抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。
この条文の過去問 4問
誤り。違うのは「その却下決定に対して即時抗告をすることができる」の部分であり、公判前整理手続に付する請求の却下決定に即時抗告を認める規定はない(419条)。
公判前整理手続に付する決定(316条の2第1項)は、裁判所が充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があると認めるときに、検察官・被告人・弁護人の請求により又は職権で行う。この請求を却下する決定に即時抗告を認めた規定は刑訴法にない。419条が、抗告は特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合のほか裁判所のした決定に対してすることができると定めるとおり、即時抗告は法が個別に許した場合に限る不服申立てであるから、明文なしに即時抗告はできない。通常抗告についても、公判前整理手続に付すかどうかの決定は受訴裁判所が公判の準備としてする訴訟指揮の裁判であり、訴訟手続に関し判決前にした決定(420条1項)に当たるから、即時抗告を許す規定がない以上できない。付さなかったことの当否は、終局判決に対する上訴の中で、争点整理を経ずに審理したことが訴訟手続の法令違反(379条)に当たるかという形で争うほかない。肢は即時抗告ができるとする点で誤っている。

抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。
- 付す決定(316条の2第1項):職権又は検察官・被告人・弁護人の請求により、第1回公判期日前に決定で付す。あらかじめ当事者の意見を聴く(同条2項)。請求されても付す義務はなく、却下決定に即時抗告の規定はない(419条)
- 必ず付す事件:裁判員裁判の対象事件(裁判員法49条)
- 弁護人:弁護人がなければ手続を行えず(316条の4第1項)、被告人に弁護人がないときは裁判長が職権で付す(同条2項)
- 被告人:出頭する権利はあるが義務はない(316条の9第1項)。裁判所は必要と認めるときは出頭を求めることができる(同条2項)
- 期日間整理手続:第1回公判期日の後にも同じ目的で付すことができる(316条の28)
誤り。違うのは「適法に即時抗告をすることができる」の部分である。即時抗告は特に定めがある場合に限られ、訴因変更の許可決定にその定めはなく、判決前の訴訟手続に関する決定として通常抗告もできない(420条1項)。
抗告には即時抗告と通常抗告がある。即時抗告は、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合に限ってできる(419条)が、訴因変更を許可する決定(312条1項)について即時抗告を認める規定はない。通常抗告の道も閉ざされている。420条1項は、裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、特に即時抗告ができる旨の規定がある場合を除いて抗告をすることができないと定め、例外として同条2項が勾留、保釈、押収、押収物の還付に関する決定と鑑定のためにする留置に関する決定を挙げるにとどまる。訴因変更の許可は、審判の対象である訴因をどう設定するかという公判手続の進行に関わる中間的な裁判であり、まさに訴訟手続に関し判決前にした決定であるから抗告もできない。判決前の中間的な裁判ごとに上訴を認めると審理が細切れになり訴訟が遅れるので、不服は終局裁判に対する上訴の中でまとめて争わせる趣旨である。許可決定に不服がある当事者は、その当否を判決に対する控訴の中で訴訟手続の法令違反(379条)として主張することになる。

裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定に対しては、この法律に特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合を除いては、抗告をすることはできない。
| 決定 | 不服申立て |
|---|---|
| 訴因変更の許可、証拠決定など判決前の訴訟手続に関する決定 | 抗告できない(420条1項)。証拠調べに関するものは309条1項、その他の裁判長の処分は309条2項の異議で争い、判決に対する控訴理由にする |
| 勾留・保釈・押収・押収物の還付・鑑定留置に関する決定 | 通常抗告ができる(420条2項)。期間の定めなし、執行停止なし |
| 法律に即時抗告の定めがある決定(証拠開示の裁定、上訴権回復など) | 即時抗告(419条・422条)。執行停止あり(425条) |
| 公訴棄却の決定(339条) | 即時抗告ができる(339条2項) |
正しい。保釈を許可する裁判所の決定は420条2項の「保釈に関する決定」であり、判決前の決定でも抗告が許されるから、検察官はこれに抗告できる(419条)。
抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合のほか、裁判所のした決定に対してすることができる(419条)。ただし裁判所の管轄又は訴訟手続に関し判決前にした決定には原則として抗告できない(420条1項)ところ、同条2項は、勾留、保釈、押収、押収物の還付に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については1項を適用しないと定める。身体拘束や財産に直接関わる決定は、判決を待っていては救済が遅れるので、判決前でも独立に争わせる趣旨である。保釈を許可する決定はまさに保釈に関する決定に当たるから、これに不服のある検察官は抗告で争うことができる。抗告には原則として執行停止の効力がない(424条1項本文)が、原裁判所又は抗告裁判所は決定で執行を停止することができ(同項ただし書・2項)、検察官の抗告には執行停止の申立てが併せてされることが多い。これに対して、第1回公判期日前に裁判官が単独でした保釈の裁判に対しては、抗告ではなく準抗告(429条1項2号)による。本肢は「裁判所の決定」を前提にしているので、抗告によるとする点で正しい。

前項の規定は、勾留、保釈、押収(中略)、押収物の還付(中略)に関する決定及び鑑定のためにする留置に関する決定については、これを適用しない。
| 決定 | 不服申立て |
|---|---|
| 訴因変更の許可、証拠決定など判決前の訴訟手続に関する決定 | 抗告できない(420条1項)。証拠調べに関するものは309条1項、その他の裁判長の処分は309条2項の異議で争い、判決に対する控訴理由にする |
| 勾留・保釈・押収・押収物の還付・鑑定留置に関する決定 | 通常抗告ができる(420条2項)。期間の定めなし、執行停止なし |
| 法律に即時抗告の定めがある決定(証拠開示の裁定、上訴権回復など) | 即時抗告(419条・422条)。執行停止あり(425条) |
| 公訴棄却の決定(339条) | 即時抗告ができる(339条2項) |
正しい。地方裁判所がした保釈請求を却下する決定に対しては、判決の宣告後であっても抗告をすることができ(419条・420条2項)、抗告は高等裁判所が扱う。
419条は、抗告は特別の定めがある場合のほか、裁判所のした決定に対してすることができると定める。420条1項は、判決前にした訴訟手続に関する決定に対する抗告を制限するが、同条2項は保釈に関する決定にはこの制限を適用しないとしており、保釈請求を却下する決定に対しては抗告をすることができる。本肢は判決宣告後の決定であるから420条1項の制限はそもそも問題にならないが、いずれにしても抗告は許される。上訴の提起期間内でまだ上訴の提起がない事件の保釈については、原裁判所が決定をするから(97条1項)、判決を宣告した地方裁判所が保釈請求を却下することになる。地方裁判所の決定に対する抗告は、高等裁判所が裁判権を持つ(裁判所法16条2号)。身体の拘束に関わる判断は被告人の利益に直結するので、判決の後であっても上級の裁判所の審査を受けられるようにしているのである。肢は高等裁判所への抗告をいう点で正しい。

抗告は、特に即時抗告をすることができる旨の規定がある場合の外、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。但し、この法律に特別の定のある場合は、この限りでない。(420条2項)前項の規定は、勾留、保釈、…に関する決定…については、これを適用しない。
| 345条 | 343条・344条 | |
|---|---|---|
| きっかけ | 無罪・免訴・刑の免除・刑の全部の執行猶予・公訴棄却(338条4号を除く)・罰金・科料の裁判の告知 | 拘禁刑以上の刑に処する判決(全部執行猶予でないもの)の宣告 |
| 失効するもの | 勾留状 | 保釈・勾留の執行停止(勾留状は生きている) |
| その後 | 被告人は釈放される | 新たな保釈等の決定がなければ収容される。権利保釈(89条)は適用されず、裁量保釈も不利益が著しく高い場合などに限られる(344条) |
| 時点 | 告知の時。確定を待たない | 宣告の時。確定を待たない |








