創立総会とは
そうりつそうかい
創立総会とは、募集設立において、発起人と設立時募集株式の引受人からなる設立時株主が集まって開く、設立中の会社の意思決定機関です(会社法65条)。設立時取締役の選任や定款の変更、設立の廃止などを決議し、発起設立では開かれません。
募集設立では、発起人のほかに募集に応じた人たちも出資しています。その人たちは定款を作る場にはいなかったので、会社ができる前に一度集まって、設立の手続が正しく進んだかの報告を受け、取締役を選び、必要なら定款を直す機会が要ります。この集まりが創立総会です。株主総会の設立版だと考えればよく、決議の要件は株主総会の特別決議よりも重くなっています。発起人だけで作る発起設立では、発起人全員が最初から関わっているので創立総会は開きません。
創立総会は募集設立だけで開かれ、設立時取締役は創立総会の決議で選任します
募集設立では、発起人は、払込期日又は払込期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主の総会である創立総会を招集しなければなりません(65条1項)。発起設立には創立総会はありません。「発起人は、株式会社の成立の前に、創立総会を招集しなければならない」という肢は、取締役会設置会社の発起設立についての問いなので誤りです。新設分割によって設立される会社にも、設立に関する規定が原則として適用されないので(814条1項)、創立総会はありません。「設立会社においては,新設分割計画の定めに従って,創立総会を招集しなければならない」という肢は誤りです。募集設立では、設立時取締役・設立時会計参与・設立時監査役・設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければなりません(88条1項)。発起設立で発起人が選任するのとは違います。「募集設立においては,設立時取締役は,定款で定めている場合を除き,発起人が選任する」という肢は誤りです。「募集設立において,会社法上の公開会社の設立時取締役の選任は,創立総会の決議によって行わなければならない」という肢は正しいです。指名委員会等設置会社の設立時執行役は、創立総会ではなく設立時取締役が選任します(48条1項2号)。「委員会設置会社を設立する場合には,創立総会の決議によって設立時執行役を選任しなければならない」という肢は誤りです。委員会設置会社は出題当時の名称で、現在の指名委員会等設置会社です。設立時取締役は、設立の手続を調査してその結果を創立総会に報告します(93条)。
決議は、議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した設立時株主の議決権の3分の2以上で行います
創立総会の決議は、その創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行います(73条1項)。株主総会の特別決議(出席した株主の議決権の3分の2以上)に、議決権全体の過半数という要件を上乗せした形です。設立の段階では会社の基礎を固める決定ばかりなので、重くしてあります。「設立時取締役を選任する創立総会の決議は,当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって,出席した当該設立時株主の議決権の過半数をもって行う」という肢は誤りです。全部の株式に譲渡制限を設ける定款の変更は、議決権を行使できる設立時株主の半数以上であって、その議決権の3分の2以上で行い(同条2項)、全部の株式を取得条項付株式にする定款の変更には設立時株主全員の同意が要ります(同条3項)。
- 通常の決議(73条1項)議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数、かつ出席した設立時株主の議決権の3分の2以上
- 全部の株式に譲渡制限を設ける定款の変更(73条2項)議決権を行使できる設立時株主の半数以上、かつその議決権の3分の2以上
- 全部の株式を取得条項付株式にする定款の変更(73条3項)設立時株主全員の同意
招集時の目的事項以外でも、定款の変更と設立の廃止は決議でき、創立総会で定款を変更しても再認証は要りません
創立総会は、会社法に規定する事項と、設立の廃止、創立総会の終結その他設立に関する事項に限って決議できます(66条)。また、招集の際に創立総会の目的である事項として定めた事項(67条1項2号)以外の事項は、原則として決議できません(73条4項本文)。ただし、定款の変更と株式会社の設立の廃止は、目的事項として定められていなくても決議できます(同項ただし書)。「設立の廃止については,創立総会の招集に際して創立総会の目的である事項として定められていなくても,創立総会において,決議をすることができる」という肢は正しいです。公証人の認証を受けた定款は成立前は原則として変更できませんが(30条2項)、創立総会は、その決議によって定款を変更することができます(96条)。設立時株主の総会が決めるので、改めて公証人の認証を受ける必要はありません。「定款は,公証人の認証を受けた後であっても,創立総会の決議によって変更することができる」という肢は正しいです。「公証人による定款の認証を受けた後に,創立総会の決議により定款を変更した場合には,改めて公証人の認証を受ける必要はない」という肢も正しいです。創立総会で変態設立事項を変更する定款の変更の決議をしたときは、反対した設立時株主は決議後2週間以内に限り引受けを取り消すことができます(97条)。発行可能株式総数を定款で定めていないときは、成立の時までに創立総会の決議で定めます(98条)。
会社法73条1項
創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
会社法73条4項
創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
会社法88条1項
第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
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