1次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。当事者の死亡相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者当事者である法人の合併による消滅合併によって設立された法人又は合併後存続する法人当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了当該イからハまでに定める者当事者である受託者新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人当事者である信託管理人受益者又は新たな信託管理人一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失同一の資格を有する者選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失選定者の全員又は新たな選定当事者
1 当事者の死亡相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者
2 当事者である法人の合併による消滅合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
3 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
4 次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了当該イからハまでに定める者当事者である受託者新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人当事者である信託管理人受益者又は新たな信託管理人
ア 当事者である受託者新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人
ィ 当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人
イ 当事者である信託管理人受益者又は新たな信託管理人
5 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失同一の資格を有する者
6 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失選定者の全員又は新たな選定当事者
2前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
3第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
4第一項第二号の規定は、合併をもって相手方に対抗することができない場合には、適用しない。
5第一項第三号の法定代理人が保佐人又は補助人である場合にあっては、同号の規定は、次に掲げるときには、適用しない。被保佐人又は被補助人が訴訟行為をすることについて保佐人又は補助人の同意を得ることを要しないとき。被保佐人又は被補助人が前号に規定する同意を得ることを要する場合において、その同意を得ているとき。
1 被保佐人又は被補助人が訴訟行為をすることについて保佐人又は補助人の同意を得ることを要しないとき。
2 被保佐人又は被補助人が前号に規定する同意を得ることを要する場合において、その同意を得ているとき。
この条文の過去問 45問
誤り。違うのは「選定者の全員が死亡したときは、訴訟手続は中断する」の部分である。
124条1項6号は、選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失を中断事由とし、選定者の全員又は新たな選定当事者が訴訟手続を受け継ぐと定める。中断事由とされているのは、訴訟を追行する選定当事者がいなくなることであり、選定した側である選定者の死亡は挙げられていない。選定当事者は、共同の利益を有する多数の者の中から選ばれて自ら当事者となり、自分の名で訴訟を追行する者である(30条)。選定者が死亡しても、選定当事者が残っていれば訴訟を追行する者は欠けないので、手続を止める必要はない。選定者の地位に変動があっても、選定当事者の資格には影響しないと解されている。選定した者と選定された者は別の者であるから(30条4項参照)、選定者全員の死亡は選定当事者全員の死亡を意味せず、訴訟手続は中断しない。肢は選定者と選定当事者を取り違えている。

選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失 選定者の全員又は新たな選定当事者
正しい。判例は、代表権の消滅が公知の事実であるときは、相手方への通知がなくても消滅の効力が直ちに生じるとした(最判平19.3.27)。
法人の代表者には法定代理の規定が準用される(37条)。法定代理人の代理権の消滅は中断事由であるが(124条1項3号)、法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければその効力を生じないとされているので(36条1項)、代表権が消滅しても、通知があるまでは中断の効力も生じないのが原則である。通知を要求するのは、相手方が知らないうちに代理権が消えて手続が混乱するのを防ぐためである。しかし判例は、代表権の消滅が公知の事実である場合には、通知があったのと同じに扱い、代表権の消滅は直ちに効力を生じるとした(最判平19.3.27)。誰もが知っている事実であれば、通知で知らせる必要がないからである。そのため肢の場合は、代表権が消滅した時点で訴訟手続が中断する。なお、公知でない場合は、相手方が消滅を知っていても通知が必要である。

法定代理権の消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ、その効力を生じない。
正しい。129条は、当事者が受継の申立てをしなくても、裁判所は職権で訴訟手続の続行を命ずることができると定めている。
124条1項後段は、中断事由があるときは、各号に定める者は訴訟手続を受け継がなければならないと定め、126条は、受継の申立ては相手方もすることができるとする。さらに129条は、当事者が訴訟手続の受継の申立てをしない場合においても、裁判所は、職権で、訴訟手続の続行を命ずることができると定める。中断した訴訟をいつまでも放っておくと、事件が解決しないまま残り、訴訟経済にも反する。受け継ぐべき者が申立てをしないときに、相手方の申立てを待つだけでなく、裁判所が自ら手続を動かせるようにしたのである。続行命令があれば、訴訟手続は受け継ぐべき者との間で進行を再開する。肢は129条のとおりである。

当事者が訴訟手続の受継の申立てをしない場合においても、裁判所は、職権で、訴訟手続の続行を命ずることができる。
正しい。選定当事者の全員の死亡は中断事由であり、訴訟代理人がいなければ訴訟手続は中断する(124条1項6号・2項)。
124条1項6号は、選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失を訴訟手続の中断事由とし、選定者の全員又は新たな選定当事者が受け継ぐと定める。選定当事者が複数いれば、一部の者が死亡しても他の選定当事者が全員のために訴訟行為をすることができるので(30条5項)、中断は生じない。肢では他に選定当事者がいないので、選定当事者の死亡は選定当事者全員の死亡に当たる。訴訟を追行する者がいなくなる以上、選定者が新たな選定当事者を選ぶか自ら受け継ぐまで手続を止めて、選定者の手続上の利益を守る必要がある。ただし、訴訟代理人がある間は中断しない(124条2項)。訴訟代理人が引き続き訴訟を追行できるからである。肢は訴訟代理人がいない場合なので、訴訟手続は中断する。

選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失 選定者の全員又は新たな選定当事者
- 共同の利益を有する多数の者は、その中から全員のために当事者となる者を選定できる(30条1項)。訴訟係属後に選定すると、他の当事者は当然に脱退する(同条2項)
- 当事者でない者も係属中の当事者を自己のために選定でき(30条3項)、原告側なら選定当事者がその選定者のために請求を追加できる(144条1項)
- 選定当事者は当事者なので特別の委任なしに和解もでき、権限を制限した選定は制限部分が無効(最判昭43.8.27)
- 選定の取消し・変更は相手方に通知しなければ効力を生じない(36条2項)
- 選定当事者の一部が資格を失っても他の者が全員のために訴訟を続け(30条5項)、全員が資格を失えば中断する(124条1項6号)
正しい。入会権確認の訴えは固有必要的共同訴訟であり、一人の死亡による中断は、訴訟代理人がいない限り全員について効力を生じる(124条1項1号・40条3項)。
判例は、入会権は権利者である一定の部落民に総有的に帰属するものであるから、入会権の確認を求める訴えは、権利者全員が共同してのみ提起しうる固有必要的共同訴訟であるとした(最判昭41.11.25)。当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であり(124条1項1号)、訴訟代理人がいる間は中断しない(同条2項)。そして40条3項は、合一にのみ確定すべき場合に共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断の原因があるときは、その中断は全員について効力を生ずると定める。一人だけを除いて手続を進めると、死亡した者の承継人に手続に関わる機会を与えないまま全員についての結論が決まってしまい、合一確定もできなくなるからである。そのため、共同原告の一人が死亡すれば、訴訟代理人がいるときを除き、共同訴訟人全員について訴訟手続が中断する。肢は正しい。

第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
| 規定 | 内容 | 肢の例 |
|---|---|---|
| 40条1項 | 一人の訴訟行為は全員の利益においてのみ効力を生じる | 共同原告の一人の訴えの取下げは効力を生じない |
| 40条2項 | 一人に対する相手方の訴訟行為は全員に効力を生じる | 一人が出頭していれば準備書面にない事実も主張できる |
| 40条3項 | 一人に中断・中止の原因があれば全員について効力を生じる | 一人の死亡で全員について中断する |
誤り。違うのは「相続人はその訴訟の原告たる地位を承継せず,その訴訟は当然に終了する」の部分である。相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するので、提起された訴訟の原告たる地位も承継し、訴訟手続を受け継ぐ(最大判昭45.7.15)。
株主総会の決議の取消しの訴えは、株主等が決議の日から3か月以内に提起することができる(会社法831条1項)。訴訟の係属中に原告の株主が死亡すると、その株式は相続の対象になり、相続人は被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法896条本文)。判例は、社員が会社の解散請求や社員総会の決議取消しの訴えを提起した後にその持分を譲渡した場合には、譲受人は社員の地位に伴う請求権は取得するが譲渡人の訴訟上の原告たる地位までは承継しないとする一方、相続の場合には、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、持分の取得により社員の地位に伴う諸権利はもとより、被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになるとした(最大判昭45.7.15)。持分会社の事案であるが、株式会社の株主が提起した決議取消しの訴えでも同じに解される。手続の上でも、当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であり、相続人が受け継ぐ(民事訴訟法124条1項1号)。相続人は原告たる地位を承継し、訴訟が当然に終了することは無いので、本肢は誤りである。

