1法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
この条文の過去問 8問
誤り。違うのは「和解についての特別の委任を受けていない場合であっても、訴訟上の和解をすることができる」の部分である。和解には条項の内容を問わず特別の委任が必要である(55条2項2号)。
55条1項は、訴訟代理人は委任を受けた事件について反訴、参加、強制執行などに関する訴訟行為をし、弁済を受領することができると包括的な権限を定め、同条2項は、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾などについては特別の委任を受けなければならないとする。勝訴判決を得るための訴訟追行は代理人の判断に委ねてよいが、和解のように訴訟そのものを当事者の合意で終わらせる行為は本人に重大な結果をもたらすから、本人の意思によらせる必要があるからである。この要件は和解条項の内容によって変わらず、訴訟物たる権利以外の権利に関する条項を含まない和解であっても特別の委任が必要である。判例は、和解の特別の委任を受けた代理人が訴訟物以外の権利を処分する条項についても権限を有するとしている(最判昭38.2.21)が、これは特別の委任があることを前提とした権限の範囲の話である。肢は誤っている。

訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第四十八条(第五十条第三項及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退
- 特別の委任なしにできること(1項):反訴・参加・強制執行・仮差押え・仮処分に関する訴訟行為、弁済の受領
- 特別の委任が要ること(2項):反訴の提起、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、訴訟脱退、控訴・上告・上告受理の申立てとその取下げ、異議の取下げとその同意、代理人の選任
- 制限の可否(3項):弁護士である訴訟代理人の代理権は制限できない
正しい。簡易裁判所では、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる(54条1項ただし書)。
54条1項本文は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないと定める(弁護士代理の原則)。しかし同項ただし書は、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができるとする。簡易裁判所の事件は比較的少額で軽微なものが多く、弁護士に依頼するのが経済的に見合わない場合も多いから、裁判所が相当と認めた者を代理人とすることを許したのである。この許可はいつでも取り消すことができる(同条2項)。法務大臣の認定を受けた司法書士は、訴額140万円以下の簡易裁判所の事件について法令上訴訟代理権を有し、許可を要しないから、許可代理の対象となるのは弁護士でも認定司法書士でもない者である。肢は条文どおりである。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
- 訴えの提起:口頭でできる(271条)。請求の原因に代えて紛争の要点で足りる(272条)
- 訴訟代理人:裁判所の許可で弁護士でない者も可(54条1項ただし書)
- 欠席と陳述擬制:続行期日にも準用(277条)。地裁は最初の期日だけ(158条)
- 尋問に代わる書面:相当と認めれば当事者の異議があっても可(278条)
- 地裁管轄の反訴:相手方の申立てで本訴・反訴を地裁へ移送(274条1項)
- 公開:特則はなく、口頭弁論は公開の法廷で行う(憲法82条)
誤り。違うのは「簡易裁判所の事件であっても,弁護士でない者を訴訟代理人とすることは許されない」の部分である。簡易裁判所では、その許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
54条1項本文は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほかは、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないと定め、弁護士代理の原則を置いている。法律の専門家でない者が他人の訴訟に介入して本人の利益を害することを防ぎ、訴訟手続の円滑な進行と安定を確保する趣旨である。もっとも、同項ただし書は、簡易裁判所においては、その許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とすることができると定める。簡易裁判所は少額で軽微な事件を簡易迅速に処理する裁判所であり、弁護士代理を貫くと当事者の負担が重くなって司法の利用を妨げるため、裁判所の個別の許可を条件に例外を認めたのである。この許可はいつでも取り消すことができ(同条2項)、許可を受けた弁護士でない訴訟代理人の代理権は制限することができる(55条3項ただし書)。肢は、ただし書の例外を落としている点で誤っている。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
正しい。選定当事者は当事者であって訴訟代理人ではないから弁護士代理の原則は及ばず、選定に裁判所の許可は要らない。
54条1項は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほかは、弁護士でなければ訴訟代理人となることができず、簡易裁判所では裁判所の許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とすることができると定める。しかし、選定当事者は、共同の利益を有する多数の者の中から選ばれ、自ら原告又は被告となる当事者であって、他人の訴訟を代わりに行う訴訟代理人ではないから、この規定は適用されない。30条も選定に裁判所の許可を要求していない。選定当事者は選定者と共同の利益を持つ者に限られており、その中から選ばれる以上、弁護士でない者が訴訟を業として扱う弊害も生じにくい。したがって、弁護士以外の者を選定当事者に選定しても、裁判所の許可は必要でない。肢は正しい。

共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
- 要件:共同の利益を有する多数の者で、法人でない社団等に当たらないこと(30条1項)
- 時期:訴訟の係属前でも後でもできる。係属後の選定で他の当事者は当然に脱退する(30条2項)
- 資格・許可:選定当事者は当事者であって訴訟代理人ではないから、弁護士でなくてよく、裁判所の許可も要らない
- 死亡:一部の死亡では他の選定当事者が訴訟を続ける(30条5項)。全員の死亡で中断し、選定者全員又は新たな選定当事者が受継する(124条1項6号)。相続人は承継しない
- 判決効:選定者に及ぶ(115条1項2号)
正しい。支配人は商人に代わってその営業に関する一切の裁判上の行為をする権限を持ち(商法21条1項)、法令により裁判上の行為をすることができる代理人として、弁護士でなくても訴訟代理人になれる(民事訴訟法54条1項本文)。
商法21条1項は、支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有すると定める。裁判上の行為とは、訴えの提起や応訴、強制執行の申立てなど訴訟手続上の行為をいい、支配人は商人の営業に関する限りこれらを商人の名で行うことができる。民事訴訟法54条1項本文は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほかは弁護士でなければ訴訟代理人となることができないとして弁護士代理の原則を定めているが、支配人はまさに商法21条1項という法令により裁判上の行為をすることができる代理人に当たる。支配人は営業所の営業全体を任された包括的な代理人であり、営業上の紛争を自ら処理できなければその職責を果たせないから、弁護士資格を問わずに訴訟代理権を認めたのである。会社の支配人についても会社法11条1項が同じ権限を定める。これに対して、表見支配人とみなされる使用人の権限は裁判外の行為に限られる(24条本文)。肢は21条1項と民事訴訟法54条1項のとおりであり正しい。

