1申立て等をする者又はその法定代理人の住所、居所その他その通常所在する場所(以下この項及び次項において「住所等」という。)の全部又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者又は当該法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、住所等の全部又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。申立て等をする者又はその法定代理人の氏名その他当該者を特定するに足りる事項(次項において「氏名等」という。)についても、同様とする。
2前項の申立てをするときは、同項の申立て等をする者又はその法定代理人(以下この章において「秘匿対象者」という。)の住所等又は氏名等(次条第二項において「秘匿事項」という。)その他最高裁判所規則で定める事項を書面その他最高裁判所規則で定める方法により届け出なければならない。
3第一項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該申立てに係る秘匿対象者以外の者は、訴訟記録等(訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ。)中前項の規定による届出に係る部分(次条において「秘匿事項届出部分」という。)について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。)の請求をすることができない。
4第一項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5裁判所は、秘匿対象者の住所又は氏名について第一項の決定(以下この章において「秘匿決定」という。)をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所又は氏名に代わる事項を定めなければならない。この場合において、その事項を当該事件並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する手続において記載し、又は記録したときは、この法律その他の法令の規定の適用については、当該秘匿対象者の住所又は氏名を記載し、又は記録したものとみなす。
この条文の過去問 1問
正しい。法人の代表者には法定代理人の規定が準用されるから代表者の記載は訴状の必要的記載事項であり(37条・134条2項1号)、補正されなければ訴状は却下される(137条)。
37条は、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者について準用すると定める。法人は自ら訴訟行為をすることができず、代表者を通じて行為をする関係が、訴訟能力のない者が法定代理人を通じて行為をする関係に似ているからである。訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならない(134条2項1号)ので、株式会社が当事者となるときは、その代表者も訴状の必要的記載事項となる。必要的記載事項を欠く訴状については、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じ(137条1項)、原告が補正しないときは命令で訴状を却下する(同条2項)。代表者が分からなければ、誰に訴状を送達し誰を相手に手続を進めるのかが定まらないので、この記載が求められるのである。肢は条文のとおりである。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
| 場面 | 扱い | 条文 |
|---|---|---|
| 訴状の記載 | 代表者は必要的記載事項。欠ければ補正命令・訴状却下 | 134条2項1号・137条 |
| 送達 | 代表者にする | 99条1項(出題当時102条1項) |
| 代表権の欠缺 | 補正を命じ、追認があれば行為時にさかのぼって有効 | 34条1項・2項 |
| 代表権の消滅 | 相手方に通知しなければ効力を生じない(相手方の知不知を問わない) | 36条1項 |
| 表見法理 | 適用されない(最判昭45.12.15) | 民法109条・会社法354条 |
| 代表権を欠いた判決 | 上告理由・再審事由 | 312条2項4号・338条1項3号 |