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用語集 / 民事訴訟法 / 中間確認の訴え

中間確認の訴えとは

ちゅうかんかくにんのうったえ

民事訴訟法 複雑訴訟

中間確認の訴えとは、訴訟の進行中に争いとなり、本来の請求の裁判がその成立又は不成立に係る法律関係について、当事者が請求を拡張してその確認の判決を求める訴えです(145条1項)。判決の理由中の判断には既判力が生じないので、先決関係にある法律関係にも既判力を得るために使われます。

建物を取り壊して土地を明け渡せという訴訟で、裁判所が「土地は原告のものだ」と考えて原告を勝たせても、判決の主文に出るのは明渡しだけで、土地の所有権そのものには既判力が生じません。後で被告が所有権を争い直す余地が残るのです。そこで、訴訟の途中で「土地の所有権が原告にあること」の確認も一緒に求め、主文で判断してもらう方法が用意されています。これが中間確認の訴えです。

地方裁判所の法廷の場面。原告席の男性(札「原告」)の前に訴状「建物収去土地明渡し」が置かれ、男性がもう1枚の書面「中間確認の訴え 土地の所有権の確認」を差し出している。被告席に男性(札「被告」)。法壇に先生が裁判官役(札「裁判所」)として座

中間確認の訴えの対象は、本来の請求の判断の先決関係にある法律関係に限られ、訴訟要件の存否や筆界の確定は対象になりません

裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができます(145条1項本文)。判決の既判力は主文に包含するものに限られ(114条1項)、理由中で判断した所有権のような先決関係には生じないので、それにも既判力を得たい当事者のための制度です。原告だけでなく被告も提起できます。対象は本来の請求の当否を決める前提となる実体法上の法律関係に限られ、訴えが適法かどうかを決める訴訟要件の存否は含まれません。「中間確認の訴えによって,当事者間に争いがある訴訟要件の存否の確認を求めることはできない」という肢は正しいです。土地の所有権に基づく明渡請求の訴訟で土地の所有権の確認を求めるのは典型ですが、判例は、境界の確定は係争土地部分の所有権の確認と違い、土地明渡訴訟の先決関係に立つ法律関係に当たらないから、筆界の確定を求める中間確認の訴えは不適法として却下すべきだとしました(最判昭和57年12月2日)。筆界は所有権の範囲とは別に公法上決まるものだからです。「所有権に基づく土地明渡請求訴訟の係属中に,土地所有権の確認を求める中間確認の訴えを提起することはできるが,筆界(境界)確定を求める中間確認の訴えを提起することはできない」という肢は正しいです。同じ理由で、「原告の所有地とそれに隣接する被告の所有地との筆界(境界)確定を求めて追加的に提起した訴えは,土地明渡請求訴訟に関する中間確認の訴えには当たらない」という肢は正しいです。

中間確認の訴えは新しい訴えの提起なので書面でし、他の裁判所の法定の専属管轄に属する請求は対象にできません

中間確認の訴えは、係属中の訴訟の中で新しい請求を立てるものなので、訴えの変更の書面と送達の規定が準用され、書面でして相手方に送達しなければなりません(145条4項・143条2項3項)。「地方裁判所における中間確認の訴えは,書面でしなければならない」という肢は正しいです。地方裁判所と限っているのは、簡易裁判所では訴えを口頭で提起できるので(271条)、中間確認の訴えも口頭でできると解されているからです。中間確認の訴えで請求の併合の状態が生じるので、受訴裁判所が確認の請求について管轄を持つ必要があり、確認の請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは提起できません(145条1項ただし書)。「他の裁判所の法定の専属管轄に属する請求は,中間確認の訴えの対象とすることができない」という肢は正しいです。ただし、当事者が11条の合意で定めた専属管轄は除かれます。合意による専属管轄は当事者の都合にすぎず、公益に基づくものではないからです。「中間確認の訴えは,その確認の請求につき他の裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合には,許されない」という肢は誤りです。

教室の板書の図解。黒板の左に「中間確認の訴え」、右に「中間判決」と大きく書き、間に「別物」と書いた縦線。左の下に「確認の請求そのもの」「終局判決」「控訴できる」、右の下に「終局判決の準備」「245条」。左の欄の下に小さく「控訴審:相手方の同

控訴審では相手方の同意なしに提起できますが上告審ではできず、中間確認の訴えへの裁判は中間判決ではなく終局判決です

中間確認の訴えは本来の請求の先決関係を対象とし、その法律関係はすでに第一審で争点として審理されていて、相手方も自ら同じ確認を求めることができたので、控訴審で提起しても相手方の審級の利益を害しません。そのため、反訴の場合(300条1項)と違い、控訴審でも相手方の同意は要りません。被告が提起する場合も、反訴の性質を持ちながら控訴審で原告の同意は要らないと解されています。「中間確認の訴えを控訴審で提起する場合,相手方の同意は不要である」という肢は正しいです。新しい請求を立てるものなので事実審の口頭弁論の終結までに限られ、法律審である上告審では提起できません。「中間確認の訴えは,上告審においては提起することができない」という肢は正しいです。名前が似ていますが、中間判決(245条)は、独立した攻撃防御方法や中間の争いについて終局判決の準備としてする判決で、中間確認の訴えとは関係がありません。中間確認の訴えは確認の請求そのものなので、それに対する裁判は終局判決です。「中間確認の訴えに対する裁判は,中間判決である」という肢は誤りです。終局判決として既判力が生じるので、確認の請求の部分にも独立して控訴できます。「被告は控訴して,この判決のうちの建物収去土地明渡請求についての部分のみならず,所有権確認請求についての部分に対しても不服を申し立てることができる」という肢は正しいです。

民事訴訟法145条1項

裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。

民事訴訟法145条4項

第百四十三条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による請求の拡張について準用する。

試験ではこう問われる

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