1手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。
2手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「手形訴訟によらなければならない」の部分である。手形訴訟は原告が選択して求めることができる手続であり、通常訴訟によることもできる(350条1項)。
350条1項は、手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができると定め、同条2項は、その申述は訴状に記載してしなければならないとする。手形訴訟は、反訴の禁止(351条)や証拠調べの制限(352条)によって審理を簡略にし、手形債権を迅速に実現させるための特別の手続であるが、その代わりに原告自身も証人尋問などの立証手段を使えなくなるという制約を受ける。そこで、手形訴訟を利用するかどうかを原告の選択に委ね、原告が訴状でその旨を申述した場合に限って手形訴訟で審理することにしたのである。原告は、手形による請求であっても通常訴訟を提起することができ、手形訴訟を選んだ後でも通常の手続に移行させることができる(353条1項)。肢は、手形訴訟の利用を強制している点で誤っている。

手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。/手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。
| 手形訴訟 | 少額訴訟 | 支払督促 | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 手形による金銭の支払と附帯する法定利率の損害賠償(350条1項) | 簡裁の訴額60万円以下の金銭の支払(368条1項) | 金銭その他の代替物・有価証券の一定数量の給付(382条) |
| 利用 | 原告の選択。訴状に申述を記載(350条2項) | 原告の選択。訴え提起の際に申述(368条2項) | 債権者の申立て。裁判所書記官が発する |
| 通常の手続への移行 | 原告が口頭弁論終結まで被告の承諾なしに申述(353条1項) | 被告が最初の口頭弁論期日で弁論するまで申述(373条1項) | 督促異議で訴え提起とみなす(395条) |
| 判決等への不服 | 控訴できず異議(356条・357条) | 控訴できず異議(377条・378条) | 督促異議(386条2項) |

