1訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
2訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。当事者及び法定代理人請求の趣旨及び原因
1 当事者及び法定代理人
2 請求の趣旨及び原因
この条文の過去問 22問
誤り。違うのは「請求を理由付ける事実の記載が不足しているときは、裁判長は、当該訴状の補正を命じなければならない」の部分である。
137条1項の補正命令の対象は、訴状が134条2項に違反する場合、すなわち当事者及び法定代理人、請求の趣旨及び原因の記載に不備がある場合である。ここでいう請求の原因は、訴訟物である権利関係を他と区別して特定するのに必要な事実をいう(民事訴訟規則53条1項参照)。請求を理由付ける事実は、早い段階から争点を整理するために規則が記載を求めているものであり、これが足りなくても訴訟物の特定には欠けるところがないから、134条2項の違反にはならない。そのため請求を理由付ける事実の記載が不足していても、補正命令は出せず、補正しなくても訴状却下命令をすることはできない。その事実は主張がないものとして扱われ、釈明権の行使(149条)などを通じて審理の中で補われる。肢は補正を命じなければならないとする点で誤っている。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
正しい。鑑定人の数を一人に限る規定はなく、同じ鑑定事項について同時に複数の鑑定人を指定して意見を述べさせることができる。
鑑定人は受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定し(213条)、法律には鑑定人を一人に限る規定はない。民事訴訟規則132条1項は、裁判長は鑑定人に共同して又は各別に意見を述べさせることができると定めている。複数の鑑定人が話し合って一つの意見にまとめる共同鑑定と、それぞれが別々に意見を述べる各別鑑定の両方を予定しており、複数の鑑定人が同時に関わることを当然の前提にしている。さらに規則134条は、証人の対質に関する規則118条を鑑定人に準用しているので、複数の鑑定人を同席させて見解を突き合わせることもできる。専門的な事項は専門家の間でも見方が分かれることが多く、対立する意見を比べることが裁判所の心証形成に役立つ場面があるからである。何人を指定するかは裁判所の裁量に委ねられる。肢は正しい。

鑑定人は、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定する。
- 意見は裁判長が定める書面又は口頭で述べさせる(215条1項)
- 意見の内容を明瞭にし根拠を確かめるため、申立て又は職権で更に意見を述べさせることができる(215条3項)
- 口頭の意見の後の質問は、裁判長、申出をした当事者、他の当事者の順(215条の2第2項)。証人尋問とは逆である
- 相当と認めるときは映像と音声の送受信による方法で意見を述べさせることができる(215条の3)
- 鑑定人は複数指定でき、共同して又は各別に意見を述べさせることができる(規則132条1項)
誤り。違うのは「70万円の弁済を受けたとの事実を記載しなければならない」の部分である。
訴状に請求の趣旨及び原因を書かせる(134条2項2号)のは、審判の対象となる訴訟物を他と区別できる程度に特定させるためである。金銭債権なら、当事者、発生原因である消費貸借契約、請求する金額が示されれば、訴訟物の範囲ははっきりする。判例は、一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴えが提起された場合、訴訟物となるのはその債権の一部の存否であって全部の存否ではないとした(最判昭37.8.10)。一部であることを明示すれば足り、残りを請求しない理由まで訴状に書かなくても、訴訟物の特定としては問題ない。そもそも弁済は債権の消滅原因であり、本来は被告が主張し証明すべき抗弁事実である。原告が請求を特定するために自ら書かなければならない事項ではない。100万円の貸金債権のうち30万円を請求することを示せば足り、70万円の弁済の事実の記載は要らない。肢は誤りである。

一個の債権の数量的な一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴が提起された場合は、訴訟物となるのは右債権の一部の存否のみであつて、全部の存否ではな(い)
誤り。違うのは「その写しを直接送付することで足り、裁判所が送達することを要しない」の部分である。反訴には訴えに関する規定が適用され、反訴状は裁判所が送達する。
