公訴は、検察官がこれを行う。
この条文の過去問 4問
正しい。公訴は検察官が行い(247条)、付審判請求や検察審査会の起訴議決も検察官の不起訴処分を経てからの手続であるから、検察官の判断を一切経ずに公訴が提起されることはない。
247条は公訴は検察官がこれを行うと定める。公訴の提起を私人ではなく国家機関に委ねる国家訴追主義を前提にしつつ、その国家機関のうち検察官だけに公訴提起の権限を専属させる起訴独占主義を定めた規定である。検察官は法律の専門家で身分保障(検察庁法25条)の下にあり、検察官同一体の原則によって全国的に統一した処理が期待できるので、訴追の適正と公平を確保できるという趣旨である。起訴独占主義には修正がある。付審判の請求(262条1項)が理由ありとして事件を裁判所の審判に付する決定がされると公訴の提起があったものとみなされ(267条)、検察審査会の起訴議決(検察審査会法41条の6)があると裁判所の指定した弁護士が検察官の職務を行って公訴を提起する(同法41条の10)。しかしこれらはいずれも、検察官が現に公訴を提起しない処分をしたことを出発点にする制度であり、検察官の起訴・不起訴の判断を経ないまま公訴提起に至るものではない。したがって、検察官の判断を一切経ずに公訴が提起されることはないとする肢は正しい。

公訴は、検察官がこれを行う。
- 原則:公訴は検察官だけが行う(247条)。国家訴追主義のうえに、国家機関の中でも検察官に専属させる
- 例外1 付審判請求(262条〜268条):公務員職権濫用等の罪(刑法193条〜196条・破壊活動防止法45条・団体規制法42条・43条)について告訴・告発した者が、不起訴の通知から7日以内に地方裁判所へ請求。審判に付する決定で公訴の提起があったものとみなし、指定弁護士が公訴を維持する
- 例外2 検察審査会の起訴議決:起訴相当の議決→検察官の再検討(従う義務なし)→再度の不起訴等→再審査→起訴議決→指定弁護士が公訴提起。不起訴不当の議決には再審査はない
- どちらも検察官の不起訴処分を経てからの手続であり、検察官の判断を一切経ない起訴はない
正しい。公訴は検察官が行う(247条)が、付審判請求を受けて裁判所が事件を審判に付する決定をしたときは公訴の提起があったものとみなされ(267条)、起訴独占主義の例外に当たる。
247条は公訴は検察官がこれを行うと定め、国家機関のうち検察官だけに公訴提起の権限を専属させる起訴独占主義を採る。この原則には例外がある。公務員職権濫用等の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができ(262条1項)、請求に理由があるときは裁判所が事件を審判に付する決定をする(266条2号)。この決定があったときは、その事件について公訴の提起があったものとみなされ(267条)、裁判所が指定した弁護士が検察官の職務を行って公訴を維持する(268条)。検察官の意思によらずに公訴提起の効果が生じる点で起訴独占主義の例外である。もう一つの例外として、検察審査会の起訴議決があれば指定弁護士が公訴を提起する制度がある。どちらも検察官の不起訴処分を経た後の手続であり、検察官の判断を一切経ずに起訴されることはない。発言は条文のとおりで正しい。

前条第二号の決定があつたときは、その事件について公訴の提起があつたものとみなす。
- 原則:公訴は検察官だけが行う(247条)
- 例外1 付審判請求:公務員職権濫用等の罪について告訴・告発した者が地方裁判所に請求し、審判に付する決定があれば公訴の提起があったものとみなす(262条〜268条)
- 例外2 検察審査会の起訴議決:起訴相当の議決→検察官の再検討→再度の不起訴→再審査→起訴議決→指定弁護士が公訴提起
- どちらも検察官の不起訴処分を経てからの手続であり、検察官の判断を一切経ない起訴はない
正しい。殺人事件の被疑者について公訴を提起しないことは検察官の権限として認められている。起訴便宜主義を定める248条には罪の重さによる限定がない。
公訴は検察官が行い(247条)、248条は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができると定める(起訴便宜主義)。この規定には罪名や法定刑による限定が付いておらず、殺人罪のような重大な犯罪でも、訴追を必要としないと判断すれば起訴猶予にできる。実務でも殺人罪について起訴猶予がされた例がある。訴追するかどうかの判断は、犯罪の重さだけでなく犯人の事情や犯罪後の情況を総合して行うものだからである。検察官の裁量の適正は、不起訴処分に対する検察審査会の審査と起訴議決による公訴提起の制度で担保されているが、公訴を提起しない権限そのものは検察官にある。

犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。
| 権限 | 検察官 | 根拠 |
|---|---|---|
| 緊急逮捕 | できる(検察事務官・司法警察職員も) | 210条1項 |
| 公訴を提起しないこと(起訴猶予) | できる。罪の重さによる限定はない | 247条・248条 |
| 起訴後、被告事件だけで勾留中の被告人の接見指定 | できない(公訴の提起前に限る) | 39条3項、最決昭和41年7月26日 |
| 有罪判決に対する控訴 | できる(被告人に不利益な方向でも) | 351条1項 |
| 刑の執行の指揮 | できる(裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官) | 472条1項 |
正しい。本肢の起訴は適法である。公訴の提起は検察官の権限であり(247条)、検察官は送致書の罪名に拘束されず、自らの捜査の結果に基づく罪名で起訴できる。
247条は、公訴は検察官がこれを行うと定め、起訴するかどうか、どの事実をどの罪名で起訴するかの判断を検察官に委ねている。246条により司法警察員は捜査した事件を原則としてすべて検察官に送致するが、その趣旨は事件の最終的な処理を検察官に判断させることにあり、送致書に記載された罪名は司法警察員の見立てにすぎない。検察官は送致を受けた後も自ら捜査することができ(191条1項)、その結果を踏まえて、起訴状に記載する訴因と罰条を自らの判断で構成する(256条)。本肢では、強盗の罪名で送致された事件について、検察官が捜査の結果、被害者の負傷を認めて強盗致傷罪に当たると判断し、その罪名で起訴しているから、247条・256条に基づく適法な公訴の提起である。送致罪名より重い罪名で起訴することも、検察官の判断を妨げる規定はない。

公訴は、検察官がこれを行う。

























