1被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
2被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
この条文の過去問 6問
正しい。公訴提起後の私選弁護人の選任は弁護人となろうとする者と被告人とが連署した書面でしなければならず、氏名を記載できない合理的な理由がないのに被告人の署名を欠く選任届による選任は無効である(最決昭40.7.20)。
私選弁護人の選任は被告人又は被疑者と弁護人となろうとする者との合意に基づく訴訟行為であるが(30条1項)、その存否を手続上明確にし訴訟手続の安定を確保するため、方式が法定されている。公訴提起後の選任は、刑訴規則18条により、弁護人となろうとする者と被告人とが連署した書面を差し出してしなければならない。連署とは、公務員以外の者が作成する書類に署名押印を求める規則60条に照らし、それぞれが自己の氏名を自書して押印することをいう。最決昭40.7.20は、弁護人選任届の被告人の署名欄に「氏名不詳」と記載されているだけで被告人自身の署名がなかった事案で、連署の意義をこのように示したうえ、被告人に氏名を記載できない合理的な理由が認められない以上、その選任届による私選弁護人の選任は効力を生じないとした。方式に反する選任は無効であり、その者がした上訴申立て等も弁護人の行為としての効力をもたない。肢は合理的な理由がない場合を前提にしており、判例の立場と一致する。

公訴提起後における私選弁護人の選任は、弁護人になろうとする者と被告人とが連署した書面を差し出してしなければならないことは、刑訴法30条1項、刑訴規則18条の明定するところであり、ここに連署とは、弁護人になろうとする者と被告人とがそれぞれ自己の氏名を自書し押印することであることは、同規則60条によつて明らか
- 本人はいつでも弁護人を選任できる(30条1項)。法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹は本人の意思にかかわらず独立して選任できる(30条2項)
- 弁護人は弁護士の中から選任する(31条1項)。特別の事情があれば裁判所の許可を得て弁護士でない者を選任できる(同条2項)
- 方式は弁護人と連署した書面である。合理的な理由なく被告人の署名を欠く選任届による選任は無効である(最決昭40.7.20)
- 数の制限は規則の定めによる。被告人の弁護人は特別の事情があるときに限り3人まで(35条・規則26条1項)
- 起訴前の選任は第一審でも効力をもち(32条1項)、起訴後の選任は審級ごとに行う(32条2項)
正しい。被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる(30条2項)。
30条1項は被告人又は被疑者がいつでも弁護人を選任できると定め、同条2項は、被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は独立して弁護人を選任することができると定める。肢は30条2項の文言どおりである。「独立して」とは、本人の同意や委任を要せず、これらの者が自らの権限として選任できるという意味であり、本人の意思に反する場合でも選任自体は有効に成立する。身体を拘束された本人が自ら弁護人を確保することは事実上難しいので、近親者等による選任を認めて弁護人依頼権(憲法34条・37条3項)の実効性を確保する趣旨である。こうして選任された弁護人は本人の弁護人であって選任者の代理人ではないから、弁護活動は本人の利益のために行われ、本人がその弁護人を解任することもできる。公訴提起後の選任の方式は弁護人と連署した書面の差出しであり(規則18条)、この場合は選任権者である近親者等と弁護人となろうとする者との連署で足りる。

被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。/被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
- 本人はいつでも弁護人を選任できる(30条1項)。法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹は本人の意思にかかわらず独立して選任できる(30条2項)
- 弁護人は弁護士の中から選任する(31条1項)。特別の事情があれば裁判所の許可を得て弁護士でない者を選任できる(同条2項)
- 方式は弁護人と連署した書面である。合理的な理由なく被告人の署名を欠く選任届による選任は無効である(最決昭40.7.20)
- 数の制限は規則の定めによる。被告人の弁護人は特別の事情があるときに限り3人まで(35条・規則26条1項)
- 起訴前の選任は第一審でも効力をもち(32条1項)、起訴後の選任は審級ごとに行う(32条2項)
正しい。兄弟姉妹は30条2項の列挙に入っており、「独立して」弁護人を選任できるから、本人の意思にかかわらず選任できる。
30条2項は、被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができると定める。「独立して」とは、本人の意思に拘束されずに固有の選任権を行使できるという意味であり、本人の同意がなくても、本人の意思に反しても、選任の効力が生じる。身体を拘束された被疑者・被告人は外部との連絡を制約され、動揺して適切に弁護人を選べないことも多いので、本人と密接な身分関係にある者に本人とは別個の選任権を与え、早期に弁護人が付く途を確保したものである。ただし、こうして選任された弁護人も本人の弁護人であって選任者の代理人ではないから、本人がその弁護人を解任すれば選任の効力は失われる。「独立して」は選任の場面での独立を意味するにとどまる。本肢は兄弟姉妹を選任権者に挙げ、本人の意思にかかわらず選任できるとする点で30条2項のとおりである。

