第5条過去問 5 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 この条文の過去問 5問 2023年 司法試験 第17問 肢ウ 判例によれば、公職選挙法の規定において、一定の者につき選挙権を制限していることの憲法適合性については、当該者が自己の選挙権の侵害を理由にその救済を求めて提起する訴訟においてこれを争うことの可否はおくとしても、同法第204条の選挙無効訴訟において選挙人らが他者の選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張してこれを争うことは法律上予定されていない。 解説 本肢は正しい。公職選挙法204条の選挙無効訴訟は、行政事件訴訟法5条にいう民衆訴訟であり、自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する訴訟であるから、法律に定める場合において法律に定める者に限り提起することができる(同法42条)。そして、その無効原因は同法205条1項にいう「選挙の規定に違反することがあるとき」、すなわち選挙の管理執行に関する規定への違反に係るものと解されている。 この点につき、一定の者の選挙権を制限する公職選挙法の規定について、選挙人が選挙人たる資格で提起した選挙無効訴訟の中でその違憲を主張した事案において、最高裁平成26年7月9日は、204条の選挙無効訴訟は、同法において選挙権を有するものとされている選挙人らによる候補者に対する投票の結果としての選挙の効力を、選挙人又は候補者が上記のような無効原因の存在を主張して争う争訟方法であるとした上で、選挙権を制限する規定の憲法適合性については、当該制限を受ける者自身が自己の選挙権の侵害を理由に救済を求めて提起する訴訟でこれを争うことの可否はおくとしても、選挙無効訴訟において選挙人らが他者の選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張して争うことは法律上予定されていない、と判示した。 すなわち、選挙無効訴訟という法定の争訟方法の性質・射程から、他者の選挙権制限の違憲主張は同訴訟の枠外に置かれる。もっとも、議員定数配分規定の合憲性のように、選挙人自身の投票価値の平等という自らの選挙権にかかわる事項については、同条の訴訟で争うことが認められている(最大判昭和51年4月14日民集30巻3号223頁参照)。本肢は上記判示をそのまま述べるものであり、正しい。 ○× 解説 2023年 予備試験 第21問 肢ウ 国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民が提起する、衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める訴えは、公職選挙法上の選挙訴訟であって、法第5条の民衆訴訟である。 解説 本肢は誤り。行政事件訴訟法5条の民衆訴訟とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいい、客観訴訟であるから、法律に定める場合において法律に定める者に限り提起することができる(同法42条)。公職選挙法203条・204条が定める選挙の効力に関する訴訟(選挙訴訟)はその典型例であり、選挙全体の効力を客観的に争わせる制度である。これに対し、本肢の訴えは、原告である在外国民自身が次回の選挙において選挙権を行使することができる地位にあることの確認を求めるものであって、自己の法律上の利益にかかわる地位の確認を求めるものである。したがって、自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起される民衆訴訟には当たらず、また公職選挙法が定める選挙訴訟の類型にも当たらない。最高裁は、在外国民の選挙権をめぐる事案において、選挙権を行使する権利を有することの確認を求める訴えを、公法上の法律関係に関する確認の訴え(行政事件訴訟法4条後段の実質的当事者訴訟)として適法と認めた上で、在外選挙制度の対象を比例代表選出議員の選挙に限定していた公職選挙法の規定を違憲と判断した(最大判平成17年9月14日)。よって本肢は誤りである。 ○× 解説 2021年 司法試験 第17問 肢ア a.公職選挙法上の選挙無効訴訟において,選挙人である原告は,同法の規定により一定の者の選挙権が制限されていることに関し,他者の選挙権の制限に係る同規定の違憲を主張して争うことはできない。 b.公職選挙法の規定により選挙権の制限を受ける者は,自己の選挙権侵害を理由に救済を求める訴訟において同規定の違憲を主張することができる。 解説 本肢は正しい。bの見解はaの見解の根拠となっている。 付随的違憲審査制(憲法76条1項、81条)の下では、違憲の主張は原則として自己の憲法上の権利が侵害されたことを理由とするものに限られ、第三者の権利を援用して法令の違憲を主張すること(いわゆる第三者の違憲主張適格)は原則として許されない。例外を認めるべき場合として挙げられるのは、権利を制限されている当人が自ら訴訟でこれを争うことが事実上ないし法律上困難であり、第三者に援用を許さなければその権利が救済されないままとなる、といった事情がある場合である。裏返せば、制限を受けている本人が自己の権利侵害を理由として救済を求める訴訟を提起し、その中で当該規定の違憲を主張できるのであれば、無関係な他者にその主張を代弁させる必要性は乏しいことになる。