1商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
2損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、前項の催告をしないで競売に付することができる。
3前二項の規定により売買の目的物を競売に付したときは、売主は、その代価を供託しなければならない。ただし、その代価の全部又は一部を代金に充当することを妨げない。
この条文の過去問 6問
誤り。違うのは「相当の期間を定めて催告をすることなく、直ちにその物を競売に付すことができる」の部分である。商法524条1項の競売は相当の期間を定めた催告の後にでき、催告なしで競売できるのは価格の低落のおそれがある物に限られる(同条2項)。
商法524条1項は、商人間の売買で買主が目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主は目的物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができると定める。売主を目的物の保管の負担から解放し、商事売買の簡易で迅速な決済を可能にする制度であり、供託に適しない場合などに裁判所の許可を求める民法497条と異なり、競売に裁判所の許可を要しないとした点に商法の特則としての意味がある。もっとも、催告そのものが不要とされているわけではなく、競売による場合には原則として相当の期間を定めた催告を経なければならない。催告を要しないのは、損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物を競売に付する場合に限られる(同条2項)。本肢は、買主が受領を拒んだというだけで催告を経ずに直ちに競売できるとする点で、原則と例外を取り違えている。競売の代価は供託しなければならないが、その全部又は一部を代金に充当することもできる(同条3項)。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
2 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、前項の催告をしないで競売に付することができる。
- ["1項", "買主の受領拒絶・受領不能 → 供託 or 相当の期間を定めて催告した後に競売。裁判所の許可は不要。供託・競売後は遅滞なく買主に通知"]
- ["2項", "価格の低落のおそれがある物は催告なしに競売できる"]
- ["3項", "競売代価は供託。代金への充当も可"]
- ["判例", "通知を怠っても競売は有効(大判大10.6.10)。受領拒絶で契約が当然に解除されることは無い"]
誤り。違うのは「裁判所の許可を得なければならない」の部分である。売主は目的物を供託するか、相当の期間を定めて催告した後に競売に付することができ、裁判所の許可は要らない(商法524条1項)。
商法524条1項は、商人間の売買において買主がその目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主はその物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができると定め、供託や競売をしたときは遅滞なく買主に通知を発しなければならないとする。民法では、債権者が受領を拒んだ場合に弁済者が目的物を競売して代金を供託するには、原則として裁判所の許可を要する(民法497条)。商法はこの手続を簡略にし、相当の期間を定めた催告さえすれば裁判所の許可なしに競売できることにした。商人である売主が受領を拒まれた商品をいつまでも抱えていては、商品の保管費用や価格の変動の危険を負い続けることになり、商取引の迅速な処理に反するからである。損傷その他の事由で価格の低落のおそれがある物は催告すらせずに競売できる(同条2項)。競売した代価は供託しなければならないが、その全部又は一部を代金に充当することもできる(同条3項)。受領拒絶によって契約が当然に解除されるわけではない。本肢は、競売に裁判所の許可を要するとする点で誤っている。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
- 524条 売主の供託・競売: 買主の受領拒絶・受領不能 → 供託 又は 相当の期間を定めて催告した後に競売。裁判所の許可は不要。価格低落のおそれがあれば催告なしで競売。供託・競売後は遅滞なく通知
- 526条 買主の検査・通知: 受領したら遅滞なく検査。契約不適合を発見したら直ちに通知しなければ追完・代金減額・損害賠償・解除ができない。直ちに発見できない不適合は6か月以内。不特定物の売買にも適用(最判昭35.12.2)
- 527条 買主の保管・供託: 解除しても売主の費用で保管・供託。滅失・損傷のおそれがあれば裁判所の許可を得て競売。営業所が同一市町村なら適用なし。送り返す義務はない
- 528条: 注文と異なる物品・数量超過分に527条を準用
誤り。違うのは「これを怠ったときは、その競売は、無効となる」の部分である。供託・競売後の買主への通知(商法524条1項後段)は競売の効力要件ではなく、通知を怠っても競売は有効で、売主は損害賠償の責任を負うにとどまる。
商人間の売買において、買主が目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主はその物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる(商法524条1項前段)。供託又は競売に付したときは、売主は遅滞なく買主に対してその旨の通知を発しなければならない(同項後段)。ここまでは本肢のとおりである。誤りは、通知を怠ると競売が無効になるとした点にある。524条1項後段の通知は、買主に事後の対応の機会を与えるための義務にとどまり、競売の効力発生の要件ではない。したがって売主が通知を怠っても競売そのものは有効であり、売主はこれによって買主に生じた損害を賠償する責任を負うにすぎない(大判大10.6.10)。競売の効力を通知の有無にかからせると買受人の地位が不安定になり、目的物を早く換価して法律関係を清算するという自助売却の制度の趣旨が損なわれるからである。524条の競売には民法497条の自助売却と異なり裁判所の許可が要らない。本肢は誤りである。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
- 買主の受領拒絶・受領不能 → 供託、又は相当の期間を定めて催告した後に競売。裁判所の許可は不要
- 価格の低落のおそれがある物は催告なしに競売できる(2項)
- 競売の代価は供託する。代金への充当もできる(3項)
- 供託・競売後は遅滞なく買主に通知する。怠っても競売は有効で損害賠償の問題になる(大判大10.6.10)
- 受領拒絶によって契約が当然に解除されることはない
