1訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
2訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
3訴えの取下げは、書面でしなければならない。
4前項の規定にかかわらず、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げない。この場合において、裁判所書記官は、その期日の電子調書に訴えの取下げがされた旨を記録しなければならない。
5第二項本文の場合において、訴えの取下げが書面でされたときはその書面を、訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされたとき(相手方がその期日に出頭したときを除く。)は前項の規定により訴えの取下げがされた旨が記録された電子調書を相手方に送達しなければならない。
6訴えの取下げの書面の送達を受けた日から二週間以内に相手方が異議を述べないときは、訴えの取下げに同意したものとみなす。訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされた場合において、相手方がその期日に出頭したときは訴えの取下げがあった日から、相手方がその期日に出頭しなかったときは前項の規定による送達があった日から二週間以内に相手方が異議を述べないときも、同様とする。
この条文の過去問 42問
正しい。被告の同意を要する段階で訴えの取下げが書面でされたときは、その書面を被告に送達しなければならない(261条5項)。
261条2項本文は、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後は、訴えの取下げは相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。本案に応じた被告には、請求棄却判決を得て紛争の蒸し返しを封じる利益があるからである。肢では被告が本案について準備書面を提出しているので、取下げには被告の同意が要る。そこで同条5項は、この場合に取下げが書面でされたときはその書面を相手方に送達しなければならないとし、口頭でされたときは相手方が期日に出頭していた場合を除き取下げを記録した電子調書を送達するとする。送達は同意の擬制の起算点にもなり、送達を受けた日から2週間以内に異議を述べないと取下げに同意したものとみなされる(同条6項)。被告に確実に知らせて考える期間を与えるための送達であり、肢は正しい。

第二項本文の場合において、訴えの取下げが書面でされたときはその書面を、訴えの取下げが口頭弁論等の期日において口頭でされたとき(相手方がその期日に出頭したときを除く。)は前項の規定により訴えの取下げがされた旨が記録された電子調書を相手方に送達しなければならない。
誤り。違うのは「被告による反訴の取下げがあったものとみなされる」の部分である。
反訴は本訴に併合して提起されるが、それ自体が独立した訴えであり、適法に提起されれば本訴とは別の訴訟係属を生じる。原告が本訴を取り下げ、本訴が初めから係属しなかったものとみなされても(262条1項)、反訴の係属は当然には消えず、裁判所は反訴について審理を続けなければならない。被告が本訴の取下げに同意すること(261条2項本文)は本訴の処分に対する同意にすぎず、これを反訴の取下げとみなす規定はない。261条2項ただし書は、本訴の取下げがあった場合の反訴の取下げには相手方の同意を要しないと定めるが、これは本訴が取り下げられた後も反訴が独立に残ることを前提に、本訴に対して防御する必要がなくなった被告が反訴から離れやすくするための規定である。被告が反訴を終わらせるには、別に反訴を取り下げる必要がある。肢は取下げが擬制されるとする点で誤っている。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 反訴は本訴の請求又は防御の方法と関連する請求について、口頭弁論の終結まで本訴の裁判所に提起できる(146条1項)
- 関連性を欠く反訴も、原告が同意し又は異議なく応訴すれば適法になる
- 併合要件を欠く反訴は不適法として却下し、分離して独立の訴えとして審理する義務はない(最判昭41.11.10)
- 控訴審の反訴は相手方の同意が要り、異議なく反訴の本案について弁論すれば同意したものとみなす(300条)。第一審で審理された防御方法に基づく反訴には同意は要らない(最判昭38.2.21)
- 本訴が取り下げられても反訴は残り、その後の反訴の取下げに相手方の同意は要らない(261条2項ただし書)
- 簡易裁判所で地方裁判所の管轄に属する反訴があれば、相手方の申立てで本訴と反訴を移送しなければならず、その決定に不服申立てはできない(274条)
誤り。違うのは「訴えの取下げを口頭ですることはできない」の部分である。
261条3項は、訴えの取下げは書面でしなければならないと定め、同条4項は、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(口頭弁論等の期日)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げないとする。訴えの取下げは訴訟係属を初めにさかのぼって消す重い行為なので(262条1項)、取り下げる意思とその範囲をはっきり記録に残すため書面が原則とされている。しかし口頭弁論等の期日であれば、裁判所書記官がその期日の電子調書に取下げがされた旨を記録しなければならないので(261条4項後段)、書面と同じ程度に意思が明確に残る。和解の期日は条文が明記する期日の一つであり、和解の席で原告が口頭で訴えを取り下げることは認められる。出題当時はこの規律が3項ただし書に置かれていたが、令和4年改正で4項に移った。結論は変わらず、肢は誤りである。

前項の規定にかかわらず、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げない。この場合において、裁判所書記官は、その期日の電子調書に訴えの取下げがされた旨を記録しなければならない。
誤り。違うのは「相手方が訴えの却下を求め、その理由のみを主張している場合であっても、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない」の部分である。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。被告が本案に応じて請求棄却の判決を得る利益を持つようになった以上、原告が一方的に取り下げてその利益を奪うのは公平でないからである。そのため、ここでいう「口頭弁論をした後」とは、口頭弁論期日が開かれた後という意味ではなく、相手方が本案について弁論をした後をいう。被告が訴訟要件が欠けているとして訴えの却下を求め、その理由だけを主張している段階では、被告が求めているのは訴訟判決であり、本案について有利な判決を受ける利益はまだ生じていない。この場合には被告の同意がなくても取下げの効力が生じる。肢は同意が必要であるとする点で誤っている。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
正しい。控訴の取下げには相手方の同意を求める261条2項が準用されておらず、附帯控訴があっても被控訴人の同意は要らない(292条2項)。
292条2項は、控訴の取下げについて、261条3項・4項(書面又は期日での口頭)、262条1項(初めから係属しなかったものとみなす)、263条(取下げの擬制)を準用しているが、相手方の同意を要求する261条2項は準用していない。訴えの取下げに被告の同意が要るのは、本案に応じた被告が請求棄却判決を得る利益を一方的に奪われないようにするためである。これに対し控訴を取り下げても、控訴審の係属が消えて第一審判決が確定するだけであり、被控訴人は自分に有利な部分を含む第一審判決をそのまま得られるので、同意を求めて守るべき利益は乏しい。附帯控訴があっても同じであり、附帯控訴は控訴の取下げで原則として効力を失う(293条2項本文)。もっとも、附帯控訴が控訴の要件を備えていれば独立した控訴とみなされて残るので(同項ただし書)、被控訴人の保護にも欠けない。肢は正しい。

