この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。
この条文の過去問 4問
正しい。商法549条は、仲立人は当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、その相手方に対して自ら履行をする責任を負うと定めており、本肢は条文どおりである。
仲立人とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう(商法543条)。仲立人は当事者双方の間に立って契約の成立を仲介するだけで自ら契約の当事者となるものではないから、本来は成立した契約の履行責任を負わない。もっとも、当事者の一方は、相手方に自己の氏名又は名称を示さないことを仲立人に命ずることができ(商法548条)、この場合、仲立人は結約書や帳簿の謄本にその当事者の氏名等を記載してはならない。しかしそれでは相手方は誰を債務者として履行を請求すべきか分からず、著しく不安定な地位に置かれる。そこで商法549条は、仲立人は当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、その相手方に対して自ら履行をする責任を負うと定め、氏名等を示さなかった仲立人に履行の責任(介入義務)を課して相手方を保護している。これは仲立人が契約の当事者になるという趣旨ではなく、法が政策的に課した法定の履行担保責任であり、仲立人が履行したときはその当事者に対して求償できると解されている。本肢は549条の内容そのものであり正しい。

仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行をする責任を負う。
- 543条 定義:他人間の商行為の媒介を業とする者。契約は当事者間に成立し、一方からの委託だけでもよい
- 544条:別段の意思表示・慣習がなければ当事者のために支払を受けられない。545条:見本は行為が完了するまで保管する
- 546条:成立後遅滞なく結約書を作成・署名して各当事者に交付する。547条:帳簿に記載し、当事者は謄本を請求できる
- 548条・549条:当事者の命令で氏名を示さなかったときは、仲立人が相手方に自ら履行する責任を負う
- 550条:報酬は結約書の手続を終えた後に請求でき、当事者双方が等しい割合で負担する
誤り。違うのは「民事仲立人は」結約書を「各当事者に交付しなければならない」とする部分である。商法の仲立人は他人間の商行為の媒介を業とする者に限られ(商法543条)、結約書の交付義務(546条1項)は民事仲立人には及ばない。
商法543条は、仲立営業の章にいう仲立人を、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者と定義する。当事者の少なくとも一方にとって商行為となる行為を媒介する商事仲立人がこれに当たり、不動産の売買や婚姻のように当事者双方にとって商行為でない行為を媒介する民事仲立人は、営業として媒介を引き受ける点で商人ではあるが(502条11号)、543条の仲立人には含まれない。546条1項は、当事者間に媒介に係る行為が成立したときは、仲立人は遅滞なく各当事者の氏名又は名称、行為の年月日及びその要領を記載した結約書を作成して署名又は記名押印し、各当事者に交付しなければならないと定めるが、この義務を負うのは543条の仲立人である。判例も、商事仲立人と民事仲立人を区別し、民事仲立人には商法の仲立営業の規定が当然には適用されないとする(最判昭44.6.26)。したがって民事仲立人に結約書の交付義務があるとする肢は誤っている。

この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。
- 543条 定義:他人間の商行為の媒介を業とする者。契約は当事者間に成立。一方からの委託だけでもよい。民事仲立人には商法の仲立営業の規定は当然には適用されない
- 544条:別段の意思表示・慣習が無ければ当事者のために支払を受けられない
- 545条:見本は行為が完了するまで保管
- 546条:成立後遅滞なく結約書を作成・署名して各当事者に交付。547条:帳簿に記載し当事者は謄本を請求できる
- 548条・549条:当事者の命令で氏名を示さなかったときは、仲立人が相手方に自ら履行する責任を負う
- 550条:報酬は546条の手続の終了後。当事者双方が等しい割合で負担
誤り。違うのは「売買契約はC・B間に成立する」の部分である。仲立人は他人間の商行為の媒介をする者であり(商法543条)、自ら契約の当事者にはならないので、売買契約はA・B間に成立する。
商法543条は、仲立人を、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者と定義する。媒介とは、他人の間に契約が成立するように尽力する事実行為であり、仲立人は当事者の間を取り持つだけで、自分の名で契約を結ぶことも、当事者を代理して契約を結ぶこともしない。CがAから委託を受けた仲立人であれば、CはAとBの間に売買契約が成立するよう周旋し、契約はAとBの間に成立する。仲立人は一方の当事者から委託を受けていれば足り、相手方Bから委託を受けていなくても仲立人である。仲立人は媒介した契約が成立したときは結約書を作成して各当事者に交付し(546条)、その手続を終えた後に報酬を請求できる(550条1項)。報酬は委託者だけでなく当事者双方が等しい割合で負担する(同条2項)。別段の意思表示や慣習がなければ、仲立人は当事者のために支払その他の給付を受けることもできない(544条)。自己の名で契約の当事者となる問屋とは正反対の立場であり、肢は両者を取り違えている。

この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。
正しい。他人間の法律行為の媒介を引き受ける行為は仲立ちに関する行為であり(商法502条11号)、営業としてするときは商行為となる。媒介する契約が商行為である必要はない。
商法502条は、各号に掲げる行為を営業としてするときに商行為とする営業的商行為を定め、11号に仲立ち又は取次ぎに関する行為を挙げる。仲立ちに関する行為とは、他人の間に法律行為が成立するよう尽力することを引き受ける行為であり、媒介される法律行為が商行為であることは要件になっていない。結婚は商行為ではないが、結婚の媒介を引き受けること自体は仲立ちに関する行為に当たるので、結婚相談所のようにこれを営利の目的で反復継続して行えば、営業としてするときに該当し商行為となる。その行為を業とする者は固有の商人である(4条1項)。これに対して、商法543条以下の仲立人は他人間の商行為の媒介を業とする者をいうので、商行為でない結婚の媒介をする者は仲立営業の章の規定(結約書の交付義務や報酬の折半など)の適用を受ける仲立人ではなく、民事仲立人と呼ばれる。502条11号の商行為性と543条の仲立人該当性は別の問題である。肢は「営業としてするときは」という502条の要件を正しく付けており正しい。

次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない。十一 仲立ち又は取次ぎに関する行為



