」の部分である。Bの見解は毀棄を対象物の物質的な破壊・毀損に限るので、文書を隠匿しただけでは毀棄に当たらず、公用文書毀棄罪は成立しない。
公用文書等毀棄罪(258条)は、公務所の用に供する文書を「毀棄」した者を処罰する。Bの見解は、毀棄を、対象物の全部又は一部を物質的に破壊、毀損してその効用を害する行為に限る。裁判所から競売記録を持ち出して自宅で保管する行為は、裁判所がその記録を使えなくするという意味で効用を害してはいるが、記録そのものは破れも汚れもせず、物質的には何の変化も生じていない。したがって、Bの見解からは、隠匿は毀棄に当たらず、公用文書毀棄罪は成立しないことになる。これに対し、Aの見解からは、物を隠す行為も、持ち主がその物を使えなくなる以上、効用を害する行為として毀棄に当たる。判例は、物を隠匿する行為も毀棄に当たるとしており(大判昭9.12.22)、効用を害する行為とする見解と同じ結論である。隠匿を毀棄に含めるかどうかは、二つの見解の結論が正面から分かれる場面であり、肢はBの見解にAの見解の帰結を結び付けている点で誤りである。

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
誤り。違うのは「公務所又は公務員が作成したもので」の部分である。「公務所の用に供する文書」は、作成者や作成の目的にかかわりなく、現に公務所において使用され、又は使用の目的で保管されている文書をいう(最判昭38.12.24)。
判例は、258条にいう「公務所の用に供する文書」とは、その作成者、作成の目的等にかかわりなく、現に公務所において使用に供せられ、又は使用の目的をもって保管されている文書を総称するものと解すべきであるとしている(最判昭38.12.24)。公用文書等毀棄罪が私用文書等毀棄罪より重く処罰されるのは、公務所の職務に現に役立っている文書を失わせることが公務の遂行を害するからであり、その文書を誰が作ったかは公務への害とは関係がない。だから、私人が作成して役所に提出した申請書や届出書も、公務所が使用の目的で保管していれば本罪の客体になる。文書偽造の罪にいう公文書が、公務所又は公務員が作成すべき文書を指すのとは範囲が異なる。本肢は、公務所において使用され又は使用の目的で保管されている文書であることに加えて「公務所又は公務員が作成したもの」という限定を付けている点で、判例の定義と食い違っている。

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
正しい。判例は、被疑者の供述を記載した弁解録取書は、被疑者と司法警察員の署名押印がなくても258条の「公務所の用に供する文書」に当たるとしている(最決昭32.1.29)。
公用文書等毀棄罪(258条)の客体である「公務所の用に供する文書」とは、公務所において現に使用し、又は使用のために保管している文書をいい、作成者が公務員かどうかや、文書が完成しているかどうかを問わない。判例は、逮捕された被疑者に対して司法警察員が被疑事実の要旨と弁護人選任権を告げ、被疑者の供述を記載した弁解録取書の原本を執筆した場合には、その弁解録取書は、被疑者と司法警察員の作成者としての署名押印がなくても258条にいう公務所の用に供する文書であるとした(最決昭32.1.29)。署名押印がされる前であっても、供述内容が記載された弁解録取書は刑事手続のために現に公務所で使用されている文書であり、これを破れば公務所の用に供する文書の効用が害されるからである。本肢の弁解録取書は、丙が甲の供述内容を記載して甲に内容の確認を求めたもので、甲の署名押印がなくても公務所の用に供する文書に当たる。甲はこれを両手で破って毀棄しているので、公用文書等毀棄罪が成立し、本肢は正しい。

右弁解録取書は未だ被疑者及び右司法警察員の作成者としての署名捺印がなくても刑法258条にいわゆる公務所の用に供する文書というを妨げない。
正しい。判例は、被疑者の供述を記載した弁解録取書は、被疑者と司法警察員の署名押印がなくても258条の「公務所の用に供する文書」に当たるとしている(最決昭32.1.29)。
公用文書等毀棄罪(258条)の客体である「公務所の用に供する文書」とは、公務所において現に使用し、又は使用のために保管している文書をいい、作成者が公務員かどうかや、文書が完成しているかどうかを問わない。判例は、逮捕された被疑者に対して司法警察員が被疑事実の要旨と弁護人選任権を告げ、被疑者の供述を記載した弁解録取書の原本を執筆した場合には、その弁解録取書は、被疑者と司法警察員の作成者としての署名押印がなくても258条にいう公務所の用に供する文書であるとした(最決昭32.1.29)。署名押印がされる前であっても、供述内容が記載された弁解録取書は刑事手続のために現に公務所で使用されている文書であり、これを破れば公務所の用に供する文書の効用が害されるからである。本肢の弁解録取書は、丙が甲の供述内容を記載して甲に内容の確認を求めたもので、甲の署名押印がなくても公務所の用に供する文書に当たる。甲はこれを両手で破って毀棄しているので、公用文書等毀棄罪が成立し、本肢は正しい。

右弁解録取書は未だ被疑者及び右司法警察員の作成者としての署名捺印がなくても刑法258条にいわゆる公務所の用に供する文書というを妨げない。














