1次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。判決の証拠となった文書その他の物件が偽造され若しくは変造されたものであったこと又は判決の証拠となった電磁的記録が不正に作られたものであったこと。証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
1 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
2 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
3 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
4 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
5 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
6 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造され若しくは変造されたものであったこと又は判決の証拠となった電磁的記録が不正に作られたものであったこと。
7 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
8 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
9 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
10 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
2前項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。
3控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。
この条文の過去問 21問
誤り。違うのは「重複する訴えの提起の禁止に反したことを理由として、再審の訴えを提起することができる」の部分である。
338条1項は、確定判決の既判力を例外的に覆す再審の事由を1号から10号に限って定めており、重複起訴の禁止に違反したことはそこに含まれない。142条違反は訴訟要件の欠缺として控訴・上告で是正すべき瑕疵であり、看過されたまま後行訴訟の判決が確定すれば、もはや再審でその判決を取り消すことはできない。むしろ、確定した後行訴訟の判決の既判力が、なお係属中の先行訴訟の裁判所を拘束することになり、先行訴訟ではこれと抵触する判決をすることができなくなる。それでも抵触する判決がされて確定したときは、後に確定したその判決が、不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること(338条1項10号)に当たり、再審で取り消される。再審で取り消されるのは先に確定した後行訴訟の判決ではなく、後から確定した抵触判決の側であり、肢はこの関係を誤っている。

不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
誤り。違うのは「当該訴えの取下げは有効である」の部分である。脅迫など明らかに刑事上罰すべき他人の行為による取下げは無効である(最判昭46.6.25)。
最判昭46.6.25は、訴えの取下げは訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵が直ちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴えの取下げがされるに至ったときは、338条1項5号の法意に照らし、その取下げは無効と解すべきであると判示した。訴訟行為は手続の安定のため表示を基準に効力が決まり、民法の詐欺・強迫の規定はそのまま適用されない。しかし、刑事上罰すべき他人の行為による自白や攻撃防御方法の提出の妨害は、確定判決をも再審で覆す事由とされているのだから、判決によらずに訴訟を終わらせる取下げについてはなおさら効力を否定すべきだからである。同判決は、この無効の主張には再審の場合と異なり338条2項の適用はなく、有罪判決の確定などは要しないとした。肢は判例に反する。

訴の取下は訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵がただちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴の取下がなされるにいたったときは、民訴法420条1項5号の法意に照らし、その取下は無効と解すべきであ(る)
正しい。偽証のような可罰行為を再審事由とする場合、30日の期間は有罪判決の確定を知った日から起算する(342条1項・338条2項)。
