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用語集 / 民事訴訟法 / 類似必要的共同訴訟と共同訴訟参加

類似必要的共同訴訟と共同訴訟参加とは

るいじひつようてききょうどうそしょうときょうどうそしょうさんか

民事訴訟法 複雑訴訟

類似必要的共同訴訟とは、各自が単独でも訴え又は訴えられることができるものの、数人が共同して訴え又は訴えられたときは判決が合一に確定しなければならない共同訴訟です。共同訴訟参加とは、訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合に、第三者が共同訴訟人としてその訴訟に参加することです(52条1項)。

株主総会の決議を取り消してほしい株主は、一人でも訴えることができます。ところが、二人の株主が一緒に訴えたのに、一人には取消し、もう一人には請求棄却という判決が出ると、取消しの判決は他の株主にも効力が及ぶので、決議が取り消されたのかどうかがわからなくなります。そこで、一人でも訴えられるけれども、一緒に訴えた以上は結論をそろえなければならない共同訴訟が認められています。これが類似必要的共同訴訟です。

地方裁判所の法廷の場面。原告席に男性が2人(札「株主X1」「株主X2」)並び、被告席に男性(札「取締役」)。X1が「その事実は認めます」と言いかけ、X2が手を挙げて「私は争います」と言っている。法壇に先生が裁判官役(札「裁判所」)として座り

類似必要的共同訴訟は、訴訟共同の必要はないが合一確定の必要がある共同訴訟で、判決の効力が他の者にも及ぶ場合に生じます

必要的共同訴訟のうち、全員がそろわなければ当事者適格がない固有必要的共同訴訟と違い、類似必要的共同訴訟は各自が単独で当事者適格を持ちます。それでも数人が共同で訴えたときに合一確定が必要になるのは、一人が受けた判決の効力が他の者にも及ぶからだと説明されています。例えば、株主総会決議取消しの訴えの認容判決は第三者にも効力を持つので(会社法838条)、株主ごとに結論が違えば判決の効力がぶつかります。株主代表訴訟(会社法847条)、会社の組織に関する訴えや決議取消しの訴えを数人で提起した場合、数人の提起する養子縁組無効の訴え、住民訴訟がこれに当たります。審判には40条が適用されるので、一人の不利な訴訟行為は効力を生じません。株主代表訴訟に他の株主が共同訴訟参加した後、一人の株主が被告の主張した抗弁事実を自白しても、他の株主が争えば、その自白は自白した者についても効力を生じません。「X1がYの主張した抗弁事実について自白をしたとき,この事実をX2が争えば,X1の自白はその効力を生ずることはない」という肢は正しいです。

  • 通常共同訴訟訴訟共同の必要も合一確定の必要もありません
  • 類似必要的共同訴訟訴訟共同の必要はありませんが、合一確定の必要があります。株主代表訴訟、数人の提起する決議取消しの訴え、養子縁組無効の訴えなど
  • 固有必要的共同訴訟訴訟共同の必要も合一確定の必要もあります。共有権の確認、入会権の確認、遺産確認、隣地が共有の筆界確定など

類似必要的共同訴訟では、自ら上訴しなかった共同訴訟人は上訴人にならず、一人が上告した後に他の者がした上告は二重上告として不適法です

必要的共同訴訟では一人の上訴が全員のために効力を生じ、従来は上訴しなかった者も上訴人になると考えられてきました。しかし判例は、住民訴訟について、公益の代表者となる意思を失った者にまで上訴人の地位を続けさせるのは相当でなく、共同訴訟人の数が減っても審判の範囲や判決の効力に影響しないとして、自ら上訴しなかった共同訴訟人は上訴人にならないとしました(最大判平成9年4月2日)。株主代表訴訟でも、自ら上訴しなかった共同訴訟人を上訴人の地位に就かせる効力までが40条1項によって生じると解するのは相当でないとして、同じ結論をとっています(最判平成12年7月7日)。ただし、上訴しなかった者についても判決は確定しません。また、数人の提起する養子縁組無効の訴えは類似必要的共同訴訟であり、共同原告の一人が上告を提起したときは、その効力は他の者にも及んでいるので、その後に他の共同原告がした上告は二重上告として不適法であるとした判例があります(最決平成23年2月17日)。「X1が上告を提起した後に、X2が上告を提起することは、不適法なものとして許されない」という肢は正しいです。

