妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の拘禁刑に処する。
女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
この条文の過去問 5問
誤り。違うのは「Bに緊急避難が成立する場合、甲に同意堕胎罪は成立しない」の部分である。医師の行為が適法であっても、その行為を利用して堕胎の結果を遂げた者には堕胎罪が成立する(大判大10.5.7)。
大判大10.5.7は、医師でない者が妊婦の依頼を受けて堕胎手術を始めたところ、妊婦の生命に危険が生じたため、医師に胎児の排出を求め、医師が妊婦の生命を救うために胎児を排出させた事案で、医師に排出を求めた者に堕胎罪の成立を認めた。違法性が阻却されるかどうかは行為者ごとに判断される。医師Bは、Aの生命に対する現在の危難を避けるためにやむを得ず胎児を排出させたのであり、Bの行為は緊急避難(37条1項)として罰せられない。しかし、その危難は甲が自らの違法な堕胎手術によって生じさせたものであり、甲は、Bが排出せざるを得ない状況を利用して、当初から目指していた堕胎の結果を遂げている。適法な行為であっても、背後の利用者にとっては違法な結果を実現する手段となるから、被利用者の行為が適法であることは利用者の罪責を否定しないのである。甲は医師ではなく、Aの依頼を受けているので、甲には同意堕胎罪(213条)が成立する。

女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
- ["故意のない者の利用", "事情を知らない買主に他人の物を搬出させる場合である。被利用者に過失があっても間接正犯が成立する"]
- ["是非を弁別する能力のない者の利用", "幼児や重い精神の障害がある者に物を取って来させる場合である"]
- ["意思を抑圧された者の利用", "日頃の暴行で逆らえなくなっている者に命じて窃盗をさせる場合である"]
- ["被害者自身の行為の利用", "被害者を他の行為を選択することができない精神状態に陥らせ、自らを死亡させる危険の高い行為をさせる場合である"]
- ["適法行為の利用", "医師の正当な治療行為や緊急避難に当たる行為を利用して結果を生じさせる場合である"]
誤り。違うのは「Bに緊急避難が成立する場合、甲に同意堕胎罪は成立しない」の部分である。医師の行為が適法であっても、その行為を利用して堕胎の結果を遂げた者には堕胎罪が成立する(大判大10.5.7)。
大判大10.5.7は、医師でない者が妊婦の依頼を受けて堕胎手術を始めたところ、妊婦の生命に危険が生じたため、医師に胎児の排出を求め、医師が妊婦の生命を救うために胎児を排出させた事案で、医師に排出を求めた者に堕胎罪の成立を認めた。違法性が阻却されるかどうかは行為者ごとに判断される。医師Bは、Aの生命に対する現在の危難を避けるためにやむを得ず胎児を排出させたのであり、Bの行為は緊急避難(37条1項)として罰せられない。しかし、その危難は甲が自らの違法な堕胎手術によって生じさせたものであり、甲は、Bが排出せざるを得ない状況を利用して、当初から目指していた堕胎の結果を遂げている。適法な行為であっても、背後の利用者にとっては違法な結果を実現する手段となるから、被利用者の行為が適法であることは利用者の罪責を否定しないのである。甲は医師ではなく、Aの依頼を受けているので、甲には同意堕胎罪(213条)が成立する。

女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
- ["故意のない者の利用", "事情を知らない買主に他人の物を搬出させる場合である。被利用者に過失があっても間接正犯が成立する"]
- ["是非を弁別する能力のない者の利用", "幼児や重い精神の障害がある者に物を取って来させる場合である"]
- ["意思を抑圧された者の利用", "日頃の暴行で逆らえなくなっている者に命じて窃盗をさせる場合である"]
- ["被害者自身の行為の利用", "被害者を他の行為を選択することができない精神状態に陥らせ、自らを死亡させる危険の高い行為をさせる場合である"]
- ["適法行為の利用", "医師の正当な治療行為や緊急避難に当たる行為を利用して結果を生じさせる場合である"]
正しい。215条1項は妊婦の嘱託も承諾もなく堕胎させることを要件とするから、Aの承諾を得ている甲に不同意堕胎罪は成立せず、同意堕胎罪が成立する。