第二百六十一条第三項及び第四項、第二百六十二条第一項並びに第二百六十三条の規定は、控訴の取下げについて準用する。
正しい。被告が同意を拒絶すれば取下げは無効と確定し、後に改めて同意しても取下げは効力を生じない(最判昭37.4.6)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をし、又は口頭弁論をした後は、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。本案について応訴した被告には、請求棄却判決を得て紛争の蒸し返しを封じる利益があるからである。本肢の被告は答弁書を提出しているから、取下げには被告の同意が必要となる。最判昭37.4.6は、被告が本案について答弁書を提出した後に原告が取下書を提出し、被告がこれに対する同意を拒絶した場合は、原告の訴えの取下げは無効と確定し、その後被告が改めて同意をしても、先の取下げは効力を生じないと判示した。同意の拒絶によって取下げの効力は浮動状態を脱して確定的に生じないことになり、後の翻意で失効した訴訟行為をよみがえらせるのは手続の安定を害するからである。原告が取下げを望むなら改めて取り下げればよい。肢は判例どおりである。

被告…が本案について答弁書を提出した後原告…が訴の取下書を提出し、被告がこれに対する同意を拒絶した場合は、原告の訴の取下は無効と確定し、爾後被告が更めて同意をしても、さきの訴の取下は効力を生じない
正しい。本訴の取下げがあった場合の反訴の取下げには、反訴被告の同意は要らない(261条2項ただし書)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をし、又は口頭弁論をした後は、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。応訴した相手方には、請求棄却の判決を得て紛争を既判力で決着させる利益が生じているからである。しかし同項ただし書は、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについてはこの限りでないとする。反訴は、本訴が提起されたことをきっかけに、その手続を利用して提起されたものである。本訴原告が自ら本訴を取り下げて訴訟の場から引き揚げておきながら、反訴の取下げには同意せず反訴被告の地位にとどまることにこだわるのを認めるのは、当事者間の公平に反するからである。なお、本訴が取り下げられても反訴は当然には消滅せず、反訴原告が取り下げない限り係属し続ける。肢は条文どおりである。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 要件:本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求で、口頭弁論の終結まで、本訴の係属する裁判所に提起する(146条1項)
- 方式:訴えに関する規定による(146条4項)。反訴状を提出し、裁判所が送達する
- 控訴審:相手方の同意が要る。異議なく本案の弁論をすれば同意とみなす(300条)
- 上告審:提起できない(最判昭43.11.1)
- 取下げ:本訴の取下げ後は反訴被告の同意が要らない(261条2項ただし書)
正しい。請求の認諾は口頭弁論等の期日においてし(266条1項)、口頭弁論等の期日には和解の期日も含まれる(261条4項)。
266条1項は、請求の放棄又は認諾は口頭弁論等の期日においてすると定める。そして261条4項は、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日を口頭弁論等の期日と呼んでいる。したがって、和解の協議のために開かれた和解の期日において、被告が原告の請求に理由があることを認める認諾の陳述をすることもできる。互譲による和解が成立しない場合に、被告が請求をそのまま認めて事件を終わらせることは、紛争を早く解決するという点で和解と同じ働きをするから、和解の期日でもできるとしたのである。認諾が電子調書に記録されると確定判決と同一の効力が生じ(267条1項)、訴訟は判決によらずに終了する。令和4年改正で調書は電子調書となったが、認諾をすることができる期日の範囲は変わらない。肢は条文どおりである。

請求の放棄又は認諾は、口頭弁論等の期日においてする。
- 場:口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日(266条1項・261条4項)
- 相手方の同意:放棄にも認諾にも要らない
- 書面と欠席:書面を出して欠席すれば、陳述したものとみなすことができる(266条2項)
- 効果:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有する(267条1項)
正しい。請求の放棄は被告に請求棄却判決と同じ結果をもたらすから、被告の同意は要らない。
請求の放棄は、原告が自らの請求に理由がないことを認める期日での陳述であり、電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を生じる(267条1項)。被告からみれば請求棄却の確定判決を得たのと同じ結果になり、何の不利益もないから、266条は放棄の方式を定めるだけで、相手方の同意を求めていない。これに対し訴えの取下げは、訴訟係属をさかのぼって消滅させるだけで請求の当否について既判力を生じず、原告は原則として再び訴えを起こせる。そのため、被告が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をし、又は口頭弁論をした後は、請求棄却判決を得る被告の利益を守るため、被告の同意がなければ取下げの効力は生じない(261条2項本文)。放棄と取下げは被告に与える効果が違うから、取下げの同意要件は放棄には及ばない。肢は正しい。

裁判所書記官が、和解又は請求の放棄若しくは認諾について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、その記録は、確定判決と同一の効力を有する。
- 場:口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日(266条1項・261条4項)
- 相手方の同意:放棄にも認諾にも要らない
- 書面と欠席:書面を出して欠席すれば、陳述したものとみなすことができる(266条2項)
- 効果:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有する(267条1項)
誤り。違うのは「期日に出頭していない原告は,訴えを取り下げることはできない」の部分である。電話会議で関与した当事者は期日に出頭したものとみなされ(170条4項)、弁論準備手続の期日では口頭で訴えを取り下げることができる(261条4項)。
170条4項は、電話会議の方法による弁論準備手続の期日に出頭しないで手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなすと規定する。現実に裁判所に来ていなくても、出頭した当事者と同じく、その期日において訴訟行為をすることができるのである。訴えの取下げは書面でするのが原則であるが(261条3項)、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日においては口頭ですることもでき、その場合は裁判所書記官がその期日の電子調書に記録する(同条4項)。弁論準備手続の期日は明文で挙げられており、電話会議で関与している原告を除外する規定もないから、原告はその期日に口頭で訴えを取り下げることができる。電話会議で関与する当事者の訴訟行為を制限してしまえば、電話会議を認めた意味が失われるからである。被告が本案について申述などをした後は被告の同意を要するが(同条2項)、それは出頭の有無とは別の問題である。

裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、弁論準備手続の期日における手続を行うことができる。/前項の期日に出頭しないで同項の手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
| 手続 | 方法 | 要件 |
|---|---|---|
| 弁論準備手続の期日 | 電話会議(音声) | 相当と認めるとき、当事者の意見を聴いて。双方不出頭でもよい(170条3項。出題当時は一方の出頭が必要) |
| 証人尋問・当事者尋問 | テレビ会議(映像と音声) | 出頭困難・圧迫のおそれ・当事者に異議がない、のいずれかで相当と認めるとき(204条・210条) |
| 鑑定人の口頭の意見陳述 | テレビ会議(映像と音声) | 相当と認めるとき(215条の3。出題当時は遠隔地居住その他相当と認めるとき) |
| 少額訴訟の証人尋問 | 電話会議(音声) | 相当と認めるとき(372条3項) |
誤り。違うのは「判決が確定した後も」の部分である。訴えを取り下げることができるのは判決が確定するまでである(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができると規定する。訴えの取下げは、原告が審判の申立てを撤回して訴訟係属をさかのぼって消滅させる行為であり(262条1項)、訴訟が係属している間であれば、第一審の判決言渡し後でも、控訴審や上告審でもすることができる。しかし、判決が確定すれば訴訟は終了し、もはや取り下げる対象となる訴訟係属が存在しない。確定判決にはすでに既判力が生じており、当事者の一方的な意思表示でそれを失わせることを認めれば、判決によって確定した法律関係の安定が損なわれる。確定判決の効力を争うには再審の訴えによるほかない。判決確定後も取り下げることができるとする肢は、261条1項に反する。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 反訴の取下げ:本訴が取り下げられた後は相手方の同意は要らない(2項ただし書)
- 方式:書面が原則で期日外でもできる(3項)。口頭弁論等の期日では口頭でもできる(4項)
- 擬制:双方欠席で1か月以内に期日指定の申立てがないか、連続2回欠席で取下げ擬制(263条)。控訴審では控訴の取下げ擬制(292条2項)
正しい。訴えの取下げは書面でするのが原則であり(261条3項)、期日外でも取下書を提出してすることができる。
261条3項は訴えの取下げは書面でしなければならないと定め、同条4項は、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日において訴えの取下げをするときは口頭ですることを妨げないと定める。取下げの方式の原則は書面であり、期日に限ってする必要はないから、原告は期日外であっても取下書を裁判所に提出して訴えを取り下げることができる。取下げは訴訟を終わらせる重大な行為であるから、その意思を書面で明確にさせるのが原則とされ、期日の場で裁判所が直接意思を確認できる場合に限って口頭でもよいとされているのである。期日外で書面による取下げがされた場合、相手方の同意が必要なときは取下書が相手方に送達され(同条5項)、送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなされる(同条6項)。肢は正しい。

訴えの取下げは、書面でしなければならない。/前項の規定にかかわらず、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げない。この場合において、裁判所書記官は、その期日の電子調書に訴えの取下げがされた旨を記録しなければならない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 反訴の取下げ:本訴が取り下げられた後は相手方の同意は要らない(2項ただし書)
- 方式:書面が原則で期日外でもできる(3項)。口頭弁論等の期日では口頭でもできる(4項)
- 擬制:双方欠席で1か月以内に期日指定の申立てがないか、連続2回欠席で取下げ擬制(263条)。控訴審では控訴の取下げ擬制(292条2項)
誤り。違うのは「相手方の同意を得なければならない」の部分である。本訴の取下げがあった場合の反訴の取下げには、相手方の同意は要らない(261条2項ただし書)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。本案について応訴した被告には請求棄却判決を得て紛争を決着させる利益があるからである。反訴も訴えであるから同じ規律に服するのが原則であるが、同項ただし書は、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについてはこの限りでないとする。反訴は本訴の手続を利用して提起されたものであり、本訴の原告が自ら本訴を取り下げてその手続から離れた以上、反訴原告がそれに合わせて反訴を取り下げても、本訴原告に保護すべき利益はないからである。本訴原告自身が先に争いの場を放棄したのに、反訴の取下げにだけ同意を求めるのは公平に反する。肢は261条2項ただし書に反する。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 反訴の取下げ:本訴が取り下げられた後は相手方の同意は要らない(2項ただし書)
- 方式:書面が原則で期日外でもできる(3項)。口頭弁論等の期日では口頭でもできる(4項)
- 擬制:双方欠席で1か月以内に期日指定の申立てがないか、連続2回欠席で取下げ擬制(263条)。控訴審では控訴の取下げ擬制(292条2項)
誤り。違うのは「保証人に対する訴えも,同時に取り下げられたことになる」の部分である。通常共同訴訟では、一人に対する訴えの取下げは他の共同訴訟人に影響しない(39条)。
39条は、共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさないと規定する。通常共同訴訟は、本来は別々に訴えることができる請求を一つの手続でまとめて審理しているにすぎず、各共同訴訟人との関係はそれぞれ独立した訴訟である。主債務者に対する請求と保証人に対する請求も、保証債務が主債務に付従するという実体法上の関係はあるが、訴訟としては別個の請求であり、合一に確定する必要はない。したがって、原告が主債務者に対する訴えを取り下げても、それは主債務者との関係で訴訟係属を消滅させるだけであり、保証人に対する訴えは係属したまま残る。保証人に対する訴えも終わらせたいのであれば、原告は保証人に対しても取下げをする必要がある。肢は39条に反する。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
- 影響しないもの(39条):訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、和解、自白、事実の主張、上訴、中断の事由
- 主張共通:認められない。一人の主張は他の共同訴訟人の主張にならない(最判昭43.9.12)
- 証拠共通:認められる。一人が出した証拠は他の共同訴訟人との関係でも認定資料になる(最判昭45.1.23)
- 補助したいとき:補助参加の申出が要り、当然の補助参加は認められない
誤り。違うのは「被告に訴状が送達された後は」の部分である。被告の同意が必要になるのは、被告が本案について準備書面の提出、弁論準備手続での申述又は口頭弁論をした後である(261条2項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定め、同条2項本文は、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ取下げの効力を生じないとする。被告が本案について応訴した以上、被告には請求棄却の判決を得て紛争を終局的に解決する利益が生じており、原告の一方的な取下げでこれを奪うのは公平に反するからである。逆に、訴状の送達を受けただけで被告がまだ本案について何の態度も示していない段階では、保護すべき本案判決を得る利益は生じていないから、原告は被告の同意なしに取り下げることができる。同意を要する場合でも、相手方が取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなされる(同条6項)。肢は、同意が必要になる時点を訴状の送達時に早めている点で誤っている。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 反訴の取下げ:本訴が取り下げられた後は相手方の同意は要らない(2項ただし書)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
正しい。控訴の取下げには、訴えの取下げに相手方の同意を要するとする261条2項が準用されていないから、相手方の同意は要らない(最判昭34.9.17)。
292条1項は、控訴は控訴審の終局判決があるまで取り下げることができると定め、同条2項は、訴えの取下げに関する261条3項・4項、262条1項、263条を準用するが、相手方の同意を要するとする261条2項は準用していない。最判昭34.9.17も、292条2項にあたる規定が261条2項を準用していないから、控訴の取下げには相手方の同意を要しないとした。訴えの取下げは訴訟係属を初めからなかったことにするから、本案判決を得る利益を持つに至った被告の同意が必要になる。これに対し、控訴の取下げは控訴を初めからなかったことにするだけで、その結果として第一審判決が確定に向かう。被控訴人は第一審判決に自ら不服を申し立てていない以上、その判決の確定によって不利益を受けることはないから、その同意を求める必要がないのである。肢は正しい。

