第246条過去問 27
1人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
2前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
この条文の過去問 27問
①につき、甲は、公序良俗に反する無効な行為を原因として乙に債務を負担させているので、甲に詐欺罪は成立しない。
解説
本肢は誤り。甲は不正な細工をした花札で乙を負けさせ、乙に300万円の債務を負担させている。財物の交付ではなく債務負担という利益の移転であるから、成否が問題となるのは2項詐欺罪(刑法246条2項)である。本肢は、賭博債務は公序良俗に反して無効(民法90条)であり、法律上の権利が発生しない以上「財産上不法の利益」の移転もないと論じる。しかし判例は、いかさま賭博によって被害者に債務を負わせた事案について、その原因となる行為が私法上有効であるか無効であるかは詐欺罪の成立を左右しないとして、2項詐欺罪の成立を認めている(最決昭43.10.24)。詐欺罪が保護するのは私法上の債権そのものではなく、財産上の事実的な地位・利益だからである。欺罔行為によって債務負担の外形が作出され、被害者が事実上その支払を余儀なくされる立場に置かれれば、構成要件上「財産上不法の利益を得た」といえる。なお、甲の行為は勝敗の偶然性を欠くから甲について賭博罪(185条)は成立せず、詐欺罪のみが問題となる。よって甲には2項詐欺罪が成立し、詐欺罪が成立しないとする本肢は誤りである。
①につき、甲は、公序良俗に反する無効な行為を原因として乙に債務を負担させているので、甲に詐欺罪は成立しない。
解説
本肢は誤り。甲は不正な細工をした花札で乙を負けさせ、乙に300万円の債務を負担させている。財物の交付ではなく債務負担という利益の移転であるから、成否が問題となるのは2項詐欺罪(刑法246条2項)である。本肢は、賭博債務は公序良俗に反して無効(民法90条)であり、法律上の権利が発生しない以上「財産上不法の利益」の移転もないと論じる。しかし判例は、いかさま賭博によって被害者に債務を負わせた事案について、その原因となる行為が私法上有効であるか無効であるかは詐欺罪の成立を左右しないとして、2項詐欺罪の成立を認めている(最決昭43.10.24)。詐欺罪が保護するのは私法上の債権そのものではなく、財産上の事実的な地位・利益だからである。欺罔行為によって債務負担の外形が作出され、被害者が事実上その支払を余儀なくされる立場に置かれれば、構成要件上「財産上不法の利益を得た」といえる。なお、甲の行為は勝敗の偶然性を欠くから甲について賭博罪(185条)は成立せず、詐欺罪のみが問題となる。よって甲には2項詐欺罪が成立し、詐欺罪が成立しないとする本肢は誤りである。
甲は、当初より代金を支払う意思も能力もないのに、これらがあるように装って、民宿において朝食付きの宿泊利用を申し込み、同民宿に宿泊し、かつ、同民宿で朝食の提供を受けた。
この場合、甲に刑法第246条第1項の詐欺罪及び同条第2項の詐欺罪が成立し、両罪は併合罪となる。
解説
解説は準備中です。
甲は、当初より代金を支払う意思も能力もないのに、これらがあるように装って、民宿において朝食付きの宿泊利用を申し込み、同民宿に宿泊し、かつ、同民宿で朝食の提供を受けた。
この場合、甲に刑法第246条第1項の詐欺罪及び同条第2項の詐欺罪が成立し、両罪は併合罪となる。
解説
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甲は、行使の目的で1万円札を偽造し、Aが経営する商店において、事情を知らないAに対し、1万円の商品の購入を申し込み、その代金として偽造の1万円札をAに手渡して同商品の交付を受けた。この場合、甲には通貨偽造罪、偽造通貨行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。
解説
