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参考人取調べと第1回公判期日前の証人尋問(223条・226条・227条・228条)とは

さんこうにんとりしらべとだいいっかいこうはんきじつまえのしょうにんじんもん

刑事訴訟法 取調べ・被疑者の防御

参考人取調べとは、検察官、検察事務官又は司法警察職員が、犯罪の捜査をするについて必要があるときに、被疑者以外の者の出頭を求めてその供述を聴く任意の処分です(刑事訴訟法223条1項)。第1回公判期日前の証人尋問とは、参考人が出頭・供述を拒んだとき(226条)や、公判で供述を翻すおそれがあるとき(227条)に、検察官が裁判官に請求して、第1回公判期日前に裁判官の面前で供述を確保する手続です。

事件を目撃した人や被害者に警察が事情を聴くのが参考人取調べです。参考人は被疑者ではないので、呼び出しに応じる義務も話す義務もありません。しかし、事件の解明に欠かせない人が協力を拒んだり、いったん話した内容を法廷で翻しそうだったりすると、検察官は困ります。そこで、起訴の前後を問わず第1回公判期日より前であれば、検察官が裁判官に頼んで、その人を証人として宣誓のうえ尋問してもらう仕組みが置かれています。裁判官の面前で得た供述は、あとで証拠に使える重みを持ちます。

検察庁の検察官室の場面。先生が検察官役(札「検察官」)で机に座り、手元に「証人尋問請求書(刑事訴訟法226条)宛先 裁判官」と書いた書面を持っている。机の前に立つ男性(札「目撃者(参考人)」)が首を横に振り、吹き出し「警察には話したくない」

捜査機関は被疑者以外の者の出頭を求めて取り調べ、鑑定・通訳・翻訳を嘱託できますが、供述拒否権の告知は要りません

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求めてこれを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができます(刑事訴訟法223条1項)。主語は司法警察職員なので、司法巡査にもこの権限があります。「司法巡査は,犯罪の捜査について必要があるときは,犯罪の被害者の出頭を求め,これを取り調べることができる」という肢は正しいです。参考人の取調べには、被疑者の取調べの規定のうち、出頭を拒み退去できること(198条1項但書)と調書の作成・読み聞かせ・署名押印(同条3項から5項)が準用されますが、供述拒否権を告げる198条2項は準用されていません(223条2項)。「その者に対し,あらかじめ,自己又は自己の配偶者等が刑事訴追を受けるおそれのある供述を拒むことができる旨を告げなければならない」という肢は誤りです。嘱託を受けた鑑定人が身体検査などの処分をするには裁判官の許可が要り、鑑定留置は裁判官に請求します(224条・225条)。この点は鑑定嘱託の語で扱います。

226条は、捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が出頭・供述を拒んだときの請求です

犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、223条1項の取調べに対して出頭又は供述を拒んだ場合には、第1回の公判期日前に限り、検察官は裁判官にその者の証人尋問を請求することができます(226条)。対象者を限る文言は「欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者」であって、それ以外の限定はありません。被害者であっても要件を満たせば請求でき、「その者が当該犯罪の被害者であったとしても,第1回の公判期日前に限り,裁判官に証人の尋問を請求することができる」という肢は正しいです。逆に、「その者が犯罪の捜査にどの程度関連した知識を有しているか明らかでなくとも,第1回の公判期日前であれば,その者の証人尋問を裁判官に請求することができる」という肢は、要件を落としているので誤りです。「犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる被疑者以外の者が,取調べに対して,出頭又は供述を拒んだ場合には,第一回の公判期日前に限り,検察官は,裁判官にその者の証人尋問を請求することができる」という肢は条文どおりで正しいです。

