1無罪の判決が確定したときは、国は、当該事件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。
2被告人であつた者が、捜査又は審判を誤らせる目的で、虚偽の自白をし、又は他の有罪の証拠を作ることにより、公訴の提起を受けるに至つたものと認められるときは、前項の補償の全部又は一部をしないことができる。
3第百八十八条の五第一項の規定による補償の請求がされている場合には、第百八十八条の四の規定により補償される費用については、第一項の補償をしない。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「これをすることができない」の部分である。再審の請求は、刑の執行が終わり、又はその執行を受けることがないようになったときでもすることができる(441条)。
441条は、再審の請求は、刑の執行が終わり、又はその執行を受けることがないようになったときでも、これをすることができると明文で定める。刑の執行を終えた後はもちろん、刑の時効の完成や恩赦、執行猶予期間の経過で刑の言渡しが効力を失った場合でも、再審の請求は妨げられない。再審は、現に受けている刑の執行から解放することだけを目的とする制度ではなく、誤った有罪判決そのものを取り消して名誉を回復することも目的とするからである。有罪判決を受けたという事実は、刑の執行が終わった後も社会的な評価の低下や資格の制限として残り、再審で無罪になれば無罪判決の公示や刑事補償も受けられる。本人が死亡した後でも、配偶者や直系の親族などが請求できる(439条1項4号)のも同じ考え方による。本肢は、刑の執行が終わった後の請求を否定している点で条文に反する。

再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。
- 対象:有罪の言渡しをした確定判決に対して、言渡しを受けた者の利益のためにだけ(435条柱書)。不利益再審はない
- 請求権者:検察官、有罪の言渡しを受けた者、その法定代理人・保佐人、本人が死亡・心神喪失なら配偶者・直系の親族・兄弟姉妹(439条1項)
- 明らかな証拠(435条6号):確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠。新旧全証拠を総合して判断(最決昭和50年5月20日)
- 時期:刑の執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった後でも請求できる(441条)
- 効果:請求だけでは刑の執行は止まらない(442条)。理由があれば開始決定をしなければならず、そのとき決定で刑の執行を停止できる(448条)