1被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
2前項の請求を受けた裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
この条文の過去問 11問
誤り。違うのは「公訴の提起前に限り」の部分である。証拠保全の請求ができるのは第1回公判期日前に限られ、公訴提起後でも第1回公判期日前なら請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。時期の限界は公訴の提起前ではなく第1回公判期日前であり、公訴提起後でも第1回公判期日前であれば請求できる。捜査機関が強制処分の権限を独占する捜査段階で、防御側にも裁判官の手を借りて証拠を確保する途を開くとともに、証拠が散逸・変質しやすい起訴直後の段階までこれを認めた趣旨である。請求先は裁判所ではなく裁判官であり、請求を受けた裁判官は裁判所又は裁判長と同一の権限をもつ(同条2項)。保全された証拠については、被告人・被疑者・弁護人は裁判官の許可を得て書類・証拠物を閲覧謄写できる(180条1項)。これに対し、検察官が請求する第1回公判期日前の証人尋問(226条・227条)も時期は同じで、請求できる側が逆である。肢は時期を公訴の提起前に限っている点で条文と食い違い、誤りである。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収…、捜索、…検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 179条(証拠保全) | 226条・227条(証人尋問) | |
|---|---|---|
| 誰が | 被告人・被疑者・弁護人 | 検察官だけ |
| 何を | 押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定 | 証人尋問のみ |
| いつまで | 第1回公判期日前 | 第1回公判期日前 |
| 誰に | 裁判官 | 裁判官 |
| 要件 | あらかじめ保全しなければ証拠を使用することが困難な事情 | 出頭・供述の拒否(226条)/供述を翻すおそれと不可欠性(227条) |
正しい。被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければ使用が困難な事情があるときは、第1回公判期日前に限り、裁判官に証人の尋問等を請求でき(179条1項)、起訴前でも請求できる。
捜査段階では証拠の収集手段は原則として捜査機関に独占されており、被疑者・弁護人には強制処分の権限がない。そこで刑訴法は、当事者対等と防御権保障の見地から証拠保全の制度を設け、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める(179条1項)。請求権者に被疑者と弁護人が明示されているとおり、公訴提起前の段階でも請求でき、処分の対象として証人の尋問が明文で挙げられている。請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限をもつ(同条2項)。請求は書面で行い、証拠保全の必要性等を疎明しなければならず、請求を却下する裁判には準抗告ができる。これに対し、検察官が請求する第1回公判期日前の証人尋問(226条・227条)は時期が同じで請求できる側が逆である。したがって、弁護人は起訴前でも裁判官に証人尋問を請求でき、肢は正しい。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収…、捜索、…検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 179条(証拠保全) | 226条・227条(証人尋問) | |
|---|---|---|
| 誰が | 被告人・被疑者・弁護人 | 検察官だけ |
| 何を | 押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定 | 証人尋問のみ |
| いつまで | 第1回公判期日前(起訴前でもよい) | 第1回公判期日前 |
| 誰に | 裁判官 | 裁判官 |
| 要件 | あらかじめ保全しなければ証拠を使用することが困難な事情 | 出頭・供述の拒否(226条)/供述を翻すおそれと不可欠性(227条) |
