第551条過去問 1
この章において「問屋」とは、自己の名をもって他人のために物品の販売又は買入れをすることを業とする者をいう。
この条文の過去問 1問
問屋は、別段の意思表示がない限り、販売又は買入れにより生じた債権が弁済期にあるときは、その弁済を受けるまで、委託者のために占有する物又は有価証券を留置することができる。
解説
本肢は正しい。問屋とは、自己の名をもって他人のために物品の販売又は買入れをすることを業とする者をいう(商法551条)。問屋については、この章に定めるもののほか委任及び代理に関する規定が準用されるほか(商法552条2項)、商法557条が代理商に関する規定のうち通知義務(27条)と留置権(31条)を準用している。そして商法31条本文は、代理商は取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまで本人のために占有する物又は有価証券を留置することができるとし、同条ただし書は当事者が別段の意思表示をしたときはこの限りでないとする。これが問屋に準用される結果、問屋は、販売又は買入れによって生じた報酬債権・費用償還請求権等の弁済期が到来していれば、その弁済を受けるまで委託者のために占有する物又は有価証券を留置でき、かつ当事者の別段の意思表示によって排除できることになる。この留置権は、民事留置権(民法295条)と異なり被担保債権と留置物との個別的牽連性を要せず、また一般の商事留置権(商法521条)と異なり留置物が債務者(委託者)の所有に属することも、占有取得が商行為によることも要しない点に特色がある。継続的取引関係にある問屋の債権を包括的に担保する趣旨である。よって、本肢は正しい。