訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。
この条文の過去問 8問
正しい。判例は、訴訟の目的である権利が同一の事実上及び法律上の原因に基づき、主要な攻撃防御方法が共通であれば「共同の利益を有する多数の者」に当たるとした(最判昭33.4.17)。
30条1項は、共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができると定める。選定当事者は「その中から」選ばれるので、選定者と選定当事者はともに共同の利益を有する多数の者に属していなければならない。共同の利益の意味について、判例は、相互に共同訴訟人となりうる関係にあり、かつ主要な攻撃防御方法を共通にする者をいうとしており(大判昭15.4.9)、訴訟の目的である権利が全員について同一の事実上及び法律上の原因に基づき、当事者双方の主要な攻撃防御方法が全員について共通であれば、共同の利益を有する多数の者に当たるとした(最判昭33.4.17)。主張や立証が共通していれば、一部の者に訴訟を任せても全員の利益が十分に守られるからである。肢は判例どおりである。

共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは、その中から、全員のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。
- 共同の利益を有する多数の者は、その中から全員のために当事者となる者を選定できる(30条1項)。訴訟係属後に選定すると、他の当事者は当然に脱退する(同条2項)
- 当事者でない者も係属中の当事者を自己のために選定でき(30条3項)、原告側なら選定当事者がその選定者のために請求を追加できる(144条1項)
- 選定当事者は当事者なので特別の委任なしに和解もでき、権限を制限した選定は制限部分が無効(最判昭43.8.27)
- 選定の取消し・変更は相手方に通知しなければ効力を生じない(36条2項)
- 選定当事者の一部が資格を失っても他の者が全員のために訴訟を続け(30条5項)、全員が資格を失えば中断する(124条1項6号)
正しい。38条後段の共同訴訟でも各請求の価額は合算され(9条1項。最決平23.5.18)、管轄は訴え提起時を標準とするから(15条)、地方裁判所は弁論を分離して簡易裁判所に移送することはできない。
9条1項は、一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とすると定める。最決平23.5.18は、別々の消費貸借に基づく貸金請求のように38条後段の共同訴訟に当たる場合でも、いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているときは、7条ただし書によって9条の適用が排除されることはないとした。7条は土地管轄についての規定であり、事物管轄を定める9条とは別の問題だからである。本件では各被告の住所が東京地方裁判所の管轄区域内にあって土地管轄があるから、請求額を合算して140万円を超えれば東京地方裁判所に事物管轄がある。そして管轄は訴え提起の時を標準として定まるから(15条)、その後に弁論を分離しても管轄は失われず、各請求が簡易裁判所の事物管轄に属するとして管轄違いを理由に移送することはできない。

一の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。/裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。
正しい。答弁書等を出さずに欠席した転借人には擬制自白が成立し(159条3項・1項)、本訴は通常共同訴訟であるから、弁論を分離して転借人に対する請求を認容できる。
159条3項本文は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合に同条1項を準用し、相手方の主張した事実を争うことを明らかにしないものとして自白したものとみなす。転借人は訴状の送達を受けながら答弁書その他の準備書面を提出せずに最初の期日に欠席しているから、陳述したものとみなされる書面もなく、賃貸人の主張する所有権と転借人の占有などの事実について擬制自白が成立する。公示送達による呼出しではないから、同項ただし書の例外にも当たらない。そして、賃借人に対する請求と転借人に対する請求は、同じ建物の明渡しを求める通常共同訴訟であり、合一確定が要求されないから、裁判所は152条1項により弁論を分離し、裁判をするのに熟した転借人に対する請求について終局判決をすることができる(243条1項)。賃借人との間で無断転貸の有無などが争われていても、転借人についての判決を待たせる必要はない。肢は正しい。

第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。
- 影響しないもの(39条):訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、和解、自白、事実の主張、上訴、中断の事由
- 弁論の分離:併合が強制されていないので、裁判所の裁量で分離して一部の共同訴訟人について判決できる(152条1項)
- 例外として及ぶもの:証拠調べの結果(共同訴訟人間の証拠共通)
- 補助したいとき:補助参加の申出が要り、当然の補助参加は認められない
誤り。違うのは「転借人に対する建物明渡請求訴訟も中断する」の部分である。通常共同訴訟では、共同訴訟人の一人について生じた中断事由は他の共同訴訟人に影響しない(39条)。
124条1項1号は、当事者の死亡によって訴訟手続は中断すると定め、同条2項は、訴訟代理人がある間は中断しないとする。本肢の賃借人は訴訟代理人によって代理されていないから、賃借人が死亡すれば、賃借人に対する建物明渡請求訴訟は中断し、相続人などが受け継ぐことになる。しかし、39条は、共同訴訟人の一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさないと定めており、通常共同訴訟では中断の事由も各共同訴訟人について別々に扱われる。賃借人に対する請求と転借人に対する請求は、それぞれ別個に判決をすることができ、合一確定が要求されない関係にあるから、賃借人の死亡による中断を転借人に対する訴訟にまで及ぼす理由はない。これに対し、必要的共同訴訟では一人について生じた中断の事由は全員に効力を生じる(40条3項)。本訴は必要的共同訴訟ではないから、転借人に対する建物明渡請求訴訟は中断しない。肢は誤っている。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
- 影響しないもの(39条):訴えの取下げ、請求の放棄・認諾、和解、自白、事実の主張、上訴、中断の事由
- 弁論の分離:併合が強制されていないので、裁判所の裁量で分離して一部の共同訴訟人について判決できる(152条1項)
- 例外として及ぶもの:証拠調べの結果(共同訴訟人間の証拠共通)
- 補助したいとき:補助参加の申出が要り、当然の補助参加は認められない
正しい。主債務者と連帯保証人に対する訴訟は通常共同訴訟であり、共同訴訟人独立の原則(39条)により、主債務者の主張は連帯保証人に影響しない。
判例(最判昭27.12.25)は、主債務者と保証人に対する訴訟について、両者の間で権利関係が合一にのみ確定しなければ訴えの目的を達することができないものではないから、必要的共同訴訟には当たらないとした。主債務と保証債務は別個の債務であり、債権者は主債務者と保証人のそれぞれに対して別々に訴えることもできるからである。通常共同訴訟では、共同訴訟人の一人の訴訟行為や、一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさない(39条)。さらに判例(最判昭43.9.12)は、共同訴訟人の一人がした主張が当然に他の共同訴訟人のための主張になるという主張共通も否定している。したがって、主債務者が主債務の弁済などを主張しても、連帯保証人がその主張をしない限り、連帯保証人に対する請求の判断には影響しない。肢は正しい。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
誤り。違うのは「Y及びZを被告として,東京地方裁判所に訴えを提起することができる」の部分である。被告が数人の場合の併合請求の裁判籍は38条前段の場合に限られ、YとZへの請求は同種の原因に基づくにとどまるから、Zへの請求を東京地方裁判所に併せて提起することはできない。
7条本文は、一の訴えで数個の請求をする場合には、一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起できるとするが、同条ただし書は、数人からの又は数人に対する訴えについては38条前段に定める場合に限ると定める。38条前段は、訴訟の目的である権利義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときであり、同条後段の、権利義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときは含まれない。被告が別の人であるのに関連の薄い請求まで一つの裁判所に引き寄せると、遠方の被告が応訴の負担を一方的に負うからである。Yへの明渡請求とZへの明渡請求は、別々の建物について別々の占有を理由とするもので、Xが所有者であるという共通点しかないから、38条後段に当たるにとどまる。Zへの訴えは大阪地方裁判所に提起しなければならず、肢は誤りである。