控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。/第二百六十一条第三項及び第四項、第二百六十二条第一項並びに第二百六十三条の規定は、控訴の取下げについて準用する。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| 時期 | 判決の確定まで(261条1項) | 控訴審の終局判決まで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 本案の応訴後は必要(261条2項) | 不要(261条2項は準用されない) |
| 方式 | 書面が原則、期日では口頭も可(261条3項・4項) | 同じ(292条2項で準用) |
| 効果 | 訴訟係属が初めからなかったことになる | 控訴が初めからなかったことになり、第一審判決が確定に向かう |
正しい。訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定める。民事訴訟では、訴えを提起するかどうか、何について審判を求めるかを原告が決めることができ(処分権主義)、いったん提起した訴えを撤回するかどうかも原告の判断に委ねられている。その一環として、数個の請求を併合している場合にその一部の請求を取り下げたり、金銭の支払請求の一部を取り下げて請求額を減らしたりすることも認められている。請求の一部を取り下げると、その部分については訴訟係属が初めからなかったものとみなされ(262条1項)、残りの部分について審理が続けられる。もっとも、相手方が本案について準備書面の提出、弁論準備手続での申述又は口頭弁論をした後は、一部の取下げであっても相手方の同意が必要になる(261条2項本文)。相手方にもその部分について請求棄却の判決を得る利益が生じているからである。肢は条文どおりである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
誤り。違うのは「控訴審では取り下げることができない」の部分である。訴えは判決が確定するまで取り下げることができ、控訴審でも取り下げられる(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定める。第一審判決が言い渡されても、控訴が提起されれば判決の確定は遮断されるから(116条2項)、控訴審に係属している間はまだ判決は確定しておらず、原告は訴えを取り下げることができる。上告審でも同じである。訴えの取下げによって訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、第一審判決も効力を失う。もっとも、本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない(同条2項)から、第一審の本案判決の後の取下げには再訴禁止の効果が伴う。また、相手方が本案について応訴した後であれば、相手方の同意が必要である(261条2項)。これに対し、控訴の取下げは控訴だけを撤回するもので、相手方の同意は要らず、第一審判決が確定に向かう点で異なる。肢は誤っている。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
正しい。相手方が本案について口頭弁論をした後は、訴えの取下げには相手方の同意が必要である(261条2項本文)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければその効力を生じないと定める。被告が本案について応訴した以上、被告には請求棄却の本案判決を得て紛争を終局的に解決する利益が生じており、原告が一方的に訴えを取り下げてその利益を奪うのは公平に反するからである。逆に、被告が本案について何の態度も示していない段階では、保護すべき利益はまだ生じていないから、原告は被告の同意なしに取り下げることができる。同意が必要な場合でも、相手方が取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ、同意したものとみなされる(同条6項)。なお、本訴が取り下げられた後の反訴の取下げには相手方の同意は要らない(同条2項ただし書)。肢は条文どおりである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
正しい。訴えの取下げは書面でするのが原則であるが、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日においては口頭ですることができる(261条4項)。
261条3項は、訴えの取下げは書面でしなければならないと定め、同条4項は、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(口頭弁論等の期日)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げないとする。訴えの取下げは訴訟を終わらせる重大な訴訟行為であるから、その意思を明確にし、後の争いを防ぐために書面を原則とした。しかし、裁判所と当事者が立ち会う期日であれば、口頭での取下げの意思表示を裁判所が直接確認でき、裁判所書記官がその期日の電子調書に取下げがされた旨を記録するから(同項後段)、書面を要求する必要はない。和解の期日も口頭弁論等の期日に含まれているから、和解の話合いの中で原告が訴えを取り下げることにした場合、その場で口頭で取り下げることができる。相手方の同意が必要な場合、相手方が期日に出頭していなければ電子調書が送達される(同条5項)。出題当時はこの規定は261条3項ただし書にあった。肢は条文どおりである。

前項の規定にかかわらず、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げない。この場合において、裁判所書記官は、その期日の電子調書に訴えの取下げがされた旨を記録しなければならない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
正しい。訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定める。民事訴訟では、訴えを提起するかどうか、何について審判を求めるかを原告が決めることができ(処分権主義)、いったん提起した訴えを撤回するかどうかも原告の判断に委ねられている。その一環として、数個の請求を併合している場合にその一部の請求を取り下げたり、金銭の支払請求の一部を取り下げて請求額を減らしたりすることも認められている。請求の一部を取り下げると、その部分については訴訟係属が初めからなかったものとみなされ(262条1項)、残りの部分について審理が続けられる。もっとも、相手方が本案について準備書面の提出、弁論準備手続での申述又は口頭弁論をした後は、一部の取下げであっても相手方の同意が必要になる(261条2項本文)。相手方にもその部分について請求棄却の判決を得る利益が生じているからである。肢は条文どおりである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
誤り。違うのは「控訴審では取り下げることができない」の部分である。訴えは判決が確定するまで取り下げることができ、控訴審でも取り下げられる(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定める。第一審判決が言い渡されても、控訴が提起されれば判決の確定は遮断されるから(116条2項)、控訴審に係属している間はまだ判決は確定しておらず、原告は訴えを取り下げることができる。上告審でも同じである。訴えの取下げによって訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、第一審判決も効力を失う。もっとも、本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない(同条2項)から、第一審の本案判決の後の取下げには再訴禁止の効果が伴う。また、相手方が本案について応訴した後であれば、相手方の同意が必要である(261条2項)。これに対し、控訴の取下げは控訴だけを撤回するもので、相手方の同意は要らず、第一審判決が確定に向かう点で異なる。肢は誤っている。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
正しい。相手方が本案について口頭弁論をした後は、訴えの取下げには相手方の同意が必要である(261条2項本文)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければその効力を生じないと定める。被告が本案について応訴した以上、被告には請求棄却の本案判決を得て紛争を終局的に解決する利益が生じており、原告が一方的に訴えを取り下げてその利益を奪うのは公平に反するからである。逆に、被告が本案について何の態度も示していない段階では、保護すべき利益はまだ生じていないから、原告は被告の同意なしに取り下げることができる。同意が必要な場合でも、相手方が取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ、同意したものとみなされる(同条6項)。なお、本訴が取り下げられた後の反訴の取下げには相手方の同意は要らない(同条2項ただし書)。肢は条文どおりである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
正しい。訴えの取下げは書面でするのが原則であるが、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日においては口頭ですることができる(261条4項)。
261条3項は、訴えの取下げは書面でしなければならないと定め、同条4項は、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(口頭弁論等の期日)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げないとする。訴えの取下げは訴訟を終わらせる重大な訴訟行為であるから、その意思を明確にし、後の争いを防ぐために書面を原則とした。しかし、裁判所と当事者が立ち会う期日であれば、口頭での取下げの意思表示を裁判所が直接確認でき、裁判所書記官がその期日の電子調書に取下げがされた旨を記録するから(同項後段)、書面を要求する必要はない。和解の期日も口頭弁論等の期日に含まれているから、和解の話合いの中で原告が訴えを取り下げることにした場合、その場で口頭で取り下げることができる。相手方の同意が必要な場合、相手方が期日に出頭していなければ電子調書が送達される(同条5項)。出題当時はこの規定は261条3項ただし書にあった。肢は条文どおりである。

