公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
この条文の過去問 8問
誤り。違うのは「公然わいせつ罪は成立しない」の部分である。不特定多数の人の面前でわいせつな行為を強いた場合、不同意わいせつ罪と公然わいせつ罪の両方が成立し、観念的競合になる。
酒に酔い潰れて同意しない意思を表明することが困難な状態にあるAの衣類を剝ぎ取り全裸にする行為は、アルコールの影響でその状態にあることに乗じたわいせつな行為であり、不同意わいせつ罪(176条1項)に当たる。同時に、甲はこの行為を繁華街の通行人の面前で行っており、不特定又は多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をしているから、公然わいせつ罪(174条)の要件も満たす。不同意わいせつ罪は個人の性的自由を保護し、公然わいせつ罪は健全な性的風俗を保護する罪であって、保護法益が異なるから、一方が成立しても他方は評価し尽くされない。判例は、旧強制わいせつ罪に当たる行為を公然と行った事案で、同罪と公然わいせつ罪の両方が成立し、1個の行為が2個の罪名に触れる観念的競合になるとしている(大判明43.11.17)。現行の不同意わいせつ罪についても同じである。

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
誤り。違うのは「甲にわいせつ物頒布罪は成立しない」の部分である。175条の罪の犯意は、問題となる記載の存在の認識と頒布することの認識があれば足り、わいせつ性を具備するかどうかの認識までは要しない(最大判昭32.3.13)。
故意が認められるには、犯罪を構成する事実の認識が必要であるが、その事実が法律上どのように評価されるかについての認識までは必要でない。わいせつ物頒布罪(175条1項)について、判例は、同条の罪における犯意の成立には、問題となる記載の存在の認識とこれを頒布販売することの認識があれば足り、その記載のある文書が同条所定のわいせつ性を具備するかどうかの認識までは必要でないとしている(最大判昭32.3.13)。ある文書がわいせつに当たるかどうかは、裁判所が社会通念を基準にして行う法的な評価であり、行為者がこの評価を誤っても、事実の認識に欠けるところはないからである。甲は、書籍の内容を確認して理解したうえで、これを多数の者に販売しており、記載の存在と頒布の認識がある。刑法上のわいせつな文書には該当しないと考えたことは、法律の錯誤にすぎず、故意を阻却しない(38条3項本文)。したがって、甲にわいせつ物頒布罪が成立する。

刑法175条の罪における犯意の成立については問題となる記載の存在の認識とこれを頒布販売することの認識があれば足り、かかる記載のある文書が同条所定の猥褻性を具備するかどうかの認識まで必要としているものでない。
誤り。違うのは「公然わいせつ罪は成立しない」の部分である。公然とは不特定又は多数の人が認識できる状態をいい、現実にだれかが認識したことは要らない(最決昭32.5.22)。
公然わいせつ罪(174条)は、公然とわいせつな行為をした者を処罰する。判例は、174条及び175条にいう公然とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいうとしている(最決昭32.5.22)。公然性は、わいせつな行為が行われた場所や状況から見て、不特定又は多数の人が認識し得る状態にあったかどうかで決まり、現実にだれかが認識したこと、つまり実際に見た人がいたことは必要でない。公然わいせつ罪は、健全な性的風俗という社会的法益を守るための罪であり、不特定又は多数の人の目に触れ得る状態でわいせつな行為が行われれば、その時点で性的風俗に対する危険は生じているからである。本肢の甲は、人通りの多い駅構内で自己の性器を露出させており、不特定又は多数の人が認識することのできる状態でわいせつな行為をしたといえる。実際にそれに気付いた人がいなかったとしても、公然性は否定されず、甲には公然わいせつ罪が成立する。したがって本肢は誤りである。

刑法第174条及び同法第175条にいう公然とは、…不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいう
- 公然わいせつ罪(174条):公然とわいせつな行為をする。6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
- わいせつ物頒布・公然陳列(175条1項前段):わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列する
- わいせつ電磁的記録等送信頒布(175条1項後段):電気通信の送信により、わいせつな電磁的記録その他の記録を頒布する
- 有償頒布目的所持・保管(175条2項):有償で頒布する目的で、1項の物を所持し、又は電磁的記録を保管する。日本国内で頒布する目的に限る
- 175条の刑:2年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金若しくは科料、又は拘禁刑と罰金の併科。未遂の処罰規定はない
誤り。違うのは「公然わいせつ罪は成立しない」の部分である。公然とは不特定又は多数の人が認識できる状態をいい、現実にだれかが認識したことは要らない(最決昭32.5.22)。
公然わいせつ罪(174条)は、公然とわいせつな行為をした者を処罰する。判例は、174条及び175条にいう公然とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいうとしている(最決昭32.5.22)。公然性は、わいせつな行為が行われた場所や状況から見て、不特定又は多数の人が認識し得る状態にあったかどうかで決まり、現実にだれかが認識したこと、つまり実際に見た人がいたことは必要でない。公然わいせつ罪は、健全な性的風俗という社会的法益を守るための罪であり、不特定又は多数の人の目に触れ得る状態でわいせつな行為が行われれば、その時点で性的風俗に対する危険は生じているからである。本肢の甲は、人通りの多い駅構内で自己の性器を露出させており、不特定又は多数の人が認識することのできる状態でわいせつな行為をしたといえる。実際にそれに気付いた人がいなかったとしても、公然性は否定されず、甲には公然わいせつ罪が成立する。したがって本肢は誤りである。