一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第三十八条前段に定める場合に限る。
- 普通裁判籍:被告の住所地(4条1項・2項)。どの訴えでも使える
- 義務履行地:財産権上の訴え(5条1号)。金銭債務は債権者の現在の住所が履行地(民法484条1項)
- 不法行為地:不法行為に関する訴え(5条9号)。加害行為地と損害発生地を含む
- 不動産所在地:不動産に関する訴え(5条12号)。権利を目的とする訴えに限り、売買代金や賃料の請求は含まない
- 併合請求の裁判籍:一つの請求に管轄があれば他の請求も併せて提起できる(7条本文)。被告が数人なら38条前段の場合に限る(同条ただし書)
- これらは専属管轄ではなく、原告は管轄のある裁判所から選べる
正しい。判例は、決議取消しの訴えの被告は会社に限られるので選任された取締役は共同訴訟参加できないが(最判昭36.11.24)、会社を補助するための共同訴訟的補助参加はできるとする(最判昭45.1.22)。
株主総会決議取消しの訴えの被告は当該株式会社である(会社法834条17号)。最判昭36.11.24は、取締役選任決議の取消訴訟において、その決議で選任された取締役が被告会社の共同訴訟人として共同訴訟参加(民事訴訟法52条)をすることはできないとした。共同訴訟参加は、参加人が自ら当事者となる適格を持つことを前提とするが、決議取消しの訴えの被告適格は会社だけにあり、取締役にはないからである。他方で最判昭45.1.22は、選任された取締役が被告会社を補助するために補助参加することを認め、その参加は共同訴訟的補助参加になるとした。決議取消しの認容判決は第三者に対しても効力を有し(838条)、取締役はその判決によって地位を失うという直接の利害を持つから、参加の利益がある。そして判決の効力が参加人にも及ぶ以上、通常の補助参加のように参加人の訴訟行為が被参加人の行為と抵触する場合に効力を失う(民事訴訟法45条2項)とするのでは参加人の保護に欠けるため、必要的共同訴訟に準じた強い地位が認められる。肢は両判例のとおりであり正しい。

次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社
正しい。建物の共有者に対する建物収去土地明渡請求訴訟は通常共同訴訟であり(最判昭43.3.15)、共同訴訟人独立の原則(39条)により、Y1の死亡による中断はXY2間の訴訟手続に及ばない。
判例は、土地所有者が建物の共有者に対して建物収去土地明渡しを求める訴えは、各共有者が建物全体について収去義務を負う不可分債務の関係にあるから、共有者全員を被告とする必要はなく、固有必要的共同訴訟ではないとしている(最判昭43.3.15)。したがって、Y1とY2を共同被告とする本件訴訟は通常共同訴訟であり、共同訴訟人の一人について生じた事項は他の共同訴訟人に影響を及ぼさない(39条)。訴訟代理人がいない状態でY1が死亡すれば、XY1間の訴訟手続は中断し(124条1項1号)、Y1の相続人が受け継ぐまで止まるが、Y2との関係で手続を止める理由はない。これに対し、必要的共同訴訟であれば、一人についての中断は全員について効力を生ずる(40条3項)。肢は正しい。

共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
| 事由 | 中断するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 当事者の死亡 | する(受継者は相続人など) | 124条1項1号 |
| 当事者である法人の合併による消滅 | する(受継者は新設・存続法人) | 124条1項2号 |
| 法定代理人(法人の代表者を含む)の死亡・代理権の消滅 | する | 124条1項3号・37条 |
| 係争物の譲渡 | しない。参加承継・引受承継の問題 | 49条〜51条 |
| 訴訟代理人の死亡 | しない | 124条1項に挙げられていない |
| 訴訟代理人がある間の1号〜3号の事由 | しない | 124条2項 |
| 通常共同訴訟の一人についての中断 | 他の共同訴訟人には及ばない | 39条(必要的共同訴訟なら全員に及ぶ。40条3項) |