本肢は誤り。行使の目的で1万円札(日本銀行券)を偽造した点は通貨偽造罪(148条1項)に当たり、これを真正な通貨として事情を知らないAに交付した点は偽造通貨行使罪(148条2項)に当たる。この両罪は、手段と結果の関係に立つから牽連犯(54条1項後段)となる。問題は、偽造通貨を真貨と誤信させて商品の交付を受けた点につき、さらに詐欺罪(246条1項)が成立するかである。判例は、偽造通貨を行使して財物を交付させた場合、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収され、別個に犯罪を構成しないとしている(大判明治43年6月30日等)。その根拠としては、偽造通貨の行使は、通常、これを真貨と誤信させて相手方に受領させるという欺罔的態様を当然に伴うものであること、また、詐欺罪の成立を別に認めると、収得後知情行使等罪(152条)が額面価格の3倍以下の罰金又は科料という著しく軽い法定刑を定めた趣旨が没却されることが挙げられる。したがって、甲には通貨偽造罪と偽造通貨行使罪が成立して牽連犯となるにとどまり、詐欺罪を加えた三罪が牽連犯となるとする本肢は誤りである。
詐欺罪については積極的な欺罔行為を要するから、不作為による欺罔行為が認められることはない。
解説
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甲は、行使の目的で1万円札を偽造し、Aが経営する商店において、事情を知らないAに対し、1万円の商品の購入を申し込み、その代金として偽造の1万円札をAに手渡して同商品の交付を受けた。この場合、甲には通貨偽造罪、偽造通貨行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。
解説
本肢は誤り。行使の目的で1万円札(日本銀行券)を偽造した点は通貨偽造罪(148条1項)に当たり、これを真正な通貨として事情を知らないAに交付した点は偽造通貨行使罪(148条2項)に当たる。この両罪は、手段と結果の関係に立つから牽連犯(54条1項後段)となる。問題は、偽造通貨を真貨と誤信させて商品の交付を受けた点につき、さらに詐欺罪(246条1項)が成立するかである。判例は、偽造通貨を行使して財物を交付させた場合、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収され、別個に犯罪を構成しないとしている(大判明治43年6月30日等)。その根拠としては、偽造通貨の行使は、通常、これを真貨と誤信させて相手方に受領させるという欺罔的態様を当然に伴うものであること、また、詐欺罪の成立を別に認めると、収得後知情行使等罪(152条)が額面価格の3倍以下の罰金又は科料という著しく軽い法定刑を定めた趣旨が没却されることが挙げられる。したがって、甲には通貨偽造罪と偽造通貨行使罪が成立して牽連犯となるにとどまり、詐欺罪を加えた三罪が牽連犯となるとする本肢は誤りである。
乙がAからカードを奪った行為は、窃盗罪の実行に着手した後、Aに暴行を加えてこれを奪取したことになるから、乙に事後強盗既遂罪が成立する。
解説
本肢は誤り。乙に成立するのは事後強盗既遂罪(238条)ではなく、強盗既遂罪(236条1項)である。
まず実行の着手について。甲の計画は、うそによってAに封筒へカードを入れさせた上で、隙を見て別の封筒とすり替えて持ち去るというものであり、Aに交付・処分行為をさせることを予定していない。したがって詐欺罪(246条1項)の欺罔行為には当たらず、Aの意思に反する占有移転を内容とする窃盗罪(235条)として構成される。最決令和4年2月14日も、警察官を装ってキャッシュカードをすり替えて持ち去る計画の事案につき、うその電話をかけ被害者方に向かった段階で窃盗罪の実行の着手を認めている。本事例でも、遅くとも乙がAにカードを封筒に入れるよう求めた時点で窃盗の着手がある。
次に事後強盗罪との区別が問題となる。238条は、窃盗犯人が「財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために」暴行・脅迫を加える場合の規定であり、暴行・脅迫がなお未取得の財物を奪取する手段として向けられている場合には適用されない。本事例の乙は、逮捕を免れる目的と併せて「本件計画どおりにカードを手に入れるため」に高齢女性Aを手拳で多数回殴り、その反抗を抑圧してカードを奪取している。窃盗に着手した者が発覚後に改めて財物奪取の意思で反抗抑圧程度の暴行・脅迫に出た場合は、いわゆる居直り強盗として236条1項の強盗罪が成立するというのが判例・通説の理解である。乙は現に財物であるカードを取得しているから強盗既遂であり、先行する窃盗未遂は同一機会の強盗既遂に吸収される。