社員が右のような訴を提起したのちその持分を譲渡した場合には、譲受人は会社解散請求権、社員総会決議取消請求権および同無効確認請求権のごときは取得するけれども、譲渡人の訴訟上における原告たる地位までも承継するものとはいえない。これに反して、相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、持分の取得により社員たる地位にともなう前記のごとき諸権利はもとより、被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐこととなる
| 原因 | 原告たる地位 | 訴訟の帰すう |
|---|---|---|
| 持分・株式の譲渡(特定承継) | 譲受人は承継しない | 譲渡人は原告適格を失う |
| 相続(包括承継) | 相続人が承継する | 訴訟手続は中断し、相続人が受け継ぐ(民事訴訟法124条1項1号) |
正しい。当事者の死亡で訴訟手続は中断するが訴訟代理人がある間は中断せず(124条1項1号・2項)、通常共同訴訟では一人について生じた中断は他の共同訴訟人に影響しない(39条)。
124条1項1号は、当事者が死亡したときは訴訟手続は中断し、相続人などがこれを受け継がなければならないと定め、同条2項は、訴訟代理人がある間はこの規定を適用しないと定める。訴訟代理人の代理権は当事者の死亡によって消滅せず(58条1項1号)、承継人のために訴訟を続けられるから、手続を止める必要がないのである。主債務者と保証人を共同被告とする訴訟は、合一に確定する必要のない通常共同訴訟であり、39条は、共同訴訟人の一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさないと定める。そのため、主債務者が死亡して主債務者についての手続が中断しても、保証人についての手続は中断せず、保証人に訴訟代理人があるかどうかも関係がない。必要的共同訴訟であれば一人の中断が全員に及ぶ(40条3項)点と対比される。肢は正しい。

前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
- 影響しないもの(39条):訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、和解、自白、事実の主張、上訴、中断の事由
- 主張共通:認められない。一人の主張は他の共同訴訟人の主張にならない(最判昭43.9.12)
- 証拠共通:認められる。一人が出した証拠は他の共同訴訟人との関係でも認定資料になる(最判昭45.1.23)
- 補助したいとき:補助参加の申出が要り、当然の補助参加は認められない
誤り。違うのは「訴訟手続は中断しない」の部分である。当事者の死亡は口頭弁論終結後であっても中断事由であり(124条1項1号)、判決の言渡しは中断中でもできる(132条1項)にとどまる。
124条1項1号は、当事者が死亡したときは訴訟手続は中断し、相続人などが受け継がなければならないと定め、同条2項は、訴訟代理人がある間はこの限りでないとする。本問では訴訟代理人が選任されていないから、被告の死亡によって訴訟手続は中断する。口頭弁論の終結後であっても同じである。132条1項は、判決の言渡しは訴訟手続の中断中であってもすることができると定めるが、これは中断が生じないという意味ではなく、口頭弁論終結後に中断事由が生じうることを前提に、当事者の関与を要しない判決の言渡しだけは例外的に許したものである。中断の効果として、上訴期間は進行を停止し、受継の通知又は訴訟手続の続行の時から新たに全期間が進行する(同条2項)。相続人が上訴するかどうかを考える機会を確保するためである。肢は中断の発生そのものを否定している点で誤っている。

判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であっても、することができる。/訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。
- 当事者の死亡(1号):相続人などが受け継ぐ。訴訟代理人がある間は中断しない(2項)
- 口頭弁論終結後の死亡:中断するが、判決の言渡しは中断中でもできる(132条1項)
- 一身専属権が訴訟物:承継する者がいないので中断せず訴訟は終了する
- 独立当事者参加・必要的共同訴訟:一人の中断が全員に及ぶ(47条4項・40条3項)
- 訴訟担当の被担当者の死亡:当事者の死亡ではないので中断しない
- 訴訟代理人の死亡:中断事由ではない
正しい。独立当事者参加には40条3項が準用されるから、参加人の死亡による中断は訴訟の全体に及ぶ(47条4項・124条1項1号)。
独立当事者参加は、参加人と従前の原告・被告の三者間の紛争を一つの判決で矛盾なく解決するための制度であり、47条4項は必要的共同訴訟に関する40条1項から3項までを準用している。40条3項は、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は全員についてその効力を生ずると定める。参加人は独立の当事者であるから、その死亡は124条1項1号の中断事由に当たり、本問では訴訟代理人も選任されていない。そして、その中断の効力は準用によって従前の原告・被告の間の手続にも及ぶ。参加人以外の当事者間の手続だけを進めると、参加人の相続人が関与できないまま審理が進み、三者間で判決を合一に確定させることができなくなるからである。通常共同訴訟であれば一人の中断は他の共同訴訟人に影響しない(39条)点と対比される。肢は正しい。