342条1項は、再審の訴えは当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から30日の不変期間内に提起しなければならないと定める。証人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと(338条1項7号)を再審事由とする場合には、罰すべき行為について有罪の判決が確定したときなどに限り再審の訴えを提起することができる(同条2項)。有罪判決の確定は再審の訴えの適法要件であり、偽証の事実を知っただけでは再審の訴えを提起することができないから、それより前に期間が進行し始めると、適法に訴えを提起できない間に期間が過ぎてしまう。そこで、可罰行為を再審事由とする場合の再審の事由を知った日とは、有罪判決が確定したことを知った日と解されている(大判昭12.12.8)。本肢では、Aの有罪判決の確定を知った日から30日以内に提起すればよい。肢は正しい。

再審の訴えは、当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から三十日の不変期間内に提起しなければならない。
- 管轄:不服の申立てに係る判決をした裁判所の専属管轄(340条1項)
- 原告適格:確定判決の当事者と、既判力を受ける承継人(一般・特定を問わない)。判決効を受ける第三者は独立当事者参加の申出とともにすれば原告適格がある(最決平25.11.21)
- 期間:再審の事由を知った日から30日の不変期間(342条1項)。判決確定から5年で提起できなくなる(同条2項)
- 補充性:上訴で主張したとき、知りながら主張しなかったときは再審事由にならない(338条1項ただし書)
- 審理:再審事由の有無を決定で判断し、開始決定の確定後に本案を審理する(346条・348条)
正しい。再審事由を知りながら上訴で主張しなかった場合は再審の訴えで主張できず、判断の遺脱は判決の送達で知ったものとされる(338条1項ただし書、最判昭41.12.22)。
338条1項柱書ただし書は、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、再審の訴えで不服を申し立てることができないと定める(再審の補充性)。最判昭41.12.22は、知りながら主張しなかったときには、上訴を提起しながら上訴審で主張しない場合だけでなく、上訴を提起しないで判決を確定させた場合も含まれ、判断の遺脱のような再審事由については、特別の事情のない限り、終局判決の送達により当事者はこれを知ったものと解するとした。再審は確定判決を覆す非常の手段であり、上訴で是正する機会があったのにそれを使わなかった当事者を再審で救う必要はないからである。判断の遺脱は判決を読めば分かる瑕疵であり、本肢のXは遺脱を認識しながら控訴していないから、再審事由として主張できない。肢は正しい。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
- 管轄:不服の申立てに係る判決をした裁判所の専属管轄(340条1項)
- 原告適格:確定判決の当事者と、既判力を受ける承継人(一般・特定を問わない)。判決効を受ける第三者は独立当事者参加の申出とともにすれば原告適格がある(最決平25.11.21)
- 期間:再審の事由を知った日から30日の不変期間(342条1項)。判決確定から5年で提起できなくなる(同条2項)
- 補充性:上訴で主張したとき、知りながら主張しなかったときは再審事由にならない(338条1項ただし書)
- 審理:再審事由の有無を決定で判断し、開始決定の確定後に本案を審理する(346条・348条)
正しい。同居者への補充送達は有効であるが、事実上の利害関係の対立のため書類が本人に渡らず、本人が訴えを知らないまま判決がされたときは、338条1項3号の再審事由がある(最決平19.3.20)。
最決平19.3.20は、受送達者あての書類の交付を受けた同居者等が、その訴訟で受送達者の相手方当事者又はこれと同視し得る者に当たる場合は別として、事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には、同居者等に書類を交付することで受送達者に対する送達の効力が生ずるとした。そのうえで、補充送達が有効であっても直ちに再審事由が否定されるわけではなく、手続関与の機会が与えられていたかの観点から改めて判断すべきであり、同居者等から受送達者に書類が実際に交付されず、受送達者が訴訟の提起を知らないまま判決がされたときは、代理人として訴訟行為をした者が代理権を欠いた場合と別異に扱う理由はないから、338条1項3号の再審事由があるとした。本肢の妻は原告である信販会社と同視し得る者ではないから送達は有効であるが、書類を隠して被告に手続関与の機会を失わせたのであるから、被告は再審の訴えを提起できる。

当該同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が実際に交付されず、そのため、受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには、当事者の代理人として訴訟行為をした者が代理権を欠いた場合と別異に扱う理由はないから、民訴法338条1項3号の再審事由があると解するのが相当である。
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 原告が被告の住所を知りながら公示送達を申し立て、被告が知らないまま控訴期間が過ぎた | 最判昭42.2.24 | 控訴の追完(97条1項)を認める |
