事実の認定は、証拠による。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「その証人の公判廷での表情や態度を考慮してはならない」の部分である。証言の信用性の評価は自由心証主義(318条)の下で裁判官の判断に委ねられ、法廷での供述態度も考慮できる。
318条は証拠の証明力を裁判官の自由な判断に委ねると定め、自由心証主義を採る。証人の証言が信用できるかどうかの評価は、法定の証拠法則ではなく、裁判官が経験則・論理則に従って自由に判断すべき事柄である。刑罰権の存否と範囲を定める事実の認定には証拠能力があり適法な証拠調べを経た証拠によることが求められるが(317条)、ここでいう事実は犯罪事実などの実体法上の事実であって、個々の証拠の証明力の評価はその対象ではない。信用性の判断の資料になる事情は、裁判官が心証を形作る過程で自由に斟酌できるのである。証人尋問を公判廷で直接に行うことを原則とする趣旨の一つも、裁判所が供述者の態度を直接に観察して信用性を吟味できる点にある。したがって証人の公判廷での表情・語調・応答の態度のように法廷で直接に感じ取った事情も、証言の信用性を判断する資料として考慮できる。もっとも供述態度は客観的な証拠との整合や内容の合理性に比べて補充的な位置づけにとどまる。肢は証言内容のみで判断しなければならないとする点で誤っている。

証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。
正しい。判例は、累犯加重の理由となる前科は実質において犯罪構成事実に準ずるものであるから、証拠によって認定しなければならず、その証拠書類は305条による取調べを経なければならないとした(最大決昭和33年2月26日)。
317条は事実の認定は証拠によると定め、犯罪事実の認定には、証拠能力があり適式な証拠調べを経た証拠による厳格な証明が必要と解されている。最大決昭和33年2月26日は、累犯加重の理由となる前科は、335条にいう罪となるべき事実ではないが、刑の法定加重の理由となる事実であって、実質において犯罪構成事実に準ずるものであるから、これを認定するには証拠によらなければならないことはもちろん、その証拠書類は305条による取調べをすることを要するとした。累犯加重は法定刑の上限を引き上げるものであり、被告人に科される刑の範囲を直接左右するから、犯罪事実と同じ程度に確実な認定が求められるのである。本肢は、累犯加重の理由となる前科は適法な証拠調べをした証拠によらなければ認定できないとしており、判例のとおりであるから正しい。量刑の一般情状としての前科は、これと異なり自由な証明で足りると解されている。

刑訴335条にいわゆる「罪となるべき事実」ではないが、かかる前科の事実は、刑の法定加重の理由となる事実であつて、実質において犯罪構成事実に準ずるものであるから、これを認定するには、証拠によらなければならないことは勿論、これが証拠書類は刑訴305条による取調をなすことを要するものと解すべき
| 事案 | 判例 | 結論 |
|---|---|---|
| 同種前科で詐欺の故意を認定 | 最決昭和41年11月22日 | 客観的要素が他の証拠で認められれば、主観的要素の認定に用いてよい |
| 同種前科で犯人性を立証 | 最判平成24年9月7日 | 顕著な特徴があり起訴事実と相当程度類似する場合に限る |
| 累犯加重の理由となる前科の認定 | 最大決昭和33年2月26日 | 証拠により、証拠書類は305条の取調べを経て認定する |
| 裁量保釈の判断で勾留状記載外の事実を考慮 | 最決昭和44年7月14日 | 一資料として考慮してよい |
| 起訴状への前科の記載 | 最大判昭和27年3月5日 | 原則として許されないが、構成要件や犯罪の手段方法となっている前科は記載できる |











































