1検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。この場合においては、当該書面には、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調べを請求する意思のない資料に基づいて、裁判所に事件について偏見又は予断を生じさせるおそれのある事項を記載することができない。
2検察官は、前項の証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べを請求しなければならない。
3前項の規定により証拠の取調べを請求するについては、第二百九十九条第一項の規定は適用しない。
4裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第一項の書面の提出及び送付並びに第二項の請求の期限を定めるものとする。
この条文の過去問 7問
正しい。被告人又は弁護人は、証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、裁判所及び検察官に対しこれを明らかにしなければならない(316条の17第1項)。
316条の17第1項は、被告人又は弁護人は、検察官の証明予定事実記載書面の送付を受け(316条の13第1項)、かつ検察官請求証拠の開示(316条の14第1項)と類型証拠の開示(316条の15第1項・2項)を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、裁判所及び検察官に対しこれを明らかにしなければならないと定める。予定主張の明示義務であり、これを前提にして主張関連証拠の開示請求(316条の20)ができるようになる。肢は書面の送付や証拠開示を受けたことという同項の前提に触れていないが、公判前整理手続では検察官の証明予定事実記載書面の送付と請求証拠の開示は必ず行われるから、被告人側の主張明示義務の内容を述べたものとして正しい。この義務は黙秘権を侵害しないと解され、判例も、明示されなかった主張に関する被告人質問を制限し得る場合があるとする(最決平27.5.25)。

被告人又は弁護人は、第三百十六条の十三第一項の書面の送付を受け、かつ、第三百十六条の十四第一項並びに第三百十六条の十五第一項及び第二項の規定による開示をすべき証拠の開示を受けた場合において、その証明予定事実その他の公判期日においてすることを予定している事実上及び法律上の主張があるときは、裁判所及び検察官に対し、これを明らかにしなければならない。
- ① 検察官:証明予定事実記載書面の提出・送付と証拠調べ請求(316条の13)
- ② 検察官:請求証拠の開示(316条の14第1項)。請求があれば証拠の一覧表の交付(同条2項)
- ③ 被告人側:類型証拠の開示請求(316条の15)
- ④ 被告人側:証拠意見(316条の16)と予定主張の明示(316条の17)、請求証拠の開示(316条の18)
- ⑤ 被告人側:主張関連証拠の開示請求(316条の20)
- ⑥ 裁判所:争点及び証拠の整理の結果の確認(316条の24)
誤り。違うのは「その内容を追加・変更することはできない」の部分である。検察官は証明予定事実を追加し又は変更する必要があると認めるときは、その書面を提出・送付しなければならない(316条の21第1項)。
事件が公判前整理手続に付されると、検察官はまず証明予定事実、すなわち公判期日において証拠により証明しようとする事実を記載した書面を裁判所に提出し、被告人又は弁護人に送付して、証拠調べを請求する(316条の13第1項・2項)。その後、検察官請求証拠の開示、被告人側の証拠意見と予定主張の明示、主張関連証拠の開示といった手続が進む中で、被告人側の主張を踏まえて検察官が立証の方針を改める必要が生じることがある。そこで316条の21第1項は、検察官は、316条の13から316条の20までに規定する手続が終わった後、その証明予定事実を追加し又は変更する必要があると認めるときは、速やかに、追加し又は変更すべき証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、被告人又は弁護人に送付しなければならないと定める。追加する証拠の取調べ請求も同様にできる(同条2項)。裁判所は当事者の意見を聴いて提出・送付と請求の期限を定めることができる(同条3項)。争点整理の実効性を保つため期限は設けられるが、一度提出した書面の内容を固定する趣旨ではない。

