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用語集 / 民事訴訟法 / 証人義務と証人能力

証人義務と証人能力とは

しょうにんぎむとしょうにんのうりょく

民事訴訟法 証拠

証人能力とは、証人として尋問を受けることができる資格をいい、当事者本人とその法定代理人(法人の代表者を含む)を除いて誰にでも認められます。証人義務とは、日本の裁判権に服する者が負う、証人として出頭し、宣誓し、証言する義務をいいます(190条)。

事故を目撃したのが子どもだけでも、その子の話は真相を知る大切な手がかりです。だから民事訴訟では、誰でも証人になれるのが原則です。ただし、訴訟の当事者自身やその代わりに訴訟をする法定代理人は、自分の事件の証人ではなく当事者として話を聞かれます。また、証人として呼ばれた人は、来て、宣誓して、話す義務を負います。真実を明らかにする裁判に協力することは、社会の一員としての義務だからです。

法廷の場面。証言台の前に三人が並んでいる。左から、ランドセルを背負った子ども(札「13歳の子」)、背広の男性(札「訴訟代理人」)、腕章を付けた男性(札「補助参加人」)。三人の頭上に「証人になれる」と書いた深紅の札。少し離れた当事者席に男性(

証人には誰でもなることができ、呼ばれた証人は出頭・宣誓・証言の義務を負います

裁判所は、特別の定めがある場合を除き、何人でも証人として尋問することができます(190条)。証人となる資格(証人能力)には年齢や能力の制限がなく、証人義務は日本の裁判権に服するすべての人が負う一般的な義務です。証人義務の内容は、出頭義務・宣誓義務・供述(証言)義務の三つに分けて説明されます。特別の定めの例として、公務員又は公務員であった者を職務上の秘密について証人として尋問するには、監督官庁の承認が必要です(191条1項)。また、一定の事由があれば証言や宣誓を拒むことができ、これは証言拒絶権の語で扱います。義務に違反したときの過料・罰金・勾引は、証拠調べに協力しない者への効果の一覧で扱います。

当事者本人と法定代理人・法人の代表者はその訴訟の証人になれず、当事者尋問の手続で尋問します

当事者本人は、当事者尋問(207条以下)によって尋問されるので、自分の訴訟の証人にはなれません。訴訟で当事者を代表する法定代理人にも当事者本人の尋問に関する規定が準用されるので(211条)、法定代理人も当事者尋問の手続によります。「当事者本人の法定代理人を尋問するときは,当事者本人の尋問に関する規定に従って行われる」という肢は正しいです。法人の代表者には法定代理人の規定が準用されるので(37条)、株式会社を代表する代表取締役も当事者尋問の手続で尋問します。「株式会社を訴訟において代表している代表取締役を尋問するには,当事者本人の尋問の手続によらなければならない」という肢は正しく、代表取締役が「証人として出頭し,宣誓をする義務を負う」という肢は誤りです。

訴訟代理人、補助参加人、判決が確定した共同訴訟人は当事者ではないので、証人になることができます

訴訟委任による訴訟代理人は当事者でも法定代理人でもないので、その訴訟の証人になれます。「法定代理人は当該訴訟において証人となることができないが,訴訟代理人は当該訴訟において証人となることができる」という肢は正しく、「当事者の訴訟代理人を尋問するときは,当事者尋問の規定による」という肢は誤りです。補助参加人も、判決の名宛人となる当事者ではなく、当事者を補助する立場にとどまるので証人になれます。「補助参加人は,参加後は証人になることはできない」という肢は誤りで、補助参加人は補助参加をした訴訟で証人となることができるとする肢は正しいです。通常共同訴訟で共同訴訟人の一人について第一審判決が確定すれば、その者は控訴審の当事者ではなくなるので、控訴審で証人として尋問できます。この点を述べた肢は正しいです。

法廷の場面。証言台に小学生くらいの子ども(札「証人(10歳)」)が立ち、宣誓書が机の上に置かれたまま使われていない。裁判官席の先生(札「裁判所」)。先生の吹き出し「16歳未満だから宣誓はさせませんが、証人として話は聞けます」。証言台の横に札

年少者や宣誓の趣旨を理解できない者も証人として尋問でき、その場合は宣誓をさせないだけです

証人には特別の定めがある場合を除き宣誓をさせなければなりませんが(201条1項)、16歳未満の者又は宣誓の趣旨を理解することができない者を証人として尋問する場合には、宣誓をさせることができません(同条2項)。この規定は、これらの者も証人として尋問できることを前提にしています。「16歳未満の者を証人として尋問する場合には,宣誓をさせることができない」という肢は正しく、「宣誓の趣旨を理解することができない者については,これを証人として尋問することはできない」という肢や、当時13歳の子は「証人となることができない」という肢は誤りです。16歳以上であれば未成年者でも宣誓させることができ、親権者や後見人の同意は要りません。「未成年者を証人として尋問する場合には、親権者又は後見人の同意がなければ、宣誓をさせることができない」という肢は誤りです。また、196条に該当して証言を拒めるのにこれを行使しない証人については、宣誓をさせないことができます(201条3項)。

証人は自己や近親者に著しい利害関係のある事項について宣誓を拒むことができ、専門家が職務で知った事実を述べるときは証人として扱われます

証人は、自己又は自己と196条各号に掲げる関係(配偶者・4親等内の血族・3親等内の姻族の関係にあり又はあったこと、後見人と被後見人の関係)を有する者に著しい利害関係のある事項について尋問を受けるときは、宣誓を拒むことができます(201条4項)。宣誓をすれば偽証罪の制裁を背負うことになり、近しい者の利害がかかった場面でそれを強いるのは酷だからです。「証人は,自己の配偶者に著しい利害関係のある事項について尋問を受ける場合にも,宣誓をする義務を負う」という肢は誤りです。また、患者を治療した医師にその患者の症状を述べさせる場合のように、特別の学識経験によって知り得た事実の尋問は、鑑定ではなく証人尋問の規定によります(217条。鑑定証人)。この点を述べた肢は正しいです。鑑定人は学識経験に基づく意見を述べる者で、鑑定に必要な学識経験を有する者が負う鑑定義務(212条1項)は、鑑定の語で扱います。

民事訴訟法190条

裁判所は、特別の定めがある場合を除き、何人でも証人として尋問することができる。

民事訴訟法201条2項

十六歳未満の者又は宣誓の趣旨を理解することができない者を証人として尋問する場合には、宣誓をさせることができない。

民事訴訟法211条

この法律中当事者本人の尋問に関する規定は、訴訟において当事者を代表する法定代理人について準用する。ただし、当事者本人を尋問することを妨げない。

試験ではこう問われる

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