裁判所は、学識経験のある者に鑑定を命ずることができる。
この条文の過去問 1問
誤り。違うのは、鑑定人も「自らの意思により辞任することができる」とする部分である。鑑定受託者は任意に引き受けた者なので辞任できるが、鑑定人は裁判所の鑑定命令によって選ばれた者であり、自らの意思で辞任することはできない。
鑑定人は、裁判所が学識経験のある者に鑑定を命じることによって選ばれる(165条)。この鑑定命令は裁判所の裁判であり、命じられた者は鑑定をする義務を負うから、自らの意思で辞任することはできない。裁判所が事情により鑑定人を解任することはできる。これに対し、鑑定受託者は、捜査機関から鑑定の嘱託を受けた者である(223条1項)。この嘱託は任意捜査として行われる依頼であり、強制力を持たないから、嘱託を受けるかどうかは受託者の自由であり、いったん引き受けた後に自らの意思で辞任することもできる。このように、鑑定人は裁判所の命令に基づく公的な義務として鑑定を行い、鑑定受託者は任意の依頼に応じて鑑定を行うという地位の違いが、辞任の可否の違いとなって現れる。本肢は、鑑定人も辞任できるとする点で誤っている。

鑑定人には、宣誓をさせなければならない。
| 事項 | 鑑定人(裁判所が命じる) | 鑑定受託者(捜査機関が嘱託) |
|---|---|---|
| 宣誓・虚偽鑑定罪 | 宣誓する(166条)。虚偽鑑定罪の主体になる | 宣誓しない。虚偽鑑定罪の主体にならない |
| 辞任 | 鑑定命令による地位なので自らの意思では辞任できない | 任意に引き受けたので辞任できる |
| 鑑定留置 | できる(167条1項) | できる(224条。検察官等が裁判官に請求) |
| 解剖・発掘・破壊などの処分 | 裁判所の許可状が必要(168条1項・2項) | 鑑定処分許可状が必要(225条) |
| 身体検査を拒まれたとき | 裁判官に身体の検査を請求できる(172条) | 請求できない(225条4項は172条を準用しない) |











