第29条過去問 1
この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。
この条文の過去問 1問
物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、売買に関する通知を受ける権限を有しない。
解説
本肢は誤り。商法29条は、「物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、第五百二十六条第二項の通知その他売買に関する通知を受ける権限を有する」と定めており、代理商には売買に関する通知の受領権限(受動代理権)が法律上認められている。したがって「通知を受ける権限を有しない」とする本肢は条文に反する。
この規定の意味は、代理商の類型を意識すると理解しやすい。代理商には、本人たる商人のために取引を締結する締約代理商と、取引の成立に尽力するにとどまる媒介代理商とがあるが(商法27条参照)、媒介代理商は本来なんら代理権を有しない。それにもかかわらず商法29条が両者を区別せず受動代理権を付与しているのは、取引の相手方が、現実に交渉の窓口となった代理商に対して通知をすれば足りるとすることで、相手方の便宜を図り取引の安全と迅速を確保する趣旨である。
典型的な適用場面が、条文が明示する商法526条2項の通知である。商人間の売買において買主が目的物の瑕疵または数量不足を発見したときは、直ちに売主に通知しなければ契約不適合を理由とする追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができなくなるが、この通知を売主本人ではなく代理商に対してした場合でも、商法29条により通知としての効力が生じる。「その他売買に関する通知」も広く含まれるため、履行の催告や目的物の受領拒絶の意思表示等も同様に扱われる。