前項の規定にかかわらず、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日(以下この章において「口頭弁論等の期日」という。)において訴えの取下げをするときは、口頭ですることを妨げない。この場合において、裁判所書記官は、その期日の電子調書に訴えの取下げがされた旨を記録しなければならない。
- 時期:判決の確定まで(1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる(1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要(2項本文)
- 方式:書面が原則で(3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(6項)
- 効果:訴訟は初めから係属していなかったものとみなされ(262条1項)、確定判決と同一の効力は生じない
誤り。Yは第1回期日に請求棄却を求め請求原因を否認して本案について口頭弁論をしているので、取下げには「Yの同意」が必要であり(261条2項)、Yが同意しない以上取下げは効力を生じない。したがって訴訟の終了の効果は発生しない。
訴えは判決が確定するまで取り下げることができ(261条1項)、口頭弁論等の期日では口頭ですることもできる(同条4項)。しかし同条2項本文は、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ取下げはその効力を生じないと定める。応訴した被告には、請求棄却の判決を得て紛争を最終的に解決する利益があり、これを原告の一方的な意思で奪うのは相当でないからである。本問のYは、第1回口頭弁論期日で請求棄却を求める答弁をし、売買契約締結の事実を否認しているから、本案について口頭弁論をしたといえ、取下げには同意が必要な段階にある。そのYが同意しない旨を明確に述べているので、Xの取下げは効力を生じず、訴訟係属は続く。したがって、訴訟の終了の効果は発生しない。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
| 行為 | 相手方の同意・出頭 | 訴訟の終了 |
|---|---|---|
| 訴訟外の和解・訴え取下げの合意 | — | 当然には終了しない。合意が証明されれば訴え却下(最判昭44.10.17) |
| 請求の放棄(期日で) | 同意は不要 | 電子調書への記録で終了(267条1項) |
| 請求原因事実を全部認める陳述 | — | 自白にとどまり終了しない |
| 請求の認諾(期日で) | 相手方の出頭は不要 | 電子調書への記録で終了(267条1項) |
| 訴えの取下げ(被告の本案の弁論後) | 同意が必要(261条2項) | 不同意なら効力を生じない |
誤り。違うのは「被告の陳述に基づいてされた場合であっても,認められない」の部分である。最判昭39.7.10は、相手方の陳述した事実を新請求の原因とする訴えの変更は、請求の基礎を変更するものでも、相手方の同意の有無にかかわらず許されるとした。
143条1項は、原告は請求の基礎に変更がない限り口頭弁論の終結に至るまで請求又は請求の原因を変更することができると定める。請求の基礎の同一性が求められるのは、まったく別の紛争を持ち込まれて被告の防御が害されることを防ぐためであり、被告の利益のための要件である。最判昭39.7.10は、建物の明渡請求をしていた原告が、建物は自分の所有であるという被告の陳述を受けて、土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更した事案で、相手方の陳述した事実をもって新請求の原因とする場合には、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴えの変更であっても、相手方は異議を唱えてその訴えの変更が許されないことを主張することはできず、相手方が現実に同意したかどうかにかかわらず訴えの変更は許されるとした。被告が自分で持ち出した事実に基づく変更であれば、被告の防御が害されることはないからである。肢は誤りである。

かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であつても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできない
誤り。違うのは「判決が確定した後でも,相手方の同意を得れば」の部分である。訴えは判決が確定するまでしか取り下げることができない(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができると定める。訴えの取下げは、訴訟は初めから係属していなかったものとみなされる(262条1項)という効果を持つ訴訟行為であり、係属している訴訟を前提とする。判決が確定すれば訴訟は終了し、確定判決には既判力が生じているから、もはや取り下げる対象となる訴訟係属がなく、取下げによって確定判決を消すこともできない。相手方の同意(261条2項)は、相手方が本案について応訴した後の取下げについて、相手方が本案判決を得る利益を保護するための効力要件にすぎず、同意があれば確定後でも取り下げられるという性質のものではない。確定判決の効力を除くには再審(338条)によるほかない。肢は、取下げの終期と同意の要件を混同している。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| できる時期 | 判決が確定するまで(261条1項) | 控訴審の終局判決があるまで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 相手方が本案について準備書面提出・弁論準備での申述・口頭弁論をした後は必要(261条2項)。本訴取下げ後の反訴取下げは不要 | 不要(261条2項は準用されない) |
| 効果 | 訴訟は初めから係属していなかったものとみなす(262条1項) | 控訴審の係属が初めからなかったことになり、控訴期間が過ぎていれば第一審判決が確定する |
| 再訴 | 本案の終局判決後に取り下げた者は同一の訴えを提起できない(262条2項) | ― |
正しい。本訴の取下げがあった場合の反訴の取下げには、相手方が反訴の本案について口頭弁論をした後でも相手方の同意を要しない(261条2項ただし書)。
261条2項本文は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定め、ただし書で、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについてはこの限りでないとする。本文が同意を求めるのは、応訴した相手方が請求棄却の本案判決を得て紛争を決着させる利益を持つからである。しかし、反訴は本訴の手続を利用して本訴と関連する請求を持ち込むものであり(146条1項)、本訴原告が自ら本訴を取り下げてその手続を終わらせたのに、反訴についてだけは本案判決を求めて取下げを拒めるとするのは公平でない。そこで、本訴が取り下げられた後の反訴の取下げは、反訴被告である本訴原告の同意なしにできるとしたのである。肢は261条2項ただし書のとおりである。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
正しい。人事訴訟では請求の放棄・認諾と和解の規定が適用されないが、訴えの取下げは制限されていないので、実親子関係不存在確認の訴えも取り下げることができる。
実親子関係の存否の確認の訴えは人事訴訟であり(人事訴訟法2条2号)、身分関係の公益性から処分権主義が修正されている。人事訴訟法19条2項は、請求の放棄・認諾と訴訟上の和解に関する民事訴訟法266条・267条を人事訴訟には適用しないと定める(離婚・離縁の訴えを除く)が、訴えの取下げを定める261条の適用は排除していない。請求の放棄・認諾や和解は、当事者の意思で身分関係の存否を確定させ、確定判決と同一の効力を生じさせるので、真実に反する身分関係が作り出されるおそれがある。これに対し、訴えの取下げは訴訟係属を遡って消滅させるだけで、身分関係について何の判断も生じさせず、訴えを起こす前の状態に戻るにすぎないから、当事者の意思に委ねても公益を害しない。そのため、どの人事訴訟でも訴えの取下げはできる。肢は正しい。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
誤り。違うのは「被告の陳述に基づいてされた場合であっても,認められない」の部分である。最判昭39.7.10は、相手方の陳述した事実を新請求の原因とする訴えの変更は、請求の基礎を変更するものでも、相手方の同意の有無にかかわらず許されるとした。
143条1項は、原告は請求の基礎に変更がない限り口頭弁論の終結に至るまで請求又は請求の原因を変更することができると定める。請求の基礎の同一性が求められるのは、まったく別の紛争を持ち込まれて被告の防御が害されることを防ぐためであり、被告の利益のための要件である。最判昭39.7.10は、建物の明渡請求をしていた原告が、建物は自分の所有であるという被告の陳述を受けて、土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求に変更した事案で、相手方の陳述した事実をもって新請求の原因とする場合には、かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴えの変更であっても、相手方は異議を唱えてその訴えの変更が許されないことを主張することはできず、相手方が現実に同意したかどうかにかかわらず訴えの変更は許されるとした。被告が自分で持ち出した事実に基づく変更であれば、被告の防御が害されることはないからである。肢は誤りである。