| 同居者が訴状を受領して隠し、被告が知らないまま判決が確定した | 最決平19.3.20 | 補充送達は有効。ただし338条1項3号の再審事由に当たる |
| 書留郵便に付する送達で発送した書類が返戻された | 107条3項 | 発送の時に送達があったとみなされ、送達は有効 |
誤り。違うのは「30日を経過した後は,再審の訴えを提起することができない」の部分である。代理権を欠いたことを理由とする再審の訴えには、30日の期間制限は適用されない(342条3項)。
342条1項は、再審の訴えは当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から30日の不変期間内に提起しなければならないと定め、同条2項は、判決が確定した日から5年を経過したときは再審の訴えを提起することができないとする。しかし、同条3項は、338条1項3号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項10号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、これらの期間制限を適用しないとしている。いったん確定した判決を覆すことは法的安定を害するから、原則として再審期間を限っているが、代理権を欠いた者によって訴訟が追行された場合、本人は一度も自ら手続に関与する機会を与えられておらず、その保護を法的安定より優先すべきだからである。本肢の法定代理人の無権代理行為を看過した判決は、338条1項3号の代理権を欠いた場合に当たるから、本人が判決を知った日から30日を過ぎても再審の訴えを提起できる。肢は誤っている。

再審の訴えは、当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から三十日の不変期間内に提起しなければならない。/判決が確定した日(再審の事由が判決の確定した後に生じた場合にあっては、その事由が発生した日)から五年を経過したときは、再審の訴えを提起することができない。/前二項の規定は、第三百三十八条第一項第三号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項第十号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、適用しない。
誤り。違うのは「当事者が上告によりその事由を主張したときであっても,再審の訴えを提起することができる」の部分である。上告によりその事由を主張したときは、再審の訴えを提起することができない(338条1項ただし書)。
338条1項は、同項各号の事由がある場合には確定した終局判決に対し再審の訴えをもって不服を申し立てることができるとし、2号に法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを挙げる。しかし同項ただし書は、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでないと定める。再審は確定判決の既判力を例外的に破る非常の救済手段であるから、上訴という通常の不服申立ての中で同じ事由を争う機会があった場合には、それを使い尽くした当事者に重ねて再審を許す必要はない。このように再審が上訴に対して補充的な地位にとどまることを再審の補充性という。2号の事由は絶対的上告理由でもある(312条2項2号)から、上告審で主張して判断を受けた以上、再審で蒸し返すことはできない。肢は338条1項ただし書を無視している。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
- 補充性:上訴で主張したとき、知りながら主張しなかったときは再審の訴えを提起できない(338条1項ただし書)
- 期間:再審の事由を知った日から30日の不変期間、判決確定から5年(342条1項・2項)。代理権の欠缺と前の確定判決との抵触は期間の制限がない(同条3項)
- 不服の理由:訴えの提起後も変更できる(344条)
- 第1段階:不適法なら決定で却下、再審の事由がなければ決定で棄却し(345条1項・2項)、事由があれば相手方を審尋して再審開始の決定をする(346条)
- 第2段階:開始決定の確定後、不服申立ての限度で本案を審理し、判決を正当とするときは再審の請求を棄却し、それ以外は判決を取り消して更に裁判をする(348条)
正しい。前に確定した判決との抵触を理由とする再審の訴えには、30日の不変期間と5年の除斥期間の制限が適用されない(342条3項)。
342条1項は、再審の訴えは当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から30日の不変期間内に提起しなければならないとし、同条2項は、判決が確定した日から5年を経過したときは再審の訴えを提起することができないとする。期間の制限は、確定判決によって安定した法律関係をいつまでも覆せる状態に置かないためのものである。しかし同条3項は、338条1項3号の事由のうち代理権を欠いたことと、同項10号の不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触することを理由とする再審の訴えには、これらの規定を適用しないとする。内容の抵触する二つの確定判決が併存すると、どちらに従うべきかが定まらず、かえって法律関係が不安定になるから、期間が過ぎたことを理由に後の判決を放置することはできない。そのため、期間の制限なく後の判決を取り消せるようにしたのである。肢は342条3項のとおりである。

