第9条過去問 7 前条の規定の施行前に同条第二号の規定による改正前の行政事件訴訟法の規定に基づき提起された日本船舶振興会を被告とする抗告訴訟の管轄については、なお従前の例による。 この条文の過去問 7問 2017年 予備試験 第15問 肢エ 建築物の建築に係る許認可処分の審査基準において,一定の距離の範囲内に居住する近隣住民の健康や生活環境上の利益の保護を目的とする内容の定めがあるときは,当該処分の取消訴訟における近隣住民の原告適格の判断において,当該審査基準は,それ自体が,原告適格の判断における考慮事項を定める行政事件訴訟法第9条第2項の「関係法令」として考慮の対象となる。 解説 本肢は誤り。行政事件訴訟法9条2項は、処分の相手方以外の者の原告適格を判断するに当たり、当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとし、その際、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌すべき旨を定める。ここにいう「関係法令」とは、法律および命令等の法令を指すのであって、行政庁が行政手続法5条に基づき自ら定める審査基準は、申請に対する処分をするか否かを判断するための行政庁内部の指針にすぎず、それ自体は法令ではないから、行政事件訴訟法9条2項の関係法令として、それ自体が原告適格判断の考慮対象となるものではない。原告適格は、あくまで根拠法令およびこれと目的を共通にする関係法令が、当該利益を一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず個々人の個別的利益としても保護する趣旨を含むか否かによって決せられる。もっとも、審査基準の内容が根拠法令の趣旨・目的を解釈する上での手がかりとなり、事実上その解釈に影響を及ぼすことはあり得るが、それは根拠法令の解釈の問題にほかならない。よって本肢は誤りである。 ○× 解説 2013年 予備試験 第18問 肢ア 処分の取消しの訴えは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者及び直接的かつ重大な事実上の利益を有する者に限り,提起することができる。 解説 本肢は誤り。行政事件訴訟法9条1項は、処分の取消しの訴えは「当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者」に限り提起することができると定め、括弧書きで「処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む」として回復利益を有する者を取り込んでいるが、いずれにせよ原告適格の範囲は「法律上の利益」の有無によって画されている。同項は「直接的かつ重大な事実上の利益を有する者」にまで原告適格を拡張する文言を置いておらず、本肢はこの点で条文の規律を誤って述べるものである。判例も、法律上の利益を有する者とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうという定式を早くから用いており(最判平成4年9月22日・もんじゅ訴訟など)、さらに、当該処分を定めた行政法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、これを個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含む場合には、かかる利益も法律上保護された利益に当たるとされる(最大判平成17年12月7日・小田急高架訴訟)。裏を返せば、行政法規が個別的利益として保護する趣旨を含まず、処分に伴い事実上の不利益を受けるにすぎない者、いわゆる反射的利益を有するにとどまる者には原告適格は認められない。事実上の利益が直接的かつ重大であることのみを理由に原告適格が肯定されるわけではない。よって本肢は誤りである。 ○× 解説 2013年 予備試験 第18問 肢イ 処分の取消しの訴えの原告適格を判断するに当たっては,当該処分の根拠法令と目的を共通にする関係法令があるときは,その趣旨及び目的をも参酌すべきである。 解説 本肢は正しい。行政事件訴訟法9条2項は、処分の相手方以外の者について同条1項にいう法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとし、その際「当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌する」と明文で定めている。これは平成16年の行政事件訴訟法改正により、原告適格の判断における考慮要素を法定して第三者の出訴の途を広げる趣旨で置かれた規定である。もっとも、この規律は改正前の判例法理を条文化したものと解されており、原子炉設置許可の無効確認訴訟に関する最判平成4年9月22日(もんじゅ訴訟)が、根拠法令の趣旨・目的を関連法令との関係を踏まえて解釈し周辺住民の原告適格を肯定したことなどが背景にある。前掲最大判平成17年12月7日も、都市計画事業認可の根拠法令である都市計画法と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的を参酌して、沿線住民の原告適格を認めている。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2013年 予備試験 第18問 肢ウ 処分の取消しの訴えの原告適格を判断するに当たっては,当該処分が根拠法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきである。 解説 本肢は正しい。行政事件訴訟法9条2項は、根拠法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては当該法令と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的をも参酌すべきものとするとともに、当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するに当たっては「当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする」と定めている。本肢は、この後段の考慮要素をほぼ条文どおりに述べるものであり、正当である。この規律の実質は、違法な処分によって害される利益が生命・身体の安全や健康といった性質のものであり、いったん侵害されれば事後的な金銭賠償によっては回復し難い重大な被害が生ずるときは、当該行政法規は当該利益を専ら一般的公益に吸収解消させる趣旨ではなく、周辺住民等の個別的利益としても保護する趣旨を含むと解釈されやすいという点にある。原子炉設置許可に関する最判平成4年9月22日が周辺住民の原告適格を肯定したのも、被害の重大性・回復困難性を重視した判断である。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2011年 予備試験 第24問 肢ウ 処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者のみが行えることとされている。 