教室の板書の図解。黒板に表を描き、列見出しは「訴訟共同の必要」「合一確定の必要」、行見出しは「通常共同訴訟」「類似必要的共同訴訟」「固有必要的共同訴訟」。通常は「なし/なし」、類似は「なし/あり」、固有は「あり/あり」。類似の行の横に小さく

共同訴訟参加は合一確定の必要がある場合に第三者が共同訴訟人として加わる制度で、参加する者には当事者適格が要ります

訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は共同訴訟人としてその訴訟に参加できます(52条1項)。もともと自分でも訴えられた者が、別訴を起こす代わりに係属中の訴訟に加わるもので、参加の後は類似必要的共同訴訟になります。判例は、共同訴訟参加ができるためには、合一確定の必要があることに加えて、参加する第三者がその訴訟の当事者となる適格を持つことが要るとし、株主総会決議取消しの訴えの被告になれるのは会社に限られるので、決議で選ばれた取締役は被告側に共同訴訟参加できないとしました(最判昭和36年11月24日)。固有必要的共同訴訟で欠けていた者が共同訴訟参加すれば、当事者適格の欠缺も治癒されます(大判昭和9年7月31日)。「口頭弁論の終結前にCがこの訴訟に共同訴訟人として参加することは許されず,裁判所は,訴えを不適法として却下しなければならない」という肢は誤りです。反対に、同じ事故の別の被害者の損害賠償請求は、判決の効力が及ばず合一確定の必要がないので、共同訴訟参加はできません。「同一事故の別の被害者Zは、Yに対して不法行為に基づく損害賠償を求めるため、Xを被参加人として、上記訴訟に共同訴訟参加をすることはできない」という肢は正しいです。債権者代位訴訟への債務者の共同訴訟参加について、改正前の判例は、代位権の行使に着手して債務者に通知するか債務者が了知した後は、債務者は被代位権利の処分権と当事者適格を失うとしていました(大判昭和14年5月16日)。「Aは当事者適格を失わず,Xの共同訴訟人として本件訴訟に共同訴訟参加をすることができる」という肢は、出題当時はこの判例により誤りとされていました。令和2年4月施行の民法改正で債務者は代位行使後も処分権を失わないとされたので(民法423条の5)、現在の規律では債務者は当事者適格を失わず、代位訴訟の判決の効力も債務者に及ぶので、共同訴訟参加ができると考えられます。

民事訴訟法52条1項

訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。

最判平成12年7月7日

自ら上訴をしなかった共同訴訟人を上訴人の地位に就かせる効力までが民訴法40条1項によって生ずると解するのは相当でなく、自ら上訴しなかった共同訴訟人たる株主は、上訴人にはならない

論文ではこう使う

論文では、類似必要的共同訴訟で上訴しなかった者の地位が問われます。まず、類似必要的共同訴訟が判決効の拡張を根拠に合一確定を要する類型であることを示し、40条1項からは上訴は有利な行為として全員に効力を生じるのが原則であると確認します。そのうえで、住民訴訟や株主代表訴訟について、公益や会社の利益のために訴える性質から上訴しない者を上訴人にしないとした判例(最大判平成9年4月2日・最判平成12年7月7日)の理由を書き、養子縁組無効の訴えのように原告個人の利益が問題になる訴訟では一人の上告の効力が他の者に及ぶとした判例(最決平成23年2月17日)との違いを論じます。

試験ではこう問われる

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