第256条過去問 16
1盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
この条文の過去問 16問
甲は、乙から絵画を購入して自宅に保管していたところ、その後に同絵画は乙が窃取したものであることを知ったが、そのまま同絵画の保管を継続した。この場合、甲に盗品等保管罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
甲は、乙が窃取した宝石であることを知りつつ、乙から同宝石を有償で譲り受けたが、その時点で乙の同窃取行為について公訴時効が完成していた。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
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甲は、乙が窃取したバッグを、これが盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入した。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
本肢は正しい。盗品等有償譲受け罪(刑法256条2項。現行法の法定刑は10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金)は、財産罪によって領得された財物であることを知りながら、これを有償で譲り受ける行為を処罰するものである。本罪の保護法益は本犯の被害者の追求権であり、本犯による違法状態の維持・助長を処罰根拠とすることから、故意としては、当該物が本犯たる財産罪により取得された物であることの認識が必要となる。もっとも、本犯の日時・場所・被害者や罪名の詳細までを具体的に認識している必要はなく、財産犯によって不法に領得された物であるという程度の認識で足りる。
そして、その認識の程度については、最判昭和23年3月16日が、本罪の故意の成立には買い受けるべき物が盗品であることを確定的に知っていることを必要とせず、盗品であるかもしれないと思いながらあえてこれを買い受ける意思、すなわち未必の故意があれば足りると判示している。結果発生の可能性を認識しつつこれを認容して行為に出た以上、故意犯としての非難に値するという一般的な未必の故意の理解とも整合する。
本肢の甲は、乙が窃取したバッグにつき、盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入しており、盗品性についての未必の故意が認められ、かつ有償譲受けという実行行為も存在する。よって甲には盗品等有償譲受け罪が成立し、本肢は正しい。
甲は、当初から丙にカードを運搬させる計画であり、その運搬は重要な役割であるから、丙には盗品等運搬罪ではなく窃盗罪の共同正犯が成立する。
解説
本肢は誤り。丙に成立するのは盗品等運搬罪(256条2項)であって、窃盗罪の共同正犯ではない。
共同正犯(60条)が成立するには、共同実行の意思(意思連絡)と共同実行の事実が必要である。本事例で丙が甲から本件計画の内容を初めて説明され、運搬を承諾したのは同日午前9時30分頃であり、乙が同日午前9時20分頃までにカードを奪取して現場を離れた後である。すなわち、丙が関与した時点では甲・乙の強盗(窃盗)はすでに既遂に達し終了しており、丙は先行者の実行行為の途中から加担したわけではない。犯罪がすでに終了した後に関与した者に先行事実を帰責する余地はなく、承継的共同正犯を論じるまでもない。なお承継的共同正犯を限定的に認める最決平成24年11月6日も、後行者が関与前の先行者の行為の効果を利用して自己の犯罪を実現した場合に限って承継を認めるにすぎず、本事例は関与自体が犯罪終了後である点でこれと異なる。
また、甲が当初から丙に運搬させる計画を持っていたとしても、それは甲の一方的な内心の計画にすぎず、犯行時点で丙との間に意思連絡はなかったのであるから、丙が共謀に参加したとは評価できない。丙は、強盗という財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であることを知りながらカードを運搬しているから、盗品等運搬罪の罪責を負うにとどまる。
甲は、当初から丙にカードを運搬させる計画であり、その運搬は重要な役割であるから、丙には盗品等運搬罪ではなく窃盗罪の共同正犯が成立する。
解説
本肢は誤り。丙に成立するのは盗品等運搬罪(256条2項)であって、窃盗罪の共同正犯ではない。
