1商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
2商人は、その商号の登記をすることができる。
この条文の過去問 13問
誤り。違うのは「登記しなければならない」の部分である。商法11条2項は商人はその商号の登記をすることができると定めており、個人商人の商号の登記は任意である。
商法11条1項は商人が自己の氏、氏名その他の名称を商号とすることができるとして商号選定自由の原則を定め、同条2項は商人はその商号の登記をすることができると規定する。文言から明らかなとおり、個人商人にとって商号の登記は権利であって義務ではなく、登記するかどうかは商人の任意に委ねられている。これに対し、会社の商号は設立の登記で必ず登記しなければならず(会社法911条3項2号・912条2号・913条2号・914条2号)、定款の絶対的記載事項でもある(同法27条2号など)。会社と個人商人で扱いが異なるのは、会社が登記によって成立する法人であり、その同一性を公示する必要が類型的に高いためである。本肢は「商人は」と一般に登記義務を課しており、個人商人について妥当しないから誤っている。小商人については商法11条2項を含む商業登記に関する規定の適用が除かれている(7条)が、本問は小商人を除いているので、個人商人一般の規律として任意であることが問われている。個人商人が商号を登記していなくても、不正の目的で類似の商号を使用する者に対する差止め(12条2項)はできる。

商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
2 商人は、その商号の登記をすることができる。
- ["義務(絶対的登記事項)", "未成年者の営業(5条)、後見人の営業(6条)、支配人の選任と代理権の消滅(22条)"]
- ["任意(任意的登記事項)", "商号の登記(11条2項)。会社の商号は必ず登記される(会社法911条3項2号)"]
- ["変更・消滅(10条)", "登記した事項に変更・消滅があれば遅滞なく登記。任意で登記した商号も同じ"]
- ["小商人(7条)", "上の登記の規定はすべて不適用"]
正しい。商号の登記は任意であるが、いったん登記した事項に変更が生じたときは、遅滞なく変更の登記をしなければならない(商法10条)。
個人商人の商号は、商法11条2項が「商人は、その商号の登記をすることができる」と定めるとおり任意的登記事項であり、登記をするかどうかは商人の自由である。小商人には商法7条により11条2項の適用が無いので、本肢は括弧書で小商人を除き、商号を登記できる個人商人が現に登記した場合を問う。商法10条は、商法総則の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は遅滞なく変更の登記又は消滅の登記をしなければならないと定め、その事項が必要的登記事項か任意的登記事項かを区別していない。登記によって一定の事実を公示した以上、内容が現実と食い違ったまま放置されれば公示を信頼した者を害するから、登記した者に変更の登記の義務を課したものである。したがって、商号を登記した個人商人がその商号を変更したときは変更の登記をしなければならず、本肢は正しい。会社の商号が設立の登記の必要的登記事項である(会社法911条3項2号)のと異なり、個人商人は登記するかどうかだけが任意である。

この編の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。
- 義務(絶対的登記事項): 未成年者の営業(5条)、後見人の営業(6条)、支配人の選任と代理権の消滅(22条)、商号の譲渡の対抗要件としての登記(15条2項。任意だが登記しなければ第三者に対抗できない)
- 任意(任意的登記事項): 商号の登記(11条2項)。会社の商号は必ず登記される(会社法911条3項2号)
- 変更・消滅(10条): 登記した事項に変更・消滅があれば遅滞なく登記。任意で登記した商号も同じ
- 登記できないもの: 支配人の代理権の制限(21条3項。登記事項でない)
- 小商人(7条): 上の登記の規定はすべて不適用
- 登記の効力(9条): 登記前は善意の第三者に対抗できない。登記後は正当な事由がある第三者を除き対抗できる。不実の登記は故意・過失があれば善意の第三者に対抗できない
誤り。違うのは「氏又は名のいずれかを含まなければならない」の部分である。商人はその氏、氏名その他の名称をもって商号とすることができ、氏や名と関係のない名称も自由に選べる(商法11条1項)。
商法11条1項は、商人(会社及び外国会社を除く)はその氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができると定める。「その他の名称」と書かれているとおり、個人商人は自分の氏や氏名を商号にすることもできるが、それに限られず、営業の実体や自分の氏名とおよそ関係のない名称を商号として選定することができる。商号は商人が営業上自己を表すために用いる名称であり、どのような名称で営業するかは本来その商人の自由であるから、法は氏名との一致という形式的な制限を課していない。商号選定の自由に対する制限は、別の観点から置かれている。会社でない者はその名称又は商号中に会社と誤認されるおそれのある文字を用いてはならず(会社法7条)、何人も不正の目的をもって他の商人と誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならず、これによって営業上の利益を侵害されるおそれのある商人は侵害の停止又は予防を請求できる(商法12条)。いずれも誤認の防止を目的とする規制であって、氏や名を含めることを求めるものではない。本肢は、法が課していない要件を加えるものであり誤っている。