146条4項は、反訴については訴えに関する規定によると定める。反訴は本訴の手続を利用して提起されるが、攻撃防御方法ではなく、判決を求める独立の訴えだからである。したがって、反訴の提起は反訴状を裁判所に提出してし(134条1項)、提出された反訴状は裁判所が反訴被告に送達しなければならない(138条1項)。当事者が相手方に直接送付すれば足りるのは準備書面などの書面であり、訴状や反訴状は含まれない。反訴状の送達は、反訴被告に新たな請求があることを確実に知らせて応訴の機会を保障し、反訴の訴訟係属が生じる時期を明確にするための手続だからである。令和4年改正でインターネットによる訴えの提起や電子的な送達の制度が設けられたが、裁判所が送達するという仕組みは変わらない。肢は誤っている。

反訴については、訴えに関する規定による。
- 要件:本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求で、口頭弁論の終結まで、本訴の係属する裁判所に提起する(146条1項)
- 方式:訴えに関する規定による(146条4項)。反訴状を提出し、裁判所が送達する
- 控訴審:相手方の同意が要る。異議なく本案の弁論をすれば同意とみなす(300条)
- 上告審:提起できない(最判昭43.11.1)
- 取下げ:本訴の取下げ後は反訴被告の同意が要らない(261条2項ただし書)
誤り。違うのは「被告に対する訴状の送達の時」の部分である。訴えの提起による時効の効力は、訴状を裁判所に提出した時に生ずる(147条)。
147条は、訴えが提起されたときは、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとすると定める。訴えの提起は訴状を裁判所に提出してするから(134条1項)、時効の効力は訴状を裁判所に提出した時に生ずる。訴訟係属は訴状が被告に送達された時に生ずるが、送達は裁判所が職権でするものであり(98条1項)、送達の時を基準にすると、時効の完成が間近いときに訴状を提出した原告が、被告の所在調査など裁判所側の事情で送達が遅れたために時効の完成を迎えるという酷な結果になる。原告が自らできる行為をして権利行使の意思を明らかにした時点で効力を認めるのが公平だからである。肢の「時効の中断」は平成29年民法改正前の用語で、現在は裁判上の請求による時効の完成猶予(民法147条1項1号)となったが、効力の発生時期が訴状提出時である点は改正の前後で変わらない。

訴えが提起されたとき、又は第百四十三条第二項(第百四十四条第三項及び第百四十五条第四項において準用する場合を含む。)の書面が裁判所に提出されたときは、その時に時効の完成猶予又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求があったものとする。
- 訴訟係属:訴状が被告に送達された時に生じる
- 時効の完成猶予・期間の遵守:訴状を裁判所に提出した時に生じる(147条)
- 訴えの変更・反訴・中間確認の訴えでの追加:その書面を裁判所に提出した時に生じる
- 時効の更新:確定判決や確定判決と同一の効力を有するもので権利が確定した時に生じる(民法147条2項)
正しい。所有権確認の訴えでは、請求の趣旨で確認の対象となる権利が特定されるから、取得原因事実の記載がなくても請求の特定に欠けるところはなく、補正を命じる理由にならない。
134条2項2号は訴状に請求の趣旨及び原因を記載しなければならないと定め、これを欠くときは裁判長が補正を命じる(137条1項)。ここでいう請求の原因は、請求を特定するのに必要な事実をいい(民事訴訟規則53条1項)、請求を理由付ける事実はこれと区別される。確認の訴えでは、請求の趣旨に確認すべき権利関係とその範囲が示されるから、所有権確認の訴えであれば、Xが甲土地の所有権を有することの確認を求めるという記載で、誰がどの物について所有権を有するかが特定される。所有権は同じ物について同じ人に一つしか成り立たず、取得原因ごとに別の訴訟物になるわけでもないから、取得原因事実は請求を特定するためではなく、請求を理由付けるための事実にすぎない。訴状審査は必要的記載事項の有無を見るものであり、勝つための事実が足りないことは補正命令の理由にならない。肢は正しい。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因/訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
- 必要的記載事項(134条2項):当事者・法定代理人、請求の趣旨及び原因。欠ければ補正命令と訴状却下の対象
- 請求の原因(規則53条1項):請求を特定するのに必要な事実
- 請求を理由付ける事実・重要な間接事実・証拠(規則53条1項):記載すべきものだが、欠けても訴状は不適法にならない
- 確認の訴え:請求の趣旨で権利関係が特定されるので、所有権確認なら取得原因の記載は特定に不要