前二項の規定は、第三百三十八条第一項第三号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項第十号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、適用しない。
- 補充性:上訴で主張したとき、知りながら主張しなかったときは再審の訴えを提起できない(338条1項ただし書)
- 期間:再審の事由を知った日から30日の不変期間、判決確定から5年(342条1項・2項)。代理権の欠缺と前の確定判決との抵触は期間の制限がない(同条3項)
- 不服の理由:訴えの提起後も変更できる(344条)
- 第1段階:不適法なら決定で却下、再審の事由がなければ決定で棄却し(345条1項・2項)、事由があれば相手方を審尋して再審開始の決定をする(346条)
- 第2段階:開始決定の確定後、不服申立ての限度で本案を審理し、判決を正当とするときは再審の請求を棄却し、それ以外は判決を取り消して更に裁判をする(348条)
正しい。最判昭33.3.7は、刑事上罰すべき他人の行為により自白をした場合には、338条1項5号の趣旨から自白の効力は認められないとしており、ここにいう他人には第三者も含まれる。
裁判上の自白が成立すると、相手方は立証を要しないと信頼するので、自白した当事者は原則として自白を撤回できない。例外として、相手方が撤回に同意した場合、刑事上罰すべき他人の行為により自白をした場合、自白が真実に反し錯誤によるものである場合には撤回が許されると解されている。このうち刑事上罰すべき他人の行為による場合について、最判昭33.3.7は、338条1項5号が刑事上罰すべき他人の行為により自白をするに至ったことを再審事由としていることから、そのような自白の効力は認められないとした。判決が確定した後でも再審で覆せるほどの事情であれば、判決前の手続の中で考慮するのが当然だからである。再審の場合と違い、有罪判決の確定などは要しない(最判昭36.10.5)。条文が他人の行為としているとおり、相手方に限らず第三者の行為でもよい。肢は正しい。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
- 対象:拘束力のある裁判上の自白は主要事実について成立する。間接事実・補助事実(書証の成立の真正など)の自白は裁判所を拘束しない
- 擬制自白:争ったかどうかは口頭弁論終結時に弁論の全趣旨で判断する(159条1項)
- 撤回できる場合:相手方の同意、刑事上罰すべき他人の行為による自白(有罪判決は不要)、反真実かつ錯誤
- 撤回の時期:撤回も攻撃防御方法の提出として、時機に後れたものとして却下され得る(157条1項)
- 先行自白:相手方が援用する前なら自由に撤回できる
正しい。最判昭33.3.7は、刑事上罰すべき他人の行為により自白をした場合には、338条1項5号の趣旨から自白の効力は認められないとしており、ここにいう他人には第三者も含まれる。
裁判上の自白が成立すると、相手方は立証を要しないと信頼するので、自白した当事者は原則として自白を撤回できない。例外として、相手方が撤回に同意した場合、刑事上罰すべき他人の行為により自白をした場合、自白が真実に反し錯誤によるものである場合には撤回が許されると解されている。このうち刑事上罰すべき他人の行為による場合について、最判昭33.3.7は、338条1項5号が刑事上罰すべき他人の行為により自白をするに至ったことを再審事由としていることから、そのような自白の効力は認められないとした。判決が確定した後でも再審で覆せるほどの事情であれば、判決前の手続の中で考慮するのが当然だからである。再審の場合と違い、有罪判決の確定などは要しない(最判昭36.10.5)。条文が他人の行為としているとおり、相手方に限らず第三者の行為でもよい。肢は正しい。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
- 対象:拘束力のある裁判上の自白は主要事実について成立する。間接事実・補助事実(書証の成立の真正など)の自白は裁判所を拘束しない
- 擬制自白:争ったかどうかは口頭弁論終結時に弁論の全趣旨で判断する(159条1項)
- 撤回できる場合:相手方の同意、刑事上罰すべき他人の行為による自白(有罪判決は不要)、反真実かつ錯誤
- 撤回の時期:撤回も攻撃防御方法の提出として、時機に後れたものとして却下され得る(157条1項)
- 先行自白:相手方が援用する前なら自由に撤回できる
誤り。違うのは「再審の訴えをもって不服を申し立てることはできない」の部分である。338条1項2号は、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを再審事由としており、除斥の原因のある裁判官の関与はこれに当たる。
