1裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
2専門委員は、前項の規定による書面による説明に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録する方法又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録した記録媒体を提出する方法により説明を行うことができる。
3裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
4裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
この条文の過去問 16問
誤り。違うのは「当事者の同意を得たとしても、和解を試みる期日において、専門委員を手続に関与させることはできない」の部分である。
92条の2第4項は、裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると定める。和解の期日にも、当事者の同意があれば専門委員を関与させることができる。争点整理や証拠調べの場面では当事者の意見を聴けば足りるのに、和解の場面だけ同意が求められているのは、和解が当事者の譲り合いによる自主的な解決であり、専門家の説明が事実上の圧力になって当事者の自由な判断をゆがめるおそれがあるからである。また、一方の当事者しかいない場で説明させることは許されず、双方が立ち会える期日に限られる。出題当時この規定は同条3項にあったが、令和4年改正で4項に移った。肢は条文に正面から反する。

裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
| 場面 | 要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行の協議 | 訴訟関係の明瞭化又は円滑な進行のため必要+当事者の意見を聴く | 1項 |
| 証拠調べの期日 | 当事者の意見を聴く。証人等への直接の発問は裁判長が当事者の同意を得て許す | 3項 |
| 和解を試みる期日 | 当事者の同意。当事者双方が立ち会える期日に限る | 4項 |
| 関与決定の取消し | 相当と認めるとき申立て又は職権で。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない | 92条の4 |
誤り。違うのは「受命裁判官の命令によっては、専門委員を手続に関与させることはできない」の部分である。
92条の7本文は、受命裁判官又は受託裁判官が92条の2第1項、第3項及び第4項の手続を行う場合には、同条から92条の4まで及び92条の5第2項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行うと定める。弁論準備手続は受命裁判官に行わせることができ(171条1項)、そこでの争点の整理は92条の2第1項の「争点若しくは証拠の整理」に当たる。受命裁判官は専門委員を関与させる裁判所の職務を自ら行うことができ、単独の裁判官がする裁判は命令の形式によるから、受命裁判官は命令で専門委員を関与させることができる。もっとも92条の7ただし書は、証拠調べの期日での関与(92条の2第3項)については、関与の決定とその取消し、専門委員の指定は受訴裁判所がするとしている。証拠調べは心証の形成に直結するので、その判断を受訴裁判所に残したのである。肢は誤りである。

受命裁判官又は受託裁判官が第九十二条の二第一項、第三項及び第四項の手続を行う場合には、同条から第九十二条の四まで及び第九十二条の五第二項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第九十二条の二第三項の手続を行う場合には、専門委員を手続に関与させる決定、その決定の取消し及び専門委員の指定は、受訴裁判所がする。
| 場面 | 要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行の協議 | 訴訟関係の明瞭化又は円滑な進行のため必要+当事者の意見を聴く | 1項 |
| 証拠調べの期日 | 当事者の意見を聴く。証人等への直接の発問は裁判長が当事者の同意を得て許す | 3項 |
| 和解を試みる期日 | 当事者の同意。当事者双方が立ち会える期日に限る | 4項 |
| 関与決定の取消し | 相当と認めるとき申立て又は職権で。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない | 92条の4 |
正しい。92条の2第3項後段は、裁判長は当事者の同意を得て、専門委員が証人等に直接問いを発することを許すことができると定めている。
92条の2第3項前段は、裁判所は証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日に専門委員を関与させることができると定める。同項後段は、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について、専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができるとする。関与させるには意見を聴けば足りるのに、直接の発問には同意が要るのは、専門委員が証人に質問すれば実質的に尋問に近くなり、当事者が主導する尋問に影響し、専門委員の説明が証拠と混同されるおそれもあるからである。出題当時この規定は同条2項にあった。肢は正しい。