支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- 支配人(21条): 営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為。選任・消滅は登記
- 表見支配人(24条): 営業所の営業の主任者の名称を付した使用人。その営業所の営業に関する一切の裁判外の行為の権限があるとみなす。相手方の悪意で不適用。営業所の実質が必要(最判昭37.5.1)
- ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人(25条): その事項に関する一切の裁判外の行為。制限は善意の第三者に対抗不可
- 物品販売店舗の使用人(26条): 店舗に在る物品の販売等の権限があるとみなす。相手方の悪意で不適用
誤り。違うのは「簡易裁判所の事件であっても,弁護士でない者を訴訟代理人とすることは許されない」の部分である。簡易裁判所では、その許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる(54条1項ただし書)。
54条1項本文は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないとし、同項ただし書は、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができると定める。訴訟委任に基づく訴訟代理人を弁護士に限るのは、訴訟の知識と職業倫理を備えた者に代理させて本人を保護し、いわゆる事件屋の介入を防いで手続を円滑に進めるためである。しかし、簡易裁判所は少額で軽微な事件を簡易な手続で迅速に解決する裁判所であり、弁護士を頼むと費用が見合わないことが多いので、裁判所が個別に相当と認めれば、家族や会社の従業員などを代理人にすることを許したのである。許可はいつでも取り消せる(同条2項)。簡易裁判所の事件でも弁護士でない者は代理人になれないとする肢は誤りである。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
- 資格:弁護士に限る。ただし簡易裁判所ではその許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人にできる(54条1項)
- 弁護士法25条1号違反:相手方は異議を述べて排除を求められる。異議なく事実審の口頭弁論が終結すれば有効になる(最大判昭38.10.30)
- 当事者の死亡:訴訟代理権は消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人がある間は訴訟手続は中断しない(124条2項)
- 代理権の消滅:解任・辞任による消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ効力を生じない(59条・36条1項)
正しい。当事者の死亡は訴訟手続の中断事由であるが(124条1項1号)、訴訟代理人がある間は中断しない(同条2項)。
124条1項1号は、当事者が死亡したときは訴訟手続は中断し、相続人などが受け継がなければならないと定めるが、同条2項は、この規定は訴訟代理人がある間は適用しないと定める。中断の制度は、当事者が死亡して訴訟を追行する者がいなくなったときに、承継人が手続に関与する機会を失わないよう手続を止めるものである。ところが、訴訟代理権は当事者の死亡によっては消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人はそのまま承継人の代理人として訴訟を続けることができるから、承継人の利益は訴訟代理人によって守られ、手続を止める必要がない。訴訟代理人は原則として弁護士であり、承継人の信頼を裏切るおそれも小さい。この場合も承継人は当然に当事者の地位を引き継ぎ、判決の効力は承継人に及ぶ。肢は条文のとおりである。

前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。
- 資格:弁護士に限る。ただし簡易裁判所ではその許可を得て弁護士でない者を訴訟代理人にできる(54条1項)
- 弁護士法25条1号違反:相手方は異議を述べて排除を求められる。異議なく事実審の口頭弁論が終結すれば有効になる(最大判昭38.10.30)
- 当事者の死亡:訴訟代理権は消滅せず(58条1項1号)、訴訟代理人がある間は訴訟手続は中断しない(124条2項)
- 代理権の消滅:解任・辞任による消滅は、本人又は代理人から相手方に通知しなければ効力を生じない(59条・36条1項)
誤り。違うのは「裁判所の許可を得て,Xの未成年の子Cを,訴訟代理人とすることができる」の部分である。弁護士でない者を許可を得て訴訟代理人にできるのは簡易裁判所に限られ(54条1項ただし書)、地方裁判所の訴訟では弁護士でなければ訴訟代理人になれない。
54条1項本文は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないと定め、同項ただし書は、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができると定める。訴訟代理人を弁護士に限るのは、法律の専門知識と職業倫理を備えた者に訴訟を担わせて本人を保護し、手続を円滑に進めるためであり、少額で軽微な事件を扱う簡易裁判所に限って、裁判所の許可により例外を認めている。本肢の訴えは地方裁判所に提起されているから、ただし書の適用はなく、裁判所の許可を得ても、弁護士でない子Cを訴訟代理人とすることはできない。Cが未成年であるかどうかにかかわらず結論は同じである。肢は誤りである。

法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
- 法定代理人:民法その他の法令に従う(28条)。未成年者の親権者は訴訟法上も法定代理人で、父母が共同して行う(民法824条の2第1項)
- 特別代理人:法定代理人がいない未成年者等に訴訟行為をしようとする者は、遅滞による損害のおそれを疎明して受訴裁判所の裁判長に選任を申し立てられる(35条1項)
- 訴訟代理人:地方裁判所では弁護士に限る。弁護士でない者は簡易裁判所で許可を得た場合だけ(54条1項)
- 個別代理:訴訟代理人が数人あるときは各自当事者を代理し、異なる定めは効力を生じない(56条)
- 証人能力:当事者本人・法定代理人以外は誰でも証人になれ、年齢の制限もない(190条)
