338条1項2号は、確定した終局判決に対する再審事由として、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを挙げる。除斥の原因のある裁判官は、除斥の裁判があったかどうかにかかわらず法律上当然に職務から排除されるから、判決に関与することができない裁判官に当たる。裁判所の構成は手続の根幹にかかわる事柄であり、この瑕疵は判決の確定前であれば絶対的上告理由(312条2項2号)として上告で是正され、確定後も既判力を破る再審事由として残されているのである。もっとも、同項ただし書により、当事者が控訴若しくは上告でその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、再審の訴えを提起することができない(再審の補充性)。しかしこれは例外的な制限であり、およそ再審の訴えができないとする肢は誤りである。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
| 除斥(23条) | 忌避(24条) | |
|---|---|---|
| 原因 | 法定の類型的な関係(当事者の親族・前審関与など) | 裁判の公正を妨げるべき事情 |
| 開始 | 申立て又は職権で裁判(23条2項)。裁判がなくても当然に排除 | 当事者の申立てのみ |
| 関与した行為 | 知らずに関与しても無効・やり直し | 忌避の裁判までの行為は有効 |
| 判決確定後 | 再審事由(338条1項2号) | 忌避の裁判後の関与なら再審事由 |
| 裁判への不服 | 理由ありの決定には不服申立てできない。理由なしの決定には即時抗告(25条4項・5項) | 同じ |
| 書記官 | 準用(27条) | 準用(27条) |
誤り。違うのは「Yの詐欺によってされたものであるときでも,…陳述を変更することができない」の部分である。下線部③は主要事実で裁判上の自白が成立するが、刑事上罰すべき他人の行為による自白は撤回できる(最判昭33.3.7)。
下線部③のXY間の賃貸借の合意とそれに基づく引渡しは、Yの占有権原の抗弁の主要事実であるから、Xがこれを認めると裁判上の自白が成立し、原則として撤回できなくなる。しかし、自白の撤回は、相手方が同意した場合、刑事上罰すべき他人の行為により自白をした場合、自白が真実に反し錯誤によるものである場合には許されると解されている。最判昭33.3.7は、338条1項5号が刑事上罰すべき他人の行為により自白をするに至ったことを再審事由としていることから、そのような自白の効力は認められないとした。判決が確定した後でも再審で覆せる事情であれば、判決前の手続の中で考慮するのが当然だからである。詐欺は刑事上罰すべき行為に当たり、有罪判決の確定までは要しない。したがって、Xは否認に変更することができ、肢は誤りである。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
| 事実 | 位置づけ | 自白の効力 |
|---|---|---|
| ①XA間の賃貸借 | 占有権原の抗弁の間接事実(経緯) | 裁判所を拘束せず、撤回もできる |
| ②XA間の合意解除 | 間接事実(経緯) | 裁判所を拘束しない |
| ③XY間の賃貸借の合意と引渡し | 占有権原の抗弁の主要事実 | 証明不要・裁判所を拘束・原則として撤回できない(詐欺など刑事上罰すべき行為によるなら撤回できる) |
誤り。違うのは「再審の訴えをもって不服を申し立てることはできない」の部分である。338条1項2号は、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを再審事由としており、除斥の原因のある裁判官の関与はこれに当たる。
338条1項2号は、確定した終局判決に対する再審事由として、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したことを挙げる。除斥の原因のある裁判官は、除斥の裁判があったかどうかにかかわらず法律上当然に職務から排除されるから、判決に関与することができない裁判官に当たる。裁判所の構成は手続の根幹にかかわる事柄であり、この瑕疵は判決の確定前であれば絶対的上告理由(312条2項2号)として上告で是正され、確定後も既判力を破る再審事由として残されているのである。もっとも、同項ただし書により、当事者が控訴若しくは上告でその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、再審の訴えを提起することができない(再審の補充性)。しかしこれは例外的な制限であり、およそ再審の訴えができないとする肢は誤りである。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
| 除斥(23条) | 忌避(24条) | |
|---|---|---|
| 原因 | 法定の類型的な関係(当事者の親族・前審関与など) | 裁判の公正を妨げるべき事情 |
| 開始 | 申立て又は職権で裁判(23条2項)。裁判がなくても当然に排除 | 当事者の申立てのみ |
| 関与した行為 | 知らずに関与しても無効・やり直し | 忌避の裁判までの行為は有効 |
| 判決確定後 | 再審事由(338条1項2号) | 忌避の裁判後の関与なら再審事由 |