誤り。違うのは「直ちに解除されたものとみなされる」の部分である。買主が受領を拒んだ場合に売主ができるのは供託又は催告後の競売であり(商法524条1項)、契約の解除が擬制されるわけではない。
商法524条1項は、商人間の売買において買主がその目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主はその物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができると定め、供託又は競売をしたときは遅滞なく買主に通知を発することを求める。損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は催告なしに競売でき(同条2項)、売主は競売の代価を供託しなければならないが、その全部又は一部を代金に充てることもできる(同条3項)。これらは受領を拒まれた売主を目的物の保管の負担から解放し、資金化の手段を与える規定にすぎず、買主の受領拒絶によって売買契約が当然に解除されたものとみなす効果を認めるものではない。契約を解消したければ、別に民法541条以下の解除の要件を満たさなければならない。解除が擬制されるのは確定期売買に関する商法525条の場合である。本肢は524条の効果と525条の解除の擬制を混同しており、誤りである。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
- 524条 売主の供託・競売権: 買主が受領を拒み又は受領できないときは、供託するか、相当の期間を定めて催告した後に競売できる。裁判所の許可は不要。契約が解除されたものとみなされるわけではない
- 525条 確定期売買: 履行の時期を過ぎれば、相手方が直ちに履行を請求した場合を除き、解除したものとみなす。解除の意思表示は不要
- 526条 検査・通知義務: 受領後遅滞なく検査し、不適合を発見したら直ちに通知しなければ追完・代金減額・損害賠償・解除ができない。直ちに発見できない不適合は6か月以内。不特定物にも適用(最判昭35.12.2)。通知は権利行使の前提要件で、権利の消長は民法による(最判平4.10.20)。売主が悪意なら適用なし(3項)
- 527条 買主の保管・供託義務: 解除しても売主の費用で保管又は供託する。送り返す義務は無い。営業所が同一市町村なら適用なし(4項)
- 528条: 注文と異なる物品・数量超過分にも527条を準用
誤り。違うのは「直ちに解除されたものとみなされる」の部分である。買主が受領を拒んだ場合に売主ができるのは供託又は催告後の競売であり(商法524条1項)、契約の解除が擬制されるわけではない。
商法524条1項は、商人間の売買において買主がその目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主はその物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができると定め、供託又は競売をしたときは遅滞なく買主に通知を発することを求める。損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は催告なしに競売でき(同条2項)、売主は競売の代価を供託しなければならないが、その全部又は一部を代金に充てることもできる(同条3項)。これらは受領を拒まれた売主を目的物の保管の負担から解放し、資金化の手段を与える規定にすぎず、買主の受領拒絶によって売買契約が当然に解除されたものとみなす効果を認めるものではない。契約を解消したければ、別に民法541条以下の解除の要件を満たさなければならない。解除が擬制されるのは確定期売買に関する商法525条の場合である。本肢は524条の効果と525条の解除の擬制を混同しており、誤りである。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
- 524条 売主の供託・競売権: 買主が受領を拒み又は受領できないときは、供託するか、相当の期間を定めて催告した後に競売できる。裁判所の許可は不要。契約が解除されたものとみなされるわけではない
- 525条 確定期売買: 履行の時期を過ぎれば、相手方が直ちに履行を請求した場合を除き、解除したものとみなす。解除の意思表示は不要
- 526条 検査・通知義務: 受領後遅滞なく検査し、不適合を発見したら直ちに通知しなければ追完・代金減額・損害賠償・解除ができない。直ちに発見できない不適合は6か月以内。不特定物にも適用(最判昭35.12.2)。通知は権利行使の前提要件で、権利の消長は民法による(最判平4.10.20)。売主が悪意なら適用なし(3項)
- 527条 買主の保管・供託義務: 解除しても売主の費用で保管又は供託する。送り返す義務は無い。営業所が同一市町村なら適用なし(4項)
- 528条: 注文と異なる物品・数量超過分にも527条を準用
誤り。違うのは「当該競売は無効となる」の部分である。判例は、商法524条1項の競売の通知は競売成立の要件ではないとしており(大判大10.6.10)、通知を怠っても競売は有効で、売主は損害賠償の責任を負うにとどまる。
商人間の売買において買主が目的物の受領を拒み、又は受領することができないときは、売主はその物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができ、供託又は競売をしたときは遅滞なく買主に対してその旨の通知を発しなければならない(商法524条1項)。民法では受領遅滞の場合に競売して代金を供託するには裁判所の許可が要る(民法497条)が、商人間の売買では売主を目的物の保管の負担から迅速に解放するために、裁判所の許可なしに自助売却を認めたものである。競売後の通知は、買主に競売の事実と代価を知らせて、代価の供託や代金への充当に対応させるためのものにすぎない。判例は、この通知は競売成立の要件ではないとしており(大判大10.6.10)、売主が通知を遅滞なく発しなかったとしても競売の効力は否定されず、買主に損害が生じたときに売主が賠償義務を負うにとどまる。競売は催告を経てされている以上、手続として適法に成立しているからである。したがって通知を怠れば競売が無効になるとする肢は誤っている。

商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。
- 524条1項 売主の供託・競売:買主の受領拒絶・受領不能 → 供託 or 相当の期間を定めて催告した後に競売。裁判所の許可は不要。供託・競売後は遅滞なく買主に通知
- 524条2項:価格の低落のおそれがある物は催告なしに競売できる。3項:競売代価は供託。代金への充当も可
- 通知を怠っても競売は有効(大判大10.6.10)。受領拒絶で契約が当然に解除されることは無い
- 527条 買主の保管・供託:解除しても売主の費用で保管・供託。滅失・損傷のおそれがあれば裁判所の許可を得て競売。営業所が同一市町村なら適用なし