堕胎の罪は、妊婦の嘱託・承諾の有無と行為者の身分によって分かれている。妊婦の嘱託を受け又は承諾を得て他人が堕胎させれば同意堕胎罪(213条)、その他人が医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者であれば業務上堕胎罪(214条)、嘱託も承諾もなく堕胎させれば不同意堕胎罪(215条)が成立する。215条1項は「女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで」堕胎させることを要件としているから、妊婦の承諾があれば同罪の構成要件に当たらない。本肢の甲は、妻Aと話し合い、その承諾を得て薬物で堕胎させているので、不同意堕胎罪は成立しない。もっとも、胎児の生命は妊婦が自由に処分できるものではないので、承諾は罪を不成立にするのではなく、軽い罪に振り分ける働きをするにとどまる。医師等の身分のない甲には、同意堕胎罪が成立する。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
| 罪 | 行為 | 刑 |
|---|---|---|
| 自己堕胎罪(212条) | 妊娠中の女子が自ら堕胎する | 1年以下の拘禁刑 |
| 同意堕胎罪(213条) | 嘱託・承諾を得て堕胎させる | 2年以下の拘禁刑。致死傷は3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 業務上堕胎罪(214条) | 医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が嘱託・承諾を得て堕胎させる | 3月以上5年以下の拘禁刑。致死傷は6月以上7年以下の拘禁刑 |
| 不同意堕胎罪(215条) | 嘱託も承諾もなく堕胎させる | 6月以上7年以下の拘禁刑。未遂を処罰する |
正しい。不同意堕胎罪(215条1項)は女子の嘱託を受けないで又はその承諾を得ないで堕胎させることを要件とするので、妻乙の承諾を得て堕胎させた甲の行為は同罪の構成要件に該当せず、成立するのは同意堕胎罪(213条前段)である。
堕胎の罪は、妊婦の承諾の有無と行為者の身分によって類型が分かれている。215条1項の不同意堕胎罪は、女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者を6月以上7年以下の拘禁刑に処する罪であり、妊婦の承諾がないことが構成要件の要素になっている。これに対し、213条前段の同意堕胎罪は、女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者を2年以下の拘禁刑に処する罪である。胎児の生命は妊婦が自由に処分できる法益ではないので、承諾があっても犯罪は成立するが、妊婦の承諾があることで違法の程度が軽くなるため、承諾の有無で重い罪と軽い罪に書き分けられているのである。甲は、妊娠している妻乙と話し合ったうえで、乙があらかじめ承諾した状態で薬物を使用して堕胎させている。乙の承諾を得て堕胎させた以上、「承諾を得ないで堕胎させた」という不同意堕胎罪の構成要件には該当せず、同罪は成立しない。甲の行為に成立するのは同意堕胎罪である。したがって、本肢は正しい。被害者の承諾が構成要件該当性を否定する場面でありながら、軽い罪は成立する点が、同意殺人罪と同じ構造である。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
正しい。不同意堕胎罪(215条1項)は女子の嘱託を受けないで又はその承諾を得ないで堕胎させることを要件とするので、妻乙の承諾を得て堕胎させた甲の行為は同罪の構成要件に該当せず、成立するのは同意堕胎罪(213条前段)である。
堕胎の罪は、妊婦の承諾の有無と行為者の身分によって類型が分かれている。215条1項の不同意堕胎罪は、女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者を6月以上7年以下の拘禁刑に処する罪であり、妊婦の承諾がないことが構成要件の要素になっている。これに対し、213条前段の同意堕胎罪は、女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者を2年以下の拘禁刑に処する罪である。胎児の生命は妊婦が自由に処分できる法益ではないので、承諾があっても犯罪は成立するが、妊婦の承諾があることで違法の程度が軽くなるため、承諾の有無で重い罪と軽い罪に書き分けられているのである。甲は、妊娠している妻乙と話し合ったうえで、乙があらかじめ承諾した状態で薬物を使用して堕胎させている。乙の承諾を得て堕胎させた以上、「承諾を得ないで堕胎させた」という不同意堕胎罪の構成要件には該当せず、同罪は成立しない。甲の行為に成立するのは同意堕胎罪である。したがって、本肢は正しい。被害者の承諾が構成要件該当性を否定する場面でありながら、軽い罪は成立する点が、同意殺人罪と同じ構造である。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「Bに緊急避難が成立する場合、甲に同意堕胎罪は成立しない」の部分である。医師の行為が適法であっても、その行為を利用して堕胎の結果を遂げた者には堕胎罪が成立する(大判大10.5.7)。