商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
- 選定自由(11条1項): 氏・氏名その他の名称。氏や名を含まなくてよい。登記は任意(11条2項)
- 制限: 会社でない者は会社と誤認される文字を使えない(会社法7条)。会社は種類の文字を用い、他の種類と誤認される文字は使えない(会社法6条)
- 商号単一の原則: 1個の営業に1個の商号。数種の独立した営業・数個の営業所には別の商号を使える
- 不正目的の商号使用(12条・会社法8条): 何人も禁止。営業上の利益を侵害され又はおそれがある商人は停止・予防を請求できる。商号の登記は要件でない
正しい。商人はその商号の登記をすることが「できる」のであり(商法11条2項)、個人商人にとって商号の登記は義務ではない。
商法11条2項は、商人はその商号の登記をすることができると定める。「できる」という文言のとおり、個人商人にとって商号の登記は権利であって義務ではなく、商号を登記しないまま営業することも許される。会社は設立の登記によって成立し(会社法49条・579条)、商号は設立の登記の登記事項である(株式会社について会社法911条3項2号)から、会社が商号を登記しないという事態は生じない。これに対し個人商人には設立の登記のような制度がなく、商号の登記は任意的な登記事項にとどまる。個人商人でも、支配人の選任と代理権の消滅(商法22条)や未成年者の営業(5条)は登記しなければならず、商号の登記はこれらと違って任意である。登記をしなくても、不正の目的による誤認商号の使用に対する侵害の停止・予防の請求(12条2項)は登記の有無を問わず認められる。他方、商号を登記しておけば、同一の所在場所における同一商号の登記が排除される(商業登記法27条)という利益を得られる。本肢は11条2項のとおりであり、正しい。

商人は、その商号の登記をすることができる。
| 区分 | 事項 |
|---|---|
| 登記しなければならない | 未成年者の営業(5条)、後見人の営業(6条)、支配人の選任と代理権の消滅(22条) |
| 登記は任意 | 商号の登記(11条2項)。会社の商号は設立の登記で必ず登記される(会社法911条3項2号) |
| 登記できない | 支配人の代理権に加えた制限(21条3項) |
| 登記の規定が適用されない | 小商人(7条) |
誤り。違うのは「複数の商号を登記することができない」の部分である。個人商人は数種の独立した営業や数個の営業所について別の商号を用いることができ(大決大13.6.13)、それぞれの商号を登記することもできる(商法11条2項)。
商法11条1項は、商人はその氏、氏名その他の名称をもって商号とすることができると定め、同条2項は商人はその商号の登記をすることができると定めるにとどまり、登記できる商号の個数を1個に限る規定は置かれていない。商号単一の原則は、営業主体の誤認を防ぐ趣旨から、1個の営業について複数の商号を用いることを許さないというものにすぎない。したがって、個人商人が数種の独立した営業を営む場合や数個の営業所を有する場合には、各営業又は各営業所ごとに別の商号を用いることができる。判例も、商人が数種の独立した営業を営み、又は数個の営業所を有するときは、その各営業又は各営業所について別異の商号を有することを妨げないとしている(大決大13.6.13)。そうである以上、それぞれの商号を登記することも認められ、1人の商人が複数の商号を登記することは可能である。同一商号かつ同一の営業所所在場所の登記の制限(商業登記法27条)は、同一の商人が複数の商号を登記すること自体を禁じるものではない。本肢は誤りである。