誤り。違うのは「補正命令の対象となる」の部分である。補正命令の対象は134条2項の必要的記載事項の不備に限られ、証拠の引用や添付の不備は含まれない。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合に裁判長が補正を命じると定める。134条2項が訴状の必要的記載事項として定めるのは、当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因であり、補正命令とそれに続く訴状却下の対象もこれらの記載の不備に限られる。民事訴訟規則53条1項は、訴状には請求を理由付ける事実を具体的に記載し、立証を要する事由ごとに重要な間接事実と証拠を記載しなければならないと定め、証拠となる文書の写しの添付も求めているが、これらは審理を充実させるための訓示的な定めであり、欠けていても訴状が不適式になるわけではない。証拠の不備は審理の進行の中で補えば足り、訴訟係属前の入口の段階で訴状を却下する理由にはならないからである。訴状審査で見るのは、訴訟物を特定し手続を始めるのに必要な事項だけなのである。肢は誤っている。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
- 審査する者:裁判長(137条1項)。手数料の納付命令だけは裁判所書記官の処分(137条の2第1項)
- 審査の対象:必要的記載事項(134条2項)・手数料の納付。証拠の引用・添付などは対象外
- 補正の促し:裁判長は裁判所書記官に命じて補正を促させることができる(民事訴訟規則56条)
- 補正命令:期間を定めて命じる。独立の不服申立てはできない
- 訴状却下命令:補正がなければ命令で却下する。即時抗告ができる(137条3項)
- 時期:訴状が被告に送達されるまで。送達後は判決で訴えを却下する(140条)
誤り。違うのは「補正命令の対象となる」の部分である。補正命令の対象は134条2項の必要的記載事項の不備に限られ、証拠の引用や添付の不備は含まれない。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合に裁判長が補正を命じると定める。134条2項が訴状の必要的記載事項として定めるのは、当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因であり、補正命令とそれに続く訴状却下の対象もこれらの記載の不備に限られる。民事訴訟規則53条1項は、訴状には請求を理由付ける事実を具体的に記載し、立証を要する事由ごとに重要な間接事実と証拠を記載しなければならないと定め、証拠となる文書の写しの添付も求めているが、これらは審理を充実させるための訓示的な定めであり、欠けていても訴状が不適式になるわけではない。証拠の不備は審理の進行の中で補えば足り、訴訟係属前の入口の段階で訴状を却下する理由にはならないからである。訴状審査で見るのは、訴訟物を特定し手続を始めるのに必要な事項だけなのである。肢は誤っている。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
- 審査する者:裁判長(137条1項)。手数料の納付命令だけは裁判所書記官の処分(137条の2第1項)
- 審査の対象:必要的記載事項(134条2項)・手数料の納付。証拠の引用・添付などは対象外
- 補正の促し:裁判長は裁判所書記官に命じて補正を促させることができる(民事訴訟規則56条)
- 補正命令:期間を定めて命じる。独立の不服申立てはできない
- 訴状却下命令:補正がなければ命令で却下する。即時抗告ができる(137条3項)
- 時期:訴状が被告に送達されるまで。送達後は判決で訴えを却下する(140条)
正しい。訴訟物が特定されない訴状は請求の趣旨及び原因の記載(134条2項2号)を欠き、裁判長の補正命令に原告が応じなければ、裁判長は命令で訴状を却下しなければならない(137条1項・2項)。
134条2項2号は、訴状には請求の趣旨及び原因を記載しなければならないと定める。ここでいう請求の原因は、請求の趣旨と合わせて訴訟物を特定するのに必要な事実であり、訴訟物が特定されない訴状は必要的記載事項を欠く不適式な訴状となる。何について審判を求めるかを決めるのは原告であり(処分権主義)、その特定がなければ、裁判所は審判の範囲を確定できず、被告も何に対して防御すればよいか分からないからである。137条1項は、訴状が134条2項に違反する場合には、裁判長は相当の期間を定めて不備を補正すべきことを命じなければならないと定め、同条2項は、原告が補正しないときは、裁判長は命令で訴状を却下しなければならないと定める。被告に送達する前の訴状の審査なので、判決ではなく裁判長の命令で処理するのである。肢は正しい。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。/前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