大判大10.5.7は、医師でない者が妊婦の依頼を受けて堕胎手術を始めたところ、妊婦の生命に危険が生じたため、医師に胎児の排出を求め、医師が妊婦の生命を救うために胎児を排出させた事案で、医師に排出を求めた者に堕胎罪の成立を認めた。違法性が阻却されるかどうかは行為者ごとに判断される。医師Bは、Aの生命に対する現在の危難を避けるためにやむを得ず胎児を排出させたのであり、Bの行為は緊急避難(37条1項)として罰せられない。しかし、その危難は甲が自らの違法な堕胎手術によって生じさせたものであり、甲は、Bが排出せざるを得ない状況を利用して、当初から目指していた堕胎の結果を遂げている。適法な行為であっても、背後の利用者にとっては違法な結果を実現する手段となるから、被利用者の行為が適法であることは利用者の罪責を否定しないのである。甲は医師ではなく、Aの依頼を受けているので、甲には同意堕胎罪(213条)が成立する。

女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
- ["故意のない者の利用", "事情を知らない買主に他人の物を搬出させる場合である。被利用者に過失があっても間接正犯が成立する"]
- ["是非を弁別する能力のない者の利用", "幼児や重い精神の障害がある者に物を取って来させる場合である"]
- ["意思を抑圧された者の利用", "日頃の暴行で逆らえなくなっている者に命じて窃盗をさせる場合である"]
- ["被害者自身の行為の利用", "被害者を他の行為を選択することができない精神状態に陥らせ、自らを死亡させる危険の高い行為をさせる場合である"]
- ["適法行為の利用", "医師の正当な治療行為や緊急避難に当たる行為を利用して結果を生じさせる場合である"]
誤り。違うのは「Bに緊急避難が成立する場合、甲に同意堕胎罪は成立しない」の部分である。医師の行為が適法であっても、その行為を利用して堕胎の結果を遂げた者には堕胎罪が成立する(大判大10.5.7)。
大判大10.5.7は、医師でない者が妊婦の依頼を受けて堕胎手術を始めたところ、妊婦の生命に危険が生じたため、医師に胎児の排出を求め、医師が妊婦の生命を救うために胎児を排出させた事案で、医師に排出を求めた者に堕胎罪の成立を認めた。違法性が阻却されるかどうかは行為者ごとに判断される。医師Bは、Aの生命に対する現在の危難を避けるためにやむを得ず胎児を排出させたのであり、Bの行為は緊急避難(37条1項)として罰せられない。しかし、その危難は甲が自らの違法な堕胎手術によって生じさせたものであり、甲は、Bが排出せざるを得ない状況を利用して、当初から目指していた堕胎の結果を遂げている。適法な行為であっても、背後の利用者にとっては違法な結果を実現する手段となるから、被利用者の行為が適法であることは利用者の罪責を否定しないのである。甲は医師ではなく、Aの依頼を受けているので、甲には同意堕胎罪(213条)が成立する。

女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
- ["故意のない者の利用", "事情を知らない買主に他人の物を搬出させる場合である。被利用者に過失があっても間接正犯が成立する"]
- ["是非を弁別する能力のない者の利用", "幼児や重い精神の障害がある者に物を取って来させる場合である"]
- ["意思を抑圧された者の利用", "日頃の暴行で逆らえなくなっている者に命じて窃盗をさせる場合である"]
- ["被害者自身の行為の利用", "被害者を他の行為を選択することができない精神状態に陥らせ、自らを死亡させる危険の高い行為をさせる場合である"]
- ["適法行為の利用", "医師の正当な治療行為や緊急避難に当たる行為を利用して結果を生じさせる場合である"]
1女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
2前項の罪の未遂は、罰する。
この条文の過去問 3問
正しい。215条1項は妊婦の嘱託も承諾もなく堕胎させることを要件とするから、Aの承諾を得ている甲に不同意堕胎罪は成立せず、同意堕胎罪が成立する。