第四十条第一項から第三項までの規定は第一項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第四十三条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。/第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
- 当事者の死亡(1号):相続人などが受け継ぐ。訴訟代理人がある間は中断しない(2項)
- 口頭弁論終結後の死亡:中断するが、判決の言渡しは中断中でもできる(132条1項)
- 一身専属権が訴訟物:承継する者がいないので中断せず訴訟は終了する
- 独立当事者参加・必要的共同訴訟:一人の中断が全員に及ぶ(47条4項・40条3項)
- 訴訟担当の被担当者の死亡:当事者の死亡ではないので中断しない
- 訴訟代理人の死亡:中断事由ではない
正しい。債権者代位訴訟の当事者は代位債権者と第三債務者であり、債務者は当事者ではないから、債務者が死亡しても訴訟手続は中断しない。
124条1項1号の「当事者」は、その訴訟で自己の名で訴訟を追行する者をいい、訴訟担当の場合の被担当者、すなわち権利の帰属主体である本人は含まれないと解されている。債権者代位訴訟は、債権者が自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を自己の名で行使するもので(民法423条1項)、法定訴訟担当に当たり、当事者は原告である代位債権者と被告である第三債務者である。債務者は当事者ではないから、債務者が死亡しても当事者の死亡には当たらず、訴訟手続は中断しない。債務者の死亡によって代位債権者の当事者適格が失われるわけでもないから、一定の資格で他人のために当事者となった者の資格喪失(同項5号)にも当たらない。もっとも、代位訴訟の判決の効力は債務者に及ぶので(115条1項2号)、債権者は債務者に訴訟告知をしなければならないとされ(民法423条の6)、債務者側の手続保障はそこで図られている。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者/前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
- 当事者の死亡(1号):相続人などが受け継ぐ。訴訟代理人がある間は中断しない(2項)
- 口頭弁論終結後の死亡:中断するが、判決の言渡しは中断中でもできる(132条1項)
- 一身専属権が訴訟物:承継する者がいないので中断せず訴訟は終了する
- 独立当事者参加・必要的共同訴訟:一人の中断が全員に及ぶ(47条4項・40条3項)
- 訴訟担当の被担当者の死亡:当事者の死亡ではないので中断しない
- 訴訟代理人の死亡:中断事由ではない
誤り。違うのは「訴訟手続は中断する」の部分である。訴訟代理人の死亡は124条1項各号の中断事由に含まれていない。
124条1項が中断事由として挙げるのは、当事者の死亡、法人である当事者の合併による消滅、当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡・代理権の消滅、受託者の任務の終了、一定の資格で他人のために当事者となった者の資格喪失、選定当事者全員の資格喪失などであり、訴訟代理人の死亡は含まれていない。中断の制度は、訴訟を追行すべき者がいなくなり、当事者の側で手続に関与することができなくなる場合に手続を止めて保護を与えるものである。訴訟代理人が死亡しても、当事者本人は訴訟能力を持っているから、自ら訴訟を追行することも新たな訴訟代理人を選任することもでき、手続を止めてまで保護する必要はない。訴訟能力を欠く本人を代理する法定代理人の死亡が中断事由とされている(同項3号)のは、本人が自ら訴訟を追行できないからであり、この点で訴訟代理人とは異なる。肢は誤っている。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者/前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
- 当事者の死亡(1号):相続人などが受け継ぐ。訴訟代理人がある間は中断しない(2項)
- 口頭弁論終結後の死亡:中断するが、判決の言渡しは中断中でもできる(132条1項)
- 一身専属権が訴訟物:承継する者がいないので中断せず訴訟は終了する
- 独立当事者参加・必要的共同訴訟:一人の中断が全員に及ぶ(47条4項・40条3項)
- 訴訟担当の被担当者の死亡:当事者の死亡ではないので中断しない
- 訴訟代理人の死亡:中断事由ではない
誤り。違うのは「転借人に対する建物明渡請求訴訟も中断する」の部分である。通常共同訴訟では、共同訴訟人の一人について生じた中断事由は他の共同訴訟人に影響しない(39条)。
124条1項1号は、当事者の死亡によって訴訟手続は中断すると定め、同条2項は、訴訟代理人がある間は中断しないとする。本肢の賃借人は訴訟代理人によって代理されていないから、賃借人が死亡すれば、賃借人に対する建物明渡請求訴訟は中断し、相続人などが受け継ぐことになる。しかし、39条は、共同訴訟人の一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさないと定めており、通常共同訴訟では中断の事由も各共同訴訟人について別々に扱われる。賃借人に対する請求と転借人に対する請求は、それぞれ別個に判決をすることができ、合一確定が要求されない関係にあるから、賃借人の死亡による中断を転借人に対する訴訟にまで及ぼす理由はない。これに対し、必要的共同訴訟では一人について生じた中断の事由は全員に効力を生じる(40条3項)。本訴は必要的共同訴訟ではないから、転借人に対する建物明渡請求訴訟は中断しない。肢は誤っている。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
- 影響しないもの(39条):訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、和解、自白、事実の主張、上訴、中断の事由
- 弁論の分離:併合が強制されていないので、裁判所の裁量で分離して一部の共同訴訟人について判決できる(152条1項)
- 例外として及ぶもの:証拠調べの結果(共同訴訟人間の証拠共通)
- 補助したいとき:補助参加の申出が要り、当然の補助参加は認められない
正しい。被保佐人は訴訟無能力者ではなく、保佐開始の審判は124条1項3号の訴訟能力の喪失に当たらないから、訴訟手続は中断しない。
124条1項3号は、当事者の訴訟能力の喪失を訴訟手続の中断事由とする。訴訟能力を失った当事者は自ら訴訟行為をすることができなくなり、法定代理人が手続に関与できるようになるまで手続を止める必要があるからである。成年後見開始の審判を受けた場合などがこれに当たる。これに対し、31条が法定代理人によらなければ訴訟行為をすることができないとするのは未成年者と成年被後見人だけであり、被保佐人は、保佐人の同意を得れば自ら訴訟行為をすることができ、訴訟能力を全面的に失うわけではない。また、相手方の提起した訴えについての訴訟行為には同意も要らない(32条1項)。そのため、訴訟の係属中に当事者について保佐開始の審判がされても、訴訟能力の喪失には当たらず、訴訟手続は中断しない。当該審級では、被保佐人がそのまま訴訟行為を続けることができると解されている。肢は正しい。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。…三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
- 未成年者:法定代理人が代理する(31条本文)。営業を許された場合など独立して法律行為ができる場合は自らできる(31条ただし書、民法6条1項)
- 成年被後見人:法定代理人が代理する。日用品の購入など日常生活に関する行為の例外はない
- 被保佐人:保佐人の同意を得て自らする。訴訟無能力者ではないので、訴訟係属中の保佐開始は中断事由にならない
- 追認:訴訟能力を欠く者の訴訟行為は、能力を得た本人又は法定代理人の追認で行為の時にさかのぼって有効になる(34条2項)
誤り。違うのは「訴訟手続は中断する」の部分である。選定当事者の一部が死亡しても、他の選定当事者が全員のために訴訟行為をすることができるので、訴訟手続は中断しない(30条5項)。
30条5項は、選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができると定める。他方、124条1項6号は、選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失を中断事由とし、選定者の全員又は新たな選定当事者が受け継ぐとする。数人の選定当事者は選定者全員のための訴訟追行権を共同で持ち、その訴訟は合一に確定されるべきものであるから、一部の者が欠けても、残る選定当事者が全員の訴訟追行権を引き継いで手続を続けることができる。手続を止めて新たな追行者を待つ必要があるのは、追行する者が一人もいなくなった場合に限られる。また、選定当事者の地位は選定者の信頼に基づく一身専属的なものであり、死亡した選定当事者の相続人がその地位を受け継ぐこともない。肢は全員の死亡の場合の規律を一部の死亡に当てはめている。