共同正犯(60条)が成立するには、共同実行の意思(意思連絡)と共同実行の事実が必要である。本事例で丙が甲から本件計画の内容を初めて説明され、運搬を承諾したのは同日午前9時30分頃であり、乙が同日午前9時20分頃までにカードを奪取して現場を離れた後である。すなわち、丙が関与した時点では甲・乙の強盗(窃盗)はすでに既遂に達し終了しており、丙は先行者の実行行為の途中から加担したわけではない。犯罪がすでに終了した後に関与した者に先行事実を帰責する余地はなく、承継的共同正犯を論じるまでもない。なお承継的共同正犯を限定的に認める最決平成24年11月6日も、後行者が関与前の先行者の行為の効果を利用して自己の犯罪を実現した場合に限って承継を認めるにすぎず、本事例は関与自体が犯罪終了後である点でこれと異なる。
また、甲が当初から丙に運搬させる計画を持っていたとしても、それは甲の一方的な内心の計画にすぎず、犯行時点で丙との間に意思連絡はなかったのであるから、丙が共謀に参加したとは評価できない。丙は、強盗という財産に対する罪に当たる行為によって領得された物であることを知りながらカードを運搬しているから、盗品等運搬罪の罪責を負うにとどまる。
賄賂として収受された現金は,「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。
解説
本肢は誤り。刑法256条の盗品等関与罪の客体は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」、すなわち窃盗・強盗・詐欺・恐喝・横領といった財産罪(領得罪)の実行によって取得された財物に限られる。本罪の保護法益は、本犯の被害者が当該財物について有する民事上の追求権(返還請求権)であると解されており(追求権説、大判大正12年4月14日)、客体の範囲もこの法益から画される。これに対し、賄賂の収受は収賄罪(197条以下)に該当する行為であるところ、同罪は公務員の職務の公正およびこれに対する社会一般の信頼を保護法益とする罪であって、財産に対する罪ではない。しかも賄賂を供与した者は自らの意思で現金を交付しているのであるから、その現金について返還を請求し得る「被害者」を観念することもできず(民法708条参照)、追求権の侵害という本罪の実質も欠ける。したがって、賄賂として収受された現金は本罪の客体には当たらない。賭博によって得た金銭も同様である。なお、改正前に客体が「贓物」と表現されていた当時には、財産罪以外の犯罪によって不法に取得された物も含める見解が主張されたことがあるが、現行規定の文言はこれを明確に否定している。よって、当たるとする本肢は誤りである。
会社が保管する秘密資料を窃取した者が,自宅で,そのコピーを作成した場合,当該コピーは,「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たらない。
解説
本肢は正しい。256条1項は客体を「領得された物」と規定しており、本罪の客体は、本犯たる財産罪によって直接に取得された財物それ自体に限られると解されている。したがって、本犯が盗品を売却して得た代金や、盗品を材料として作出された別個の物は、原則として客体に当たらない(もっとも、盗んだ小切手を換金した金銭のように、同一性が実質的に維持され被害者の追求権が及ぶと評価できる場合には、例外的に客体性が肯定される余地がある)。本肢では、窃取された秘密資料そのものは窃盗罪によって直接領得された物であるから客体となるが、犯人が自宅で新たに作成したコピーは、犯人が自ら用意した用紙等を用いて作出した物理的に別個の物であって、窃盗行為によって領得された物ではない。また、そのコピーの所有権は被害会社に帰属しないから、会社がこれについて返還を請求し得る立場にもなく、追求権の侵害という本罪の実質も認められない。したがって、当該コピーは「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たらず、本肢は正しい。
乙が盗品のドレス10着を,窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を,それぞれ丙宅まで運搬したことにつき,乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから,乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。
解説