検察官は、第三百十六条の十三から前条まで(第三百十六条の十四第五項を除く。)に規定する手続が終わつた後、その証明予定事実を追加し又は変更する必要があると認めるときは、速やかに、その追加し又は変更すべき証明予定事実を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。この場合においては、第三百十六条の十三第一項後段の規定を準用する。
- 検察官が証明予定事実記載書面を提出・送付して証拠調べを請求する(316条の13)。追加・変更は316条の21でできる
- 検察官が請求証拠を開示し、請求があれば保管する証拠の一覧表を交付する(316条の14)
- 被告人側が類型証拠の開示を請求し(316条の15)、証拠意見と予定主張を明らかにして自分の請求証拠を開示する(316条の16〜18)。主張関連証拠の開示を請求する(316条の20)
- 裁判所は終了に当たって争点と証拠の整理の結果を確認する(316条の24)
- 公判では検察官の冒頭陳述、被告人側の冒頭陳述(316条の30)の後に、裁判所が整理の結果を明らかにする(316条の31)
誤り。違うのは「裁判所への提出を免除される場合がある」の部分である。事件が公判前整理手続に付されたときは、検察官は証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出しなければならず(316条の13第1項)、免除の規定はない。
316条の13第1項は、検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならないと定める。証明予定事実とは、公判期日において証拠により証明しようとする事実である。これは検察官の義務であり、提出を免除する規定は置かれていない。証明予定事実の明示は、検察官の立証の全体像を早期に示し、それを出発点として、検察官の証拠調べの請求(同条2項)、請求証拠の開示、被告人側の類型証拠の開示請求、予定主張の明示へと進む公判前整理手続の起点になるものであり、これを省けば争点整理の前提が失われるからである。また、同項後段は、証拠とすることができない資料などに基づいて裁判所に予断を生じさせるおそれのある事項を書面に記載してはならないとしている。したがって、提出を免除される場合があるとする本肢は誤っている。

検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。(後略)
- 弁護人:被告人に弁護人がなければ手続を行えず、裁判長が職権で付す(316条の4)
- 裁判所ができること:訴因・罰条の明確化と追加・撤回・変更の許可、争点の整理、証拠調べの請求、証拠決定、取調べの順序・方法、証拠開示の裁定など(316条の5)
- 検察官:証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し被告人側に送付、証拠調べを請求、請求証拠を開示(316条の13・316条の14)
- 被告人側:類型証拠の開示請求(316条の15)、予定主張の明示と証拠調べの請求(316条の17)、請求証拠の開示(316条の18)、主張関連証拠の開示請求(316条の20)
- 終了後:やむを得ない事由がなければ新たな証拠調べの請求はできない(316条の32第1項)
誤り。違うのは「裁判所への提出を免除される場合がある」の部分である。事件が公判前整理手続に付されたときは、検察官は証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出しなければならず(316条の13第1項)、免除の規定はない。
316条の13第1項は、検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならないと定める。証明予定事実とは、公判期日において証拠により証明しようとする事実である。これは検察官の義務であり、提出を免除する規定は置かれていない。証明予定事実の明示は、検察官の立証の全体像を早期に示し、それを出発点として、検察官の証拠調べの請求(同条2項)、請求証拠の開示、被告人側の類型証拠の開示請求、予定主張の明示へと進む公判前整理手続の起点になるものであり、これを省けば争点整理の前提が失われるからである。また、同項後段は、証拠とすることができない資料などに基づいて裁判所に予断を生じさせるおそれのある事項を書面に記載してはならないとしている。したがって、提出を免除される場合があるとする本肢は誤っている。

検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。(後略)
- 弁護人:被告人に弁護人がなければ手続を行えず、裁判長が職権で付す(316条の4)
- 裁判所ができること:訴因・罰条の明確化と追加・撤回・変更の許可、争点の整理、証拠調べの請求、証拠決定、取調べの順序・方法、証拠開示の裁定など(316条の5)
- 検察官:証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し被告人側に送付、証拠調べを請求、請求証拠を開示(316条の13・316条の14)
- 被告人側:類型証拠の開示請求(316条の15)、予定主張の明示と証拠調べの請求(316条の17)、請求証拠の開示(316条の18)、主張関連証拠の開示請求(316条の20)
- 終了後:やむを得ない事由がなければ新たな証拠調べの請求はできない(316条の32第1項)
誤り。違うのは「証明予定事実記載書面の提出をしなくてもよい」の部分である。検察官は、証明予定事実記載書面を裁判所に提出しなければならない(316条の13第1項)。
316条の13第1項は、検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、証明予定事実、すなわち公判期日において証拠により証明しようとする事実を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならないと定める。裁判所への提出は検察官の法律上の義務であり、任意ではない。公判前整理手続は、争点と証拠を整理して公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に進めるための手続であり(316条の2第1項)、まず訴追側の主張の全体を明らかにさせ、それを基準に被告人側の主張や証拠開示の範囲を決めていく構造をとっているからである。検察官は、証明予定事実を証明するための証拠の取調べも請求しなければならない(316条の13第2項)。同条1項後段は、書面に予断を生じさせるおそれのある事項を書くことを禁じており、予断排除の要請もここに及んでいる。