商人は、その商号の登記をすることができる。
- 選定自由(11条1項): 氏・氏名その他の名称。氏や名を含まなくてよい。登記は任意(11条2項)
- 商号単一の原則: 1個の営業に1個の商号。数種の独立した営業・数個の営業所には別異の商号を使える(大決大13.6.13)。複数の商号の登記も可
- 制限: 会社でない者は会社と誤認される文字を使えない(会社法7条)。同一商号かつ同一の営業所所在場所の登記は不可(商業登記法27条)
- 不正目的の商号使用(12条): 営業上の利益を侵害され又はそのおそれがある商人は停止・予防を請求できる。商号の登記は要件でない
誤り。違うのは「その商人の氏又は名を含まなければならない」の部分である。個人商人はその氏、氏名その他の名称を商号とすることができ、氏や名を含む必要はない(商法11条1項)。
商法11条1項は、商人はその氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができると定める。氏や氏名はあくまで商号にできる名称の例示であり、「その他の名称」も商号にできるので、個人商人は自分の氏や名と無関係な屋号を商号に選ぶことができる。これが商号選定自由の原則であり、営業の実態と一致しない商号でも差し支えないとして、商人が営業上の信用を蓄える名称を自由に決められるようにしたものである。自由の例外は、会社でない者が会社と誤認されるおそれのある文字を商号に使えないこと(会社法7条)や、不正の目的で他の商人と誤認されるおそれのある名称を使えないこと(商法12条1項)のように、取引の相手方の誤認を防ぐための制限に限られ、氏や名を含めよという制限はない。肢は、商号にできる名称の例示にすぎない氏や名を必要的な要素と読み替えている点で11条1項と食い違う。

商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
- 選定自由(11条1項): 氏・氏名その他の名称。氏や名を含まなくてよい。登記は任意(11条2項)
- 制限: 会社でない者は会社と誤認される文字を使えない(会社法7条)。会社は種類の文字を用い、他の種類と誤認される文字は使えない(会社法6条)
- 商号単一の原則: 1個の営業に1個の商号。数種の独立した営業・数個の営業所には別異の商号を使える(大決大13.6.13)。複数の商号の登記も可
- 不正目的の商号使用(12条・会社法8条): 何人も禁止。営業上の利益を侵害され又はおそれがある商人は停止・予防を請求できる。商号の登記は要件でない
- 譲渡(15条): 営業とともにする場合・営業を廃止する場合に限る。登記が対抗要件
誤り。違うのは「商号の登記をしていない限り,その侵害の停止を請求することができない」の部分である。不正の目的による商号使用の停止の請求に、商号の登記は要件とされていない(商法12条2項)。
商法12条1項は、何人も不正の目的をもって他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならないと定め、2項は、これに違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その者に対して侵害の停止又は予防を請求することができると定める。要件は、相手方の不正の目的、誤認されるおそれ、営業上の利益の侵害又はそのおそれの3つであり、請求する商人が自己の商号を登記していることは要件に入っていない。商号の登記は商人がすることができるというにとどまる任意のものであり(11条2項)、登記しなくても商号は商人の営業上の信用を表す名称として保護に値するからである。かつては登記した商号についてだけ類似商号の排除が認められていたが、現行法はそのような区別を置いていない。肢は、12条2項にない「商号の登記をしていない限り」という限定を付け加えて請求を否定している点で条文と食い違う。

前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
誤り。違うのは「その商人の氏又は名を含まなければならない」の部分である。個人商人はその氏、氏名その他の名称を商号とすることができ、氏や名を含む必要はない(商法11条1項)。
商法11条1項は、商人はその氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができると定める。氏や氏名はあくまで商号にできる名称の例示であり、「その他の名称」も商号にできるので、個人商人は自分の氏や名と無関係な屋号を商号に選ぶことができる。これが商号選定自由の原則であり、営業の実態と一致しない商号でも差し支えないとして、商人が営業上の信用を蓄える名称を自由に決められるようにしたものである。自由の例外は、会社でない者が会社と誤認されるおそれのある文字を商号に使えないこと(会社法7条)や、不正の目的で他の商人と誤認されるおそれのある名称を使えないこと(商法12条1項)のように、取引の相手方の誤認を防ぐための制限に限られ、氏や名を含めよという制限はない。肢は、商号にできる名称の例示にすぎない氏や名を必要的な要素と読み替えている点で11条1項と食い違う。