被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
- 選任権者は本人(30条1項)と、法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹(独立して選任できる。30条2項)である
- 方式は弁護人と連署した書面であり、起訴後は裁判所に差し出す(規則18条)。起訴前の選任は検察官又は司法警察員に差し出した場合に限り第一審でも効力をもつ(規則17条)
- 起訴前の選任は第一審でも効力をもち(32条1項)、起訴後の選任は私選・国選とも審級ごとに行う(32条2項)
- 原審の弁護人は改めて選任されなくても被告人のため上訴できる(355条)
誤り。違うのは「自ら弁護人を選任することはできない」の部分である。配偶者は独立して弁護人を選任できるが(30条2項)、それによって被疑者本人がいつでも弁護人を選任できる権利(同条1項)は失われない。
30条1項は、被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができると定め、本人に弁護人選任権を保障している。これは憲法34条前段・37条3項の弁護人依頼権を具体化したものである。同条2項は、被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができると定める。独立してとは、本人の意思や委任がなくても、これらの者が自らの権利として選任できるという意味であり、本人の選任権を代わりに行使したり、本人の権利を消滅させたりする趣旨ではない。身体を拘束された被疑者が自ら弁護士を探すことは難しいので、身近な者にも選任の道を開いて被疑者の利益を厚くしたのである。そのため、配偶者が弁護人を選任した後でも、被疑者は自ら別の弁護人を選任することができる。もっとも、被疑者の弁護人の数は、特別の事情がない限り各被疑者について3人を超えることができない(規則27条1項)。これは数の制限であり、選任権そのものが失われるわけではない。

被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。(2項)被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
正しい。国選弁護人は、辞任の申出をしても、裁判所が正当な理由があると認めて解任しない限り、弁護人の地位を失わない(最判昭和54年7月24日、38条の3)。
国選弁護人は、裁判所、裁判長又は裁判官が選任して付す弁護人であり、被告人等の委任に基づく私選弁護人とは異なる。最判昭和54年7月24日は、国選弁護人は裁判所が解任しない限りその地位を失うものではなく、辞任の申出をした場合であっても、裁判所が辞任の申出について正当な理由があると認めて解任しない限り、弁護人の地位を失うものではないとした。国選弁護人の選任は裁判所の命令による公法上の関係であり、弁護人の一方的な意思表示で終了させると、被告人が弁護人のない状態に置かれ、手続にも支障が生じるからである。その後、38条の3は、裁判所は、私選弁護人が選任されたとき、利益相反があるとき、弁護人が職務を行えないときなどに国選弁護人を解任することができると定め、解任の事由と手続を明文化した。本肢は正しい。

国選弁護人は、裁判所が解任しない限りその地位を失うものではなく、したがつて、国選弁護人が辞任の申出をした場合であつても、裁判所が辞任の申出について正当な理由があると認めて解任しない限り、弁護人の地位を失うものではない
| 場面 | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 国選弁護人の辞任の申出 | 裁判所(裁判長・裁判官)が解任するまで地位を失わない | 最判昭和54年7月24日、38条の3 |
| 配偶者が選任した私選弁護人と本人の別の選任 | 配偶者は独立して選任できる。本人が別に選任しても当然には地位を失わない | 30条2項 |
| 原審の弁護人の上訴 | 改めて選任されなくても被告人のため上訴できる。被告人の明示の意思には反せない | 355条・356条 |
| 保釈の請求 | 弁護人は被告人の明示の意思に反しても請求できる(独立代理権) | 88条1項・41条 |
誤り。違うのは「A弁護士は直ちに甲の私選弁護人の地位を失う」の部分である。配偶者は独立して弁護人を選任でき(30条2項)、その後に被疑者本人が別の弁護人を選任しても、Aが解任されない限りAの地位は当然には失われない。
30条2項は、被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができると定める。ここにいう独立してとは、被疑者本人の意思にかかわらず選任できるという意味である。身体を拘束された被疑者は自ら弁護人を探すことが難しいため、近親者に固有の選任権を与えて防御の機会を確保する趣旨である。そのため、甲の妻はA弁護士を甲の弁護人に選任することができ、本肢の前段は正しい。そして、甲が後にB弁護士を選任しても、弁護人は複数いてよいから、それだけでAの選任の効力が失われるわけではない。Aの地位を失わせるには解任が必要である。別の弁護人を選任したことは、Aの解任を意味しない。本肢は後段が誤っている。

被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
| 場面 | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| 国選弁護人の辞任の申出 | 裁判所(裁判長・裁判官)が解任するまで地位を失わない | 最判昭和54年7月24日、38条の3 |
| 配偶者が選任した私選弁護人と本人の別の選任 | 配偶者は独立して選任できる。本人が別に選任しても当然には地位を失わない | 30条2項 |
| 原審の弁護人の上訴 | 改めて選任されなくても被告人のため上訴できる。被告人の明示の意思には反せない | 355条・356条 |
| 保釈の請求 | 弁護人は被告人の明示の意思に反しても請求できる(独立代理権) | 88条1項・41条 |



