選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。
- 要件:共同の利益を有する多数の者で、法人でない社団等に当たらないこと(30条1項)。同一の原因に基づき主要な攻撃防御方法が共通であることを要する(最判昭33.4.17)
- 時期:訴訟の係属前でも後でもできる。係属後の選定で選定者は当然に脱退する(30条2項)
- 権限:和解・取下げ・放棄認諾も特別の授権なしにでき、選定で権限を制限しても制限部分は無効である(最判昭43.8.27)
- 取消し・変更:いつでもできるが、相手方への通知で効力を生ずる(30条4項・36条2項)
- 資格喪失:一部の喪失では残りの選定当事者が全員のために追行し(30条5項)、全員の喪失で中断する(124条1項6号)
- 判決効:選定者に及ぶ(115条1項2号)
正しい。被保佐人は訴訟無能力者ではなく、保佐開始の審判は124条1項3号の訴訟能力の喪失に当たらないから、訴訟手続は中断しない。
124条1項3号は、当事者の訴訟能力の喪失を訴訟手続の中断事由とする。訴訟能力を失った当事者は自ら訴訟行為をすることができなくなり、法定代理人が手続に関与できるようになるまで手続を止める必要があるからである。成年後見開始の審判を受けた場合などがこれに当たる。これに対し、31条が法定代理人によらなければ訴訟行為をすることができないとするのは未成年者と成年被後見人だけであり、被保佐人は、保佐人の同意を得れば自ら訴訟行為をすることができ、訴訟能力を全面的に失うわけではない。また、相手方の提起した訴えについての訴訟行為には同意も要らない(32条1項)。そのため、訴訟の係属中に当事者について保佐開始の審判がされても、訴訟能力の喪失には当たらず、訴訟手続は中断しない。当該審級では、被保佐人がそのまま訴訟行為を続けることができると解されている。肢は正しい。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。…三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
- 未成年者:法定代理人が代理する(31条本文)。営業を許された場合など独立して法律行為ができる場合は自らできる(31条ただし書、民法6条1項)
- 成年被後見人:法定代理人が代理する。日用品の購入など日常生活に関する行為の例外はない
- 被保佐人:保佐人の同意を得て自らする。訴訟無能力者ではないので、訴訟係属中の保佐開始は中断事由にならない
- 追認:訴訟能力を欠く者の訴訟行為は、能力を得た本人又は法定代理人の追認で行為の時にさかのぼって有効になる(34条2項)
正しい。訴訟係属中に当事者が死亡すると、相続人が法律上当然に当事者の地位を承継し(当然承継)、相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされるので承継しない。
当然承継を正面から定めた条文はないが、124条1項1号は、当事者の死亡を訴訟手続の中断事由とし、相続人等が訴訟手続を受け継がなければならないと定めており、相続という包括承継によって当事者の地位が法律上当然に相続人へ移ることを前提にしている。訴訟物である貸金債権や債務は相続によって相続人に帰属するから、訴訟上の地位も相続人が引き継ぐのが合理的だからである。もっとも、相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされる(民法939条)から、当事者とはならない。そのため、124条3項は、相続人は相続の放棄をすることができる間は訴訟手続を受け継ぐことができないと定めている。したがって、当事者が死亡したときは、相続人は相続の放棄をしない限り当事者となる。なお、訴訟代理人がある間は中断しない(同条2項)が、承継が生じることに変わりはない。肢は正しい。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者/第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
| 原因 | 入り方 | 前主 | |
|---|---|---|---|
| 当然承継 | 相続・合併などの包括承継 | 法律上当然に当事者が交替する(124条1項の中断・受継が前提とする) | 当事者でなくなる |
| 参加承継(49条・51条前段) | 係争物の譲渡などの特定承継 | 承継人が47条1項の独立当事者参加の形で自ら参加する。義務ではない | 相手方の承諾を得て脱退できる(48条) |
| 引受承継(50条・51条後段) | 係争物の譲渡などの特定承継 | 当事者の申立てにより裁判所が決定で引き受けさせる | 相手方の承諾を得て脱退できる(50条3項・48条) |
誤り。「当事者である破産管財人が解任された場合」は、職務上の当事者の資格喪失として訴訟手続が中断する(124条1項5号)。設問の「中断しない場合」には当たらない。
124条1項5号は、一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失を中断事由とし、同一の資格を有する者が訴訟手続を受け継がなければならないと定める。破産管財人は、破産財団の管理処分権に基づいて、破産者に代わり自己の名で破産財団に関する訴訟の当事者となる者であり、この職務上の当事者に当たる。破産管財人が解任されると、その者は管理処分権を失い、当事者として訴訟を追行する資格を失うから、同号の資格の喪失に当たる。当事者本人が訴訟から抜けた状態で手続を進めれば、新たな破産管財人が関与する機会を失うので、手続を止めて受継を待つのである。本問は訴訟代理人がない前提であり、124条2項の例外も働かない。したがって訴訟手続は中断し、中断しない場合には当たらない。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失 同一の資格を有する者
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
正しい。支配人は法令上の訴訟代理人であり、訴訟代理人の代理権の消滅は124条1項の中断事由に掲げられていないので、支配人が辞任しても訴訟手続は中断しない。
支配人は、事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有し(会社法11条1項、商法21条1項)、54条1項本文の法令により裁判上の行為をすることができる代理人、すなわち法令上の訴訟代理人として本人のために訴訟を追行する。支配人は当事者本人の訴訟代理人であって、法定代理人でも職務上の当事者でもない。124条1項は中断事由を限定して列挙しているが、訴訟代理人の代理権の消滅はそこに含まれていない。訴訟代理人がいなくなっても、当事者本人(会社であれば代表者)が自ら訴訟を追行できるから、手続を止めてまで保護する必要がないのである。むしろ同条2項は、訴訟代理人がある間は中断しないとしている。したがって、支配人が辞任して代理権が消滅しても訴訟手続は中断せず、中断しない場合に当たる。肢は正しい。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
誤り。「当該代表者が辞任したとき」は、37条で準用される124条1項3号の代理権の消滅として訴訟手続が中断する。設問の「中断しない場合」には当たらない。
法人でない社団で代表者の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができ(29条)、代表者が社団のために訴訟を追行する。37条は、法定代理及び法定代理人に関する規定を、法人の代表者のほか、29条の社団・財団の代表者又は管理人に準用している。そのため、124条1項3号の法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅も、社団の代表者の代表権の消滅に準用される。社団は代表者を通じてしか訴訟行為をすることができないから、代表者が辞任して代表権が消滅すると、社団の側で訴訟を追行する者がいなくなる。そこで、新たな代表者が受け継ぐまで手続を止め、社団が攻撃防御の機会を失わないようにしたのである。なお、代表権の消滅は相手方に通知しなければ効力を生じない(36条1項・37条)。代表者の辞任により訴訟手続は中断するので、中断しない場合には当たらない。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
誤り。「当該特別代理人が改任されたとき」は、従前の特別代理人の代理権が消滅するので、124条1項3号により訴訟手続が中断する。設問の「中断しない場合」には当たらない。
特別代理人は、法定代理人がない場合などに、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者の申立てにより、受訴裁判所の裁判長が選任する者であり(35条1項)、その訴訟限りで法定代理人と同じ立場に立って本人のために訴訟を追行する。同条2項は、裁判所はいつでも特別代理人を改任することができると定め、改任されると従前の特別代理人の代理権は消滅する。124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を中断事由とし、法定代理人に当たる特別代理人の代理権の消滅もこれに含まれる。本人は自ら訴訟行為をすることができないから、代理権の消滅により本人の側で訴訟を追行する者が欠ける以上、新たな特別代理人が受け継ぐまで手続を止めるのである。訴訟手続は中断するので、中断しない場合には当たらない。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
正しい。訴訟係属中に当事者が死亡すると、相続人が法律上当然に当事者の地位を承継し(当然承継)、相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされるので承継しない。
当然承継を正面から定めた条文はないが、124条1項1号は、当事者の死亡を訴訟手続の中断事由とし、相続人等が訴訟手続を受け継がなければならないと定めており、相続という包括承継によって当事者の地位が法律上当然に相続人へ移ることを前提にしている。訴訟物である貸金債権や債務は相続によって相続人に帰属するから、訴訟上の地位も相続人が引き継ぐのが合理的だからである。もっとも、相続を放棄した者は初めから相続人とならなかったものとみなされる(民法939条)から、当事者とはならない。そのため、124条3項は、相続人は相続の放棄をすることができる間は訴訟手続を受け継ぐことができないと定めている。したがって、当事者が死亡したときは、相続人は相続の放棄をしない限り当事者となる。なお、訴訟代理人がある間は中断しない(同条2項)が、承継が生じることに変わりはない。肢は正しい。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者/第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
| 原因 | 入り方 | 前主 | |
|---|---|---|---|
| 当然承継 | 相続・合併などの包括承継 | 法律上当然に当事者が交替する(124条1項の中断・受継が前提とする) | 当事者でなくなる |
| 参加承継(49条・51条前段) | 係争物の譲渡などの特定承継 | 承継人が47条1項の独立当事者参加の形で自ら参加する。義務ではない | 相手方の承諾を得て脱退できる(48条) |
| 引受承継(50条・51条後段) | 係争物の譲渡などの特定承継 | 当事者の申立てにより裁判所が決定で引き受けさせる | 相手方の承諾を得て脱退できる(50条3項・48条) |
誤り。「当事者である破産管財人が解任された場合」は、職務上の当事者の資格喪失として訴訟手続が中断する(124条1項5号)。設問の「中断しない場合」には当たらない。
124条1項5号は、一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失を中断事由とし、同一の資格を有する者が訴訟手続を受け継がなければならないと定める。破産管財人は、破産財団の管理処分権に基づいて、破産者に代わり自己の名で破産財団に関する訴訟の当事者となる者であり、この職務上の当事者に当たる。破産管財人が解任されると、その者は管理処分権を失い、当事者として訴訟を追行する資格を失うから、同号の資格の喪失に当たる。当事者本人が訴訟から抜けた状態で手続を進めれば、新たな破産管財人が関与する機会を失うので、手続を止めて受継を待つのである。本問は訴訟代理人がない前提であり、124条2項の例外も働かない。したがって訴訟手続は中断し、中断しない場合には当たらない。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失 同一の資格を有する者
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
正しい。支配人は法令上の訴訟代理人であり、訴訟代理人の代理権の消滅は124条1項の中断事由に掲げられていないので、支配人が辞任しても訴訟手続は中断しない。
支配人は、事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有し(会社法11条1項、商法21条1項)、54条1項本文の法令により裁判上の行為をすることができる代理人、すなわち法令上の訴訟代理人として本人のために訴訟を追行する。支配人は当事者本人の訴訟代理人であって、法定代理人でも職務上の当事者でもない。124条1項は中断事由を限定して列挙しているが、訴訟代理人の代理権の消滅はそこに含まれていない。訴訟代理人がいなくなっても、当事者本人(会社であれば代表者)が自ら訴訟を追行できるから、手続を止めてまで保護する必要がないのである。むしろ同条2項は、訴訟代理人がある間は中断しないとしている。したがって、支配人が辞任して代理権が消滅しても訴訟手続は中断せず、中断しない場合に当たる。肢は正しい。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
誤り。「当該代表者が辞任したとき」は、37条で準用される124条1項3号の代理権の消滅として訴訟手続が中断する。設問の「中断しない場合」には当たらない。
法人でない社団で代表者の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができ(29条)、代表者が社団のために訴訟を追行する。37条は、法定代理及び法定代理人に関する規定を、法人の代表者のほか、29条の社団・財団の代表者又は管理人に準用している。そのため、124条1項3号の法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅も、社団の代表者の代表権の消滅に準用される。社団は代表者を通じてしか訴訟行為をすることができないから、代表者が辞任して代表権が消滅すると、社団の側で訴訟を追行する者がいなくなる。そこで、新たな代表者が受け継ぐまで手続を止め、社団が攻撃防御の機会を失わないようにしたのである。なお、代表権の消滅は相手方に通知しなければ効力を生じない(36条1項・37条)。代表者の辞任により訴訟手続は中断するので、中断しない場合には当たらない。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
誤り。「当該特別代理人が改任されたとき」は、従前の特別代理人の代理権が消滅するので、124条1項3号により訴訟手続が中断する。設問の「中断しない場合」には当たらない。
特別代理人は、法定代理人がない場合などに、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者の申立てにより、受訴裁判所の裁判長が選任する者であり(35条1項)、その訴訟限りで法定代理人と同じ立場に立って本人のために訴訟を追行する。同条2項は、裁判所はいつでも特別代理人を改任することができると定め、改任されると従前の特別代理人の代理権は消滅する。124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を中断事由とし、法定代理人に当たる特別代理人の代理権の消滅もこれに含まれる。本人は自ら訴訟行為をすることができないから、代理権の消滅により本人の側で訴訟を追行する者が欠ける以上、新たな特別代理人が受け継ぐまで手続を止めるのである。訴訟手続は中断するので、中断しない場合には当たらない。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 事由 | 中断 | 根拠 |
|---|---|---|
| 破産管財人など職務上の当事者の資格喪失(解任・死亡) | する | 124条1項5号 |
| 法定代理人・法人等の代表者・特別代理人の代理権の消滅(辞任・改任) | する | 124条1項3号・37条 |
| 支配人など訴訟代理人の代理権の消滅 | しない | 124条1項に掲げられていない |
| 選定当事者の一部の死亡 | しない | 30条5項(全員の資格喪失なら124条1項6号で中断) |
誤り。違うのは「受継がされるまで判決を言い渡すことができない」の部分である。訴訟手続は中断するが、132条1項は、判決の言渡しは訴訟手続の中断中であってもすることができると定めている。
当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であり(124条1項1号)、訴訟代理人がいなければ、被告が口頭弁論終結後に死亡した場合も訴訟手続は中断する(同条2項)。中断の趣旨は、訴訟を追行する者が欠けた当事者の側に、攻撃防御の機会を失わせないことにある。しかし132条1項は、判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であってもすることができると定める。口頭弁論が終結した後は、当事者が新たに主張や立証をする機会はもともとなく、判決の内容は終結までの審理で決まっているから、言渡しをしても当事者の攻撃防御の機会を奪うことにはならないからである。言い渡された判決に対する上訴期間は、中断中は進行せず、受継の後に進行を始める(同条2項)ので、承継人が上訴する機会も守られる。したがって、受継がされるまで判決を言い渡せないとする肢は誤りである。

