交互計算は、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる。
この条文の過去問 2問
誤り。違うのは「商人間においてのみ」の部分である。商法529条は、商人間だけでなく商人と商人でない者との間でも交互計算の効力を認めている。
商法529条は、交互計算は、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって効力を生ずると定める。当事者の双方が商人であることは求められておらず、一方が商人であれば足りるから、商人と商人でない者との間でも交互計算は有効に成立する。当事者双方が商人である場合に限るとする本肢は、この点で条文に反する。交互計算は、継続的な取引関係にある当事者が個別の債権債務をその都度決済することを省き、一定の期間ごとに差引き残額だけを決済することで、決済の簡易化と当事者間の信用の授受を図る制度である。組み入れられた個々の債権は独立性を失い、単独での行使・譲渡・差押えが認められない(交互計算不可分の原則)。手形その他の商業証券から生じた債権債務は、証券の債務者が弁済しないときにその項目を交互計算から除くことができる(530条)。期間の定めがないときは6か月とされ(531条)、各当事者はいつでも交互計算を解除できる(534条)。

交互計算は、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる。
- ["529条", "商人間 or 商人と商人でない者との間の平常取引。一定期間の債権債務の総額を相殺し残額を支払う約束"]
- ["530条", "商業証券の債務者が弁済しないときはその項目を除外できる"]
- ["531条", "期間の定めが無ければ6か月"]
- ["532条", "計算書の承認後は異議を述べられない(錯誤・脱漏を除く)"]
- ["533条", "残額に計算閉鎖の日以後の法定利息"]
- ["534条", "各当事者はいつでも解除でき、直ちに計算を閉鎖して残額を請求できる"]
誤り。違うのは「当該取引は商法にいう交互計算契約に該当し,いわゆる交互計算不可分の原則の適用がある」の部分である。当座勘定取引は債権債務が生じるたびに決済されるので、一定期間の総額を一括して相殺する交互計算(商法529条)には当たらない。
商法529条は、交互計算を、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約する契約と定める。交互計算に組み入れられた個々の債権は、期間の満了まで個別に行使したり譲渡したり差し押さえたりすることができず、期末に一括して相殺される。これが交互計算不可分の原則であり、組み入れた債権が互いに担保として働くところにこの制度の意味がある。これに対して当座勘定取引は、取引先が金融機関に当座預金口座を開き、振り出した手形や小切手の支払をその預金から継続して行う取引であり、支払や入金があるたびにその都度残高に反映されて決済され、相殺後の残高債権だけが存続する。一定の期間、個々の債権を独立したまま積み上げておいて期末にまとめて相殺するという構造を持たないので、交互計算契約には当たらず、交互計算不可分の原則が働く余地もない。肢は誤りである。

交互計算は、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる。