訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。
この条文の過去問 4問
正しい。63条により、責めに帰すべき事由で期間を守らず訴訟を遅滞させた当事者には、勝訴しても遅滞によって生じた訴訟費用の全部を負担させることができる。
63条は、当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができると定める。訴訟費用は敗訴者の負担が原則であるが(61条)、訴訟を遅らせた当事者にはその分の費用を負わせることで、審理を遅らせないよう促す例外である。裁判長は特定の事項に関する主張を記載した準備書面の提出期間を定めることができ(162条1項)、その期間を責めに帰すべき事由で守らなかったことは「期間の不遵守」に当たる。条文は「全部又は一部」としているので、遅滞によって生じた費用の全部を負担させることもできる。肢は63条のとおりである。

当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
| 場面 | 制裁 | 条文 |
|---|---|---|
| 訴訟の完結を遅延させるためだけの控訴 | 手数料の10倍以下の金銭の納付 | 303条1項 |
| 送達費用の不予納 | 裁判長の命令で訴状却下 | 138条2項・137条2項 |
| 責めに帰すべき事由で訴訟を遅滞させた | 勝訴しても遅滞による訴訟費用を負担 | 63条 |
| 第三者が文書提出命令に従わない | 決定で20万円以下の過料 | 225条1項 |
| 趣旨不明瞭な攻撃防御方法について釈明しない | 却下の決定 | 157条2項 |
正しい。訴訟費用は敗訴者の負担が原則であるが(61条)、勝訴者にも権利の伸張又は防御に必要でない行為によって生じた費用を負担させることができる(62条)。
61条は、訴訟費用は敗訴の当事者の負担とすると定める。敗訴した当事者は、結果としていわれのない請求をし、又は理由のない抵抗をして相手方に費用を支出させたのだから、その費用を負担すべきだという考え方による。しかし、62条は、裁判所は事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができると定める。勝訴した当事者であっても、不必要な証拠の申出をしたり、無用な主張を重ねたりして費用を増やしたのであれば、その部分まで敗訴者に負担させるのは公平に反するからである。同条は、行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張又は防御に必要であった行為によって生じた費用についても、勝訴者に負担させることを認めている。さらに、訴訟を遅滞させた勝訴者に遅滞による費用を負担させることもできる(63条)。肢は条文どおりである。

訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。/裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
- 負担の裁判:事件を完結する裁判で、職権で訴訟費用の全部について負担の裁判をする(67条1項)
- 敗訴者負担:訴訟費用は敗訴の当事者が負担する(61条)
- 不必要な行為:勝訴者にも、権利の伸張又は防御に必要でない行為で生じた費用を負担させられる(62条)
- 和解:費用の負担について特別の定めがなければ各自が負担する(68条)
- 訴訟費用の範囲:民事訴訟費用等に関する法律が定める費用に限られ、任意に選任した弁護士の報酬は含まれない
- 訴訟上の救助:資力のない者に、申立てにより決定で与える。勝訴の見込みがないとはいえないときに限る(82条1項)
誤り。違うのは「弁護士費用を支払う資力がないことを考慮することはできない」の部分である。訴訟上の救助の資力要件にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」には弁護士費用も含まれる(82条1項)。
82条1項は、訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は申立てにより訴訟上の救助の決定をすることができ、ただし勝訴の見込みがないとはいえないときに限ると定める。救助の決定によって猶予されるのは手数料や送達費用などの裁判費用であるが、資力の有無を判断する基準は「訴訟の準備及び追行に必要な費用」であり、裁判費用だけでなく、訴訟の準備に必要な費用や訴訟を追行するための弁護士費用も含まれると解されている。資力の乏しい者にも訴訟を利用できるようにするという制度の目的からすれば、実際に訴訟をするのに必要な費用全体を払えるかどうかで判断すべきだからである。不法行為の損害賠償では弁護士費用の一部を損害として請求できる場合があるが、それは勝訴して初めて回収できるものにすぎず、訴訟を準備し追行する時点で負担が生じることに変わりはない。肢はこの点を取り違えている。

訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、訴訟上の救助の決定をすることができる。ただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る。
正しい。訴訟費用の負担の額は、負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより第一審裁判所の裁判所書記官が定める(71条1項)。
71条1項は、訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定めると定める。誰がどの割合で訴訟費用を負担するかは、判決など裁判所の裁判で決まる(67条1項)が、その裁判で定まった負担割合に従って具体的な金額を計算する作業は、手数料や証人の日当などを領収書等に基づいて積算する事務的な性質のものであるから、裁判官ではなく書記官の権限とされた。上訴審で終わった事件でも額を定めるのは第一審裁判所の書記官である。書記官の処分に不服があれば、告知から1週間の不変期間内に異議を申し立てることができる(同条5項)。肢は条文のとおりである。

訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める。
| 事務 | する者 | 条文 |
|---|---|---|
| 訴状の必要的記載事項の審査・補正命令・訴状却下 | 裁判長 | 137条 |
| 訴え提起の手数料の納付を命じる処分 | 裁判所書記官 | 137条の2第1項 |
| 支払督促の発付 | 裁判所書記官 | 382条 |
| 訴訟記録の閲覧等の請求の受付 | 裁判所書記官 | 91条・91条の2 |
| 訴訟費用の負担の額の確定 | 第一審裁判所の裁判所書記官 | 71条1項 |
| 当事者照会 | 当事者が相手方に直接(裁判所は関与しない) | 163条 |