正しい。弁護人は、証拠保全の必要があるとき、第1回の公判期日前に限り、裁判官に証人の尋問を請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める(証拠保全)。捜査機関は強制処分の権限を持ち自ら証拠を集められるのに対し、被疑者・被告人の側にはその権限がないため、当事者対等の理念のもとで、防御に必要な証拠が散逸・変質するのを防ぐ手段として設けられた制度である。請求権者には弁護人が明文で含まれ、請求先は受訴裁判所ではなく裁判官であり(請求を受けた裁判官はその処分について裁判所又は裁判長と同一の権限を持つ。179条2項)、時期は第1回の公判期日前に限られる。第1回公判期日の後は通常の証拠調べの請求(298条1項)や公判期日外の証人尋問(158条)によればよく、証拠保全の必要がないからである。証人の尋問も請求できる処分として挙げられているから、肢は179条1項の内容にそのまま合致しており正しい。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(略)、捜索(略)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 固有権(弁護人自身の権利) | 接見交通(39条1項)/書類・証拠物の閲覧謄写(40条)/証人尋問・鑑定・裁判所の検証や捜索差押えへの立会い(157条・170条・142条・113条)/控訴審の弁論(388条) |
| 独立代理権(被告人の明示の意思に反してもできる) | 保釈の請求(88条)/勾留の取消しの請求(87条)/勾留理由開示の請求(82条2項)/証拠調べの請求(298条1項)/証拠保全の請求(179条)/勾留・接見指定などに対する準抗告(429条・430条) |
| 被告人の明示の意思に反してできないもの | 証拠とすることの同意(326条1項。同意権者は検察官と被告人)/上訴(355条・356条) |
| 立会権がないもの | 捜査機関の捜索差押え(222条1項は113条を準用しない)/勾留質問/第1回公判期日前の証人尋問(228条2項。立ち会わせることが「できる」だけ) |
正しい。第1回公判期日前の証人尋問(226条・227条)は裁判官が行うから、その調書は1号の裁判官の面前における供述を録取した書面に当たる。
321条1項1号は、被告人以外の者の裁判官の面前における供述を録取した書面について、供述者が供述できないとき、又は公判準備若しくは公判期日で前の供述と異なった供述をしたときに、特信情況を問わず証拠能力を認める。中立の裁判官の面前で、法定の手続に従って供述がされ、正確に録取されているという情況が、信用性を類型的に保障しているからである。検察官の請求による第1回公判期日前の証人尋問は、参考人が出頭や供述を拒んだ場合(226条)や、任意にした供述を公判で翻すおそれがある場合(227条)に、裁判官が証人として尋問するものであり、宣誓と偽証罪の制裁の下で行われる。したがってその証人尋問調書は1号書面の典型であり、1号書面に当たる。被告人側の請求による証拠保全としての証人尋問調書(179条)も同じである。2号・3号の書面と比べて、1号の要件は最も緩やかである。

裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
- 第1回公判期日前の証人尋問調書(226条・227条)と証拠保全の証人尋問調書(179条)
- 民事事件の証人尋問調書。刑事手続であることは要件でない
- 他人の刑事事件の公判調書・公判準備調書中の証人尋問の部分。当該事件で作成されたことは要件でない(最決昭29.11.11)
- 他人の刑事事件の公判調書中のその人の被告人としての供述の部分(最決昭57.12.17)
- 少年保護事件の証人尋問調書
- 要件は供述不能か異なった供述のどちらかで足り、特信情況は要らない
正しい。被告人、被疑者又は弁護人は、証拠を保全しておかなければ使用が困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。本肢は主体の並べ方が条文と前後するだけで、請求権者・要件・時期のいずれも条文どおりである。捜査の段階では強制処分の権限は捜査機関にあり、被疑者や被告人の側には証拠を強制的に集める手段がない。そこで、時間の経過で失われるおそれのある証拠、たとえば海外に行く予定の証人の供述や変化してしまう現場の状況などについて、防御側の請求で裁判官に証拠を確保させ、当事者の対等を実質的に図るのがこの制度である。第1回公判期日の後は、裁判所に通常の証拠調べを請求すればよいから、時期が限られている。なお、令和7年改正で、請求できる処分に電磁的記録提供命令が加わった。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(中略)、捜索、電磁的記録提供命令(中略)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
正しい。被告人、被疑者又は弁護人は、証拠を保全しておかなければ使用が困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。本肢は主体の並べ方が条文と前後するだけで、請求権者・要件・時期のいずれも条文どおりである。捜査の段階では強制処分の権限は捜査機関にあり、被疑者や被告人の側には証拠を強制的に集める手段がない。そこで、時間の経過で失われるおそれのある証拠、たとえば海外に行く予定の証人の供述や変化してしまう現場の状況などについて、防御側の請求で裁判官に証拠を確保させ、当事者の対等を実質的に図るのがこの制度である。第1回公判期日の後は、裁判所に通常の証拠調べを請求すればよいから、時期が限られている。なお、令和7年改正で、請求できる処分に電磁的記録提供命令が加わった。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(中略)、捜索、電磁的記録提供命令(中略)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