本肢は正しい。乙は、ドレスと指輪が窃盗の被害品であることを甲から告げられて認識した上で、これを丙宅まで運んでいるから、盗品等運搬罪(256条2項)の主体となる。同罪の保護法益は被害者の追求権であり、盗品の所在を移転させて正常な回復を困難にするとともに本犯を助長誘発する点に処罰根拠がある。次に、甲は本犯たる窃盗犯人であるから、自ら盗んだ財物を運搬しても、その行為は窃盗罪の評価に包摂される共罰的(不可罰的)事後行為として別罪を構成せず、256条の主体からは除かれる。そこで、乙が現実に運んだのは自車に積んだドレス10着のみであるのに、甲の運んだ指輪とドレス10着についてまで罪責を負うかが問題となる。もっとも、甲と乙は丙宅へ盗品を運ぶという意思を通じ、運搬すべき数量を分担したにすぎないから、乙は共謀に基づいて盗品全体の運搬に加功したと評価できる。判例も、本犯者と本犯者以外の者とが盗品を分担して運搬した事案において、本犯者以外の者には運搬にかかる盗品の全部について運搬罪が成立するとしている(最判昭和30年7月12日)。共同正犯(60条)は一部実行全部責任を認める以上、本犯者である甲が処罰されないことは乙の罪責に影響しない。したがって、乙にはドレス20着全部と指輪につき盗品等運搬罪が成立する。
丙がAを相手方として指輪の売却をあっせんしたことにつき,Aは窃盗の被害者であるが,丙には盗品等処分あっせん罪が成立する。
解説
本肢は正しい。丙は、指輪が甲のAに対する窃盗によって得られた財物であることを知りながら、これを預かった上でAへの売却を取り持ち、代金50万円で売却させている。盗品等有償処分あっせん罪(256条2項)の成否が問題となるが、ここでは処分の相手方が窃盗の被害者A自身である点が特殊である。被害者に売り渡すのであれば結局は物が被害者の手元に戻るのだから、追求権の侵害はなく同罪は成立しないのではないか、という疑問が生じうるからである。この点について判例は、盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるとして、256条2項にいう「有償の処分のあっせん」に当たるとした(最決平成14年7月1日)。本来無償で取り戻せるはずの自己の所有物を対価を払って買い戻させるのは正常な回復とはいえず、追求権は害されているし、盗品を換金する道を開く点で本犯助長性も否定できないという趣旨である。本事例でも、Aは母親の形見である指輪を50万円という高値で買い戻さされており、まさに正常な回復が妨げられている。よって丙には盗品等有償処分あっせん罪が成立し、本肢は正しい。
乙が盗品のドレス10着を,窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を,それぞれ丙宅まで運搬したことにつき,乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから,乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。
解説
本肢は正しい。乙は、ドレスと指輪が窃盗の被害品であることを甲から告げられて認識した上で、これを丙宅まで運んでいるから、盗品等運搬罪(256条2項)の主体となる。同罪の保護法益は被害者の追求権であり、盗品の所在を移転させて正常な回復を困難にするとともに本犯を助長誘発する点に処罰根拠がある。次に、甲は本犯たる窃盗犯人であるから、自ら盗んだ財物を運搬しても、その行為は窃盗罪の評価に包摂される共罰的(不可罰的)事後行為として別罪を構成せず、256条の主体からは除かれる。そこで、乙が現実に運んだのは自車に積んだドレス10着のみであるのに、甲の運んだ指輪とドレス10着についてまで罪責を負うかが問題となる。もっとも、甲と乙は丙宅へ盗品を運ぶという意思を通じ、運搬すべき数量を分担したにすぎないから、乙は共謀に基づいて盗品全体の運搬に加功したと評価できる。判例も、本犯者と本犯者以外の者とが盗品を分担して運搬した事案において、本犯者以外の者には運搬にかかる盗品の全部について運搬罪が成立するとしている(最判昭和30年7月12日)。共同正犯(60条)は一部実行全部責任を認める以上、本犯者である甲が処罰されないことは乙の罪責に影響しない。したがって、乙にはドレス20着全部と指輪につき盗品等運搬罪が成立する。
丙がAを相手方として指輪の売却をあっせんしたことにつき,Aは窃盗の被害者であるが,丙には盗品等処分あっせん罪が成立する。
解説