判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であっても、することができる。/訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 一方が最初の口頭弁論期日に欠席 | 提出した訴状・答弁書等の陳述を擬制し、出頭した相手方に弁論させられる | 158条 |
| 双方が最初の期日に欠席 | 陳述擬制はできない(双方欠席として扱う) | 158条 |
| 双方が口頭弁論・弁論準備手続の期日に欠席 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ訴えの取下げ擬制。連続2回でも同じ | 263条 |
| 判決の言渡期日に双方欠席 | 言渡しはできる | 251条2項 |
| 当事者の死亡(訴訟代理人なし) | 中断し、期間は進行を停止する。判決の言渡しは中断中もできる | 124条1項1号・132条 |
正しい。原告が死亡すれば訴訟代理人がいない限り訴訟手続は中断し(124条1項1号・2項)、中断があったときは期間の進行が停止するので(132条2項)、控訴期間も進行を停止する。
控訴は、判決書(現在は電子判決書)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない(285条)。原告がその期間中に死亡すると、訴訟代理人がいない限り訴訟手続は中断する(124条1項1号・2項)。132条2項は、訴訟手続の中断又は中止があったときは期間は進行を停止し、受継の通知又は続行の時から新たに全期間の進行を始めると定める。当事者が死亡したまま控訴期間が進むと、相続人が訴訟の存在を知らないうちに期間が過ぎ、控訴の機会を失って判決が確定してしまうから、受継によって相続人が訴訟を追行できるようになるまで期間を止め、改めて全期間を与えることにしたのである。控訴期間もこの期間に当たるから、原告の死亡によって進行を停止する。肢は正しい。

訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 一方が最初の口頭弁論期日に欠席 | 提出した訴状・答弁書等の陳述を擬制し、出頭した相手方に弁論させられる | 158条 |
| 双方が最初の期日に欠席 | 陳述擬制はできない(双方欠席として扱う) | 158条 |
| 双方が口頭弁論・弁論準備手続の期日に欠席 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ訴えの取下げ擬制。連続2回でも同じ | 263条 |
| 判決の言渡期日に双方欠席 | 言渡しはできる | 251条2項 |
| 当事者の死亡(訴訟代理人なし) | 中断し、期間は進行を停止する。判決の言渡しは中断中もできる | 124条1項1号・132条 |
誤り。違うのは「受継がされるまで判決を言い渡すことができない」の部分である。訴訟手続は中断するが、132条1項は、判決の言渡しは訴訟手続の中断中であってもすることができると定めている。
当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であり(124条1項1号)、訴訟代理人がいなければ、被告が口頭弁論終結後に死亡した場合も訴訟手続は中断する(同条2項)。中断の趣旨は、訴訟を追行する者が欠けた当事者の側に、攻撃防御の機会を失わせないことにある。しかし132条1項は、判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であってもすることができると定める。口頭弁論が終結した後は、当事者が新たに主張や立証をする機会はもともとなく、判決の内容は終結までの審理で決まっているから、言渡しをしても当事者の攻撃防御の機会を奪うことにはならないからである。言い渡された判決に対する上訴期間は、中断中は進行せず、受継の後に進行を始める(同条2項)ので、承継人が上訴する機会も守られる。したがって、受継がされるまで判決を言い渡せないとする肢は誤りである。

