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用語集 / 民事訴訟法 / 共同訴訟的補助参加

共同訴訟的補助参加とは

きょうどうそしょうてきほじょさんか

民事訴訟法 複雑訴訟

共同訴訟的補助参加とは、判決の効力が及ぶのに当事者適格がないため補助参加の形をとる第三者の補助参加です。解釈上、45条2項が適用されず、被参加人に有利な限りで被参加人の行為と抵触する行為もでき、上訴期間も独自に計算されます。

株主総会で取締役に選ばれた人は、ある株主がその決議の取消しを求めて会社を訴えると、判決次第で取締役の地位を失います。それなのに被告になれるのは会社だけなので、この取締役は会社側に補助参加するしかありません。判決の効力を直接受ける人を、ふつうの補助参加人と同じ弱い立場に置くと、会社が手を抜いたときに身を守れません。そこで解釈上、判決の効力が及ぶ補助参加人には、ふつうより強い地位が認められています。これを共同訴訟的補助参加といいます。

法廷の場面。原告席に男性(札「X(株主)」)、被告席に男性(札「Y会社」)。被告席の横に男性(札「Z(選任された取締役・補助参加人)」)が座っている。壁の掲示「決議取消しの訴え 被告=会社(会社法834条17号)/認容判決は第三者にも効力(

判決の効力が及ぶのに当事者になれない第三者が補助参加すると、共同訴訟的補助参加となります

共同訴訟的補助参加は、民事訴訟法に定めのない解釈上の概念で、判例も認めています。判決の効力が参加人に及ぶので本来なら当事者として争いたいのに、当事者適格がないため共同訴訟参加(52条)ができず、補助参加の形をとるほかない者が対象です。株主総会等の決議の取消しの訴えは当該株式会社が被告とされ(会社法834条17号)、請求を認容する確定判決は第三者に対しても効力を有するので(会社法838条)、決議で選任された取締役が会社側に補助参加すると共同訴訟的補助参加になります。人事訴訟の判決にも第三者に対する効力があるので、利害関係人が補助参加する場合も同じです。破産管財人が追行する破産財団に関する訴訟に破産者が補助参加する場合も、判決の効力が破産者に及ぶので(115条1項2号)、共同訴訟的補助参加になります。

  • 株主総会決議取消しの訴え決議で選任された取締役や決議を有効と主張したい株主が、被告の会社側に補助参加する(会社法834条17号・838条)
  • 人事訴訟検察官を被告とする認知の訴えなどに、相続権を害される者などの利害関係人が補助参加する
  • 破産管財人の訴訟破産財団に関する訴訟に、判決の効力を受ける破産者が補助参加する(115条1項2号)
  • 債権者代位訴訟代位訴訟の判決の効力を受ける債務者が補助参加する

共同訴訟的補助参加人には、被参加人の行為と抵触しても被参加人に有利な行為をすることが認められます

ふつうの補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは効力を有しません(45条2項)。共同訴訟的補助参加人にはこの制限が及ばず、被参加人と抵触しても被参加人に有利な行為であればすることができると解されています。判例は、共同訴訟的補助参加人が上訴した場合、被参加人はその上訴を取り下げることができないとしています(最判昭和40年6月24日)。人事訴訟では明文があり、検察官を被告とする人事訴訟に参加した利害関係人には45条2項を適用せず、必要的共同訴訟の40条1項から3項までを準用すると定められています(人事訴訟法15条3項・4項)。もっとも、補助参加である以上、被参加人に不利な行為はできません。

共同訴訟的補助参加人の上訴期間は、被参加人の上訴期間とは別に、自分への判決の送達から計算されます

ふつうの補助参加人は、被参加人の上訴期間内に限って上訴できます(最判昭和37年1月19日)。これに対し、共同訴訟的補助参加人の上訴期間は独自に計算されます。判例は、検察官を被告とする死後認知の訴えに相続権を害される者として補助参加した者が、検察官の上訴期間が経過した後に、自分の上訴期間内に上告と上告受理申立てをした事案で、それが適法であることを前提に判断しました(最決平成28年2月26日)。「当事者である検察官のための上訴期間が経過した後にされた場合には,不適法なものとして許されない」という肢は誤りです。株主総会の取締役選任決議の取消訴訟で選任された取締役Zが会社Yに補助参加した場合も、Zには判決の効力が及ぶので、「Yの控訴期間が経過した後であっても,Zが判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴を提起したときは,Zによる控訴は適法である」という肢は正しいです。

教室の場面。先生が教師役(札「先生」)で黒板の前に立つ。黒板に二本の時間の帯。上の帯(札「Y会社の控訴期間」)は「判決送達(Y)→2週間→期間経過」。下の帯(札「Zの控訴期間」)は少し遅れて「判決送達(Z)→2週間」で、下の帯の終わりに「控

中断の扱いなど、共同訴訟的補助参加人にどこまで当事者に近い地位を認めるかは見解が分かれています

共同訴訟的補助参加人に死亡などの中断事由が生じたとき訴訟手続を止めるべきかについては、必要的共同訴訟の規定を類推して止めるべきとする見解、参加人には当事者適格がないので止めるべきでないとする見解、訴訟の進行が参加人の利益を害すると認められるときに止めるべきとする見解があります。上訴の取下げの制限や上訴期間の独自計算のほかに、どこまで当事者に近い扱いをするかは、明確に定まっていません。ふつうの補助参加人の地位は補助参加人の地位の語で扱います。

民事訴訟法45条2項

補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは、その効力を有しない。

会社法838条

会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。

論文ではこう使う

論文では、判決効を受ける第三者が補助参加したときの地位が問われます。まず、その第三者に判決の効力が及ぶ根拠(会社法838条、115条1項2号など)と、当事者適格がないため共同訴訟参加ができないことを確認します。次に、ふつうの補助参加人として45条2項の制限を受けると、判決効を受けるのに被参加人の訴訟追行に左右されて手続保障に欠けることを指摘し、共同訴訟的補助参加として45条2項の適用を排除し、被参加人に有利な限りで抵触行為もできると論じます。上訴期間の独自計算や被参加人による上訴の取下げの可否に当てはめて結論を出します。

試験ではこう問われる

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