正しい。訴訟物が特定されない訴状は請求の趣旨及び原因の記載(134条2項2号)を欠き、裁判長の補正命令に原告が応じなければ、裁判長は命令で訴状を却下しなければならない(137条1項・2項)。
134条2項2号は、訴状には請求の趣旨及び原因を記載しなければならないと定める。ここでいう請求の原因は、請求の趣旨と合わせて訴訟物を特定するのに必要な事実であり、訴訟物が特定されない訴状は必要的記載事項を欠く不適式な訴状となる。何について審判を求めるかを決めるのは原告であり(処分権主義)、その特定がなければ、裁判所は審判の範囲を確定できず、被告も何に対して防御すればよいか分からないからである。137条1項は、訴状が134条2項に違反する場合には、裁判長は相当の期間を定めて不備を補正すべきことを命じなければならないと定め、同条2項は、原告が補正しないときは、裁判長は命令で訴状を却下しなければならないと定める。被告に送達する前の訴状の審査なので、判決ではなく裁判長の命令で処理するのである。肢は正しい。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。/前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
誤り。違うのは「裁判所書記官がする」の部分である。137条1項は、訴状が134条2項に違反する場合には、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じなければならないと定めている。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないと定める。訴状審査は、提出された訴状が訴訟を開始するのに足りる形式を備えているかを確かめるものであり、補正しなければ訴状却下という重い結果につながるから、裁判官である裁判長の権限とされている。実務では、裁判長が書記官に命じて任意の補正を促させることがあるが(規則56条)、これは137条の補正命令とは別のものである。なお、令和4年改正で、訴えの提起の手数料を納付しない場合については、裁判所書記官が納付を命じる処分をすることとされたが(137条の2第1項)、これは手数料の納付を命じる処分であって、必要的記載事項の不備の補正命令は現在も裁判長がする。肢は誤りである。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
誤り。違うのは「立証方法に関する記載も,訴状審査の対象となる」の部分である。訴状審査の対象は134条2項の必要的記載事項と手数料の納付に限られ、立証方法の記載は含まれない。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合に裁判長が補正を命じると定めており、審査の対象は134条2項の必要的記載事項、すなわち当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因である。これに手数料の納付を加えたものが訴状審査の対象と解されている。訴状には、請求を理由づける事実や、立証を要する事由ごとの証拠などを記載すべきものとされているが(民事訴訟規則53条1項)、これらは訴訟の審理を円滑に進めるための記載であり、欠けていても訴状が不適法になるわけではない。立証方法の記載がないことを理由に補正を命じ、訴状を却下できるとすると、訴えの入口を不当に狭め、本案で争うべき問題を訴状審査に持ち込むことになるからである。したがって、立証方法に関する記載は訴状審査の対象とならず、肢は誤りである。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
正しい。訴状の必要的記載事項である法定代理人(134条2項1号)の規定は37条により法人の代表者に準用されるので、代表者の記載の有無は訴状審査の対象となる。
134条2項1号は、訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならないと定める。そして37条は、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者に準用すると定めている。法人は代表者を通じてしか訴訟行為をすることができず、訴状の送達も代表者に対してされるから(99条1項・37条)、誰が法人を代表して訴訟を追行するのかを訴状で明らかにしておく必要がある。そのため、当事者が法人である場合には、代表者の記載は法定代理人の記載に当たる必要的記載事項であり、これが欠けていれば、裁判長は137条1項により相当の期間を定めて補正を命じ、補正がなければ命令で訴状を却下する。したがって、代表者の記載の有無は訴状審査の対象となり、肢は正しい。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
誤り。違うのは「裁判所書記官がする」の部分である。137条1項は、訴状が134条2項に違反する場合には、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じなければならないと定めている。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないと定める。訴状審査は、提出された訴状が訴訟を開始するのに足りる形式を備えているかを確かめるものであり、補正しなければ訴状却下という重い結果につながるから、裁判官である裁判長の権限とされている。実務では、裁判長が書記官に命じて任意の補正を促させることがあるが(規則56条)、これは137条の補正命令とは別のものである。なお、令和4年改正で、訴えの提起の手数料を納付しない場合については、裁判所書記官が納付を命じる処分をすることとされたが(137条の2第1項)、これは手数料の納付を命じる処分であって、必要的記載事項の不備の補正命令は現在も裁判長がする。肢は誤りである。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
誤り。違うのは「立証方法に関する記載も,訴状審査の対象となる」の部分である。訴状審査の対象は134条2項の必要的記載事項と手数料の納付に限られ、立証方法の記載は含まれない。
137条1項は、訴状が134条2項の規定に違反する場合に裁判長が補正を命じると定めており、審査の対象は134条2項の必要的記載事項、すなわち当事者及び法定代理人と、請求の趣旨及び原因である。これに手数料の納付を加えたものが訴状審査の対象と解されている。訴状には、請求を理由づける事実や、立証を要する事由ごとの証拠などを記載すべきものとされているが(民事訴訟規則53条1項)、これらは訴訟の審理を円滑に進めるための記載であり、欠けていても訴状が不適法になるわけではない。立証方法の記載がないことを理由に補正を命じ、訴状を却下できるとすると、訴えの入口を不当に狭め、本案で争うべき問題を訴状審査に持ち込むことになるからである。したがって、立証方法に関する記載は訴状審査の対象とならず、肢は誤りである。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
正しい。訴状の必要的記載事項である法定代理人(134条2項1号)の規定は37条により法人の代表者に準用されるので、代表者の記載の有無は訴状審査の対象となる。
134条2項1号は、訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならないと定める。そして37条は、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者に準用すると定めている。法人は代表者を通じてしか訴訟行為をすることができず、訴状の送達も代表者に対してされるから(99条1項・37条)、誰が法人を代表して訴訟を追行するのかを訴状で明らかにしておく必要がある。そのため、当事者が法人である場合には、代表者の記載は法定代理人の記載に当たる必要的記載事項であり、これが欠けていれば、裁判長は137条1項により相当の期間を定めて補正を命じ、補正がなければ命令で訴状を却下する。したがって、代表者の記載の有無は訴状審査の対象となり、肢は正しい。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
- 主体:裁判長(137条1項)。手数料の不納付だけは、現在は裁判所書記官が納付を命じる処分をし(137条の2第1項)、納付がなければ裁判長が訴状を却下する
- 対象:必要的記載事項(当事者・法定代理人〔法人の代表者を含む〕、請求の趣旨及び原因。134条2項)と手数料の納付。立証方法の記載は対象外
- 補正しないとき:裁判長が命令で訴状を却下する(137条2項)。訴えを却下するのは受訴裁判所の判決(140条)
- 訴状却下と時効:出題当時は中断の効力なし。現在は終了から6か月の完成猶予が残る(民法147条1項)
誤り。違うのは「裁判所書記官は,自ら訴状を審査し,不備があれば補正を命ずることができる」の部分である。訴状を審査して補正を命じるのは裁判長である(137条1項)。
137条1項は、訴状が必要的記載事項を定める134条2項に違反する場合には、裁判長が相当の期間を定めてその期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないと定め、原告が補正しないときは裁判長が命令で訴状を却下する(同条2項)。補正命令や訴状却下命令は、訴えの適否に関わる判断を含む裁判であるから、裁判官である裁判長の権限とされている。民事訴訟規則56条により、裁判長が裁判所書記官に命じて補正を促させることはできるが、それは裁判長の命を受けた事実上の措置にとどまり、書記官が自らの権限で審査して補正を命じるものではない。現行法では、訴え提起の手数料の不納付に限り、裁判所書記官が納付を命じる処分をする(137条の2第1項)が、必要的記載事項の不備の補正命令は今も裁判長がする。肢は審査の主体を誤っている。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
| 事務 | する者 | 条文 |
|---|---|---|
| 訴状の必要的記載事項の審査・補正命令・訴状却下 | 裁判長 | 137条 |
| 訴え提起の手数料の納付を命じる処分 | 裁判所書記官 | 137条の2第1項 |
| 支払督促の発付 | 裁判所書記官 | 382条 |
| 訴訟記録の閲覧等の請求の受付 | 裁判所書記官 | 91条・91条の2 |
| 訴訟費用の負担の額の確定 | 第一審裁判所の裁判所書記官 | 71条1項 |
| 当事者照会 | 当事者が相手方に直接(裁判所は関与しない) | 163条 |
正しい。法人の代表者の記載は訴状の必要的記載事項であり、その不備は相当の期間を定めて補正を命じ、補正がないときに初めて訴状を却下できる(137条1項・2項)。
訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならず(134条2項1号)、法人の代表者は法定代理人に関する規定の準用を受ける(37条)から、被告である株式会社の代表者の記載も必要的記載事項となる。137条1項は、訴状が134条2項に違反する場合には、裁判長は相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならないと定め、同条2項は、原告が不備を補正しないときに初めて命令で訴状を却下すると定める。必要的記載事項の欠落は原告が書き足せば直る不備であるから、いきなり訴状を却下せず、まず補正の機会を与える仕組みである。したがって、代表者の記載がない場合も、補正命令を経ずに訴状を却下することはできない。肢は条文のとおりである。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。/前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
- 審査する者:裁判長である(137条1項)。手数料の納付を命じるのは現在は裁判所書記官の処分である(137条の2第1項)
- 審査の対象:必要的記載事項・手数料の納付・送達費用の予納である。訴えの適法性(提訴期間・訴えの利益など)は対象外である
- 補正命令:相当の期間を定めて命じる。補正がなければ命令で訴状を却下する(137条2項・137条の2第6項)
- 訴状却下命令:被告の意見を聴かずに発し、即時抗告ができる(137条3項)
- 時期:訴状が被告に送達されるまでである。送達後や補正できない不適法は判決で訴えを却下する(140条)
誤り。違うのは「『裁判所が相当と認める金額を支払え。』と記載すれば足りる」の部分である。金銭債権を訴訟物とするときは、請求の趣旨で金額を特定しなければならない(最判昭27.12.25)。
訴状には請求の趣旨を記載しなければならない(134条2項2号)。判例(最判昭27.12.25)は、訴状には、原告が訴訟物についてどのような範囲でどのような内容の判決を求めるかを記載しなければならず、訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してその範囲を明確にすることを要するとした。裁判所は当事者が申し立てていない事項について判決をすることができず(246条)、請求の趣旨で示された金額が判決の上限となり、既判力の範囲も定まる。被告にとっても、どれだけの支払を求められているかが分からなければ防御の方針を立てられない。慰謝料の額は裁判所の裁量で算定されるが、それでも原告は求める額を示さなければならず、裁判所に額の決定を丸投げする請求の趣旨は特定を欠く。肢は誤りである。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
正しい。法人の代表者には法定代理人の規定が準用されるから代表者の記載は訴状の必要的記載事項であり(37条・134条2項1号)、補正されなければ訴状は却下される(137条)。
37条は、この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者について準用すると定める。法人は自ら訴訟行為をすることができず、代表者を通じて行為をする関係が、訴訟能力のない者が法定代理人を通じて行為をする関係に似ているからである。訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならない(134条2項1号)ので、株式会社が当事者となるときは、その代表者も訴状の必要的記載事項となる。必要的記載事項を欠く訴状については、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じ(137条1項)、原告が補正しないときは命令で訴状を却下する(同条2項)。代表者が分からなければ、誰に訴状を送達し誰を相手に手続を進めるのかが定まらないので、この記載が求められるのである。肢は条文のとおりである。