判決の言渡しは、訴訟手続の中断中であっても、することができる。/訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 一方が最初の口頭弁論期日に欠席 | 提出した訴状・答弁書等の陳述を擬制し、出頭した相手方に弁論させられる | 158条 |
| 双方が最初の期日に欠席 | 陳述擬制はできない(双方欠席として扱う) | 158条 |
| 双方が口頭弁論・弁論準備手続の期日に欠席 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ訴えの取下げ擬制。連続2回でも同じ | 263条 |
| 判決の言渡期日に双方欠席 | 言渡しはできる | 251条2項 |
| 当事者の死亡(訴訟代理人なし) | 中断し、期間は進行を停止する。判決の言渡しは中断中もできる | 124条1項1号・132条 |
正しい。原告が死亡すれば訴訟代理人がいない限り訴訟手続は中断し(124条1項1号・2項)、中断があったときは期間の進行が停止するので(132条2項)、控訴期間も進行を停止する。
控訴は、判決書(現在は電子判決書)の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならない(285条)。原告がその期間中に死亡すると、訴訟代理人がいない限り訴訟手続は中断する(124条1項1号・2項)。132条2項は、訴訟手続の中断又は中止があったときは期間は進行を停止し、受継の通知又は続行の時から新たに全期間の進行を始めると定める。当事者が死亡したまま控訴期間が進むと、相続人が訴訟の存在を知らないうちに期間が過ぎ、控訴の機会を失って判決が確定してしまうから、受継によって相続人が訴訟を追行できるようになるまで期間を止め、改めて全期間を与えることにしたのである。控訴期間もこの期間に当たるから、原告の死亡によって進行を停止する。肢は正しい。

訴訟手続の中断又は中止があったときは、期間は、進行を停止する。この場合においては、訴訟手続の受継の通知又はその続行の時から、新たに全期間の進行を始める。
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 一方が最初の口頭弁論期日に欠席 | 提出した訴状・答弁書等の陳述を擬制し、出頭した相手方に弁論させられる | 158条 |
| 双方が最初の期日に欠席 | 陳述擬制はできない(双方欠席として扱う) | 158条 |
| 双方が口頭弁論・弁論準備手続の期日に欠席 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ訴えの取下げ擬制。連続2回でも同じ | 263条 |
| 判決の言渡期日に双方欠席 | 言渡しはできる | 251条2項 |
| 当事者の死亡(訴訟代理人なし) | 中断し、期間は進行を停止する。判決の言渡しは中断中もできる | 124条1項1号・132条 |
誤り。違うのは「訴訟代理人が死亡した場合であっても」中断するとする部分である。法定代理人の死亡は中断事由であるが(124条1項3号)、訴訟代理人の死亡は中断事由とされていない。
124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を訴訟手続の中断事由とし、法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者が受け継ぐと定める。法定代理人が死亡すると、訴訟能力を欠く本人は自ら有効に訴訟行為をすることができず、本人のために訴訟を追行する者もいなくなるから、新たな法定代理人が選ばれるまで手続を止める必要がある。これに対し、訴訟代理人が死亡しても、当事者本人は自ら訴訟行為をする能力を持っており、直ちに自分で訴訟を追行することも、別の訴訟代理人を選任することもできるから、手続を止める必要はない。そのため、訴訟代理人の死亡は中断事由として掲げられていない。なお、法定代理人が死亡しても、訴訟代理人がいれば中断しない(同条2項)。したがって、両方の場合に中断するとする肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 法定代理人 | 訴訟代理人 | |
|---|---|---|
| 判決書(電子判決書)の記載 | 必要的記載事項(252条1項5号) | 必要的記載事項ではない |
| 事実の陳述の更正権 | 当事者の更正権なし | 当事者が直ちに取消し・更正できる(57条) |
| 数人いるときの送達 | 一人にすれば足りる(99条2項) | 各自代理するので一人にすれば足りる(56条1項) |
| 死亡・代理権の消滅 | 中断事由(124条1項3号) | 中断しない |
| 尋問 | 当事者尋問の手続(211条)。証人になれない | 証人になれる |
正しい。当事者の死亡は中断事由であり(124条1項1号)、必要的共同訴訟では一人の中断が全員について効力を生ずる(40条3項)。訴訟代理人がいれば中断しない(124条2項)。
124条1項1号は当事者の死亡を訴訟手続の中断事由とし、同条2項は、訴訟代理人がある間は中断しないと定める。そして40条3項は、必要的共同訴訟において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は全員についてその効力を生ずると定める。必要的共同訴訟は、訴訟の目的が全員について合一にのみ確定すべき場合であり、全員について矛盾のない判決をするには、訴訟資料だけでなく手続の進行もそろえる必要がある。一人の手続だけが止まり他の者の手続が進むと、判決を一つにそろえることができなくなるので、一人の中断を全員に及ぼしている。他方、死亡した共同訴訟人に訴訟代理人がいれば、その者の手続自体が中断しないから、全員の手続も中断しない。肢は124条と40条3項をそのまま当てはめている。

第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
| 規律 | 内容 | 帰結 |
|---|---|---|
| 1項 | 共同訴訟人の一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみ効力を生ずる | 自白・請求の放棄・認諾・和解は一人では効力を生じない。上訴は有利な行為として全員に効力が及ぶ |
| 2項 | 共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対して効力を生ずる | 一部が欠席しても、出頭した者に対して準備書面に記載のない事実を主張できる |
| 3項 | 一人について中断・中止の原因があれば、全員について効力を生ずる | 一人の死亡で全員の手続が中断する(訴訟代理人がいれば中断しない) |
| 上訴期間 | 上訴期間は共同訴訟人ごとに進行する | 全員の上訴期間が過ぎるまで判決は確定せず、一人の上訴で全体の確定が遮断され移審する |
誤り。違うのは「訴訟代理人が死亡した場合であっても」中断するとする部分である。法定代理人の死亡は中断事由であるが(124条1項3号)、訴訟代理人の死亡は中断事由とされていない。
124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を訴訟手続の中断事由とし、法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者が受け継ぐと定める。法定代理人が死亡すると、訴訟能力を欠く本人は自ら有効に訴訟行為をすることができず、本人のために訴訟を追行する者もいなくなるから、新たな法定代理人が選ばれるまで手続を止める必要がある。これに対し、訴訟代理人が死亡しても、当事者本人は自ら訴訟行為をする能力を持っており、直ちに自分で訴訟を追行することも、別の訴訟代理人を選任することもできるから、手続を止める必要はない。そのため、訴訟代理人の死亡は中断事由として掲げられていない。なお、法定代理人が死亡しても、訴訟代理人がいれば中断しない(同条2項)。したがって、両方の場合に中断するとする肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
| 法定代理人 | 訴訟代理人 | |
|---|---|---|
| 判決書(電子判決書)の記載 | 必要的記載事項(252条1項5号) | 必要的記載事項ではない |
| 事実の陳述の更正権 | 当事者の更正権なし | 当事者が直ちに取消し・更正できる(57条) |
| 数人いるときの送達 | 一人にすれば足りる(99条2項) | 各自代理するので一人にすれば足りる(56条1項) |
| 死亡・代理権の消滅 | 中断事由(124条1項3号) | 中断しない |
| 尋問 | 当事者尋問の手続(211条)。証人になれない | 証人になれる |
誤り。違うのは「その相続人が選定当事者の地位を承継する」の部分である。選定当事者の資格は選定者の信任に基づく一身専属的なものであり、相続人には承継されない。
選定当事者は、選定者がその人物を信頼して全員のために訴訟をさせるために選んだ者であるから、その資格は選定者との信任関係に基づく一身専属的なものであり、選定当事者が死亡しても相続人がその地位を承継することはない。30条5項は、選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができると定め、一部の死亡では訴訟は中断しない。選定当事者の全員が死亡などで資格を失ったときは訴訟手続が中断し、選定者の全員又は新たな選定当事者が訴訟を受け継ぐ(124条1項6号)。いずれの場合も、受け継ぐのは選定者の側であって、死亡した選定当事者の相続人ではない。肢は誤りである。

