1検察官又は被告人は、上訴をすることができる。
2第二百六十六条第二号の規定により裁判所の審判に付された事件と他の事件とが併合して審判され、一個の裁判があつた場合には、第二百六十八条第二項の規定により検察官の職務を行う弁護士及び当該他の事件の検察官は、その裁判に対し各々独立して上訴をすることができる。
この条文の過去問 4問
誤り。違うのは「刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立てをすることはできない」の部分である。裁判員法に控訴の特則はなく、検察官も量刑不当を理由に控訴できる(刑訴法351条1項・381条)。
裁判員の参加する合議体が言い渡した判決も地方裁判所の第一審判決であり、裁判員法は上訴について特則を置いていないから、控訴には刑訴法の規定がそのまま適用される。検察官又は被告人は上訴をすることができ(351条1項)、控訴理由として刑の量定が不当であることが定められている(381条)。検察官は、刑が軽すぎると考えれば量刑不当を理由に控訴を申し立てることができる。裁判員制度の導入に当たっても、誤った裁判を正す道を閉ざすことはせず、上訴の仕組みは通常の事件と同じにされた。そのかわりに、事後審である控訴審が裁判員の加わった第一審の判断をどこまで尊重するかが審査の在り方の問題として扱われている。最判平成24年2月13日は、第一審判決の事実認定が論理則、経験則等に照らして不合理であることを具体的に示さなければ事実誤認とはいえないとした。これは控訴審の審査の基準であり、控訴の申立て自体を制限するものではない。本肢は、検察官の量刑不当を理由とする控訴をできないとする点で誤っている。

刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて刑の量定が不当であることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
- 公判前整理手続:対象事件は必ず付す(裁判員法49条)
- 選任手続:非公開(33条1項)。理由を示さない不選任請求は各4人まで(36条1項)
- 裁判員の質問:裁判長に告げて証人尋問(56条)・被告人への質問(59条)ができる
- 区分審理:併合事件の一部を区分して順次審理し、部分判決を言い渡す(71条1項)
- 控訴:通常どおりできる。検察官の量刑不当控訴もできる
正しい。有罪判決に対して控訴することは検察官の権限として認められている。351条1項は検察官も上訴できると定める。
351条1項は、検察官又は被告人は上訴をすることができると定め、372条は第一審判決に対して控訴できるとする。検察官は訴訟の一方の当事者であるとともに公益の代表者であるから、被告人に不利益な方向でも上訴できる。第一審が有罪判決を言い渡した場合でも、検察官は、刑が軽すぎるとして量刑不当を理由に、あるいは事実誤認や法令適用の誤りを理由に控訴することができる。控訴審の不利益変更の禁止(402条)は、被告人が控訴した事件又は被告人のために控訴した事件にだけ働く制限であり、検察官が控訴した場合には当てはまらない。無罪判決に対する検察官の上訴についても、第一審から上告審までの手続は一つの継続した危険であるとして、二重の危険を禁じる憲法39条に反しないとされている(最大判昭和25年9月27日)。

検察官又は被告人は、上訴をすることができる。
| 権限 | 検察官 | 根拠 |
|---|---|---|
| 緊急逮捕 | できる(検察事務官・司法警察職員も) | 210条1項 |
| 公訴を提起しないこと(起訴猶予) | できる。罪の重さによる限定はない | 247条・248条 |
| 起訴後、被告事件だけで勾留中の被告人の接見指定 | できない(公訴の提起前に限る) | 39条3項、最決昭和41年7月26日 |
| 有罪判決に対する控訴 | できる(被告人に不利益な方向でも) | 351条1項 |
| 刑の執行の指揮 | できる(裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官) | 472条1項 |
誤り。違うのは「控訴をすることができる」の部分である。上訴できるのは検察官又は被告人(351条1項)と、被告人のための法定代理人・原審の弁護人等であり、被害者参加人に上訴権を認めた規定はない。
351条1項は、検察官又は被告人は上訴をすることができると定め、353条・355条は、被告人の法定代理人又は保佐人、原審における代理人又は弁護人が被告人のために上訴することを認めている。上訴権者を定めたこれらの規定には、被害者参加人やその委託を受けた弁護士は挙げられていない。被害者参加制度は、被害者等が公判期日に出席し、情状に関する証人尋問、被告人質問、意見陳述といった限られた訴訟活動をすることを認めるものであり、被害者参加人に訴訟の当事者としての地位を与えるものではない。訴追と上訴の判断は、公益の代表者として訴追を担う検察官に委ねられている。したがって、被害者参加人等は第一審判決に不服があっても自ら控訴することはできず、本肢は誤っている。被害者参加人は、検察官に控訴を求める意見を伝えることができるにとどまる。

検察官又は被告人は、上訴をすることができる。
- 参加できる者:対象事件の被害者等(被害者、被害者が死亡し又は心身に重大な故障がある場合の配偶者・直系の親族・兄弟姉妹)と被害者の法定代理人(316条の33第1項)
- 公判期日への出席:できる。相当でないときは全部又は一部の出席を許さないことができる(316条の34第1項・4項)
- 証人尋問:情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く)についての証明力を争うために必要な事項に限る(316条の36第1項)
- 被告人質問:意見陳述のために必要がある場合に許される(316条の37第1項)
- 事実・法律の適用についての意見陳述:検察官の論告の後、訴因として特定された事実の範囲内で許される。証拠にはならない(316条の38)
- できないこと:証拠調べの請求、訴因の設定・変更、上訴
正しい。402条は、被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできないと定めている(不利益変更の禁止)。
402条は、被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできないと定める。この不利益変更の禁止は、被告人が控訴したことによってかえって重い刑を受けるおそれがあると、被告人が控訴をためらい、上訴の権利が実質的に損なわれるから、被告人が安心して上訴できるようにするために置かれた政策的な規定である。そのため、被告人のみが控訴した事件では、控訴裁判所が原判決の刑は著しく軽いと考えても、原判決より重い刑を言い渡すことはできない。もっとも、検察官も控訴していれば、この制限はかからない。また、禁止されるのは刑を重くすることであり、原判決より被告人に不利益な事実を認定すること自体は、刑を重くしない限り許される。刑が重くなるかどうかは、刑名だけでなく主文全体を実質的に比べて判断する。本肢は正しい。

被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
- 上訴の利益:免訴など形式裁判に対し、被告人が無罪を求めて上訴することはできない(最大判昭和23年5月26日)
- 事実の取調べ:控訴裁判所は、必要があれば職権で第一審判決後の量刑事情を取り調べられる(393条2項)
- 管轄:簡易裁判所の刑事判決に対する控訴も高等裁判所が扱う(裁判所法16条1号)
- 不利益変更の禁止:被告人が控訴し又は被告人のため控訴した事件では原判決の刑より重い刑を言い渡せない(402条)。検察官も控訴すれば適用はない