この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
| 場面 | 扱い | 条文 |
|---|---|---|
| 訴状の記載 | 代表者は必要的記載事項。欠ければ補正命令・訴状却下 | 134条2項1号・137条 |
| 送達 | 代表者にする | 99条1項(出題当時102条1項) |
| 代表権の欠缺 | 補正を命じ、追認があれば行為時にさかのぼって有効 | 34条1項・2項 |
| 代表権の消滅 | 相手方に通知しなければ効力を生じない(相手方の知不知を問わない) | 36条1項 |
| 表見法理 | 適用されない(最判昭45.12.15) | 民法109条・会社法354条 |
| 代表権を欠いた判決 | 上告理由・再審事由 | 312条2項4号・338条1項3号 |
正しい。訴状には当事者を記載しなければならないが(134条2項1号)、他の者と区別して特定できれば足りるから、氏名の代わりに通称名を用いることもできる。
134条2項1号は、訴状には当事者及び法定代理人を記載しなければならないと定める。当事者の記載が求められるのは、誰が誰に対して訴えを起こしたのかを明らかにし、判決の効力が誰に及ぶかや送達の相手を決めるためであり、その目的からすれば、当事者が他の者と区別して特定できる程度に記載されていれば足りる。実務では、自然人は氏名と住所によって特定するのが通常であるが(民事訴訟規則2条1項1号)、戸籍上の氏名でなければならないとする規定はなく、商号や芸名、通称名であっても、住所などと合わせて特定の人物を指すことが明らかであれば、当事者の表示として用いることができる。実際には「通称名こと本名」のように併記することが多い。肢は正しい。

訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 当事者及び法定代理人 二 請求の趣旨及び原因
| 区分 | 内容 | 欠けたとき |
|---|---|---|
| 必要的記載事項(134条2項) | 当事者・法定代理人、請求の趣旨、請求の原因(請求を特定するのに必要な事実) | 裁判長が補正を命じ、補正しなければ訴状却下(137条) |
| 実質的記載事項(規則53条1項) | 請求を理由づける事実、立証を要する事由ごとの重要な間接事実と証拠 | 補正命令・訴状却下の対象ではない |
| 簡易裁判所(272条) | 請求の原因に代えて紛争の要点で足りる | - |
正しい。訴状の必要的記載事項である請求の原因は請求を特定するのに必要な事実で足り、契約当事者、貸付日、貸付金額で請求が特定されれば、弁済期の記載がなくても補正命令や訴状却下命令はできない(134条2項2号・137条)。
137条1項・2項は、訴状が134条2項に違反する場合、裁判長は補正を命じ、原告が補正しないときは命令で訴状を却下しなければならないと定める。134条2項2号の請求の原因は、請求を特定するのに必要な事実をいい(民事訴訟規則53条1項括弧書)、請求を理由づける事実をすべて記載することまでは求められていない。貸金返還請求であれば、誰が誰にいつ幾ら貸したかが書かれていれば、どの貸金債権を請求しているかは他と区別でき、請求は特定される。弁済期の合意やその到来は、請求が認められるために必要な事実ではあるが、請求の特定には不要であり、それが書かれていないことは審理の中で主張させればよく、主張がなければ請求棄却の理由になるにとどまる。裁判長の訴状審査は形式的な審査であり、肢の場合に補正を命じて訴状を却下することはできない。肢は正しい。

訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。/前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
| 区分 | 内容 | 欠けたとき |
|---|---|---|
| 必要的記載事項(134条2項) | 当事者・法定代理人、請求の趣旨、請求の原因(請求を特定するのに必要な事実) | 裁判長が補正を命じ、補正しなければ訴状却下(137条) |
| 実質的記載事項(規則53条1項) | 請求を理由づける事実、立証を要する事由ごとの重要な間接事実と証拠 | 補正命令・訴状却下の対象ではない |
| 簡易裁判所(272条) | 請求の原因に代えて紛争の要点で足りる | - |





















































