本肢は正しい。丙は、指輪が甲のAに対する窃盗によって得られた財物であることを知りながら、これを預かった上でAへの売却を取り持ち、代金50万円で売却させている。盗品等有償処分あっせん罪(256条2項)の成否が問題となるが、ここでは処分の相手方が窃盗の被害者A自身である点が特殊である。被害者に売り渡すのであれば結局は物が被害者の手元に戻るのだから、追求権の侵害はなく同罪は成立しないのではないか、という疑問が生じうるからである。この点について判例は、盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるとして、256条2項にいう「有償の処分のあっせん」に当たるとした(最決平成14年7月1日)。本来無償で取り戻せるはずの自己の所有物を対価を払って買い戻させるのは正常な回復とはいえず、追求権は害されているし、盗品を換金する道を開く点で本犯助長性も否定できないという趣旨である。本事例でも、Aは母親の形見である指輪を50万円という高値で買い戻さされており、まさに正常な回復が妨げられている。よって丙には盗品等有償処分あっせん罪が成立し、本肢は正しい。
乙が本件不動産を譲り受けた行為には,盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
本肢は正しい。盗品等有償譲受け罪(256条2項)の客体である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、財産罪によって不法に領得された財物であって、被害者が法律上追求(回復請求)しうるものをいう。本罪の保護法益は、被害者の当該財物に対する追求権であると解されている(追求権説)。
本件不動産は、甲がAに対する詐欺罪(246条1項)によって領得したものであるから、「財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。詐欺による意思表示は取り消しうるものであり(民法96条1項)、Aは取消しにより本件不動産の返還を求めうる地位にあるから、追求権も存在する。そして、条文上、客体を動産に限る旨の文言はなく、不動産についても被害者の追求権を保護する必要性は動産と変わらないから、少なくとも「有償で譲り受け」る類型については不動産も客体に含まれると解するのが通説である(運搬・保管については事実上の移転・管理になじまない面があると指摘されるが、譲受けは登記の移転により観念しうる)。
本事例では、乙は、甲がAを欺いて相当安い価格で本件不動産を入手したことを知りながら、通常の取引価額より低額の3000万円で売買契約を締結し、自己への所有権移転登記を了しているから、盗品等であることの認識(故意)を備えて「有償で譲り受け」たといえる。よって、乙には盗品等有償譲受け罪が成立し、本肢は正しい。
乙が本件不動産を譲り受けた行為には,盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
本肢は正しい。盗品等有償譲受け罪(256条2項)の客体である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、財産罪によって不法に領得された財物であって、被害者が法律上追求(回復請求)しうるものをいう。本罪の保護法益は、被害者の当該財物に対する追求権であると解されている(追求権説)。
本件不動産は、甲がAに対する詐欺罪(246条1項)によって領得したものであるから、「財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。詐欺による意思表示は取り消しうるものであり(民法96条1項)、Aは取消しにより本件不動産の返還を求めうる地位にあるから、追求権も存在する。そして、条文上、客体を動産に限る旨の文言はなく、不動産についても被害者の追求権を保護する必要性は動産と変わらないから、少なくとも「有償で譲り受け」る類型については不動産も客体に含まれると解するのが通説である(運搬・保管については事実上の移転・管理になじまない面があると指摘されるが、譲受けは登記の移転により観念しうる)。
本事例では、乙は、甲がAを欺いて相当安い価格で本件不動産を入手したことを知りながら、通常の取引価額より低額の3000万円で売買契約を締結し、自己への所有権移転登記を了しているから、盗品等であることの認識(故意)を備えて「有償で譲り受け」たといえる。よって、乙には盗品等有償譲受け罪が成立し、本肢は正しい。
乙から15万円を受け取ったことについて,甲には,盗品等無償譲受け罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
乙から15万円を受け取ったことについて,甲には,盗品等無償譲受け罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
甲は,何者かがA社事務所から窃取した約束手形をA社に買い取らせる交渉を乙に依頼され,A社と買取りの条件を交渉したところ,同手形はA社に売却された。この場合,甲には盗品等処分あっせん罪が成立する。
解説
解説は準備中です。