商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
- 選定自由(11条1項): 氏・氏名その他の名称。氏や名を含まなくてよい。登記は任意(11条2項)
- 制限: 会社でない者は会社と誤認される文字を使えない(会社法7条)。会社は種類の文字を用い、他の種類と誤認される文字は使えない(会社法6条)
- 商号単一の原則: 1個の営業に1個の商号。数種の独立した営業・数個の営業所には別異の商号を使える(大決大13.6.13)。複数の商号の登記も可
- 不正目的の商号使用(12条・会社法8条): 何人も禁止。営業上の利益を侵害され又はおそれがある商人は停止・予防を請求できる。商号の登記は要件でない
- 譲渡(15条): 営業とともにする場合・営業を廃止する場合に限る。登記が対抗要件
誤り。違うのは「商号の登記をしていない限り,その侵害の停止を請求することができない」の部分である。不正の目的による商号使用の停止の請求に、商号の登記は要件とされていない(商法12条2項)。
商法12条1項は、何人も不正の目的をもって他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならないと定め、2項は、これに違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その者に対して侵害の停止又は予防を請求することができると定める。要件は、相手方の不正の目的、誤認されるおそれ、営業上の利益の侵害又はそのおそれの3つであり、請求する商人が自己の商号を登記していることは要件に入っていない。商号の登記は商人がすることができるというにとどまる任意のものであり(11条2項)、登記しなくても商号は商人の営業上の信用を表す名称として保護に値するからである。かつては登記した商号についてだけ類似商号の排除が認められていたが、現行法はそのような区別を置いていない。肢は、12条2項にない「商号の登記をしていない限り」という限定を付け加えて請求を否定している点で条文と食い違う。

前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
誤り。違うのは「その登記をしなければならない」の部分である。商人はその商号の登記をすることができるのであって(商法11条2項)、登記は義務ではない。
商法11条2項は、商人はその商号の登記をすることができると定めており、個人商人にとって商号の登記は権利であって義務ではない。個人商人が商号を定めても、登記をするかどうかは自由であり、登記をしないまま商号を使って営業することもできる。これに対し会社の商号は設立の登記で必ず登記しなければならない(会社法911条3項2号など)。会社は商号によって法人としての同一性が特定されるので登記を義務づける必要があるが、個人商人は氏名で主体を特定でき、商号は営業上の名称にすぎないため、登記の要否を本人の判断に委ねたのである。個人商人に登記が義務づけられているのは、未成年者が営業を行うときの登記(商法5条)、後見人が営業を行うときの登記(6条)、支配人の選任と代理権の消滅の登記(22条)のように、取引の相手方に直接関わる事項である。商号を登記しなくても、不正の目的による商号の使用の差止め(商法12条2項)は請求できる。肢は商号の登記を義務としている点で11条2項と食い違う。

商人は、その商号の登記をすることができる。
| 事項 | 登記 | 根拠 |
|---|---|---|
| 商号 | 任意(できる) | 商法11条2項 |
| 支配人の選任・代理権の消滅 | 義務 | 商法22条 |
| 未成年者が営業を行うとき | 義務 | 商法5条 |
| 後見人が営業を行うとき | 義務 | 商法6条 |
| 小商人 | 登記の規定は適用されない | 商法7条 |
誤り。違うのは「その登記をしなければならない」の部分である。商人はその商号の登記をすることができるのであって(商法11条2項)、登記は義務ではない。
商法11条2項は、商人はその商号の登記をすることができると定めており、個人商人にとって商号の登記は権利であって義務ではない。個人商人が商号を定めても、登記をするかどうかは自由であり、登記をしないまま商号を使って営業することもできる。これに対し会社の商号は設立の登記で必ず登記しなければならない(会社法911条3項2号など)。会社は商号によって法人としての同一性が特定されるので登記を義務づける必要があるが、個人商人は氏名で主体を特定でき、商号は営業上の名称にすぎないため、登記の要否を本人の判断に委ねたのである。個人商人に登記が義務づけられているのは、未成年者が営業を行うときの登記(商法5条)、後見人が営業を行うときの登記(6条)、支配人の選任と代理権の消滅の登記(22条)のように、取引の相手方に直接関わる事項である。商号を登記しなくても、不正の目的による商号の使用の差止め(商法12条2項)は請求できる。肢は商号の登記を義務としている点で11条2項と食い違う。