乙がAからカードを奪った行為は、窃盗罪の実行に着手した後、Aに暴行を加えてこれを奪取したことになるから、乙に事後強盗既遂罪が成立する。
解説
本肢は誤り。乙に成立するのは事後強盗既遂罪(238条)ではなく、強盗既遂罪(236条1項)である。
まず実行の着手について。甲の計画は、うそによってAに封筒へカードを入れさせた上で、隙を見て別の封筒とすり替えて持ち去るというものであり、Aに交付・処分行為をさせることを予定していない。したがって詐欺罪(246条1項)の欺罔行為には当たらず、Aの意思に反する占有移転を内容とする窃盗罪(235条)として構成される。最決令和4年2月14日も、警察官を装ってキャッシュカードをすり替えて持ち去る計画の事案につき、うその電話をかけ被害者方に向かった段階で窃盗罪の実行の着手を認めている。本事例でも、遅くとも乙がAにカードを封筒に入れるよう求めた時点で窃盗の着手がある。
次に事後強盗罪との区別が問題となる。238条は、窃盗犯人が「財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために」暴行・脅迫を加える場合の規定であり、暴行・脅迫がなお未取得の財物を奪取する手段として向けられている場合には適用されない。本事例の乙は、逮捕を免れる目的と併せて「本件計画どおりにカードを手に入れるため」に高齢女性Aを手拳で多数回殴り、その反抗を抑圧してカードを奪取している。窃盗に着手した者が発覚後に改めて財物奪取の意思で反抗抑圧程度の暴行・脅迫に出た場合は、いわゆる居直り強盗として236条1項の強盗罪が成立するというのが判例・通説の理解である。乙は現に財物であるカードを取得しているから強盗既遂であり、先行する窃盗未遂は同一機会の強盗既遂に吸収される。
虚偽告訴の罪で起訴された者が、人違いで告訴したと気付きながら、公判廷において、公然と虚偽の事実を摘示して被告訴人の名誉を毀損した場合、被告人としての防御権の行使に当たるから、名誉毀損罪が成立することはない。
解説
本肢は誤り。刑事被告人には防御権が保障されており、その正当な行使は刑法35条の正当行為として違法性が阻却され得る。しかし防御権の行使も無制限ではなく、その範囲を逸脱すれば正当化されない。最判昭和27年3月7日は、詐欺の告訴が人違いであったことに気付きながら、公判廷において真意に反して欺罔された旨の主張をし、公然と虚偽の事実を摘示して被告訴人の名誉を毀損した事案について、これは被告人としての防御権の範囲を逸脱した防御権の濫用と認めるべきであるとして、名誉毀損罪の成立を認めた原判決を正当とした。人違いであると分かっている以上、その主張は自己の防御に必要な範囲を超えており、専ら他人の社会的評価を害する虚偽事実の摘示にほかならないからである。したがって、公判廷における被告人の弁解という形をとっていても名誉毀損罪(230条)が成立し得るのであり、「成立することはない」と言い切る本肢は判例に反する。なお、当該事案は被告訴人が既に死亡していた事案であり、死者の名誉毀損(230条2項)として虚偽の事実の摘示が要件となる点も併せて押さえておきたい。
【判旨】は,被告人に詐欺未遂罪の共同正犯が成立するには,前記荷物の受領行為自体に未遂犯として処罰すべき法益侵害の危険性が必要であり,その危険性の有無は,一般人が認識可能であった事情及び被告人が特に認識した事情に基づいて判断すべきという立場に立った上で,一般人は,Aが「だまされたふり作戦」に協力している事実を認識することが可能であったとの評価を前提としている。
解説
解説は準備中です。
航空会社の空港係員に対し,内心では,外国への不法入国を企てている知人を搭乗させるつもりであるのに,自らが搭乗するとうそを言って,あらかじめ航空券を購入していた航空便について搭乗券の交付を求め,同係員から搭乗券の交付を受けた場合,当該搭乗券についての詐欺罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
甲は,偽造された1万円札を使って価格1万円の商品をだまし取ろうと考え,事情を知らない商店の店員Aに対し,同商品の購入を申し込み,代金として同1万円札を渡して,Aから同商品の交付を受けた。甲には,詐欺罪と偽造通貨行使罪が成立し,これらは観念的競合となる。