かりにその新請求が請求の基礎を変更する訴の変更であつても、相手方はこれに対し異議をとなえその訴の変更の許されないことを主張することはできない
誤り。違うのは控訴の取下げも「判決が確定するまで行うことができる」とする部分である。訴えの取下げは判決が確定するまでできるが(261条1項)、控訴の取下げは控訴審の終局判決があるまでに限られる(292条1項)。
261条1項は、訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができると定める。これに対し292条1項は、控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができると定める。控訴の取下げは、控訴がなかったことにして第一審判決を確定させるものである。控訴審の判決が出た後にも取り下げられるとすると、控訴人は、控訴審の判決が第一審判決より不利であれば控訴を取り下げて第一審判決を確定させ、有利であればそのままにしておくという選択ができてしまい、相手方との公平を欠く。そのため、控訴の取下げは控訴審の終局判決までとされたのである。訴えの取下げは、控訴審の判決後でも、確定前であれば、相手方の同意を得てすることができる点で異なる。肢は誤りである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| 時期 | 判決が確定するまで(261条1項) | 控訴審の終局判決があるまで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 被告が本案について弁論等をした後は必要(261条2項) | 不要(292条2項は261条2項を準用しない) |
| 効果 | 訴訟係属が初めからなかったことになり、判決や仮執行宣言も失効(262条1項) | 控訴がなかったことになり、第一審判決が確定する。附帯控訴は効力を失う(293条2項) |
| 双方欠席の擬制 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げ擬制(263条) | 控訴の取下げ擬制(292条2項・263条) |
誤り。違うのは「その同意がなければ,控訴の取下げをすることができない」の部分である。292条2項は相手方の同意を定めた261条2項を控訴の取下げに準用しておらず、附帯控訴があっても被控訴人の同意は要らない。
訴えの取下げは、相手方が本案について弁論などをした後は相手方の同意を得なければ効力を生じない(261条2項)。応訴した被告が請求棄却の判決を得る利益を守るためである。これに対し、292条2項は、控訴の取下げについて261条3項・4項などを準用しているが、2項は準用していないから、控訴の取下げに被控訴人の同意は要らない。控訴が取り下げられると第一審判決が確定するだけであり、第一審で勝った被控訴人にとって不利益はないからである。被控訴人が附帯控訴をしている場合でも同じであり、控訴の取下げがあると附帯控訴は効力を失う(293条2項本文)。ただし、附帯控訴が控訴の要件を備えていれば、独立した控訴とみなされて審理が続く(同項ただし書)ので、被控訴人の利益も守られる。したがって、肢は誤りである。

附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| 時期 | 判決が確定するまで(261条1項) | 控訴審の終局判決があるまで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 被告が本案について弁論等をした後は必要(261条2項) | 不要(292条2項は261条2項を準用しない) |
| 効果 | 訴訟係属が初めからなかったことになり、判決や仮執行宣言も失効(262条1項) | 控訴がなかったことになり、第一審判決が確定する。附帯控訴は効力を失う(293条2項) |
| 双方欠席の擬制 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げ擬制(263条) | 控訴の取下げ擬制(292条2項・263条) |
誤り。違うのは控訴の取下げも「判決が確定するまで行うことができる」とする部分である。訴えの取下げは判決が確定するまでできるが(261条1項)、控訴の取下げは控訴審の終局判決があるまでに限られる(292条1項)。
261条1項は、訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができると定める。これに対し292条1項は、控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができると定める。控訴の取下げは、控訴がなかったことにして第一審判決を確定させるものである。控訴審の判決が出た後にも取り下げられるとすると、控訴人は、控訴審の判決が第一審判決より不利であれば控訴を取り下げて第一審判決を確定させ、有利であればそのままにしておくという選択ができてしまい、相手方との公平を欠く。そのため、控訴の取下げは控訴審の終局判決までとされたのである。訴えの取下げは、控訴審の判決後でも、確定前であれば、相手方の同意を得てすることができる点で異なる。肢は誤りである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| 時期 | 判決が確定するまで(261条1項) | 控訴審の終局判決があるまで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 被告が本案について弁論等をした後は必要(261条2項) | 不要(292条2項は261条2項を準用しない) |
| 効果 | 訴訟係属が初めからなかったことになり、判決や仮執行宣言も失効(262条1項) | 控訴がなかったことになり、第一審判決が確定する。附帯控訴は効力を失う(293条2項) |
| 双方欠席の擬制 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げ擬制(263条) | 控訴の取下げ擬制(292条2項・263条) |
誤り。違うのは「その同意がなければ,控訴の取下げをすることができない」の部分である。292条2項は相手方の同意を定めた261条2項を控訴の取下げに準用しておらず、附帯控訴があっても被控訴人の同意は要らない。
訴えの取下げは、相手方が本案について弁論などをした後は相手方の同意を得なければ効力を生じない(261条2項)。応訴した被告が請求棄却の判決を得る利益を守るためである。これに対し、292条2項は、控訴の取下げについて261条3項・4項などを準用しているが、2項は準用していないから、控訴の取下げに被控訴人の同意は要らない。控訴が取り下げられると第一審判決が確定するだけであり、第一審で勝った被控訴人にとって不利益はないからである。被控訴人が附帯控訴をしている場合でも同じであり、控訴の取下げがあると附帯控訴は効力を失う(293条2項本文)。ただし、附帯控訴が控訴の要件を備えていれば、独立した控訴とみなされて審理が続く(同項ただし書)ので、被控訴人の利益も守られる。したがって、肢は誤りである。