誤り。違うのは「裁判官に証人の尋問を請求することはできない」の部分である。弁護人は、証拠を保全しておかなければ使用が困難な事情があるときは、第1回公判期日前に限り裁判官に証人尋問を請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。226条・227条の証人尋問が検察官だけに認められた捜査側の制度であるのに対し、179条は、強制的に証拠を集める手段を持たない被告人側にも、裁判官の権限で証拠を確保する道を開いたものである。証拠を使用することが困難な事情とは、証人の重い病気や高齢、遠くへの転居など、公判まで待っていてはその証拠を調べることが事実上できなくなるおそれのある事情をいい、アリバイ証人が近く海外に赴任する予定であることはその典型である。請求権者には弁護人も含まれる。したがって、弁護人は第1回公判期日前に裁判官に証人尋問を請求することができ、本肢は誤っている。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(中略)、捜索、電磁的記録提供命令(中略)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 226条 | 227条 | 179条(証拠保全) | |
|---|---|---|---|
| 請求者 | 検察官 | 検察官 | 被告人・被疑者・弁護人 |
| 要件 | 捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかな者が出頭・供述を拒んだ | 任意の供述をした者が公判で異なる供述をするおそれ+供述が犯罪の証明に欠くことができない | 保全しなければ証拠の使用が困難な事情 |
| 時期 | 第1回公判期日前に限る | 同左 | 同左 |
| 裁判官の権限・立会い | 裁判所又は裁判長と同一の権限(228条1項)。立会いは捜査に支障がなければ裁判官の裁量(228条2項) | 同左 | 裁判所又は裁判長と同一の権限(179条2項) |
誤り。違うのは「裁判官に証人の尋問を請求することはできない」の部分である。弁護人は、証拠を保全しておかなければ使用が困難な事情があるときは、第1回公判期日前に限り裁判官に証人尋問を請求できる(179条1項)。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第1回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。226条・227条の証人尋問が検察官だけに認められた捜査側の制度であるのに対し、179条は、強制的に証拠を集める手段を持たない被告人側にも、裁判官の権限で証拠を確保する道を開いたものである。証拠を使用することが困難な事情とは、証人の重い病気や高齢、遠くへの転居など、公判まで待っていてはその証拠を調べることが事実上できなくなるおそれのある事情をいい、アリバイ証人が近く海外に赴任する予定であることはその典型である。請求権者には弁護人も含まれる。したがって、弁護人は第1回公判期日前に裁判官に証人尋問を請求することができ、本肢は誤っている。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(中略)、捜索、電磁的記録提供命令(中略)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 226条 | 227条 | 179条(証拠保全) | |
|---|---|---|---|
| 請求者 | 検察官 | 検察官 | 被告人・被疑者・弁護人 |
| 要件 | 捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかな者が出頭・供述を拒んだ | 任意の供述をした者が公判で異なる供述をするおそれ+供述が犯罪の証明に欠くことができない | 保全しなければ証拠の使用が困難な事情 |
| 時期 | 第1回公判期日前に限る | 同左 | 同左 |
| 裁判官の権限・立会い | 裁判所又は裁判長と同一の権限(228条1項)。立会いは捜査に支障がなければ裁判官の裁量(228条2項) | 同左 | 裁判所又は裁判長と同一の権限(179条2項) |
正しい。179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収等の処分を請求することができると定めている。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。捜査機関は強制処分の権限を持って証拠を集められるが、被疑者・被告人の側にはそうした権限がない。そこで、被告人側に有利な証拠が失われるおそれがある場合に、裁判官の強制処分によって証拠を保全できるようにした。時期は第一回の公判期日前に限られ、公判が始まれば裁判所に証拠調べを請求すればよい。請求先は裁判官であり、検察官ではない。本肢は、弁護人が第一回の公判期日前に限り裁判官に押収の処分を請求できるとしており、179条1項のとおりであるから正しい。検察官が第1回公判期日前に証人尋問を請求する226条・227条とは、請求できる側が逆である。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収…、捜索、…検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