解説
解説は準備中です。
甲は,タクシーの売上金を奪おうと考えて,乗客を装ってタクシーに乗り込み,行き先を指定して人気のない場所に誘導した上,同所で,乗車料金を請求してきた運転手の首元に鋭利なガラス片を突き付けて売上金を渡すよう要求したが,同運転手から抵抗されて売上金を手に入れることができず,そのままその場から立ち去った。この場合,甲には強盗未遂罪のみが成立する。
解説
解説は準備中です。
Aは,Bに成り済まし,銀行の窓口行員Cに対し,B名義の口座の預金をA名義の口座に振込入金するよう依頼した。Cは,AをBと思い込み,コンピュータの端末を操作して,同銀行が業務用に使用している電子計算機にアクセスし,前記依頼のとおり振込入金の処理をした。Bに成り済まし,Cに振込入金の処理を行わせたAの行為について,電子計算機使用詐欺罪が成立する。
解説
本肢は誤り。電子計算機使用詐欺罪(246条の2)は、冒頭で「前条に規定するもののほか」と定めており、詐欺罪(246条)を補充する規定である(法条競合)。同罪は、機械は「人」ではなく欺かれ得ないため、人を介さずに電子計算機へ虚偽の情報又は不正な指令を与えて財産権の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作るなどして利益を得る行為が従来の詐欺罪では捕捉できなかったことに対処するために設けられたものであり、およそ人に対する欺罔を経て財産上の利益が移転した場合には、詐欺罪が成立し、同条の適用はない。本肢では、Aは銀行の窓口行員Cに対しBになりすまして振込入金を依頼している。判例は、財物・利益の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ったといえるかによって欺罔行為性を画しており(最決平成22年7月29日、最決平成26年4月7日等参照)、預金の払戻し・振替を扱う銀行にとって、依頼者が当該口座の名義人本人であるか否かは、処理に応ずるか否かの判断の基礎となる重要な事項である。したがって、Aの言動は欺罔行為に当たり、Cはこれにより錯誤に陥って振込入金という処分行為を行い、Aは自己名義口座に預金債権という財産上の利益を得ているから、2項詐欺罪(246条2項)が成立する。そうである以上、補充規定である電子計算機使用詐欺罪は成立しない。なお、Aが行員を介さずATMを操作して自ら振替処理をした場合には、人を欺いていないため電子計算機使用詐欺罪の成否が問題となる(他人のクレジットカード情報を冒用した事案につき最決平成18年2月14日参照)。
甲は,所持金がなかったことから代金を支払わずに食事をしようと考え,飲食店に行って料理を注文し,これを食べた後,代金を請求した店員に対し,財布を忘れたので自宅に取りに帰ると嘘を言ったが,店員にその嘘を見破られた。(詐欺罪)
解説
本肢は正しい。いわゆる無銭飲食の事案であり、( )内の詐欺罪は既遂となる(正解は1)。詐欺罪(246条1項)の欺罔行為とは、財物の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽る行為をいうところ、飲食店で料理を注文する行為は、その代金を支払う意思と能力があることを黙示的に表示するものである。したがって、当初から代金を支払う意思がないのにあえて注文する行為それ自体が、挙動による欺罔行為に当たる(最決昭30.7.7参照)。本肢の甲は、所持金がなく代金を支払う意思がないまま料理を注文しており、店員はこれを真実と誤信して料理を提供している。ここに欺罔行為→錯誤→処分行為→財物の占有移転という一連の因果経過がすべて認められるから、甲が料理の交付を受けてこれを食べた時点で、1項詐欺罪は既遂に達している。その後、代金を請求されて「財布を忘れたので自宅に取りに帰る」と嘘を述べ、これを店員に見破られている点は、すでに成立した既遂の後の事情にすぎず、既遂の成否を左右しない。なお、仮に注文時には支払意思があったという事案であれば、この嘘によって代金支払の猶予という財産上の利益を得たか否か(246条2項)が問題となり、見破られている以上2項詐欺は未遂にとどまるが、本肢は当初から支払意思がない場合であるから、1項詐欺の既遂で処理される。