…この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
| 場面 | 要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行の協議 | 訴訟関係の明瞭化又は円滑な進行のため必要+当事者の意見を聴く | 1項 |
| 証拠調べの期日 | 当事者の意見を聴く。証人等への直接の発問は裁判長が当事者の同意を得て許す | 3項 |
| 和解を試みる期日 | 当事者の同意。当事者双方が立ち会える期日に限る | 4項 |
| 関与決定の取消し | 相当と認めるとき申立て又は職権で。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない | 92条の4 |
誤り。違うのは「専門委員を手続に関与させる決定をすることはできない」の部分である。
92条の2第1項は、裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門委員を手続に関与させることができると定める。「訴訟関係を明瞭にし」と「訴訟手続の円滑な進行を図るため」は「又は」で結ばれているので、どちらか一方の目的があれば足りる。そのため、訴訟関係の明瞭化を目的としない場合でも、もっぱら訴訟手続の円滑な進行を図るために専門委員を関与させることができる。医療や建築など専門的な事項が問題になる訴訟では、争点の整理だけでなく、審理の計画を立てたり進行を効率化したりするためにも専門家の説明が役立つからである。専門委員の説明は証拠にはならず、裁判所の理解を助けるものにとどまる。肢は92条の2第1項に反する。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
| 場面 | 要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行の協議 | 訴訟関係の明瞭化又は円滑な進行のため必要+当事者の意見を聴く | 1項 |
| 証拠調べの期日 | 当事者の意見を聴く。証人等への直接の発問は裁判長が当事者の同意を得て許す | 3項 |
| 和解を試みる期日 | 当事者の同意。当事者双方が立ち会える期日に限る | 4項 |
| 関与決定の取消し | 相当と認めるとき申立て又は職権で。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない | 92条の4 |
誤り。違うのは「専門委員から専門的な知見に基づく説明を受けることはできない」の部分である。
92条の2第1項は、裁判所は、争点若しくは証拠の整理などをするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると定める。同条3項は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときも同様に専門委員を関与させることができるとする。建築や医療など専門的な事件で、中立の専門家の説明によって裁判所の理解を助ける制度である。書証として出された設計図面の記載が技術的に何を意味するかの説明は、まさに訴訟関係や証拠調べの結果の趣旨を明らかにするものであり、専門委員から受けることができる。もっとも専門委員の説明は裁判所の理解を助けるものにとどまり、証拠資料にはならない。肢は誤りである。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
| 手段 | 内容 | 証拠資料になるか |
|---|---|---|
| 調査の嘱託(186条) | 団体に保有資料に基づく客観的事項の報告を求める | なる |
| 専門委員(92条の2) | 専門的知見に基づく説明で裁判所の理解を助ける | ならない |
| 鑑定(212条以下) | 裁判所が指定した鑑定人が専門的知見に基づく意見を述べる | なる |
| 鑑定の嘱託(218条) | 官公署や相当の設備を有する法人に鑑定を頼む | なる |
| 私鑑定 | 当事者が依頼した専門家の意見書を書証として出す | 書証としてなる |
誤り。違うのは「当事者の同意を得なくとも」の部分である。専門委員に当事者本人へ直接問いを発することを許すには当事者の同意が必要である(92条の2第3項後段)。
92条の2第3項は、裁判所は証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日に専門委員を手続に関与させることができるとし、後段で、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日に専門委員に説明をさせるときは、裁判長は当事者の同意を得て、必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができると定める。専門委員は専門的な知見に基づく説明をする者であって、その説明は証拠にならない。その専門委員が尋問の場で直接に問いを発すれば、供述の内容に事実上大きな影響を与え、心証の形成に関与することになりかねないから、関与させること自体は意見の聴取で足りても、直接の発問には当事者の同意を求めたのである。肢は誤っている。

