公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件を審理する場合には、第二百八十九条第一項に規定する事件に該当しないときであつても、弁護人がなければ開廷することはできない。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは「弁護人なくして開廷しても適法である」の部分である。公判前整理手続に付された事件は、289条1項の事件に当たらなくても弁護人がなければ開廷できない(316条の29)。
289条1項は、死刑又は無期若しくは長期3年を超える拘禁刑に当たる事件を審理する場合には弁護人がなければ開廷することができないと定める。脅迫罪(刑法222条)の法定刑は2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金であるから、法定刑で決まる必要的弁護事件には当たらない。しかし316条の29は、公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件を審理する場合には、289条1項に規定する事件に該当しないときであっても弁護人がなければ開廷することはできないと定める。公判前整理手続は、検察官と弁護人が争点と証拠を整理し、被告人側も予定主張を明示して証拠を開示する手続であり、弁護人がなければ行うことができない(316条の4第1項)。整理の結果に沿って公判を進める以上、公判でも弁護人の関与を欠かせないので、法定刑を問わず必要的弁護にしたのである。弁護人が出頭しないとき又は弁護人がないときは、裁判長が職権で弁護人を付さなければならない(289条2項)。本肢の脅迫被告事件は、公判前整理手続に付された以上、弁護人なしに開廷すれば違法である。

公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件を審理する場合には、第二百八十九条第一項に規定する事件に該当しないときであつても、弁護人がなければ開廷することはできない。
- 法定刑で決まる必要的弁護事件は、死刑又は無期若しくは長期3年を超える拘禁刑に当たる事件である(289条1項)。弁護人がないとき・出頭しないときは職権で付さなければならない(同条2項)
- 法定刑を問わず弁護人が要る手続は、公判前整理手続・期日間整理手続(316条の4・316条の29)、即決裁判手続の公判期日(350条の23)である
- 判決の宣告だけを行う公判期日には、必要的弁護事件でも弁護人の立会いは要らない(最判昭30.1.11)
- 被告人が弁護人の出頭を妨げて解消が極めて困難なときは、その期日は弁護人なしで開廷できる(最決平7.3.27)