| 裁判への不服 | 理由ありの決定には不服申立てできない。理由なしの決定には即時抗告(25条4項・5項) | 同じ |
| 書記官 | 準用(27条) | 準用(27条) |
誤り。違うのは「第一審の判決に対してしなければならない」の部分である。控訴審が本案判決をしたときは、第一審判決に対して再審の訴えを提起することはできない(338条3項)。
338条3項は、控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができないと定める。控訴棄却の判決は、第一審判決を正当として維持する本案判決である。続審である控訴審は、第一審の資料を引き継いだうえで事件の全体を改めて審理し、自らの判断として請求の当否を決めているから、事件についての最終的な判断は控訴審判決にある。そのため、再審事由があるとして確定判決を取り消すべきなのは控訴審判決であり、それとは別に第一審判決を取り消させる意味はない。そこで、控訴審が本案判決をした場合は、再審の訴えの対象を控訴審判決に限ったのである。これに対し、控訴審が控訴を不適法として却下した場合は事件について判断していないから、第一審判決に対して再審の訴えを提起することになる。肢は対象を逆にしている。

控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。
- 補充性:控訴・上告で再審事由を主張したとき、又は知りながら主張しなかったときは再審の訴えを提起できない(338条1項ただし書)
- 対象:控訴審が本案判決をしたときは、第一審判決に対しては再審の訴えを提起できない(338条3項)
- 不服の理由:再審の訴えを提起した当事者は変更できる(344条)
- 二段階の審理:まず再審の事由の有無を決定で判断し、再審開始の決定をする(346条1項。相手方を審尋する)。この決定と却下・棄却の決定には即時抗告ができる(347条)
- 本案の審理:開始決定の確定後、不服申立ての限度で審理し(348条1項)、判決を正当とすれば再審の請求を棄却し(同条2項)、そうでなければ判決を取り消して更に裁判する(同条3項)
正しい。当事者が控訴によって再審事由を主張したときは、その事由で再審の訴えを提起することはできない(338条1項ただし書)。
338条1項は、同項各号の事由がある場合には確定した終局判決に対し再審の訴えをもって不服を申し立てることができるとし、10号に、不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触することを挙げる。そして同項ただし書は、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでないとする。再審は確定判決の既判力を破る例外的な手段であるから、通常の上訴で争う機会があった事由については、まずその上訴で争わせ、上訴審の判断を経たものを再び再審で蒸し返すことは許さないという趣旨である(再審の補充性)。本肢では、当事者が控訴で前の確定判決との抵触を主張し、控訴棄却によってその主張は退けられて判決が確定しているから、同じ事由で再審の訴えを提起することはできない。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。(略)十 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
- 補充性:控訴・上告で再審事由を主張したとき、又は知りながら主張しなかったときは再審の訴えを提起できない(338条1項ただし書)
- 対象:控訴審が本案判決をしたときは、第一審判決に対しては再審の訴えを提起できない(338条3項)
- 不服の理由:再審の訴えを提起した当事者は変更できる(344条)
- 二段階の審理:まず再審の事由の有無を決定で判断し、再審開始の決定をする(346条1項。相手方を審尋する)。この決定と却下・棄却の決定には即時抗告ができる(347条)
- 本案の審理:開始決定の確定後、不服申立ての限度で審理し(348条1項)、判決を正当とすれば再審の請求を棄却し(同条2項)、そうでなければ判決を取り消して更に裁判する(同条3項)
誤り。違うのは「当該訴えの取下げは有効である」の部分である。詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為によりされた訴えの取下げは無効である(最判昭46.6.25)。
最判昭46.6.25は、訴えの取下げは訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵が直ちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴えの取下げがされるに至ったときは、再審事由を定める規定(現行338条1項5号)の法意に照らし、その取下げは無効と解すべきであるとした。訴訟行為は手続の安定のため民法の意思表示の規定がそのまま適用されないが、確定判決でさえ他人の刑事上罰すべき行為によって自白や攻撃防御方法の提出を妨げられた場合は再審で取り消されるのだから、判決に至る前の取下げについても同じ事情があれば効力を否定すべきだからである。同判決は、その主張に有罪判決の確定などの再審の要件(同条2項)を要しないともした。肢は判例と逆の結論を述べている。

