第2条過去問 4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 この条文の過去問 4問 2022年 予備試験 第24問 肢イ 地方自治法第2条第9項第1号に規定する第一号法定受託事務は、本来国が果たすべき役割に係る事務であって、国がその事務の適正な処理を特に確保する必要があるものではあるが、当該事務を処理する都道府県等は、当該事務を所掌する国の大臣から、国の下級行政機関として指揮監督を受けるものではない。 解説 本肢は正しい。地方自治法2条9項1号は、第一号法定受託事務を、法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものと定義する。もっとも、法定受託事務も自治事務と同様に地方公共団体の事務である点に変わりはない。かつて存在した機関委任事務制度の下では、都道府県知事等は国の機関としての地位に立ち、主務大臣の包括的な指揮監督に服していたが、平成11年のいわゆる地方分権一括法により機関委任事務制度は廃止され、国と普通地方公共団体との関係は対等・協力を基本とするものへと再構成された。現行制度の下では、国の関与は法律又はこれに基づく政令の根拠を要し(地方自治法245条の2)、その態様も法定された類型に限られる。さらに、関与は目的を達成するために必要な最小限度のものとし、普通地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならないとされており(同法245条の3第1項)、法定受託事務についても是正の指示(同法245条の7)や代執行(同法245条の8)等が定められているにすぎない。加えて、関与に不服がある場合には国地方係争処理委員会への審査の申出(同法250条の13)や国の関与に関する訴えの提起(同法251条の5)といった争訟手続も用意されている。このように、都道府県等が当該事務を所掌する国の大臣から国の下級行政機関として一般的な指揮監督を受ける関係には立たない。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2019年 予備試験 第24問 肢ア 地方公共団体の第一号法定受託事務は,国が本来果たすべき役割に係るものであって,国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして,地方公共団体の長に委任された事務であるから,地方公共団体の長は,国の機関としてその事務の処理を行う。 解説 本肢は誤り。平成11年のいわゆる地方分権一括法による地方自治法改正により、機関委任事務制度は全面的に廃止された。改正後の地方自治法2条8項・9項は、地方公共団体が処理する事務を自治事務と法定受託事務とに区分するが、そのいずれもが「地方公共団体の事務」であることを当然の前提としている。第一号法定受託事務とは、法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるものをいう(地方自治法2条9項1号)。したがって、本肢が述べる事務の実質的性格に関する部分自体は同号の定義に沿うものの、その法的帰結を誤っている。すなわち、法定受託事務は国から地方公共団体の長に「委任」された事務ではなく、法律・政令によって当該地方公共団体に配分された当該団体自身の事務であり、長はあくまで当該地方公共団体の執行機関としてこれを処理するのであって、国の機関としてこれを処理するものではない。この点は、旧法下の機関委任事務が、国の事務を都道府県知事等に委任し、知事が国の機関として主務大臣の包括的な指揮監督に服しつつ処理するものであったのと決定的に異なる。法定受託事務についても、法令に違反しない限り条例を制定することができ(同法14条1項、2条2項)、議会の検査権・監査請求の対象ともなる(同法98条、100条参照)ことは、これが地方公共団体自身の事務であることを端的に示している。国の関与が代執行(同法245条の8)等により自治事務より強く認められることは、事務の帰属主体を国とする理由にはならない。よって本肢は誤りである。 ○× 解説 2012年 司法試験 第40問 肢ア 処分の根拠となる法律が特に都道府県の自治事務とする旨を定めているときに限り,処分を行う事務は,都道府県の自治事務とされる。 解説 本肢は誤り。地方自治法は、地方公共団体が処理する事務を自治事務と法定受託事務に区分するが、その振り分けの方式は、まず法定受託事務を個別に法律・政令で指定し(同法2条9項、別表第一・別表第二)、それ以外をすべて自治事務とする控除方式である。すなわち同法2条8項は、自治事務とは地方公共団体が処理する事務のうち法定受託事務以外のものをいう、と定める。したがって、法律が「自治事務とする」旨を積極的に定めた場合に限って自治事務となるのではなく、当該法律・政令が法定受託事務とする旨を定めていない限り、当然に自治事務となるのである。この構造は、平成11年のいわゆる地方分権一括法が機関委任事務制度を全面的に廃止し、国と地方の関係を上下・主従から対等・協力の関係へ組み替えた趣旨に由来する。法定受託事務は、国が本来果たすべき役割に係るものであって国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(2条9項1号。都道府県が本来果たすべき役割に係る市町村の事務については同項2号)に限定され、それ以外の事務は地方公共団体の自主的処理に委ねるのが原則とされた。都道府県知事が法律を根拠に私人に対して行政処分を行う場合も同様であり、当該処分事務が法定受託事務として法定されていなければ自治事務である。原則と例外を逆転させ、法律の特別の指定があるときに限り自治事務となるとする本肢は、地方自治法2条8項・9項の定める区分の仕組みを誤るものであって、誤りである。 ○× 解説 2011年 司法試験 第40問 肢イ ①国が本来果たすべき役割に係るものであって,国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものについて,法律又はこれに基づく政令において第1号法定受託事務として定め,都道府県,市町村又は特別区に行わせることとする場合がある。②この場合,都道府県等は,国の行政機関として当該事務を行うことになる。 解説 本肢は誤り。①の記述自体は、地方自治法2条9項1号が定める第1号法定受託事務の定義(法律又はこれに基づく政令により都道府県・市町村・特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又は政令に特に定めるもの)に対応しており、正確である。誤っているのは②である。 かつて存在した機関委任事務の下では、都道府県知事や市町村長は国の下部機関(国の行政機関)として国の事務を処理し、主務大臣の包括的な指揮監督に服していた。しかし、平成11年のいわゆる地方分権一括法により機関委任事務制度は全面的に廃止され、地方公共団体が処理する事務は自治事務と法定受託事務とに再構成された(地方自治法2条8項・9項)。法定受託事務も、その性質上国の役割に関わるとはいえ、あくまで当該地方公共団体自身の事務であり(同法2条2項)、都道府県等は自己の機関としてこれを処理するのであって、国の行政機関としてこれを行うわけではない。 そのことは制度上も裏付けられており、法定受託事務についても法令に違反しない限り条例を制定することができ(同法14条1項)、議会の検査権や監査委員の監査、住民監査請求・住民訴訟(同法242条、242条の2)の対象ともなる。もっとも、国の適正処理確保の要請から、是正の指示(同法245条の7)や代執行(同法245条の8)といった自治事務より強い関与が認められ、当該事務に係る処分についての審査請求も原則として所管大臣等にすることができる(同法255条の2)。これらは関与の強弱の問題にすぎず、事務の帰属主体が地方公共団体であることを覆すものではない。よって②は誤りである。 ○× 解説