227条は、任意の供述をした者が公判で供述を翻すおそれがあり、その供述が犯罪の証明に欠かせないときの請求です

223条1項の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第1回の公判期日前に限り、検察官は裁判官にその者の証人尋問を請求することができます(227条1項)。請求にあたって検察官は、証人尋問を必要とする理由と、それが犯罪の証明に欠くことができないものであることを疎明しなければなりません(同条2項)。条文は供述が変わるおそれの原因を限定していないので、「圧迫を受けて公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがある場合に限り」という肢は誤りです。「司法警察員の取調べに際して任意の供述をした犯行の目撃者が,公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり,かつ,その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には,第1回公判期日前に限り,裁判官にその者の証人尋問を請求することができる」という肢は正しいです。226条と227条のどちらも、対象事件の法定刑は要件になっていません。法定刑の軽重により可否が異ならないものを選ぶ問題で、「検察官による第1回公判期日前の証人尋問請求」はこれに当たります。

  • 226条(出頭・供述の拒否)犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者/223条1項の取調べに対して出頭又は供述を拒んだ/第1回公判期日前に限り/検察官が裁判官に請求
  • 227条(供述を翻すおそれ)223条1項の取調べで任意の供述をした者/公判期日で前の供述と異なる供述をするおそれ/その供述が犯罪の証明に欠くことができない/第1回公判期日前に限り/検察官が裁判官に請求し、理由と不可欠性を疎明(2項)
  • 179条(証拠保全。対比)被告人・被疑者・弁護人が/あらかじめ保全しなければ証拠を使用することが困難な事情があるとき/第1回公判期日前に限り/裁判官に押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定を請求
大学の教室の場面。先生が教師役(札「刑事訴訟法」)で黒板の前に立ち、黒板に三列の表。列の見出しは左から「226条」「227条」「179条 証拠保全」。行は「誰が」「いつまで」「何を」の3行。226条の列は「検察官」「第1回公判期日前」「出頭

請求できるのは検察官だけで、請求を受けた裁判官は裁判所と同一の権限を持ち、立会いは裁判官の裁量です

226条も227条も請求権者は検察官に限られ、司法警察員は請求できません。司法警察員と検察官のいずれもができるものを選ぶ問題で、「第1回公判期日前の証人尋問の請求」は当たらず、「司法警察員が,第1回公判期日前に証人尋問を請求した」という処理は適法となる余地がありません。請求先は、起訴の前後を問わず裁判官であって、受訴裁判所ではありません。請求を受けた裁判官は、証人の尋問に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有するので(228条1項)、証人を召喚し、正当な理由なく召喚に応じない証人を勾引することができます。「召喚に応じない証人に対しては,更にこれを召喚し,又はこれを勾引することができる」という肢は正しいです。裁判官は、捜査に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、被告人、被疑者又は弁護人を尋問に立ち会わせることができますが(228条2項)、これは裁判官の裁量であって、立会いを求める権利があるわけではありません。「被告人,被疑者又は弁護人をその尋問に立ち会わせなければならない」という肢と、「被疑者又は被告人に弁護人が選任されているときは,当該弁護人を証人尋問に立ち会わせなければならない」という肢はいずれも誤りで、「被疑者の弁護人は,検察官の請求による第1回公判期日前の証人尋問に立ち会う権利を有しない」という肢は正しいです。弁護人が立会いを求めることができる手続を選ぶ問題でも、226条の証人尋問は当たりません。これに対し、弁護人側が自分で証拠を確保したいときは、179条の証拠保全を請求します。「あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときでも,第1回の公判期日前に,裁判官に証人の尋問を請求することはできない」という肢は、弁護人に179条の請求権があるので誤りです。

この手続で作られた証人尋問調書は、裁判官の面前における供述を録取した書面に当たります

226条・227条の尋問は裁判官が主宰し、証人は宣誓のうえ供述するので、その調書は321条1項1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に当たります。「第一回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は,刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に該当する」という肢は正しく、裁判官面前調書を数える問題でも「第1回公判期日前の証人尋問調書」はこれに入ります。証人が公判で異なる供述をしたときに、この調書を証拠にできる要件は、裁判官面前調書の語で扱います。

刑事訴訟法223条1項

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。

刑事訴訟法226条

犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、第二百二十三条第一項の規定による取調に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。

刑事訴訟法227条1項

第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。

刑事訴訟法228条2項

裁判官は、捜査に支障を生ずる虞がないと認めるときは、被告人、被疑者又は弁護人を前項の尋問に立ち会わせることができる。

試験ではこう問われる

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