第10条過去問 2
この法律は、昭和二十四年一月一日から施行する。
この条文の過去問 2問
刑法第177条(強制性交等)の罪及びその未遂罪について告訴又は告発をした者は,当該事件につき検察官のした公訴を提起しない処分に不服があるときは,刑事訴訟法に基づき,その検察官を指揮監督する検事正に当該処分の見直しを請求することができる。
解説
本肢は誤り。検察官の不起訴処分に対する司法的抑制として刑訴法が用意するのは付審判請求(準起訴手続)であるが、262条1項は、その対象を「刑法第百九十三条から第百九十六条まで又は破壊活動防止法第四十五条若しくは無差別大量殺人行為を行つた団体の規制に関する法律第四十二条若しくは第四十三条の罪」に限定している。すなわち、公務員の職権濫用の罪等、その性質上検察官が訴追に消極的になるおそれが類型的に高い犯罪に絞られており、刑法177条の罪(令和5年改正により不同意性交等罪。改正前は強制性交等罪)およびその未遂罪は対象に含まれない。また、請求先も「その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所」であって(262条1項)、検事正ではない。検察庁法上、検事正その他の上級検察官には指揮監督権があるから(検察庁法7条ないし10条、12条)、事実上その発動を促す申立てをすることは妨げられないが、それは検察内部の監督権の問題にすぎず、刑訴法上の請求権として認められた制度ではない。したがって、刑訴法に基づき検事正に処分の見直しを請求できるとする本肢は、対象犯罪の点でも請求先の点でも誤りである。なお、性犯罪は平成29年改正により非親告罪とされており、告訴は訴訟条件ではない。
補充裁判員は,裁判員の員数が不足した場合に,不足した裁判員に代わって裁判員に選任されるが,選任されるまでは,訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧することはできない。
解説
本肢は誤り。裁判員法10条3項は、補充裁判員が訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧することができる旨を定めている。したがって、裁判員に選任されるまで閲覧できないとする後段が誤りである。
補充裁判員とは、裁判所が審判の期間その他の事情を考慮して必要があると認めるときに置くことができる者であり(同条1項)、公判期日等の審理に立ち会い、裁判員の員数に不足が生じた場合には、あらかじめ定められた順序に従ってこれに代わって裁判員に選任される(同条2項)。すなわち、本肢の前段の記述自体は正しい。
問題は、選任前の段階における書類・証拠物の閲覧権である。補充裁判員は、いざ裁判員となったときに直ちに評議・評決に加わらなければならない立場にあるから、審理に立ち会うだけでなく、公判で取り調べられた証拠物や訴訟書類を自ら確認し、裁判員と同等の心証を形成しておく必要がある。この実質的な必要性から、同条3項は補充裁判員にも閲覧権を認めたのである。もっとも、補充裁判員は評議に出席して意見を述べることはできず(同法66条参照)、評決権も有しないから、裁判員そのものと同視されるわけではない。この点と閲覧権の有無とを区別して理解しておく必要がある。