1この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
2店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。
この条文の過去問 5問
正しい。判例は、会社の行為は商行為と推定され、これを争う者が当該行為が会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負うとしている(最判平20.2.22)。
会社法5条は、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は商行為とすると定める。会社は自己の名をもって商行為をすることを業とする者として商法上の商人に当たり(商法4条1項)、商人の行為はその営業のためにするものと推定される(503条2項)。最判平20.2.22は、これらの規定を根拠に、会社の行為は商行為と推定され、これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと、すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負うとした。503条2項の「営業」は会社については「事業」と同じ意味に解される。個人商人には営業と切り離された私生活上の行為があり得るが、会社は事業を行うために設立された法人であって私生活がないので、会社の行為は原則としてすべて事業のためのものとみるのが自然である。そこで、会社の行為が商行為でないと主張する側が、その行為が事業と無関係であることを立証しなければならない。本肢は判例のとおりであり、正しい。

会社の行為は商行為と推定され、これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと、すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負う
誤り。違うのは「未成年者は、商人となることができない」の部分である。商法5条は未成年者が営業を行うときはその登記をしなければならないと定め、未成年者が商人になることを前提にしている。
商人とは自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいい(商法4条1項)、商人の資格は営業の帰属主体が誰かで決まり、行為能力の有無で左右されない。法定代理人から一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有する(民法6条1項)ので、自ら営業主体として営業を行うことができ、その営業が商法4条の要件を満たせばその未成年者が商人になる。商法5条は、未成年者が前条の営業を行うときはその登記をしなければならないと定め、未成年者自身が営業主体すなわち商人になることを当然の前提にしている。この未成年者登記は、取引の相手方に対し、その未成年者が営業に関して行為能力の制限を受けないことを公示し、後になって未成年者の側から取消しを主張されるおそれを除いて取引の安全を図るものである。さらに、後見人が被後見人のために営業を行うときは、営業から生じる権利義務は被後見人に帰属するので商人になるのは被後見人であり、この場合も登記が求められる(6条1項)。いずれの場面でも未成年者が商人になる余地は認められており、本肢は誤りである。

未成年者が前条の営業を行うときは、その登記をしなければならない。
- 固有の商人(4条1項): 自己の名をもって商行為を業とする者
- 擬制商人(4条2項): 店舗その他これに類似する設備で物品を販売することを業とする者、鉱業を営む者。商行為を業としなくても商人
- 会社(会社法5条): 事業としてする行為・事業のためにする行為が商行為なので常に商人
- 未成年者(5条): 商人になれる。営業を行うときは登記。後見人が営業するときも登記(6条)
- 小商人(7条): 営業用財産50万円以下。未成年者・後見人の登記、商業登記、商号の登記、商業帳簿、支配人の登記の規定は適用されない
正しい。会社の行為はその事業のためにするものと推定されて商行為と推定され、これを争う者が、その行為が会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う(最判平20.2.22)。
会社法5条は、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為を商行為とすると定める。そして会社は自己の名をもって商行為をすることを業とする者として商人に当たり(商法4条1項)、商人の行為はその営業のためにするものと推定するという商法503条2項の適用を受ける。判例は、この推定の帰結として、会社の行為は事業のためにするものと推定され、したがって商行為と推定されるから、その商行為性を否定しようとする者の側で、その行為が会社の事業のためにするものでないこと、すなわち会社の事業と無関係であることを主張立証しなければならないとした(最判平20.2.22)。個人商人には私生活があるが、会社には事業と無関係の生活領域がないので、会社の行為を一律に商行為と推定しても不都合がないのである。商行為であることを主張する当事者が事業との関連を積極的に立証する必要はなく、推定を覆そうとする側に立証責任が転換される点に判例の意義がある。肢は判例のとおりである。

これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと、すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負う
- 附属的商行為(503条1項): 商人が営業のためにする行為。営業資金の借入れ・営業所の賃借・従業員の雇入れ・開業準備行為など
- 推定(503条2項): 商人の行為は営業のためにするものと推定。商行為でないと主張する側が立証
- 会社の行為(会社法5条・最判平20.2.22): 事業としてする行為・事業のためにする行為は商行為。会社の行為は商行為と推定され、争う側が事業と無関係であることを主張立証
- 開業準備行為(最判昭47.2.24): 客観的に開業準備行為と認められうるものに限る。単なる借入れは相手方が開業目的を知っていた場合だけ
正しい。会社の行為はその事業のためにするものと推定されて商行為と推定され、これを争う者が、その行為が会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う(最判平20.2.22)。
会社法5条は、会社がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為を商行為とすると定める。そして会社は自己の名をもって商行為をすることを業とする者として商人に当たり(商法4条1項)、商人の行為はその営業のためにするものと推定するという商法503条2項の適用を受ける。判例は、この推定の帰結として、会社の行為は事業のためにするものと推定され、したがって商行為と推定されるから、その商行為性を否定しようとする者の側で、その行為が会社の事業のためにするものでないこと、すなわち会社の事業と無関係であることを主張立証しなければならないとした(最判平20.2.22)。個人商人には私生活があるが、会社には事業と無関係の生活領域がないので、会社の行為を一律に商行為と推定しても不都合がないのである。商行為であることを主張する当事者が事業との関連を積極的に立証する必要はなく、推定を覆そうとする側に立証責任が転換される点に判例の意義がある。肢は判例のとおりである。

これを争う者において当該行為が当該会社の事業のためにするものでないこと、すなわち当該会社の事業と無関係であることの主張立証責任を負う
- 附属的商行為(503条1項): 商人が営業のためにする行為。営業資金の借入れ・営業所の賃借・従業員の雇入れ・開業準備行為など
- 推定(503条2項): 商人の行為は営業のためにするものと推定。商行為でないと主張する側が立証
- 会社の行為(会社法5条・最判平20.2.22): 事業としてする行為・事業のためにする行為は商行為。会社の行為は商行為と推定され、争う側が事業と無関係であることを主張立証
- 開業準備行為(最判昭47.2.24): 客観的に開業準備行為と認められうるものに限る。単なる借入れは相手方が開業目的を知っていた場合だけ
正しい。旅館業は場屋取引(商法502条7号)を営業とするものであり、それを営む者は商人であるから、客の送迎を無償で引き受ける行為も営業のためにする附属的商行為として商行為になる(503条1項)。
商法502条7号は、客の来集を目的とする場屋における取引を、営業としてするときに商行為となる営業的商行為として挙げる。旅館、飲食店、劇場などがこれに当たり、旅館業を営む者は場屋取引を業とする固有の商人である(4条1項)。503条1項は、商人がその営業のためにする行為を商行為とする。附属的商行為である。客を送迎することの引受けは、それ自体は場屋取引ではなく、無償であれば営利性もないが、旅館業という営業を円滑に行い客を集めるための行為であり、営業のためにする行為に当たる。商人の行為は営業のためにするものと推定されるから(503条2項)、送迎の引受けが営業と無関係な私的な行為であることを主張する側がそれを証明しない限り、商行為として扱われる。附属的商行為も商行為であるから、商行為に関する商法の規定、たとえば商事留置権(521条)や多数当事者の債務の連帯(511条)などが適用される。無償であることは附属的商行為であることを妨げない。肢は正しい。

1 商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。
2 商人の行為は、その営業のためにするものと推定する。

