第4条過去問 4
1この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
2店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。
この条文の過去問 4問
判例の趣旨によれば,会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。
解説
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未成年者は,商人となることができない。
解説
本肢は誤り。商人とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいい(商法4条1項)、商人資格の取得は営業の帰属主体が誰かによって決まるのであって、行為能力の有無によって左右されるものではない。したがって、未成年者であっても商人となることができる。
まず、法定代理人から一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有する(民法6条1項)から、自ら営業主体として営業を行うことができ、その営業が商法4条の要件を満たせば当該未成年者が商人となる。そして商法5条は「未成年者が前条の営業を行うときは、その登記をしなければならない」と規定しており(未成年者登記)、未成年者自身が営業主体すなわち商人となることを当然の前提としている。この登記は、取引の相手方に対し、当該未成年者が営業に関して行為能力の制限を受けないことを公示し、後になって未成年者の側から取消し(民法5条2項)を主張されるおそれを除いて取引の安全を図る趣旨のものである。
さらに、未成年者本人が営業を行わない場合であっても、後見人が被後見人のために営業を行うときは、その営業から生じる権利義務は被後見人に帰属するから、商人となるのは被後見人たる未成年者本人であり、この場合にも登記が要求されている(商法6条1項)。以上のいずれの局面をみても、未成年者が商人となる余地は認められている。よって、およそ「商人となることができない」とする本肢は誤りである。
判例の趣旨によれば,会社の行為は,商行為と推定され,これを争う者において,その行為がその会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。
解説
本肢は正しい。会社法5条は、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為を商行為とすると定める。そして会社は自己の名をもって商行為をすることを業とする者であるから商人に当たり(商法4条1項)、商人の行為はその営業のためにするものと推定するという商法503条2項の適用を受ける。最判平成20年2月22日(商法百選29事件)は、この推定の帰結として、会社の行為は事業のためにするものと推定され、したがって商行為と推定されるから、その商行為性を否定しようとする者の側において、当該行為が当該会社の事業と無関係であること、すなわち事業のためにするものでないことを主張立証しなければならないとした。つまり、商行為であることを主張する当事者が事業関連性を積極的に立証する必要はなく、立証責任の分配は推定を覆そうとする側に転換されるという点に判例の意義がある。この推定が働く結果、商法の商行為に関する規定(債務者が数人ある場合の連帯(商法511条1項)、商人間の留置権(商法521条)、商事代理(商法504条以下)等)の適用範囲が会社の行為について広く認められることになる。本肢は判例の趣旨に沿うから正しい。
判例の趣旨によれば,会社の行為は,商行為と推定され,これを争う者において,その行為がその会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。
解説
本肢は正しい。会社法5条は、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は商行為とすると定め、会社の行為には広く商行為性が認められる。もっとも、ある行為が「その事業のためにする行為」に当たるか否かは行為の外形からは明らかでないことが多く、商事法定利率や商人間の留置権(商法521条)などの適用の前提として、その立証責任の所在が問題となる。この点、商法503条2項は、商人の行為はその営業のためにするものと推定すると定めるところ、判例(最判平成20年2月22日民集62巻2号576頁)は、会社の行為についても同様に、「会社の行為は商行為と推定され、これを争う者において、当該行為が当該会社の事業のためにするものでないことを主張、立証する責任がある」と判示した。すなわち、商行為性を主張する側が事業関連性を積極的に立証する必要はなく、これを否定しようとする相手方が、当該行為が会社の事業と無関係であること(たとえば代表者個人の私的な取引にすぎないこと)を主張立証しなければならない。本肢はこの判例の趣旨をそのまま述べたものであり、正しい。