選定当事者のうち死亡その他の事由によりその資格を喪失した者があるときは、他の選定当事者において全員のために訴訟行為をすることができる。
- 要件:共同の利益を有する多数の者で、法人でない社団等に当たらないこと(30条1項)
- 時期:訴訟の係属前でも後でもできる。係属後の選定で他の当事者は当然に脱退する(30条2項)
- 資格・許可:選定当事者は当事者であって訴訟代理人ではないから、弁護士でなくてよく、裁判所の許可も要らない
- 死亡:一部の死亡では他の選定当事者が訴訟を続ける(30条5項)。全員の死亡で中断し、選定者全員又は新たな選定当事者が受継する(124条1項6号)。相続人は承継しない
- 判決効:選定者に及ぶ(115条1項2号)
正しい。当事者の死亡による承継では、相続人は被承継人の訴訟上の地位をそのまま引き継ぐから、訴え提起による時効中断(現在の完成猶予)の効力も承継人に及ぶ。
訴訟の係属中に当事者が死亡すると訴訟手続は中断し、相続人などがその訴訟手続を受け継がなければならない(124条1項1号)。条文は手続を受け継ぐと定めるだけであるが、承継人は死亡した当事者の訴訟上の地位をそのまま引き継ぎ、それまでの訴訟状態を前提に訴訟を続けると解されている。そうでなければ、当事者の死亡という偶然の事情で、それまでの審理の成果が失われるからである。訴え提起による時効の効力は、訴えが提起された時に生じる訴訟上の効果である(147条)から、相続人が訴訟を承継すれば、その効力も相続人のために存続する。出題当時の民法では時効の中断と呼ばれたが、現在は裁判上の請求による完成猶予(民法147条1項)であり、承継人に及ぶという結論は変わらない。肢は正しい。

訴えが提起されたとき、又は第百四十三条第二項(第百四十四条第三項及び第百四十五条第四項において準用する場合を含む。)の書面が裁判所に提出されたときは、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとする。
誤り。「選定当事者の全員が死亡した場合」は、訴訟手続が中断して受継されるだけであり、訴え却下の判決をすべき場合に当たらない(124条1項6号)。
124条1項6号は、選定当事者の全員が死亡その他の事由により資格を喪失したときは訴訟手続が中断し、選定者の全員又は新たな選定当事者がこれを受け継がなければならないと定める。選定当事者は選定者の権利について訴訟をしている者であり、選定当事者がいなくなっても、訴訟の目的である選定者の権利義務や選定者自身はそのまま存在しているから、訴訟を終わらせる理由はなく、選定者側の当事者を補充して訴訟を続ければよい。そのため、全員の死亡は訴訟手続の中断事由とされ、訴えを不適法として却下することにはならない。選定当事者の一部が死亡したにとどまるときは、他の選定当事者が全員のために訴訟行為をする(30条5項)ので、中断もしない。設問の問い方でいえば、本肢は訴え却下の判決をすべき場合に当たらない。

次に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。…六 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失 選定者の全員又は新たな選定当事者
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 選定当事者の全員の死亡 | 訴訟手続の中断・受継(124条1項6号) |
| 入会権確認で構成員の一部が欠ける | 当事者適格を欠き訴え却下 |
| 訴えの取下げが有効と判断された | 訴訟終了宣言判決 |
| 訴状送達後に手数料の不足が判明し納付しない | 判決で訴え却下 |
| 代位訴訟の係属中の債務者の別訴 | 重複起訴として訴え却下(142条) |
誤り。違うのは「受継した者との間だけで審理,判決することは許されない」の部分である。建物共有者に対する建物収去土地明渡請求は固有必要的共同訴訟ではない(最判昭43.3.15)から、受継した相続人との間だけで審理・判決できる。
訴訟の係属中に当事者が死亡すると、訴訟代理人がいない限り訴訟手続は中断し、相続人が受け継ぐ(124条1項1号・2項)。被告の死亡により建物は共同相続人の共有となるが、最判昭43.3.15は、土地所有者が建物の共有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えは固有必要的共同訴訟ではないとした。建物の共有者は、土地所有者に対して各自が建物を収去して土地を明け渡す義務の全部を負い、その義務は不可分債務であるから、原告は共有者の一人に対しても全部の履行を求めることができ、共有者全員を被告にする必要はないからである。そのため、共同相続人の一部だけが訴訟手続を受継した場合でも、受継した者との間で審理し判決することが許される。もっとも、判決に基づいて実際に建物を収去するには、他の共有者に対する債務名義も必要となる。肢は誤りである。

次に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者
| 固有必要的共同訴訟 | 固有必要的共同訴訟でない |
|---|---|
| 共有者全員の共有権の確認 | 共有持分権の確認 |
| 隣地が共有の筆界確定(同調しない共有者は被告にできる) | 持分権に基づく不実登記の抹消 |
| 遺産確認 | 共同相続人の所有権移転登記義務の履行請求 |
| 相続人の地位不存在確認 | 建物共有者に対する建物収去土地明渡し |
| 入会権の確認 | 共同賃借人に対する明渡し |
正しい。当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であるが(124条1項1号)、訴訟代理人がある間は中断しない(同条2項)。
124条1項1号は、当事者が死亡したときは訴訟手続は中断し、相続人などが受け継がなければならないと定めるが、同条2項は、この規定は訴訟代理人がある間は適用しないと定める。中断の制度は、当事者が死亡して訴訟を追行する者がいなくなったときに、承継人が手続に関与する機会を失わないよう手続を止めるものである。ところが、訴訟代理権は当事者の死亡によっては消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人はそのまま承継人の代理人として訴訟を続けることができるから、承継人の利益は訴訟代理人によって守られ、手続を止める必要がない。訴訟代理人は原則として弁護士であり、承継人の信頼を裏切るおそれも小さい。この場合も承継人は当然に当事者の地位を引き継ぎ、判決の効力は承継人に及ぶ。肢は条文のとおりである。

前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
- 資格:弁護士に限る。ただし簡易裁判所ではその許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人にできる(54条1項)
- 弁護士法25条1号違反:相手方は異議を述べて排除を求められる。異議なく事実審の口頭弁論が終結すれば有効になる(最大判昭38.10.30)
- 当事者の死亡:訴訟代理権は消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人がある間は訴訟手続は中断しない(124条2項)
- 代理権の消滅:解任・辞任による消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ効力を生じない(59条・36条1項)
正しい。建物の共有者に対する建物収去土地明渡請求訴訟は通常共同訴訟であり(最判昭43.3.15)、共同訴訟人独立の原則(39条)により、Y1の死亡による中断はXY2間の訴訟手続に及ばない。
判例は、土地所有者が建物の共有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えは、各共有者が建物全体について収去義務を負う不可分債務の関係にあるから、共有者全員を被告とする必要はなく、固有必要的共同訴訟ではないとしている(最判昭43.3.15)。したがって、Y1とY2を共同被告とする本件訴訟は通常共同訴訟であり、共同訴訟人の一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさない(39条)。訴訟代理人がいない状態でY1が死亡すれば、XY1間の訴訟手続は中断し(124条1項1号)、Y1の相続人が受け継ぐまで止まるが、Y2との関係で手続を止める理由はない。これに対し、必要的共同訴訟であれば、一人についての中断は全員について効力を生ずる(40条3項)。肢は正しい。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |
誤り。違うのは「訴訟手続は中断する」の部分である。係争物の譲渡は124条1項の中断事由に当たらず、譲受人の参加承継や引受承継(49条〜51条)の問題になるにとどまる。
124条1項は、訴訟手続が中断する事由として、当事者の死亡、法人の合併による消滅、訴訟能力の喪失や法定代理人の死亡・代理権の消滅などを限定的に挙げる。これらは、当事者が訴訟を追行できなくなり、承継人などに受け継がせるまで手続を止めなければ、その者の手続に関与する機会が奪われる場合である。これに対し、被告Yが訴訟係属中に建物をZに譲渡しても、Yは当事者として訴訟を追行し続けることができ、訴訟を追行する者がいなくなるわけではないから、手続を止める必要はない。係争物の譲受人Zに訴訟を引き継がせるには、Zが自ら参加するか(51条・47条)、原告Xの申立てにより裁判所がZに訴訟を引き受けさせる(50条・51条)という承継の手続による。肢は誤りである。

訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |
誤り。違うのは「訴訟手続は中断しない」の部分である。当事者である法人が合併により消滅したときは訴訟手続は中断し、合併によって設立された法人が受け継ぐ(124条1項2号)。
124条1項2号は、当事者である法人の合併による消滅を中断事由とし、合併によって設立された法人又は合併後存続する法人が訴訟手続を受け継がなければならないと定める。新設合併では、合併する会社はすべて消滅し、その権利義務は新設会社に包括的に承継されるから、当事者であるY社は存在しなくなり、訴訟を追行する主体がいなくなる。その状態で手続を進めると、権利義務を承継した新設会社Zが手続に関与する機会のないまま判決がされてしまうので、手続を止め、Zが受け継いだうえで続行することにしたのである。ただし、訴訟代理人がある間は中断しない(同条2項)し、合併を相手方に対抗できない場合も中断しない(同条4項)。本件では訴訟代理人がいないので中断する。肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者 二 当事者である法人の合併による消滅 合併によって設立された法人又は合併後存続する法人 三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者 …
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |
正しい。法人の代表者には法定代理人に関する規定が準用され(37条)、法定代理人の死亡は中断事由であるから(124条1項3号)、唯一の代表取締役が死亡すれば訴訟手続は中断する。
37条は、法定代理及び法定代理人に関する規定は法人の代表者について準用すると定め、124条1項3号は、法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅を中断事由とする。法人は自ら訴訟行為をすることができず、代表者を通じて訴訟を追行するので、代表者は訴訟無能力者の法定代理人と同じ立場にある。唯一の代表取締役が死亡すると、Y社のために訴訟行為をする者がいなくなり、そのまま手続を進めればY社は防御の機会を失う。そこで手続を中断し、新たな代表者が選ばれて受け継ぐまで手続を止めることにしたのである。代表取締役が複数いて他の者が代表できる場合は、代表する者が残るので中断しない。訴訟代理人がある間も中断しない(124条2項)。肢は正しい。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |
誤り。違うのは「新たな訴訟代理人が選任されるまで訴訟手続は中断する」の部分である。訴訟代理人の死亡は124条1項の中断事由に当たらず、訴訟手続は中断しない。
124条1項が中断事由として挙げるのは、当事者の死亡、法人の合併による消滅、当事者の訴訟能力の喪失や法定代理人の死亡・代理権の消滅などであり、訴訟委任に基づく訴訟代理人の死亡は含まれていない。中断は、訴訟を追行する者がいなくなり、承継人などの手続関与の機会を確保するために手続を止める制度であるが、訴訟代理人が死亡しても、当事者本人Yは訴訟能力を持ち、自ら訴訟を追行することも新たに代理人を選任することもできる。本人が訴訟を追行できる以上、手続を止めて保護する必要はない。訴訟代理人がいることはむしろ当事者の死亡などがあっても中断しない理由になる(124条2項)。肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者 二 当事者である法人の合併による消滅 合併によって設立された法人又は合併後存続する法人 三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者 …
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |
誤り。違うのは「訴訟手続を中断する旨の決定をしなければならない」の部分である。訴訟手続の中断は、当事者の死亡という法定の事由が生じれば当然に生じ、裁判所の決定は要らない(124条1項1号)。
124条1項は、同項各号に掲げる事由があるときは訴訟手続は中断すると定め、1号で当事者の死亡を挙げる。中断は、法定の事由が生じれば、裁判所や当事者がその事実を知っているかどうかにかかわらず、当然に生じる。裁判所の決定によって初めて手続が止まるとすると、裁判所が死亡の事実を知らない間に手続が進み、承継人が関与する機会のないまま審理や判決がされてしまうおそれがある。当事者の死亡によって訴訟を追行する者がいなくなった以上、その時点で手続を止めることが承継人の保護に必要だからである。これに対し、天災などで裁判所が職務を行えない場合の中止(130条)や、当事者の故障による中止の決定(131条)は、中断とは仕組みが異なる。肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者 …/前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。/第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
- 発生:法定の事由があれば当然に中断し、裁判所の決定は要らない(124条1項1号)
- 受継者:相続人など。相続の放棄をすることができる間は受け継げない(同条3項)
- 申立て:受継の申立ては相手方もでき(126条)、裁判所は相手方に通知する(127条)。相手方との関係では通知によって中断が解消する
- 中断中の行為:判決の言渡しを除き原則として無効(132条1項)。中断解消後に当事者が責問権を放棄・喪失すれば有効になる
- 訴訟代理人がある場合:中断しない(124条2項)。代理人に上訴の特別委任がなければ、判決の送達の時に中断する
誤り。違うのは「相続の放棄をすることができる間であっても,単独で訴訟手続を受け継ぐことができる」の部分である。相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない(124条3項)。
124条3項は、当事者の死亡による中断の場合においても、相続人は相続の放棄をすることができる間は訴訟手続を受け継ぐことができないと定める。相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内であれば相続を放棄でき(民法915条1項)、放棄すれば初めから相続人でなかったことになる(民法939条)。その間に訴訟を受け継がせると、後で放棄したときに受継が無意味になり、手続をやり直さなければならない。また、受け継いで訴訟行為をすることが相続財産の処分とされて単純承認とみなされ、放棄できなくなるおそれもある(民法921条1号)。そこで、放棄するかどうかが決まるまでは受継を認めないことにしたのである。肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者 …/前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。/第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
- 発生:法定の事由があれば当然に中断し、裁判所の決定は要らない(124条1項1号)
- 受継者:相続人など。相続の放棄をすることができる間は受け継げない(同条3項)
- 申立て:受継の申立ては相手方もでき(126条)、裁判所は相手方に通知する(127条)。相手方との関係では通知によって中断が解消する
- 中断中の行為:判決の言渡しを除き原則として無効(132条1項)。中断解消後に当事者が責問権を放棄・喪失すれば有効になる
- 訴訟代理人がある場合:中断しない(124条2項)。代理人に上訴の特別委任がなければ、判決の送達の時に中断する
誤り。違うのは「裁判所が判決の言渡しをした時に訴訟手続が中断する」の部分である。訴訟代理人がある間は当事者が死亡しても中断せず(124条2項)、代理人に上訴の特別委任がないときは、判決の送達の時に中断すると解されている。
124条2項は、当事者の死亡などによる中断の規定は、訴訟代理人がある間は適用しないと定める。訴訟代理権は当事者の死亡によっては消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人がそのまま承継人のために訴訟を追行できるからである。しかし、訴訟代理人が上訴の提起について特別の委任(55条2項3号)を受けていない場合、その審級の判決が出ると、代理人は上訴をすることができず、承継人のために上訴期間を守る者がいなくなる。そこで、この場合は、判決の送達によって代理人の審級での任務が終わる時点で中断すると解されている(大決昭6.8.8)。判決の言渡しの時ではなく送達の時とされるのは、上訴期間が判決の送達から進行するからである。肢は誤りである。

次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者 …/前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。/第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。
- 発生:法定の事由があれば当然に中断し、裁判所の決定は要らない(124条1項1号)
- 受継者:相続人など。相続の放棄をすることができる間は受け継げない(同条3項)
- 申立て:受継の申立ては相手方もでき(126条)、裁判所は相手方に通知する(127条)。相手方との関係では通知によって中断が解消する
- 中断中の行為:判決の言渡しを除き原則として無効(132条1項)。中断解消後に当事者が責問権を放棄・喪失すれば有効になる
- 訴訟代理人がある場合:中断しない(124条2項)。代理人に上訴の特別委任がなければ、判決の送達の時に中断する