訴の取下は訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵がただちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴の取下がなされるにいたったときは、民訴法420条1項5号の法意に照らし、その取下は無効と解すべきであり
- 取下げの効力を争う方法:期日指定の申立てをする
- 有効と判断したとき:訴訟終了宣言判決をする
- 無効と判断したとき:訴訟手続を続け、中間判決又は終局判決の理由で無効を示す
- 刑事上罰すべき他人の行為による取下げ:無効であり、有罪判決の確定などは要らない(最判昭46.6.25)
誤り。違うのは「忌避の裁判の有無にかかわらず無効であり」の部分である。忌避は理由があるとする裁判によって初めて裁判官を職務から外すものであり、忌避の裁判前の行為は有効で、忌避原因があるだけの裁判官の判決関与は上告理由・再審事由にならない。
除斥は、法律の定める原因があれば法律上当然に裁判官を職務の執行から排除するものであり、除斥の裁判は確認的な意味を持つにとどまる。これに対し、忌避は、裁判の公正を妨げるべき事情があるときに当事者の申立てを受け、理由があるとする裁判がされて初めて裁判官を職務から外す形成的なものである(24条1項・25条)。忌避の原因があるかどうかは評価を伴う判断であり、裁判がされるまでは裁判官の地位に変動はないから、忌避の裁判前にその裁判官がした訴訟行為は有効である。上告理由・再審事由である法律により判決に関与することができない裁判官の関与(312条2項2号・338条1項2号)に当たるのは、除斥原因のある裁判官や忌避の裁判を受けた裁判官が判決に関与した場合であり、忌避原因があるだけの裁判官はこれに当たらない。肢は忌避を除斥と同視している。

法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
| 除斥(23条) | 忌避(24条) | |
|---|---|---|
| 原因 | 法定の原因(23条1項各号) | 裁判の公正を妨げるべき事情 |
| 排除の時期 | 原因があれば法律上当然に排除され、裁判は確認的 | 理由があるとする裁判で初めて排除される |
| 裁判の開始 | 申立て又は職権 | 当事者の申立てのみ |
| 申立権の喪失 | なし | 面前で弁論・申述をすれば失う(原因を知らなかったとき・後に生じたときを除く) |
| 関与した行為・判決 | 無効。判決への関与は上告理由・再審事由 | 忌避の裁判前の行為は有効。忌避の裁判後の関与が上告理由・再審事由 |
正しい。補助参加の申出は補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができ(43条2項)、補助参加人は再審の訴えを提起できるから(45条1項)、判決確定後でも補助参加の申出とともに再審の訴えを提起できる。
43条2項は、補助参加の申出は補助参加人としてすることができる訴訟行為とともにすることができると定め、45条1項は、補助参加人は攻撃防御方法の提出、上訴の提起、再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができると定める。再審の訴えは確定した終局判決に対して提起するものであり(338条1項)、判決が確定して訴訟が終わった後でも、その判決について利害関係を持つ第三者は、補助参加の申出をすると同時に再審の訴えを提起することで、被参加人のために確定判決の取消しを求めることができる。判決が確定すると補助参加すべき訴訟係属がなくなるようにも見えるが、再審の訴えによって訴訟手続が再開されるので、その手続に参加する形になる。肢は正しい。

補助参加人は、訴訟について、攻撃又は防御の方法の提出、異議の申立て、上訴の提起、再審の訴えの提起その他一切の訴訟行為をすることができる。ただし、補助参加の時における訴訟の程度に従いすることができないものは、この限りでない。
- 要件:訴訟の結果について法律上の利害関係を有する第三者(42条)。友情や感情的な利害では足りない
- 審査:当事者が異議を述べたときに限り、決定で許否を裁判する。異議がなければ参加の理由は審査しない(44条1項)
- 申出:参加の趣旨と理由を明らかにしてする。補助参加人としてできる訴訟行為とともにでき、判決確定後は再審の訴えとともにできる(43条)
- できる行為:攻撃防御方法の提出、上訴、再審の訴えの提起など一切の訴訟行為(45条1項本文)
- できない行為:参加時の訴訟の程度からできないもの、被参加人の訴訟行為と抵触するもの(45条1項ただし書・2項)
- 地位:当事者ではないので証人になれる。申出は相手方や被参加人の同意なく取り下げられる
誤り。違うのは「移審の効果はある」の部分である。再審の訴えは確定判決をした裁判所自身に再審判を求めるもので(340条1項)、確定遮断の効果だけでなく移審の効果もない。
