裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)に付することができる。
この条文の過去問 2問
正しい。電話会議で関与した当事者は弁論準備手続の期日に出頭したものとみなされるから口頭で和解ができるが、書面による準備手続の協議は期日ではないから和解はできない。
訴訟上の和解は、当事者双方が口頭弁論等の期日において合意を陳述し、それが電子調書に記録されることで確定判決と同一の効力を生じる(267条1項)から、当事者双方がその期日に関与していることが前提となる。弁論準備手続は期日として行われる手続であり、電話会議の方法で期日に出頭しないで手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなされる(170条4項)。したがって、電話会議で行われる弁論準備手続の期日でも、当事者双方は口頭で和解の合意を陳述して訴訟上の和解を成立させることができる。これに対し書面による準備手続は、当事者の出頭なしに準備書面の提出等で争点を整理する手続であり(175条)、電話会議による協議(176条2項)も期日ではなく、出頭を擬制する規定もないから、協議の場で口頭により和解を成立させることはできない。肢は正しい。

前項の期日に出頭しないで同項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
| 弁論準備手続 | 書面による準備手続 | |
|---|---|---|
| 性質 | 期日を開く(168条) | 当事者の出頭なしに準備書面の提出等で整理する。期日ではない(175条) |
| 受命裁判官 | 行わせることができる(171条1項) | 行わせることができる(176条の2第1項。出題当時は高裁に限られた) |
| 電話会議 | 当事者の意見を聴いてできる。双方不出頭でもよい(170条3項。出題当時は一方の出頭が必要) | 電話会議で協議できる(176条2項) |
| 文書の証拠調べ | できる(170条2項) | できない |
| 準備書面の提出期間 | 定めることができる(170条5項・162条1項) | 定めなければならない(176条1項) |
| 和解 | 期日で口頭でできる(電話会議で関与した者は出頭したとみなす。170条4項) | 協議の場ではできない |
正しい。裁判所は、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続に付することができる(175条)。
175条は、裁判所は相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続)に付することができると定める。肢の「書面による弁論準備手続」はこの書面による準備手続を指すものと読める。書面による準備手続は、当事者が遠方に住んでいるなどの事情で期日に出頭することが難しい場合に、書面のやり取りで争点を整理する手続であり、当事者が期日で直接主張を述べ合う機会を失うことになるから、その手続を選ぶかどうかについて当事者の意見を聴くことにしたのである。弁論準備手続に付する場合も同様に当事者の意見を聴く(168条)。もっとも、意見を聴けば足り、当事者の同意までは要らない。これに対し、準備的口頭弁論は口頭弁論そのものであるから、当事者の意見を聴かずに行うことができる(164条)。肢は条文どおりである。

裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)に付することができる。
| 準備的口頭弁論 | 弁論準備手続 | 書面による準備手続 | |
|---|---|---|---|
| 性質 | 口頭弁論そのもの | 口頭弁論ではない | 口頭弁論ではない(期日なし) |
| 公開 | 公開 | 非公開。相当と認める者の傍聴を許せる(169条2項) | 期日自体がない |
| 付すとき | 当事者の意見聴取は不要(164条) | 当事者の意見を聴く(168条) | 当事者の意見を聴く(175条) |
| 証拠調べ | 制限なし(証人尋問も可) | 文書・電磁的記録の証拠調べまで(170条2項) | できない |
| ウェブ会議・電話会議 | ウェブ会議でできる(87条の2第1項) | 当事者の意見を聴いてできる(170条3項) | 当事者双方と協議できる(176条2項) |
| 結果の陳述 | 不要 | 口頭弁論で陳述が必要(173条) | ― |