甲は,タクシーの売上金を奪おうと考えて,乗客を装ってタクシーに乗り込み,行き先を指定して人気のない場所に誘導した上,同所で,乗車料金を請求してきた運転手の首元に鋭利なガラス片を突き付けて売上金を渡すよう要求したが,同運転手から抵抗されて売上金を手に入れることができず,そのままその場から立ち去った。この場合,甲には強盗未遂罪のみが成立する。
解説
解説は準備中です。
甲は,Xに対し,Xの孫を装って電話をかけ,「おじいちゃん。金がなくて困っているので,今から言う俺の口座に100万円を送金して。」と言って現金をだまし取ろうとしたが,その声が孫の声と違うことに気付いたXは,甲から指定された口座に送金しなかった。甲には詐欺未遂罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
不真正不作為犯は,殺人罪や放火罪については成立するが,財産犯については成立しない。
解説
本肢は誤り。不真正不作為犯は、作為義務(保障人的地位)、作為可能性・容易性、そして作為による構成要件実現との同価値性が認められる限り、罪名を問わず成立しうる。生命・身体に対する罪や公共危険罪に限られる理由はなく、財産犯についても成立する。
前段は正しい。殺人罪については最決平成17年7月4日(シャクティ治療事件)が、必要な医療措置を受けさせずに被害者を死亡させた行為に不作為による殺人罪(199条)を認め、放火罪については最判昭和33年9月9日が、自己の過失により生じた火につき必要かつ容易な消火措置をとらなかった不作為に現住建造物等放火罪(108条)を認めている。
しかし後段が誤りである。判例は財産犯についても不作為による実現を認めている。最決平成15年3月12日は、自己の預金口座に誤った振込みがあったことを知った者が、その事情を秘して銀行の窓口で払戻しを請求した事案において、銀行にとって誤振込みの有無は組戻し等の措置をとるために重要な事柄であるから、受取人には信義則上これを告知すべき義務があるとし、これを告げないまま払戻しを受けた行為に詐欺罪(246条1項。現行法の法定刑は10年以下の拘禁刑)の成立を認めた。古くは大判大正7年7月17日も、準禁治産者(現行法の被保佐人に相当)であることを秘して財物の交付を受けた事案につき、欺罔手段は必ずしも積極的行為に限られず、告知義務ある者が故意に黙秘することも欺罔にあたるとしている。
したがって、財産犯について成立しないとする本肢は誤りである。
甲は,Xに対し,Xの孫を装って電話をかけ,「おじいちゃん。金がなくて困っているので,今から言う俺の口座に100万円を送金して。」と言って現金をだまし取ろうとしたが,その声が孫の声と違うことに気付いたXは,甲から指定された口座に送金しなかった。甲には詐欺未遂罪が成立する。
解説
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甲は,消費者金融会社の無人契約機を使い,同無人契約機とオンラインで結ばれているオンラインセンターにいたオペレーター乙に対し,Xに成り済まして会員契約を締結した上,同無人契約機を操作して金銭の借入れを申し込み,甲をXと誤信した乙に同社の電子計算機を操作させ,同社名義の預金口座から甲の管理するX名義の預金口座に50万円を振り込ませた。
解説
解説は準備中です。
乙が本件不動産を譲り受けた行為には,盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
本肢は正しい。盗品等有償譲受け罪(256条2項)の客体である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、財産罪によって不法に領得された財物であって、被害者が法律上追求(回復請求)しうるものをいう。本罪の保護法益は、被害者の当該財物に対する追求権であると解されている(追求権説)。
本件不動産は、甲がAに対する詐欺罪(246条1項)によって領得したものであるから、「財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。詐欺による意思表示は取り消しうるものであり(民法96条1項)、Aは取消しにより本件不動産の返還を求めうる地位にあるから、追求権も存在する。そして、条文上、客体を動産に限る旨の文言はなく、不動産についても被害者の追求権を保護する必要性は動産と変わらないから、少なくとも「有償で譲り受け」る類型については不動産も客体に含まれると解するのが通説である(運搬・保管については事実上の移転・管理になじまない面があると指摘されるが、譲受けは登記の移転により観念しうる)。
