1普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。
2普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。
3普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の拘禁刑、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
この条文の過去問 6問
誤り。違うのは後半の「禁錮又は懲役の刑は,全国一律に規律すべきものと解されるので,それぞれの条例の間で法定刑が異なる場合は,憲法第14条に違反する」の部分である。
憲法94条は地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定できると定め、地方自治法14条3項はこれを受けて、条例中に違反者に対し所定の限度で懲役、禁錮(現行法では拘禁刑)を含む罰則を設けることができるとしているから、条例が法律による委任の範囲で罰則を定められるという本肢の前半は正しい。しかし最大判昭33.10.15は、売春取締条例の罰則が地域によって取扱いに差別を生ずるので平等原則に反するという主張に対し、憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によって差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであり、地方公共団体が各別に条例を制定する結果として取扱いに差別を生ずることがあっても地域差の故をもって違憲ということはできないとした。条例で罰則を定める権能を憲法自身が認めている以上、その帰結として法定刑に地域差が生ずることも憲法の容認するところであり、この理屈は罰金などの財産刑と自由刑とで区別されない。自由刑に限って全国一律に規律すべきだとする憲法上の根拠はなく、本肢はこの点で判例の趣旨に反する。

憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によつて差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであると解すべきである。それ故、地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱に差別を生ずることがあつても、所論のように地域差の故をもつて違憲ということはできない。
誤り。違うのは「禁錮又は懲役の刑は,全国一律に規律すべきものと解されるので,それぞれの条例の間で法定刑が異なる場合は,憲法第14条に違反する」の部分である。
憲法94条は地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定できると定め、地方自治法14条3項は条例の違反者に対し所定の限度で懲役・禁錮を含む罰則を設けることを認めているから、法律による委任の範囲で罰則を規定できるという肢の前半は正しい。問題は後半である。最大判昭33.10.15は、売春の取締りを条例で定めると地域によって取扱いに差別が生じ平等原則に反するという主張に対し、憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によって差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであるとし、条例の結果として取扱いに差別が生じても地域差を理由に違憲ということはできないとした。この理は処罰の有無だけでなく法定刑の軽重にも及び、自由刑に限って全国一律に規律すべきだとする憲法上の根拠はない。肢は条例ごとに法定刑が異なれば14条に違反するとしており、条例制定権を認めた憲法自身が地域差を容認しているという判例の筋道と正反対である。

憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によつて差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであると解すべきである。それ故、地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱に差別を生ずることがあつても、所論のように地域差の故をもつて違憲ということはできない。
- 14条1項後段の列挙事由は例示であり、区別が許されるかは事柄の性質に応じた合理的根拠の有無で判断する
- 外国人と日本国民の区別は国籍を基準とする区別であり、人種による差別ではない。在留外国人の登録事項確認制度は目的・必要性・相当性があり合理的根拠がある(最判平9.11.17)
- 選挙権の平等は投票価値の平等も含むが、国会の裁量権の行使として合理性を有する限り14条に違反しない(最大判昭51.4.14)
- 条例の内容が地域によって異なり処罰や法定刑に差が生じても、憲法自らが容認する差別であって14条に違反しない(最大判昭33.10.15)
誤り。違うのは「契約の条項に違反した場合には刑罰を科される旨を、本件条例中に定めることができる」の部分である。
地方自治法14条3項は、条例に違反した者に対し二年以下の拘禁刑、百万円以下の罰金などの刑を科する旨の規定を条例中に設けることができると定めており、条例で罰則を置くこと自体は許される。しかし罪刑法定主義(憲法31条)の下では、何が犯罪となるかは法律又はその委任を受けた条例という一般的な規範によってあらかじめ定められていなければならず、刑罰の構成要件を規範以外のものに委ねることはできない。本肢の定めは、A市とB社の個別の契約で定めた条項に違反した場合に刑罰を科すというものであり、犯罪となる行為の内容が契約の中身によって決まることになる。これでは構成要件が当事者の合意次第で変わり、条例の文言から何が処罰されるかを読み取ることができないから、条例で罰則を定める形をとっていても罪刑法定主義に反する。契約条項の違反に対しては、契約の解除や損害賠償といった契約上の手段、あるいは条例で直接義務を課したうえでの是正命令によるべきであり、刑罰を結び付けることはできない。

