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用語集 / 刑事訴訟法 / 検察官の事件処理と送致

検察官の事件処理と送致(全件送致主義・微罪処分・少年の家裁送致・略式・即決裁判の申立て)とは

けんさつかんのじけんしょりとそうち

刑事訴訟法 公訴の提起

検察官の事件処理とは、司法警察員から送致を受けた検察官が、公判請求、略式命令の請求、即決裁判手続の申立て、不起訴、少年事件の家庭裁判所への送致のいずれかで事件を処理することです。司法警察員は、捜査した事件を原則としてすべて検察官に送致し(全件送致主義・246条)、検察官が指定した事件だけが例外です。

警察が捜査を終えた事件は、記録と証拠物をそろえて検察官に送られます。検察官はそれを見て、正式な裁判を求めるか、罰金で済む事件なら書面だけの略式手続にするか、争いのない軽い事件なら即決裁判にするか、起訴しないか、少年なら家庭裁判所に送るかを決めます。この入口と出口の流れを押さえる語です。どの出口を選ぶにも要件があり、特に略式と即決は被疑者の意思を確かめる手順が決められています。

検察庁の検察官室の場面。先生が検察官役(札「検察官」)で机に座り、机の上に「送致書」と書いた書類の束。机の前に四つの箱が並び、それぞれに札「公判請求」「略式命令の請求(100万円以下の罰金・科料)」「即決裁判手続の申立て(被疑者の同意)」「

司法警察員は捜査した事件を原則としてすべて検察官に送致し、例外は検察官が指定した事件だけです

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、刑事訴訟法に特別の定めのある場合を除いて、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければなりません。ただし、検察官が指定した事件はこの限りでありません(刑事訴訟法246条)。これが全件送致主義で、起訴・不起訴の判断資料を公訴権をもつ検察官に集める趣旨です。但書による検察官指定の軽微事件の処理が微罪処分です。例外があるので、「例外なく,速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない」という肢は誤りです。逮捕した被疑者を留置の必要があるとして送致する手続は、身体を拘束された時から48時間以内です(203条1項)。この時間制限は逮捕後の手続と時間制限の語で扱います。送致後に、身体拘束のない事件について検察官が改めて逮捕状を得て逮捕することもできます。

少年事件は、罰金以下の罪なら司法警察員が家庭裁判所へ直送し、検察官は嫌疑があれば処分の必要がなくても家庭裁判所へ送致します

少年の被疑事件について、司法警察員は、罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌疑があると思料するときは、検察官ではなく家庭裁判所に送致します。「司法警察員は,少年の被疑事件について捜査を遂げた結果,罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは,これを検察官ではなく家庭裁判所に送致しなければならない」という肢は正しいです。検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると思料するときは、家庭裁判所から送致を受けた事件を除いて、すべて家庭裁判所に送致しなければなりません。嫌疑がなくても審判に付すべき事由があれば同じです。成人のような起訴猶予はできないので、「処分を必要としないときは,これを家庭裁判所に送致しないことができる」という肢は誤りで、「家庭裁判所から逆送を受けた場合を除いて,全件を家庭裁判所に送致しなければならない」という肢は正しいです。これらは少年法の規定で、少年事件の手続の語で全体を扱います。

大学の教室の場面。先生が教師役(札「刑事訴訟法」)で黒板の前に立ち、黒板に左右二列の表。左の見出し「略式命令の請求」、その下に「説明と告知→異議がないことを書面で」「公訴提起と同時に書面で」「簡易裁判所・100万円以下の罰金・科料」。右の見

略式命令の請求は公訴の提起と同時に書面で行い、被疑者に説明して異議がないことを書面で明らかにさせてからします

簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前に略式命令で100万円以下の罰金又は科料を科することができます(461条)。検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対しあらかじめ略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げたうえ、略式手続によることについて異議がないかどうかを確かめなければならず(461条の2第1項)、被疑者は異議がないときは書面でその旨を明らかにします(同条2項)。請求は公訴の提起と同時に書面で行い、その書面を添付します(462条)。「あらかじめ,略式手続を理解させるために必要な事項を説明し,通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上,略式手続によることについて異議がないかどうかを確かめなければならない」という肢と、これに書面と同時請求を加えた肢は正しいです。逮捕中の被疑者を軽微な事実だけで略式請求することも、公判請求することもできます。送致を受けた検察官が時間制限内に公訴を提起したときは勾留の請求を要しないので(205条3項)、「勾留状が発付されていないので甲を釈放した上で公判請求しなければならない」という肢は誤りです。略式手続の中身(正式裁判の請求・起訴状一本主義の不適用)は略式手続の語で扱います。

即決裁判手続の申立てには被疑者の同意が要り、有罪の陳述は要件ではなく、重い罪の事件には使えません

検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白かつ軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮して相当と認めるときは、公訴の提起と同時に書面で即決裁判手続の申立てをすることができます。ただし、死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる事件はできません(350条の16第1項)。申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければできず(同条2項)、弁護人があるときは弁護人の同意又は意見の留保も要ります(同条4項)。「被疑者の同意がなくても,即決裁判手続の申立てをすることができる」という肢は誤りで、「被疑者の同意がなければ,これをすることができない」という肢は正しいです。強盗事件は短期1年以上の拘禁刑に当たるので、「強盗事件について,…即決裁判手続の申立てをすることができる」という肢は誤りです。法定刑で可否が異なる事項を選ぶ問題で、即決裁判手続の申立ては法定刑によって異なるものに当たります。被疑者が有罪である旨の陳述をしたことは申立ての要件ではありません。「有罪である旨の陳述をしたときは,…有罪である旨の陳述をした訴因に限り,即決裁判手続によって審判する旨の申立てをすることができる」という肢は誤りです。これに対し、公判前整理手続に付するのは裁判所の決定であって検察官の申立てではなく、被疑者の異議がないことを書面で明らかにする手続もありません。「被疑者に同手続によることについて異議がないことを書面で明らかにした上で,公訴の提起と同時に,同手続の申立てをしなければならない」という肢は誤りです。

  • 公判請求起訴状の提出。逮捕中の被疑者を時間制限内に起訴すれば勾留請求は不要(205条3項)
  • 略式命令の請求100万円以下の罰金・科料の事件/説明と告知のうえ異議のないことの書面/公訴提起と同時に書面で(461条〜462条)
  • 即決裁判手続の申立て明白かつ軽微で証拠調べが速やかに終わる事件/死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑の事件は不可/被疑者の同意(弁護人の同意又は意見留保)/公訴提起と同時に書面で(350条の16)。有罪の陳述は要件でない
  • 少年事件検察官は嫌疑があれば全件を家庭裁判所へ送致。罰金以下の罪は司法警察員が家庭裁判所へ直送
  • 公判前整理手続裁判所の決定(請求又は職権)。検察官の申立てや被疑者の同意書面の手続はない(316条の2)

刑事訴訟法246条

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

刑事訴訟法462条1項

略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。

刑事訴訟法350条の16第2項

前項の申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。

試験ではこう問われる

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