附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。
| 訴えの取下げ | 控訴の取下げ | |
|---|---|---|
| 時期 | 判決が確定するまで(261条1項) | 控訴審の終局判決があるまで(292条1項) |
| 相手方の同意 | 被告が本案について弁論等をした後は必要(261条2項) | 不要(292条2項は261条2項を準用しない) |
| 効果 | 訴訟係属が初めからなかったことになり、判決や仮執行宣言も失効(262条1項) | 控訴がなかったことになり、第一審判決が確定する。附帯控訴は効力を失う(293条2項) |
| 双方欠席の擬制 | 1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げ擬制(263条) | 控訴の取下げ擬制(292条2項・263条) |
誤り。違うのは「請求の放棄をすることはできない」の部分である。請求の放棄は口頭弁論等の期日にでき、口頭弁論等の期日には和解の期日が含まれる(266条1項・261条4項)。
266条1項は、請求の放棄又は認諾は口頭弁論等の期日においてすると定める。口頭弁論等の期日とは、261条4項が定義するとおり、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日をいう。請求の放棄は、原告が自分の請求に理由がないことを裁判所に対して認める陳述であり、処分権主義に基づいて原告が一方的にできる。当事者が紛争の終局的な解決について話し合う和解の期日は、和解がまとまらない場合に原告が請求を放棄したり被告が認諾したりして訴訟を終わらせる機会にもなるから、そこで放棄・認諾ができるとすることには実益がある。そこで、口頭弁論の期日に限らず、弁論準備手続や和解の期日でも放棄・認諾ができることにしたのである。放棄が電子調書に記録されれば確定判決と同一の効力を生じ、訴訟は終了する(267条1項)。肢は和解の期日を除外している点で誤っている。

請求の放棄又は認諾は、口頭弁論等の期日においてする。
- 場所:口頭弁論等の期日(口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日。261条4項)でする(266条1項)。受命裁判官の弁論準備手続の期日でもできる
- 書面による陳述擬制:放棄・認諾の書面を出した当事者が欠席しても、陳述したものとみなすことができる(266条2項)
- 相手方の同意・出頭:要らない。裁判所に対する一方的な陳述である
- 一部の放棄・認諾:可分な請求の数量的一部についてできる
- 条件:付けられない。反対給付を条件とする認諾は認諾にならない
- 効力:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有し、訴訟は終了する(267条1項)
- 人事訴訟:離婚・離縁の訴えを除き、放棄・認諾の規定は適用されない(人事訴訟法19条2項)
誤り。違うのは「上告審においては,訴えを取り下げることができない」の部分である。訴えは判決が確定するまで取り下げることができ、上告審でも取下げができる(261条1項)。
261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定める。処分権主義の下では、訴訟を始めるかどうかだけでなく、続けるかどうかも原告の意思に委ねられているから、判決が確定して紛争の解決が確定するまでは、どの審級にあっても原告は訴えを撤回できる。上告審に事件が係属している間は原判決はまだ確定していないので、上告審でも訴えを取り下げることができる。ただし、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をし、又は口頭弁論をした後は相手方の同意が必要であり(同条2項)、本案について終局判決があった後に取り下げると、同一の訴えを再び提起することはできない(262条2項)。肢は取下げの時期の限界を誤っている。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
- 時期:判決の確定まで(261条1項)。控訴審・上告審でもできる
- 範囲:全部又は一部を取り下げられる
- 相手方の同意:相手方が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は必要である(同条2項本文)
- 方式:書面が原則で(同条3項)、口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日では口頭でもできる(同条4項)
- 同意の擬制:取下げの書面の送達を受けた日から2週間以内に異議を述べなければ同意したものとみなす(同条6項)
- 効果:初めから係属しなかったものとみなし(262条1項)、本案の終局判決後に取り下げた者は同一の訴えを提起できない(同条2項)
誤り。違うのは「事実審の口頭弁論終結前でなければすることができない」の部分である。請求の減縮を訴えの一部取下げとみれば、判決が確定するまでいつでもすることができる(261条1項)。
本問は、請求の減縮を訴えの一部取下げとみる見解に立って考えることを求めている。この見解によれば、請求の減縮には訴えの取下げに関する規定がそのまま適用される。261条1項は、訴えは判決が確定するまでその全部又は一部を取り下げることができると定めるから、請求の減縮も、事実審の口頭弁論の終結後であっても、上告審に係属している間など判決が確定するまではすることができる。処分権主義の下では、どの範囲で審判を求めるかを最後まで原告が決められるからである。ただし、本案について終局判決があった後に取り下げた部分については、同一の訴えを再び提起することができなくなる(262条2項)。事実審の口頭弁論終結前に限るとする肢は、訴えの取下げの時期の規律と合わない。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定までできる(261条1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について応訴した後は必要(261条2項)。控訴審でも同じ
- 効果:減縮部分は初めから係属しなかったものとみなされ、第一審判決もその部分は当然に失効する(262条1項)
- 時効:出題当時は減縮部分の時効中断の効力が遡及的に消滅した。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
- 固有必要的共同訴訟:共同原告の一人による減縮は効力を生じない(40条1項)
正しい。訴えの一部取下げとみれば、相手方が本案について応訴した後は相手方の同意が必要であり(261条2項)、控訴審での減縮では通常すでに応訴があるから同意が要る。
261条2項は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。被告が本案について争う姿勢を示した後は、被告にも請求棄却の判決を得て紛争を最終的に決着させる利益が生じるので、原告の一存で訴訟を終わらせることを認めないのである。請求の減縮を訴えの一部取下げとみる見解によれば、この規律が請求の減縮にも及ぶ。控訴審に事件が係属しているのは第一審で判決がされた後であり、被告は第一審ですでに本案について口頭弁論をしているから、控訴審で請求を減縮するには相手方の同意が必要となる。肢は正しい。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。/訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決の確定までできる(261条1項)
- 相手方の同意:相手方が本案について応訴した後は必要(261条2項)。控訴審でも同じ
- 効果:減縮部分は初めから係属しなかったものとみなされ、第一審判決もその部分は当然に失効する(262条1項)
- 時効:出題当時は減縮部分の時効中断の効力が遡及的に消滅した。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
- 固有必要的共同訴訟:共同原告の一人による減縮は効力を生じない(40条1項)
正しい。請求の放棄には、被告が本案について口頭弁論をした後であっても被告の同意は要らない。放棄は被告の全面勝訴と同じ効果を生じ、被告に不利益がないからである。
訴えの取下げは、被告が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述をし、又は口頭弁論をした後は、被告の同意を得なければ効力を生じない(261条2項)。取下げは訴訟係属を初めからなかったことにするだけで、原告は再び同じ訴えを起こせるから、本案で争う準備をした被告には請求棄却の判決を得る利益があるためである。これに対し請求の放棄は、原告が請求に理由がないことを認める陳述であり、電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を持つ(267条1項)。放棄の調書は請求棄却判決と同じく既判力を持ち、原告は同じ請求を蒸し返せなくなるから、被告は勝訴判決を得たのと同じ地位を得る。被告の利益を守るために同意を要求する理由がなく、266条にも同意を求める規定はない。肢は正しい。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 場:口頭弁論・弁論準備手続・和解の期日でする裁判所への陳述(266条1項)。訴訟外で認めても放棄・認諾にはならない
- 同意:放棄に被告の同意は要らない(取下げの261条2項のような規定はない)
- 条件:条件を付けられない。同時履行の抗弁や反対給付を付けて認めるのは認諾ではない
- 固有必要的共同訴訟:全員がしなければ効力がない(40条1項)
- 処分できない法律関係:人事訴訟では原則としてできない(人訴法19条2項)。離婚・離縁の訴えではできる(同法37条1項・44条)
- 効果:電子調書に記録されると確定判決と同一の効力を有する(267条1項)
誤り。違うのは「被参加人の同意がなければ,取り下げることができない」の部分である。補助参加の申出は、訴え取下げの規定(261条1項)にならい、被参加人や相手方の同意なくいつでも取り下げることができると解されている。
補助参加の申出の取下げについて明文の規定はないが、訴えは判決が確定するまでいつでも取り下げることができるとする261条1項にならい、補助参加人は訴訟の係属中いつでも申出を取り下げることができ、被参加人や相手方の同意も要らないと解されている。補助参加は、補助参加人が自分の利益を守るために任意にする行為であり、補助参加人は自ら請求をしているわけではないから、取り下げても相手方が本案の判決を得る利益を害することはない。また、申出を取り下げた補助参加人にも参加的効力(46条)が及ぶと解されており、これは訴訟告知を受けて参加しなかった者にも参加的効力が及ぶ(53条4項)こととの均衡による。そのため、取下げによって被参加人の利益が損なわれることもない。肢は誤りである。

訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。
- 要件:訴訟の結果について法律上の利害関係を有する第三者(42条)。友情や感情的な利害では足りない
- 審査:当事者が異議を述べたときに限り、決定で許否を裁判する。異議がなければ参加の理由は審査しない(44条1項)
- 申出:参加の趣旨と理由を明らかにしてする。補助参加人としてできる訴訟行為とともにでき、判決確定後は再審の訴えとともにできる(43条)
- できる行為:攻撃防御方法の提出、上訴、再審の訴えの提起など一切の訴訟行為(45条1項本文)
- できない行為:参加時の訴訟の程度からできないもの、被参加人の訴訟行為と抵触するもの(45条1項ただし書・2項)
- 地位:当事者ではないので証人になれる。申出は相手方や被参加人の同意なく取り下げられる
誤り。違うのは「訴えの取下げは許されない」の部分である。人事訴訟で排除されるのは請求の放棄・認諾であり(人事訴訟法19条2項)、訴えの取下げは許される。
人事訴訟では、身分関係が当事者だけでなく第三者や社会にもかかわることから処分権主義が制限され、請求の放棄・認諾の規定は適用されない(人事訴訟法19条2項)。放棄・認諾は確定判決と同一の効力を持ち、当事者の意思だけで身分関係を確定させてしまうからである。これに対し訴えの取下げは、訴訟係属を初めからなかったものとするだけで(262条1項)、身分関係については何も確定させず、実体的な法律関係に影響を与えない。人事訴訟でも、訴えを起こすかどうかが当事者に委ねられている以上、起こした訴えをやめることを禁じる理由はなく、人事訴訟法も訴えの取下げに関する民事訴訟法の規定を排除していない。人事訴訟で訴えの取下げが許されないとする肢は、放棄・認諾と取下げを混同しており、誤りである。

訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。
- 時期:判決が確定するまで、全部又は一部を取り下げられる(261条1項)。人事訴訟でもできる
- 同意:被告が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は被告の同意が要る(同条2項)。本案前の却下を求めただけなら不要
- 共同訴訟:通常共同訴訟(同時審判の申出があっても)では一部の被告に対する訴えだけを取り下げられる
- 擬制:双方欠席で1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げとみなす。控訴審では控訴の取下げとみなす(263条、292条2項)
- 再訴禁止:本案の終局判決後に取り下げた者は同一の訴えを提起できない。新たな利益や必要があれば同一の訴えに当たらない(262条2項、最判昭52.7.19)
誤り。違うのは「被告の同意を得なければ,取下げの効力を生じない」の部分である。被告の同意が必要になるのは被告が本案について準備書面を提出するなどした後であり(261条2項)、訴えの却下を求めただけでは同意は要らない。
261条2項は、訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ効力を生じないと定める。被告の同意を求めるのは、被告が本案で争う態勢に入った後は、請求棄却の判決を得て紛争を終わらせる利益が被告に生じるからである。ここにいう本案とは請求の当否に関する事項であり、訴訟要件の欠缺を理由に訴えの却下を求める本案前の主張はこれに当たらない。却下を求める被告は、そもそも本案の判決をしないよう求めているのであり、訴えが取り下げられても、請求の当否について判決を得る利益が失われるわけではない。被告が却下を求める準備書面を出しただけなら、原告は被告の同意なく訴えを取り下げることができる。肢は誤りである。

訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。ただし、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、この限りでない。
- 時期:判決が確定するまで、全部又は一部を取り下げられる(261条1項)。人事訴訟でもできる
- 同意:被告が本案について準備書面の提出・弁論準備手続での申述・口頭弁論をした後は被告の同意が要る(同条2項)。本案前の却下を求めただけなら不要
- 共同訴訟:通常共同訴訟(同時審判の申出があっても)では一部の被告に対する訴えだけを取り下げられる
- 擬制:双方欠席で1か月以内に期日指定の申立てがなければ取下げとみなす。控訴審では控訴の取下げとみなす(263条、292条2項)
- 再訴禁止:本案の終局判決後に取り下げた者は同一の訴えを提起できない。新たな利益や必要があれば同一の訴えに当たらない(262条2項、最判昭52.7.19)





