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の拘禁刑、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
- 義務を課し権利を制限すること:法令に特別の定めがある場合を除き条例で可(地方自治法14条2項)。是正命令の権限を置くことも可
- 罰則:条例に違反した者への刑罰・過料を条例中に置ける(14条3項)。ただし構成要件を契約の内容に委ねることは罪刑法定主義に反する
- 強制執行:条例で課した義務も行政代執行法による代執行は可(同法2条)。直接強制・執行罰は条例では創設できない(同法1条)
- 権限の委任:長の権限の委任は法令の定めにより行う(地方自治法153条)。私人への契約による委託では権限は移らない
正しい。普通地方公共団体は法令に特別の定めがある場合を除き条例で義務を課すことができ(地方自治法14条2項)、受託者に対する市長の是正命令の権限を条例で設けることができる。
憲法94条は地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定できると定め、地方自治法14条1項・2項は、普通地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて条例を制定でき、法令に特別の定めがある場合を除くほか条例によらなければ義務を課し又は権利を制限することができないと定める。すなわち条例は住民や事業者に義務を課す根拠となる自主法であり、その義務の履行を確保するために行政庁が是正命令という不利益処分を行う権限を条例で創設することも、義務を課すことに含まれる。本肢の定めは、個人情報の適切な取扱いという条例の目的のため、保護措置を適切に講じない受託者に対して市長が是正命令をなし得るとするものであり、契約上の義務ではなく条例が直接受託者に課す義務とその実効性確保の仕組みである。個人情報の保護に関する法律などの法令がこれを禁じる特別の定めを置いているわけでもない。したがって本件条例中にこの規定を置くことができる。契約条項違反に刑罰を結び付けることはできないのと異なり、条例が自ら義務を定めて是正命令の権限を置くことには問題がない。

普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。
- 義務を課し権利を制限すること:法令に特別の定めがある場合を除き条例で可(地方自治法14条2項)。是正命令の権限を置くことも可
- 罰則:条例に違反した者への刑罰・過料を条例中に置ける(14条3項)。ただし構成要件を契約の内容に委ねることは罪刑法定主義に反する
- 強制執行:条例で課した義務も行政代執行法による代執行は可(同法2条)。直接強制・執行罰は条例では創設できない(同法1条)
- 権限の委任:長の権限の委任は法令の定めにより行う(地方自治法153条)。私人への契約による委託では権限は移らない
正しい。地方自治法14条3項は、条例違反者に対し100万円以下の罰金などの刑を科する規定を条例に設けることを認めており、罰金20万円は適法になし得る余地がある。
地方自治法14条3項は、普通地方公共団体は法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例に違反した者に対し、2年以下の拘禁刑、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができると定める。条例で刑罰を定めることと憲法31条・73条6号との関係について、最大判昭37.5.30は、条例は公選の議員で組織する議会の議決を経て制定される民主的立法であって行政府の命令とは性質を異にし、法律の授権が相当な程度に具体的で限定されていれば足りるとし、同条項の授権を有効とした。中止命令に従わないという条例違反の類型に対し罰金20万円を科することは、同条項の範囲内であるから、A市はこれを条例で定めることができる。中止命令の実効性を刑罰の威嚇によって確保する手段であり、義務違反に対する制裁として条例で採用できる典型の一つである。

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の拘禁刑、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。
| 手段 | 条例で定められるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 行政刑罰(拘禁刑・罰金など) | できる(2年以下の拘禁刑・100万円以下の罰金等) | 地方自治法14条3項、最大判昭37.5.30 |
| 過料(秩序罰) | できる(5万円以下) | 地方自治法14条3項 |
| 代執行 | できる。代執行法の「法律」に条例を含む | 行政代執行法2条 |
| 直接強制・執行罰 | できない。「法律」に限られる | 行政代執行法1条 |
| 民事訴訟・仮処分による履行請求 | できない。法律上の争訟に当たらない | 最判平14.7.9(宝塚市パチンコ店条例) |
| 公表・給付の拒否など | できる。ただし相手方の権利を不当に侵害しないこと | 各条例 |
正しい。条例は地方公共団体の自主立法であり、法令に違反しない限りその事務に関して制定できるから、条例で住民の基本的人権に制約を課すこと自体が直ちに違憲となるわけではない。
憲法94条は、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができると定める。条例は、住民の代表機関である議会の議決によって成立する自主立法であり、行政府が定める命令とは異なり、民主的な基盤を持つ点で国会の制定する法律に類する。地方自治法14条は、地方公共団体が法令に違反しない限りその事務に関して条例を制定できるとし、義務を課し権利を制限するには条例によらなければならないと定めている。地方公共団体が処理する広義の自治事務には、公安条例による集団行動の規制や、屋外広告物の規制、青少年保護のための規制のように、住民の表現の自由や財産権などの基本的人権を制約する内容のものが含まれる。判例も、こうした条例による人権制約を、条例という形式を理由に違憲とはせず、制約の内容が憲法上許されるかどうかを個別に審査してきた。したがって、条例で住民の基本的人権に制約を課すこと自体を直ちに違憲ということはできず、本肢は正しい。

地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