bは、まさに選挙権の制限を受ける者本人が自己の選挙権侵害を理由とする訴訟で違憲主張をなし得ることを述べており、他者による援用の必要性を否定する方向に働くから、aを支える理由となる。加えて、公職選挙法203条・204条の選挙無効訴訟は、選挙人たる資格すなわち自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起される民衆訴訟(行政事件訴訟法5条、42条)であり、そこで自己と関係のない他者の選挙権制限の違憲を持ち出すことは制度の趣旨にもそぐわない。 判例も、最大判平成26年7月9日(民集68巻6号799頁)が、公職選挙法205条1項にいう選挙無効原因としての「選挙の規定に違反することがあるとき」とは、主として選挙管理の任にある機関が管理執行手続に関する明文規定に違反する場合等を指すとした上で、「当該者が自己の選挙権の侵害を理由にその救済を求めて提起する訴訟においてこれを争うことの可否はおくとしても、同条の選挙無効訴訟において選挙人らが他者の選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張してこれを争うことは法律上予定されていない」と判示している。なお、本人による救済訴訟については、在外国民選挙権訴訟(最大判平成17年9月14日民集59巻7号2087頁)が公法上の当事者訴訟としての確認の訴えを適法としており、bの前提には実際上の裏付けがある。ただし右判例自体は、本人による救済の可否を留保したまま結論を導いている点に注意を要する。 ○× 解説 2015年 予備試験 第21問 肢ア 衆議院小選挙区選出議員の選挙につき,ある選挙区の選挙人が,公職選挙法の議員定数に関する定めが憲法第14条に違反することを主張して,公職選挙法第204条に基づき,当該選挙区に関し選挙を無効とすることを求める訴訟(参照条文)公職選挙法第204条 衆議院議員又は参議院議員の選挙において,その選挙の効力に関し異議がある選挙人又は公職の候補者(中略)は,衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を,衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし,当該選挙の日から30日以内に,高等裁判所に訴訟を提起することができる。 解説 本肢の訴訟は、行政事件訴訟法5条の民衆訴訟に当たる。同条は民衆訴訟を「国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するもの」と定義する。公職選挙法204条の選挙無効訴訟は、選挙区の選挙人が、自己の個別的な権利利益の侵害を主張するのではなく、選挙人たる資格において選挙の効力を争い、選挙の適正な執行という一般的利益の実現を目的とするものであるから、まさにこの定義に該当する。すなわち本肢の訴訟は主観訴訟ではなく客観訴訟であり、行政事件訴訟法42条により、法律に定める場合において法律に定める者に限り提起することができるものである。議員定数配分規定が憲法14条に違反すると主張して選挙の効力を争う場合も同様であり、最大判昭和51年4月14日は、公職選挙法204条の訴訟において定数配分規定の違憲を主張して選挙の効力を争うことができるとしており、実務上もこの訴訟形態が用いられている。選挙管理委員会を被告とする点をとらえて抗告訴訟(法3条1項)と解すべきではなく、また法4条の当事者訴訟でもない。よって本肢は乙群4(法5条の民衆訴訟)に当たる。 ○× 解説 2012年 司法試験 第35問 肢イ 問題とされる事業に関して公金の支出を内容とする処分がされた事例において,Xは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たるか否かにかかわらず,法第242条の2第1項第2号の規定に基づき,その取消しを求める住民訴訟を,適法に提起することができる。 解説 本肢は正しい。住民訴訟は、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する民衆訴訟(行政事件訴訟法5条)であり、地方公共団体の財務行政の適正な運営を確保するという公益の実現を目的とする客観訴訟である。原告となる資格は、当該普通地方公共団体の住民であって適法な住民監査請求を経たこと(地方自治法242条の2第1項柱書)によって基礎づけられるのであり、当該行為によって自己の権利利益が害されたことを要しない。 この点は実定法上も明確にされている。行政事件訴訟法43条1項は、民衆訴訟のうち処分又は裁決の取消しを求めるものについて、同法9条及び10条1項の規定を除き取消訴訟に関する規定を準用すると定める。すなわち、原告適格を「法律上の利益を有する者」に限定する9条の準用が明文で排除されている以上、地方自治法242条の2第1項2号に基づき行政処分たる財務会計上の行為の取消しを求める住民は、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たる必要はない。同時に、自己の法律上の利益に関係のない違法の主張を制限する10条1項も準用されないから、Xは自己の権利利益とのかかわりを離れて、当該支出処分が憲法20条3項・89条前段の政教分離原則に反する旨を主張することもできる。 よって、公金の支出を内容とする処分がされた本肢の事例において、Xは法律上の利益の有無を問わず、2号請求としてその取消しを求める住民訴訟を適法に提起することができる。 ○× 解説