338条1項は、再審の訴えは確定した終局判決に対して不服を申し立てるものと定め、340条1項は、再審の訴えは不服の申立てに係る判決をした裁判所の管轄に専属すると定める。上訴は、判決の確定前に上級の裁判所に審判を求めるものであり、判決の確定を止める確定遮断の効果と、事件を上級審に移す移審の効果を持つ。これに対し再審は、既に確定した判決について、重大な瑕疵があることを理由に例外的に確定判決の取消しと事件の再審判を求める非常の不服申立てである。判決は既に確定しているので確定を防止する余地はなく、審判をするのは原判決をした裁判所自身であるから、上級の裁判所に事件が移ることもない。確定遮断の効果がないとする前半は正しいが、移審の効果があるとする後半が誤りである。

再審の訴えは、不服の申立てに係る判決をした裁判所の管轄に専属する。
- 対象:確定した終局判決(338条1項柱書)。即時抗告できる決定・命令で確定したものには再審の申立て(349条1項)
- 事由:338条1項各号。判例は、送達が無効で訴訟に関与できなかった場合に3号の代理権欠缺に準じて再審を認める(最判平4.9.10)
- 補充性:控訴・上告でその事由を主張したとき、又は知りながら主張しなかったときは再審の訴えを起こせない(338条1項ただし書)
- 原告適格:確定判決の効力を受ける者。口頭弁論終結後の承継人は一般承継・特定承継を問わない(最判昭46.6.3)
- 管轄:不服の申立てに係る判決をした裁判所の専属管轄(340条1項)。上訴と違い移審の効果も確定遮断の効果もない
誤り。違うのは「これを類推適用することは許されない」の部分である。判例は、訴状が有効に送達されず被告とされた者が訴訟に関与する機会のないまま判決がされた場合に、代理権の欠缺(338条1項3号)と同視して再審事由を認めている(最判平4.9.10)。
最判平4.9.10は、7歳の子が訴状の交付を受けたが被告に渡さず、被告が訴えの提起を知らないまま欠席判決が確定した事案で、有効に訴状の送達がされず、そのために被告とされた者が訴訟に関与する機会が与えられないまま判決がされた場合には、当事者の代理人として訴訟行為をした者に代理権の欠缺があった場合と別異に扱う理由はないとして、338条1項3号の事由があるとした。再審事由は確定判決の法的安定を崩す例外であるから338条1項に列挙されたものに限られるが、3号が代理権の欠缺を再審事由とするのは、当事者が自ら又は正当な代理人を通じて訴訟に関与する機会を奪われたことを重大な瑕疵とみるからである。訴状が届かず訴訟を知らなかった者も同じく関与の機会を奪われているので、3号の趣旨が及ぶ。類推を一切許さないとする肢は判例に反し、誤りである。

有効に訴状の送達がされず、その故に被告とされた者が訴訟に関与する機会が与えられないまま判決がされた場合には、当事者の代理人として訴訟行為をした者に代理権の欠缺があった場合と別異に扱う理由はない
- 対象:確定した終局判決(338条1項柱書)。即時抗告できる決定・命令で確定したものには再審の申立て(349条1項)
- 事由:338条1項各号。判例は、送達が無効で訴訟に関与できなかった場合に3号の代理権欠缺に準じて再審を認める(最判平4.9.10)
- 補充性:控訴・上告でその事由を主張したとき、又は知りながら主張しなかったときは再審の訴えを起こせない(338条1項ただし書)
- 原告適格:確定判決の効力を受ける者。口頭弁論終結後の承継人は一般承継・特定承継を問わない(最判昭46.6.3)
- 管轄:不服の申立てに係る判決をした裁判所の専属管轄(340条1項)。上訴と違い移審の効果も確定遮断の効果もない
誤り。違うのは「再審の訴えを提起することは許される」の部分である。当事者が控訴又は上告によりその事由を主張したときは、その事由で再審の訴えを提起することはできない(338条1項ただし書)。
338条1項ただし書は、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、再審の訴えをもって不服を申し立てることはできないと定める。これを再審の補充性という。再審は、確定判決の法的安定を犠牲にしてでも重大な瑕疵を正すための非常の救済手段であり、上訴という通常の不服申立ての機会でその瑕疵を争えたのであれば、まずそこで争うべきである。控訴審で再審事由を主張して判断を受け、それが退けられて判決が確定したのであれば、その事由については既に上訴審の判断を受ける機会が尽くされているから、同じ事由で再び確定判決を争わせると、紛争がいつまでも終わらない。再審事由がある限り再審を起こせるとする肢は、補充性を無視しており、誤りである。

次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
- 対象:確定した終局判決(338条1項柱書)。即時抗告できる決定・命令で確定したものには再審の申立て(349条1項)
- 事由:338条1項各号。判例は、送達が無効で訴訟に関与できなかった場合に3号の代理権欠缺に準じて再審を認める(最判平4.9.10)
- 補充性:控訴・上告でその事由を主張したとき、又は知りながら主張しなかったときは再審の訴えを起こせない(338条1項ただし書)
- 原告適格:確定判決の効力を受ける者。口頭弁論終結後の承継人は一般承継・特定承継を問わない(最判昭46.6.3)
- 管轄:不服の申立てに係る判決をした裁判所の専属管轄(340条1項)。上訴と違い移審の効果も確定遮断の効果もない