商人は、その商号の登記をすることができる。
| 事項 | 登記 | 根拠 |
|---|---|---|
| 商号 | 任意(できる) | 商法11条2項 |
| 支配人の選任・代理権の消滅 | 義務 | 商法22条 |
| 未成年者が営業を行うとき | 義務 | 商法5条 |
| 後見人が営業を行うとき | 義務 | 商法6条 |
| 小商人 | 登記の規定は適用されない | 商法7条 |
正しい。商法7条は、未成年者・後見人の登記、商業登記の章、商号の登記、商号譲渡の対抗要件、商号続用の免責の登記、商業帳簿、支配人の登記の規定を小商人に適用しないとする。
商法7条は、5条(未成年者の登記)、6条(後見人の登記)、次章(第3章 商業登記)、11条2項(商号の登記)、15条2項(商号譲渡の登記)、17条2項前段(商号続用の譲受人の免責の登記)、第5章(商業帳簿)及び22条(支配人の登記)の規定は、小商人については適用しないと定める。小商人とは、商人のうち営業のために使用する財産の価額が法務省令で定める金額(50万円。商法施行規則3条)を超えないものをいう。営業の規模がきわめて小さい商人についてまで登記による公示や帳簿の作成を義務づけるのは負担が重く、取引の相手方にとっても登記で確かめる必要性が乏しい。そこで登記と帳簿に関する規定を一括して適用除外にした。したがって小商人は商号を登記することも、支配人を選任したときにその登記をすることもできず、商号を譲渡しても登記による対抗の問題は生じない。小商人も商人であることに変わりはなく、商行為に関する規定や商号の選定・名板貸しなどの規定は適用される。肢は7条のとおりであり正しい。

第五条、前条、次章、第十一条第二項、第十五条第二項、第十七条第二項前段、第五章及び第二十二条の規定は、小商人(商人のうち、法務省令で定めるその営業のために使用する財産の価額が法務省令で定める金額を超えないものをいう。)については、適用しない。
誤り。違うのは「登記しなければならない」の部分である。個人商人の商号の登記は任意であり(商法11条2項)、登記の義務はない。
商法11条2項は、商人はその商号の登記をすることができると定める。文言どおり「できる」であって「しなければならない」ではなく、個人商人が商号を登記するかどうかは自由である。商人の中にはごく小規模な者も多く、すべての商人に商号の登記を義務づけるのは負担が重いうえ、商号を登記していなくても不正の目的による商号の使用の差止め(12条2項)などの保護は受けられるからである。これに対して会社の商号は、定款の絶対的記載事項であり(会社法27条2号)、設立の登記で必ず登記される(会社法911条3項2号)。会社の商号は会社の名称そのものであり、取引の相手方が会社を識別するために不可欠だからである。個人商人について登記が義務づけられているのは、未成年者の営業(商法5条)、後見人の営業(6条)、支配人の選任と代理権の消滅(22条)であり、商号はこれに含まれない。もっとも、商号を登記した場合には、その変更や消滅があれば遅滞なく変更・消滅の登記をしなければならない(10条)。肢は任意である商号の登記を義務としており誤りである。

商人は、その商号の登記をすることができる。
- 義務: 未成年者の営業(5条)、後見人の営業(6条)、支配人の選任と代理権の消滅(22条)
- 任意: 商号の登記(11条2項)。会社の商号は必ず登記される(会社法911条3項2号)
- 対抗要件としての登記: 商号の譲渡(15条2項)。登記しなければ第三者に対抗できない
- 変更・消滅(10条): 登記した事項に変更・消滅があれば遅滞なく登記。任意で登記した商号も同じ
- 小商人(7条): 上の登記の規定はすべて不適用