刑法第174条及び同法第175条にいう公然とは、…不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいう
- 公然わいせつ罪(174条):公然とわいせつな行為をする。6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料
- わいせつ物頒布・公然陳列(175条1項前段):わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列する
- わいせつ電磁的記録等送信頒布(175条1項後段):電気通信の送信により、わいせつな電磁的記録その他の記録を頒布する
- 有償頒布目的所持・保管(175条2項):有償で頒布する目的で、1項の物を所持し、又は電磁的記録を保管する。日本国内で頒布する目的に限る
- 175条の刑:2年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金若しくは科料、又は拘禁刑と罰金の併科。未遂の処罰規定はない
正しい。判例は、強制わいせつ罪に当たるわいせつな行為を公然と行った場合には、同罪とは別に公然わいせつ罪が成立し、両罪は観念的競合になるとしている。
強制わいせつ罪は、暴行・脅迫を用いて人にわいせつな行為をする罪であり、被害者の性的自由という個人的法益を守る。これに対し、公然わいせつ罪(174条)は、不特定又は多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をする罪であり、健全な性的風俗という社会的法益を守る。両罪は保護法益を異にするので、一方が成立すれば他方がその中で評価し尽くされるという関係にはない。判例は、強制わいせつ罪のわいせつ行為を公然と行った場合には、同罪とは別に公然わいせつ罪を構成し、両罪は一個の行為が二個の罪名に触れる観念的競合になるとしている。本肢の甲は、海水浴場で不特定多数の者の面前で、乙女の衣服を全てはぎ取るなどして強いてわいせつな行為をしており、乙女に対する強制わいせつ罪が成立するとともに、不特定多数の者が認識できる状態でわいせつな行為をしたものとして公然わいせつ罪も成立する。したがって本肢は正しい。なお、強制わいせつ罪は現行法では不同意わいせつ罪(176条)に改められているが、公然わいせつ罪が別に成立するという結論は変わらない。

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
正しい。判例は、強制わいせつ罪に当たるわいせつな行為を公然と行った場合には、同罪とは別に公然わいせつ罪が成立し、両罪は観念的競合になるとしている。
強制わいせつ罪は、暴行・脅迫を用いて人にわいせつな行為をする罪であり、被害者の性的自由という個人的法益を守る。これに対し、公然わいせつ罪(174条)は、不特定又は多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をする罪であり、健全な性的風俗という社会的法益を守る。両罪は保護法益を異にするので、一方が成立すれば他方がその中で評価し尽くされるという関係にはない。判例は、強制わいせつ罪のわいせつ行為を公然と行った場合には、同罪とは別に公然わいせつ罪を構成し、両罪は一個の行為が二個の罪名に触れる観念的競合になるとしている。本肢の甲は、海水浴場で不特定多数の者の面前で、乙女の衣服を全てはぎ取るなどして強いてわいせつな行為をしており、乙女に対する強制わいせつ罪が成立するとともに、不特定多数の者が認識できる状態でわいせつな行為をしたものとして公然わいせつ罪も成立する。したがって本肢は正しい。なお、強制わいせつ罪は現行法では不同意わいせつ罪(176条)に改められているが、公然わいせつ罪が別に成立するという結論は変わらない。

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
誤り。違うのは「甲に公然わいせつ罪の共同正犯は成立しない」の部分である。不特定多数の通行人を勧誘して集めた客に見せている以上、部屋を閉め切り客が6名でも「公然」に当たり、甲には公然わいせつ罪の共同正犯が成立する。
174条の「公然」とは、不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいう(最決昭32.5.22)。判例は、不特定多数の人を勧誘し、集まった客の面前でわいせつな行為をさせた事案で、たとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然わいせつ罪の成立を妨げるものではないとし(最決昭31.3.6)、通行人を勧誘して遮断した部屋で5名の客にわいせつな映画を見せた事案でも、その5名は全く不特定のうちの5名であるとして公然陳列を認めている(最決昭33.9.5)。誰でも客になれる形で集めている以上、場所を閉め切り人数が少なくても、不特定の人が認識できる状態に置いたことに変わりがないからである。甲は人通りの多い路上で不特定多数の通行人を勧誘して客を集め、出入りを制限したビルの1室で、雇用した男女に全裸で性行為を行わせて6名の客に観覧させている。甲は集客し、行為者を雇い、利益を得ているので、公然わいせつ罪の共同正犯が成立する。したがって、本肢は誤りである。

たとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥褻罪の成立を妨げるものではない
誤り。違うのは「公然わいせつ罪は成立しない」の部分である。174条の「公然」とは不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいい(最決昭32.5.22)、現実に誰かが認識したことは必要でないので、人通りの多い道路上で陰部を露出した甲には公然わいせつ罪が成立する。
公然わいせつ罪(174条)は、公然とわいせつな行為をした者を処罰する。判例は、174条・175条にいう「公然」とは不特定又は多数の人が認識することのできる状態をいうとしており(最決昭32.5.22)、不特定又は多数の人が現実に認識したことまでは要求していない。この罪は健全な性的風俗という社会の法益を守るものであり、誰でも見ることができる状態でわいせつな行為がされた時点で風俗は害されているから、たまたま誰も見ていなかったという偶然の事情で成否が変わる理由がないからである。甲は、人通りの多い道路上で自己の陰部を露出させている。そこを通る不特定多数の人が認識できる状態でわいせつな行為をしたのであるから、通行人が偶然誰も気付かなかったとしても、「公然」の要件を満たす。したがって、甲には公然わいせつ罪が成立し、本肢は誤りである。反対に、外部との出入りを制限した部屋の中でも、不特定多数の人を勧誘して集めた客に見せれば、見る側が不特定である以上「公然」に当たる。

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。











