正しい。179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人が、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に証人の尋問などを請求できると定めている。
179条1項は、被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができると定める。捜査機関は強制処分によって証拠を集めることができるが、被疑者・被告人の側には強制的に証拠を集める権限がない。そこで、重要な証人が近く海外に行くなど、公判まで待っていてはその証拠を使えなくなる事情があるときに、裁判官に委ねて証拠を収集・保全できるようにし、被疑者側の防御の準備を助けるのがこの制度である。第1回公判期日以後は受訴裁判所に証拠調べを請求すればよいから、時期は第1回公判期日前に限られる。起訴前に限られるわけではない。請求を受けた裁判官は裁判所又は裁判長と同一の権限を持つ(同条2項)。したがって、本肢は正しい。

被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(中略)、捜索、(中略)検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
| 179条 証拠保全 | 226条 | 227条 | |
|---|---|---|---|
| 請求者 | 被告人・被疑者・弁護人 | 検察官 | 検察官 |
| 要件 | あらかじめ保全しなければ使用が困難な事情 | 捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が出頭・供述を拒んだ | 任意に供述した者が公判で異なる供述をするおそれがあり、その供述が犯罪の証明に欠くことができない |
| 時期 | 第1回公判期日前 | 第1回公判期日前 | 第1回公判期日前 |
| 立会い | 裁判所の証人尋問の例による(179条2項) | 捜査に支障を生ずるおそれがないと認めるとき裁判官の裁量で立ち会わせる(228条2項) | 同左 |
| 調書 | 321条1項1号書面 | 321条1項1号書面 | 321条1項1号書面 |
正しい。第一回の公判期日前の証人尋問は裁判官が証人として尋問するものであり、その調書は321条1項1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に当たる。
179条や226条・227条による証人尋問では、請求を受けた裁判官が、証人の尋問に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を持ち(179条2項・228条1項)、宣誓をさせたうえで公判の証人尋問の例により尋問する。そこでの証言は裁判官の面前における供述であり、それを録取した証人尋問調書は、321条1項1号の裁判官の面前における供述を録取した書面に当たる。同号は、供述者が死亡、所在不明などで公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は前の供述と異なった供述をしたときに、証拠能力を認める。検察官面前調書(同項2号)と違い、相反供述の場合に前の供述を信用すべき特別の情況(特信情況)は求められない。裁判官の面前で宣誓のうえ供述したこと自体に信用性の情況的保障があるからである。227条の証人尋問が供述の保全として機能するのはこのためである。したがって、本肢は正しい。

裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
| 179条 証拠保全 | 226条 | 227条 | |
|---|---|---|---|
| 請求者 | 被告人・被疑者・弁護人 | 検察官 | 検察官 |
| 要件 | あらかじめ保全しなければ使用が困難な事情 | 捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が出頭・供述を拒んだ | 任意に供述した者が公判で異なる供述をするおそれがあり、その供述が犯罪の証明に欠くことができない |
| 時期 | 第1回公判期日前 | 第1回公判期日前 | 第1回公判期日前 |
| 立会い | 裁判所の証人尋問の例による(179条2項) | 捜査に支障を生ずるおそれがないと認めるとき裁判官の裁量で立ち会わせる(228条2項) | 同左 |
| 調書 | 321条1項1号書面 | 321条1項1号書面 | 321条1項1号書面 |