犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。
この条文の過去問 1問
正しい。強盗致傷罪の有期刑の下限は6年であるが、酌量減軽をすれば短期は3年になり、前科のない甲が3年以下の刑の言渡しを受けるときは25条1項1号により執行を猶予でき、初度の猶予では保護観察を付さなくてよい。
強盗致傷罪(240条前段)の法定刑は無期又は6年以上の拘禁刑であり、そのままでは3年の刑を言い渡すことはできない。しかし、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは酌量減軽をすることができ(66条)、有期の拘禁刑を減軽するときはその長期及び短期の2分の1を減ずるので(68条3号)、有期刑を選択して酌量減軽をすれば、処断刑の短期は3年になる。そのうえで、25条1項は、前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者が3年以下の拘禁刑の言渡しを受けたときは、情状により、1年以上5年以下の期間その刑の全部の執行を猶予することができると定めている。前科のない甲が懲役3年、現行法では拘禁刑3年の言渡しを受ける場合はこれに当たり、猶予の期間を5年とすることもできる。初度の猶予では、猶予の期間中保護観察に付することができるにとどまり(25条の2第1項前段)、必ず付さなければならないわけではないので、保護観察なしとすることも可能である。したがって、酌量減軽をする事由があれば、裁判所は本肢の判決を宣告することができる。再度の猶予の場合に保護観察が必ず付くのとは異なる。

次に掲げる者が三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
| 初度の猶予(25条1項) | 再度の猶予(25条2項) | |
|---|---|---|
| 言い渡す刑 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 2年以下の拘禁刑 |
| 情状 | 情状により | 情状に特に酌量すべきものがあるとき |
| 保護観察 | 付することができる | 必ず付する |
| できない場合 | 前刑の執行終了等から5年以内に拘禁刑以上の刑に処せられた者 | 再度の猶予の保護観察中に更に罪を犯した者 |