この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
- 同意が要る:専門委員の証人・当事者本人等への直接の発問(92条の2第3項後段)、専門委員の和解期日への関与(同条4項)、控訴審の反訴(300条1項)、本案弁論後の訴えの取下げ(261条2項)
- 意見を聴く:弁論準備手続に付す(168条)、専門委員の争点整理・証拠調べへの関与(92条の2第1項・3項前段)、尋問の順序の変更(202条2項)
- 異議がないこと:尋問に代わる書面の提出(205条1項)、受命・受託裁判官による裁判所外の証人尋問(195条4号)、大規模訴訟の受命裁判官による尋問(268条)
- 援用:不許可が確定した補助参加人の訴訟行為も当事者の援用で効力を有する(45条4項)
正しい。争点若しくは証拠の整理などに当たり専門委員を手続に関与させるには、当事者の意見を聴いて決定でする(92条の2第1項)。
92条の2第1項は、裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると規定する。専門委員は、建築や医療などの専門的な事項について裁判所に説明をする者であり、その説明は証拠にはならないが、裁判所の理解や心証に事実上の影響を与えうる。そこで、当事者の手続保障のため、関与させる前に当事者の意見を聴くこととしたのである。関与の場面によって当事者の関与の程度は異なり、争点整理や証拠調べへの関与は意見聴取で足りるが、和解を試みる期日への関与や証人への直接の発問には当事者の同意が要る(同条3項後段・4項)。弁論準備手続での関与は同条1項によるから、肢は正しい。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
| 関与の形 | 主な場面 |
|---|---|
| 同意が要る | 専門委員の直接の発問・和解期日への関与(92条の2第3項後段・4項)、必要的移送の相手方(19条1項)、控訴審の反訴(300条1項)、本案弁論後の訴えの取下げ(261条2項) |
| 意見を聴く | 弁論準備手続に付す(168条)、書面による準備手続に付す(175条)、専門委員の争点整理・証拠調べへの関与(92条の2第1項・3項前段)、尋問の順序の変更(202条2項)、電話会議による弁論準備手続(170条3項) |
| 異議がないこと | 尋問に代わる書面の提出(205条1項)、受命・受託裁判官による裁判所外の証人尋問(195条4号) |
| 当事者の関与なし | 弁論の制限・分離・併合(152条1項)、調書判決(254条1項) |
正しい。争点若しくは証拠の整理などに当たって専門委員を手続に関与させるには、当事者の意見を聴けば足り、同意は要らない(92条の2第1項)。
92条の2第1項は、裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると規定する。要件は当事者の意見を聴くことであり、同意ではないから、当事者が反対しても裁判所は関与の決定をすることができる。争点整理の段階での専門委員の説明は、裁判所が専門的な事項を理解して訴訟を適切に指揮するための補助にとどまり、それ自体が証拠になるわけではないから、当事者の手続保障としては意見聴取で足りるとされたのである。これに対し、証人等への直接の発問や和解の期日への関与のように、当事者の立証や意思決定に直接影響する場面では同意が要る(同条3項後段・4項)。肢は正しい。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
| 場面 | 当事者の関与 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行協議への関与 | 意見を聴く | 92条の2第1項 |
| 証拠調べの期日への関与 | 意見を聴く | 92条の2第3項前段 |
| 証人・当事者本人・鑑定人への直接の発問 | 同意を得る | 92条の2第3項後段 |
| 和解を試みる期日への関与 | 同意を得る | 92条の2第4項 |
| 関与決定の取消し | 双方の申立てがあれば必ず取り消す | 92条の4 |
| 除斥・忌避の申立て | 決定の確定まで手続に関与できない | 92条の6第2項 |
誤り。違うのは「当事者の意見を聴けばその同意がなくとも」の部分である。専門委員が証人等に直接問いを発することを許すには、当事者の同意が必要である(92条の2第3項後段)。
92条の2第3項前段は、裁判所は証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で専門委員を証拠調べの期日に関与させることができると定める。関与させること自体は意見聴取で足りる。しかし同項後段は、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができると定める。専門委員が証人に直接質問すると、外から見れば尋問と区別がつかず、その結果が事実上の証拠資料となるおそれや、当事者が尋問を通じて立証する権利を実質的に損なうおそれがある。そのため、意見聴取より重い当事者の同意を要件としたのである。肢は同意の要件を意見聴取にすり替えている。

裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
| 場面 | 当事者の関与 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行協議への関与 | 意見を聴く | 92条の2第1項 |
| 証拠調べの期日への関与 | 意見を聴く | 92条の2第3項前段 |
| 証人・当事者本人・鑑定人への直接の発問 | 同意を得る | 92条の2第3項後段 |
| 和解を試みる期日への関与 | 同意を得る | 92条の2第4項 |
| 関与決定の取消し | 双方の申立てがあれば必ず取り消す | 92条の4 |
| 除斥・忌避の申立て | 決定の確定まで手続に関与できない | 92条の6第2項 |
誤り。違うのは「当事者の意見を聴けばその同意がなくとも」の部分である。和解を試みる期日に専門委員を関与させるには、当事者の同意が必要である(92条の2第4項)。
92条の2第4項は、裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると規定する。争点整理や証拠調べへの関与(同条1項・3項前段)が意見聴取で足りるのと異なり、和解の期日については関与の決定そのものに当事者の同意が必要である。和解は当事者が互いに譲歩して合意で紛争を終わらせる手続であり、当事者の自律的な意思決定が最も尊重されるべき場面である。そこに第三者である専門委員が加わって専門的な説明をすれば、当事者の判断に直接影響を与えるから、同意なしに関与させるのは相当でないとされたのである。当事者双方が立ち会うことができる期日に限っているのも、一方だけがいる場で説明がされる不公平を避けるためである。肢は同意の要件を欠いている。

裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことができる和解を試みる期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。
| 場面 | 当事者の関与 | 条文 |
|---|---|---|
| 争点・証拠の整理、進行協議への関与 | 意見を聴く | 92条の2第1項 |
| 証拠調べの期日への関与 | 意見を聴く | 92条の2第3項前段 |
| 証人・当事者本人・鑑定人への直接の発問 | 同意を得る | 92条の2第3項後段 |
| 和解を試みる期日への関与 | 同意を得る | 92条の2第4項 |
| 関与決定の取消し | 双方の申立てがあれば必ず取り消す | 92条の4 |
| 除斥・忌避の申立て | 決定の確定まで手続に関与できない | 92条の6第2項 |
誤り。違うのは「当事者の同意を得なければならない」の部分である。争点及び証拠の整理に専門委員を関与させるには、当事者の意見を聴けば足りる(92条の2第1項)。
92条の2第1項は、裁判所は争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると定める。求められているのは当事者の意見を聴くことであり、同意ではない。訴訟の外の第三者が手続に関与する以上、当事者に意見を述べる機会を与える必要はあるが、同意を要件にすると、裁判所が専門委員の関与を必要と判断しても当事者の一方が反対すれば関与させられず、審理の充実と迅速という制度の目的が果たせないからである。これに対し、専門委員が証人などに直接問いを発すること(同条3項後段)や、和解を試みる期日に関与させること(同条4項)には当事者の同意が要る。当事者双方の申立てがあれば関与の決定は取り消さなければならない(92条の4ただし書)。肢は誤っている。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
- 同意が要る:必要的移送の相手方(19条1項。法定専属管轄は除く・20条1項)、控訴審の反訴(300条1項。異議なく本案弁論をすれば同意擬制・同条2項)、専門委員の直接の発問・和解期日への関与(92条の2第3項後段・4項)
- 意見を聴く:弁論準備手続に付す(168条)、書面による準備手続に付す(175条)、専門委員の争点整理・証拠調べへの関与(92条の2第1項・3項前段)
- 異議があったときだけ問題になる:補助参加の許否(44条1項)
- 双方の申立てで必ず取り消す:弁論準備手続に付する裁判(172条ただし書)、専門委員の関与決定(92条の4ただし書)
誤り。違うのは「当事者の同意を得なければならない」の部分である。争点及び証拠の整理に専門委員を関与させるには、当事者の意見を聴けば足りる(92条の2第1項)。
92条の2第1項は、裁判所は争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができると定める。求められているのは当事者の意見を聴くことであり、同意ではない。訴訟の外の第三者が手続に関与する以上、当事者に意見を述べる機会を与える必要はあるが、同意を要件にすると、裁判所が専門委員の関与を必要と判断しても当事者の一方が反対すれば関与させられず、審理の充実と迅速という制度の目的が果たせないからである。これに対し、専門委員が証人などに直接問いを発すること(同条3項後段)や、和解を試みる期日に関与させること(同条4項)には当事者の同意が要る。当事者双方の申立てがあれば関与の決定は取り消さなければならない(92条の4ただし書)。肢は誤っている。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
- 同意が要る:必要的移送の相手方(19条1項。法定専属管轄は除く・20条1項)、控訴審の反訴(300条1項。異議なく本案弁論をすれば同意擬制・同条2項)、専門委員の直接の発問・和解期日への関与(92条の2第3項後段・4項)
- 意見を聴く:弁論準備手続に付す(168条)、書面による準備手続に付す(175条)、専門委員の争点整理・証拠調べへの関与(92条の2第1項・3項前段)
- 異議があったときだけ問題になる:補助参加の許否(44条1項)
- 双方の申立てで必ず取り消す:弁論準備手続に付する裁判(172条ただし書)、専門委員の関与決定(92条の4ただし書)
正しい。現在の92条の2第3項(出題当時は同条2項)は、証拠調べをするに当たり必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門委員を手続に関与させることができると定めている。
専門委員は、建築や医療など専門的な知見を要する事件で、裁判所が手続を進めるうえで必要な専門的知識を補うために関与させる者である。92条の2は、争点・証拠の整理や進行協議の段階(1項)、証拠調べの段階(3項)、和解の段階(4項)に分けて関与の要件を定めている。証拠調べの段階については、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときに、当事者の意見を聴いて、決定で関与させることができ、当事者の同意までは要しない。専門委員の説明は証拠そのものではなく、証言や鑑定の内容を裁判所が正確に理解するための補助にとどまるからである。ただし、専門委員が証人などに直接問いを発するには当事者の同意が必要とされている。肢は条文どおりであり、正しい。

裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
正しい。現在の92条の2第3項(出題当時は同条2項)は、証拠調べをするに当たり必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門委員を手続に関与させることができると定めている。
専門委員は、建築や医療など専門的な知見を要する事件で、裁判所が手続を進めるうえで必要な専門的知識を補うために関与させる者である。92条の2は、争点・証拠の整理や進行協議の段階(1項)、証拠調べの段階(3項)、和解の段階(4項)に分けて関与の要件を定めている。証拠調べの段階については、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときに、当事者の意見を聴いて、決定で関与させることができ、当事者の同意までは要しない。専門委員の説明は証拠そのものではなく、証言や鑑定の内容を裁判所が正確に理解するための補助にとどまるからである。ただし、専門委員が証人などに直接問いを発するには当事者の同意が必要とされている。肢は条文どおりであり、正しい。

裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
誤り。違うのは「当事者に意見を述べる機会を与える必要はない」の部分である。裁判所は、専門委員がした説明について、当事者に意見を述べる機会を与えなければならない(規則34条の5)。
92条の2第1項後段は、専門委員の説明は裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならないと定め、民事訴訟規則34条の5は、裁判所は専門委員がした説明について当事者に意見を述べる機会を与えなければならないと定める。専門委員の説明は証拠ではないが、裁判所が専門的な事項を理解する前提となり、事実上は心証の形成に影響を与え得る。そこで、説明を当事者の目の前か書面で行わせて内容を当事者に開示し、そのうえで当事者が説明の誤りや偏りを指摘できるようにして、当事者の知らないところで裁判所の理解が固まることを防いでいるのである。肢は意見を述べる機会を与える必要がないとしており、誤りである。

裁判所は、争点若しくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない。
- 関与の決定:争点整理・進行協議と証拠調べは当事者の意見を聴いて、和解は当事者の同意を得て決定する(92条の2第1項・第3項・第4項)
- 説明の方法:裁判長が書面により、又は口頭弁論・弁論準備手続の期日で口頭でさせる(92条の2第1項後段)。当事者には意見を述べる機会を与える(規則34条の5)
- 証人等への直接の発問:裁判長が当事者の同意を得て許す(92条の2第3項後段)
- 説明の扱い:証拠調べではないので証拠資料にならない。宣誓もしない(専門委員は非常勤の裁判所職員。92条の5第3項)
- 取消し:相当と認めるときは申立て又は職権で取り消せる。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない(92条の4)
誤り。違うのは「当事者の同意を得ずに証人に直接に問いを発することができる」の部分である。専門委員が証人に直接問いを発するには、裁判長が当事者の同意を得て許すことが必要である(92条の2第3項後段)。
92条の2第3項は、証拠調べの期日に専門委員を関与させることができるとしたうえで、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について、専門委員が証人等に直接に問いを発することを許すことができると定める(出題当時は同条2項)。証人に対する問いとその答えは証言として証拠になるので、当事者でも裁判官でもない専門委員が問いを発すると、専門委員が事実上証拠の形成に関わることになる。関与の決定自体は当事者の意見を聴けば足りるが、直接の発問については当事者の意向への配慮を強め、同意まで要求したのである。同意なく発問できるとする肢は誤りである。

裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合において、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明をさせるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
- 関与の決定:争点整理・進行協議と証拠調べは当事者の意見を聴いて、和解は当事者の同意を得て決定する(92条の2第1項・第3項・第4項)
- 説明の方法:裁判長が書面により、又は口頭弁論・弁論準備手続の期日で口頭でさせる(92条の2第1項後段)。当事者には意見を述べる機会を与える(規則34条の5)
- 証人等への直接の発問:裁判長が当事者の同意を得て許す(92条の2第3項後段)
- 説明の扱い:証拠調べではないので証拠資料にならない。宣誓もしない(専門委員は非常勤の裁判所職員。92条の5第3項)
- 取消し:相当と認めるときは申立て又は職権で取り消せる。当事者双方の申立てがあれば取り消さなければならない(92条の4)