本事例では、乙は、甲がAを欺いて相当安い価格で本件不動産を入手したことを知りながら、通常の取引価額より低額の3000万円で売買契約を締結し、自己への所有権移転登記を了しているから、盗品等であることの認識(故意)を備えて「有償で譲り受け」たといえる。よって、乙には盗品等有償譲受け罪が成立し、本肢は正しい。
乙が本件不動産を譲り受けた行為には,盗品等有償譲受け罪が成立する。
解説
本肢は正しい。盗品等有償譲受け罪(256条2項)の客体である「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とは、財産罪によって不法に領得された財物であって、被害者が法律上追求(回復請求)しうるものをいう。本罪の保護法益は、被害者の当該財物に対する追求権であると解されている(追求権説)。
本件不動産は、甲がAに対する詐欺罪(246条1項)によって領得したものであるから、「財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。詐欺による意思表示は取り消しうるものであり(民法96条1項)、Aは取消しにより本件不動産の返還を求めうる地位にあるから、追求権も存在する。そして、条文上、客体を動産に限る旨の文言はなく、不動産についても被害者の追求権を保護する必要性は動産と変わらないから、少なくとも「有償で譲り受け」る類型については不動産も客体に含まれると解するのが通説である(運搬・保管については事実上の移転・管理になじまない面があると指摘されるが、譲受けは登記の移転により観念しうる)。
本事例では、乙は、甲がAを欺いて相当安い価格で本件不動産を入手したことを知りながら、通常の取引価額より低額の3000万円で売買契約を締結し、自己への所有権移転登記を了しているから、盗品等であることの認識(故意)を備えて「有償で譲り受け」たといえる。よって、乙には盗品等有償譲受け罪が成立し、本肢は正しい。
家賃を支払う意思も能力もないのに,これがあるように装って大家をだましてアパートの一室を借り受けた場合,刑法第246条第1項の詐欺罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
知慮浅薄な未成年者を欺罔して錯誤に陥らせ,これにより未成年者から財物の交付を受けた場合,刑法第248条の準詐欺罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
甲は,飲食店において,代金を支払う意思及び能力がないのに,店長乙をだまして酒食を注文し,飲食した後,代金の支払いを免れるために,乙に対し,反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加え,その反抗を抑圧して逃走し,代金請求を免れた。甲には強盗既遂罪が成立する。
解説
解説は準備中です。
詐欺罪
解説
本肢は正しい。詐欺罪(246条1項)は、財物交付の判断の基礎となる重要な事項を偽る欺罔行為があり、相手方がこれにより錯誤に陥って財物を交付することで成立する。最高裁平成14年10月21日決定は、他人になりすまして銀行に口座開設を申し込み、通帳の交付を受けた事案につき、預金通帳は預金債権そのものとは別に、それ自体として経済的価値を有する財物であるとして1項詐欺罪の成立を認めている。本問において甲は、貼り替え加工された免許証と虚偽の記載をした申込書を示してA本人であるかのように装っており、窓口係丙は記載内容が虚偽であると知っていれば口座を開設しなかったというのであるから、甲の行為は交付の判断の基礎となる重要事項を偽るものとして欺罔行為にあたる。丙はこれにより甲がAであると誤信し、その錯誤に基づいて即日窓口で預金通帳を交付し、キャッシュカードについてもBの住所宛てに郵送しているから、いずれについても錯誤に基づく処分行為と占有移転が認められる。通帳もキャッシュカードも財物性を有する。甲は乙との共謀に基づいて実行しているから、詐欺罪の共同正犯(60条、246条1項)が成立する。よって本肢の罪名は成立する。