検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。
- ① 検察官:証明予定事実記載書面を裁判所に提出し、被告人又は弁護人に送付。証拠調べを請求(316条の13)
- ② 検察官:請求証拠を速やかに開示。書証・物証は閲覧(弁護人には閲覧・謄写)の機会(316条の14第1項)。請求があれば証拠の一覧表を交付(同条2項)
- ③ 被告人側:類型証拠の開示請求。類型・識別事項と開示が必要な理由を示せば足り、主張の明示は要らない(316条の15第3項)
- ④ 被告人側:予定主張の明示(316条の17)
- ⑤ 被告人側:主張関連証拠の開示請求。主張との関連性を示す(316条の20)
- 被告人を出頭させるときは、最初の期日にまず黙秘権を告知する(316条の9第3項)
誤り。違うのは「証明予定事実記載書面の送付をしなくてもよい」の部分である。検察官は、証明予定事実記載書面を被告人又は弁護人に送付しなければならない(316条の13第1項)。
316条の13第1項は、検察官は証明予定事実記載書面を「裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない」と定めており、裁判所への提出と被告人側への送付の両方が検察官の義務である。被告人側に送付させるのは、訴追側の主張の全体を把握して初めて、類型証拠の開示請求(316条の15)や予定主張の明示(316条の17)という次の段階に進むことができるからである。公判前整理手続は、検察官の証明予定事実の明示と請求証拠の開示、被告人側の類型証拠の開示請求、予定主張の明示、主張関連証拠の開示請求という順に段階を踏む構造であり、最初の段階で被告人側に書面が届かなければ手続全体が動かない。事例で弁護人が「あらかじめ送付を受けました」と答えているのは、この義務が果たされたことを示している。本肢は、送付を任意のものとしている点で誤っている。

検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。
- ① 検察官:証明予定事実記載書面を裁判所に提出し、被告人又は弁護人に送付。証拠調べを請求(316条の13)
- ② 検察官:請求証拠を速やかに開示。書証・物証は閲覧(弁護人には閲覧・謄写)の機会(316条の14第1項)。請求があれば証拠の一覧表を交付(同条2項)
- ③ 被告人側:類型証拠の開示請求。類型・識別事項と開示が必要な理由を示せば足り、主張の明示は要らない(316条の15第3項)
- ④ 被告人側:予定主張の明示(316条の17)
- ⑤ 被告人側:主張関連証拠の開示請求。主張との関連性を示す(316条の20)
- 被告人を出頭させるときは、最初の期日にまず黙秘権を告知する(316条の9第3項)
正しい。316条の13第1項は、事件が公判前整理手続に付されたときは、検察官は証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならないと定めている。
316条の13第1項は、検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実、すなわち公判期日において証拠により証明しようとする事実を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならないと定め、同条2項は、その証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べを請求しなければならないとする。公判前整理手続では、まず訴追側である検察官が主張と立証の全体像を明らかにし、その後に検察官請求証拠の開示、類型証拠の開示請求を経て、被告人側が予定主張を明らかにするという順序で進む。立証責任を負う検察官が先に手の内を示すことで、被告人側は何を争うかを判断できるからである。書面には、証拠とすることができない資料などに基づいて裁判所に予断を生じさせるおそれのある事項を記載できない(同条1項後段)。したがって、本肢は正しい。

検察官は、事件が公判前整理手続に付されたときは、その証明予定事実(公判期日において証拠により証明しようとする事実をいう。以下同じ。)を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。(後略)
| 事項 | 規律 | 根拠 |
|---|---|---|
| 手続でできること | 証拠調べ請求をさせる、証拠調べをする決定・請求を却下する決定をするなど | 316条の5第5号・8号 |
| 出頭 | 弁護人がなければ行えない。被告人の出頭は権利で、必要なら出頭を求められる | 316条の4・316条の9 |
| 検察官の主張 | 証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、被告人又は弁護人に送付する | 316条の13第1項 |
| 整理後の証拠調べ請求 | やむを得ない事由で請求できなかったものを除き請求できない(情状に限らない)。職権の証拠調べは妨げない | 316条の32 |
| 公判での冒頭陳述 | 主張があれば被告人又は弁護人も検察官の冒頭陳述に引き続き明らかにする | 316条の30 |