堕胎の罪は、妊婦の嘱託・承諾の有無と行為者の身分によって分かれている。妊婦の嘱託を受け又は承諾を得て他人が堕胎させれば同意堕胎罪(213条)、その他人が医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者であれば業務上堕胎罪(214条)、嘱託も承諾もなく堕胎させれば不同意堕胎罪(215条)が成立する。215条1項は「女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで」堕胎させることを要件としているから、妊婦の承諾があれば同罪の構成要件に当たらない。本肢の甲は、妻Aと話し合い、その承諾を得て薬物で堕胎させているので、不同意堕胎罪は成立しない。もっとも、胎児の生命は妊婦が自由に処分できるものではないので、承諾は罪を不成立にするのではなく、軽い罪に振り分ける働きをするにとどまる。医師等の身分のない甲には、同意堕胎罪が成立する。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
| 罪 | 行為 | 刑 |
|---|---|---|
| 自己堕胎罪(212条) | 妊娠中の女子が自ら堕胎する | 1年以下の拘禁刑 |
| 同意堕胎罪(213条) | 嘱託・承諾を得て堕胎させる | 2年以下の拘禁刑。致死傷は3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 業務上堕胎罪(214条) | 医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が嘱託・承諾を得て堕胎させる | 3月以上5年以下の拘禁刑。致死傷は6月以上7年以下の拘禁刑 |
| 不同意堕胎罪(215条) | 嘱託も承諾もなく堕胎させる | 6月以上7年以下の拘禁刑。未遂を処罰する |
正しい。不同意堕胎罪(215条1項)は女子の嘱託を受けないで又はその承諾を得ないで堕胎させることを要件とするので、妻乙の承諾を得て堕胎させた甲の行為は同罪の構成要件に該当せず、成立するのは同意堕胎罪(213条前段)である。
堕胎の罪は、妊婦の承諾の有無と行為者の身分によって類型が分かれている。215条1項の不同意堕胎罪は、女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者を6月以上7年以下の拘禁刑に処する罪であり、妊婦の承諾がないことが構成要件の要素になっている。これに対し、213条前段の同意堕胎罪は、女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者を2年以下の拘禁刑に処する罪である。胎児の生命は妊婦が自由に処分できる法益ではないので、承諾があっても犯罪は成立するが、妊婦の承諾があることで違法の程度が軽くなるため、承諾の有無で重い罪と軽い罪に書き分けられているのである。甲は、妊娠している妻乙と話し合ったうえで、乙があらかじめ承諾した状態で薬物を使用して堕胎させている。乙の承諾を得て堕胎させた以上、「承諾を得ないで堕胎させた」という不同意堕胎罪の構成要件には該当せず、同罪は成立しない。甲の行為に成立するのは同意堕胎罪である。したがって、本肢は正しい。被害者の承諾が構成要件該当性を否定する場面でありながら、軽い罪は成立する点が、同意殺人罪と同じ構造である。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
正しい。不同意堕胎罪(215条1項)は女子の嘱託を受けないで又はその承諾を得ないで堕胎させることを要件とするので、妻乙の承諾を得て堕胎させた甲の行為は同罪の構成要件に該当せず、成立するのは同意堕胎罪(213条前段)である。
堕胎の罪は、妊婦の承諾の有無と行為者の身分によって類型が分かれている。215条1項の不同意堕胎罪は、女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者を6月以上7年以下の拘禁刑に処する罪であり、妊婦の承諾がないことが構成要件の要素になっている。これに対し、213条前段の同意堕胎罪は、女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者を2年以下の拘禁刑に処する罪である。胎児の生命は妊婦が自由に処分できる法益ではないので、承諾があっても犯罪は成立するが、妊婦の承諾があることで違法の程度が軽くなるため、承諾の有無で重い罪と軽い罪に書き分けられているのである。甲は、妊娠している妻乙と話し合ったうえで、乙があらかじめ承諾した状態で薬物を使用して堕胎させている。乙の承諾を得て堕胎させた以上、「承諾を得ないで堕胎させた」という不同意堕胎罪の構成要件には該当せず、同罪は成立しない。甲の行為に成立するのは同意堕胎罪である。したがって、本肢は正しい。被害者の承諾が構成要件該当性を否定する場面でありながら、軽い罪は成立する点が、同意殺人罪と同じ構造である。

女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。