解説 本肢は正しい。本記述は双方に当てはまる(C)。取消訴訟については、行政事件訴訟法9条1項が、処分の取消しの訴えは「当該処分…の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者」に限り提起することができると明文で規定し、原告適格を限定している。これに対し行政不服審査法2条は「行政庁の処分に不服がある者」は審査請求をすることができると定めるにとどまり、文言上は原告適格に対応する限定を置いていない。しかし最高裁は、いわゆる主婦連ジュース事件(最判昭和53年3月14日)において、行政不服審査法にいう「不服がある者」とは、当該処分について不服申立てをする法律上の利益がある者、すなわち当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと判示し、単に一般消費者としての事実上の利益を有するにすぎない者の不服申立適格を否定した。すなわち、審査請求人適格は取消訴訟の原告適格と実質的に同一の基準によって画されるのであって、不服申立ての範囲が処分の名宛人以外にも無限定に開かれているわけではない。したがって、法律上の利益を有する者のみが行えるという点は審査請求と取消訴訟の双方に妥当する。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2011年 司法試験 第33問 肢イ 問題とされる処分が総務部長Bにより既にされた事例において,Xは,A市を被告として,法第242条の2第1項第2号の規定に基づき処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起することができる。 解説 本肢は正しい。法242条の2第1項2号は、住民訴訟の類型として「行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求」を認める。この請求は、行訴法43条1項にいう「処分又は裁決の取消しを求めるもの」に当たるから、法242条の2第11項を介して、行訴法9条および10条1項を除き、取消訴訟に関する規定が準用される。除外されているのは原告適格(9条)と自己の法律上の利益に関係のない違法の主張制限(10条1項)であるが、これは住民訴訟が住民の個人的利益とは無関係に財務会計行為の適正を確保するための客観訴訟であることによる当然の帰結である。これに対し、被告適格を定める行訴法11条は除外されていないから、そのまま準用される。 平成16年改正後の行訴法11条1項1号は、処分をした行政庁が国または公共団体に所属する場合には、当該行政庁の所属する国または公共団体を被告として取消訴訟を提起すべき旨を定める(いわゆる行政主体主義)。本問で問題とされる処分をしたのは、委任を受けた総務部長Bであるが、Bが所属する公共団体はA市であるから、準用される行訴法11条1項1号により、2号請求の被告はA市となる。したがって、XがA市を被告として処分の取消しを求める住民訴訟を提起することは適法である。 1号の差止請求や4号の義務付け型請求が「取消しを求めるもの」ではなく行訴法43条3項の規律に服し、被告が執行機関または職員となるのに対し、2号請求のみが同条1項により行政主体主義の適用を受けて被告が地方公共団体となる。この違いを条文の構造から説明できるかが本問の眼目である。 ○× 解説 2011年 司法試験 第38問 肢ウ 処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者のみが行えることとされている。 解説 本肢は正しい。取消訴訟にも審査請求にも当てはまるから、本肢はC(双方)に分類される。取消訴訟の原告適格については、行政事件訴訟法9条1項が、処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に限られる旨を明定し、平成16年改正で新設された同条2項が、処分の相手方以外の第三者について、根拠法令の文言のみによることなく、その趣旨・目的や害される利益の内容・性質等を考慮して判断すべきことを定めている。これに対し行政不服審査法は不服申立適格について明文の規定を置いておらず、出題当時の同法4条1項は「行政庁の処分に不服がある者」と定めるにとどまっていた(現行法2条も同様の文言である)。もっとも最高裁は、主婦連ジュース事件(最判昭和53年3月14日民集32巻2号211頁)において、同法にいう「不服がある者」とは当該処分について不服申立てをする法律上の利益がある者、すなわち当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと判示し、単に事実上の利益や一般消費者としての反射的利益を有するにすぎない者を除外した。同判決は不服申立適格を取消訴訟の原告適格と実質的に同一の基準で把握するものであり、審査請求についても本肢は妥当する。 ○× 解説
第19条過去問 3 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 この条文の過去問 3問 2024年 予備試験 第20問 肢イ 処分についての審査請求を棄却した裁決の取消訴訟を提起した後であっても、原告は、法令に特別の定めがある場合を除き、当該訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、当該訴訟に併合して、当該処分の取消訴訟を適法に提起することができる。 解説 本肢は正しい。行政事件訴訟法19条1項前段は、原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができると定める。そして、当該処分についての審査請求を棄却した裁決に係る取消訴訟との関係で、当該処分の取消しの訴えは関連請求に当たる(同法13条1号参照)から、裁決取消訴訟の係属後であっても、口頭弁論終結に至るまでは、これに併合して処分の取消訴訟を提起することができる。さらに同法20条は、この併合提起の場合について、処分取消訴訟の被告の同意を得ることを要せず、かつ出訴期間の遵守は裁決取消訴訟を提起した時を基準とする旨の特則を置く。これは、原処分主義(10条2項)の下で、裁決取消訴訟のみを提起した原告が、処分の違法を主張する機会を出訴期間の経過によって失うことのないよう配慮した規定である。なお、個別法が裁決主義を採るなど法令に特別の定めがある場合には処分取消訴訟の提起自体が認められないから、本肢がこれを留保している点も正当である。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2011年 予備試験 第20問 肢ア 無効確認訴訟と国家賠償請求訴訟とは同種の訴訟手続ではないものの,Xは,本件無効確認訴訟の提起後に,本件建築確認が違法であることを理由として,それにより生じた損害について,Y市に対する国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求に係る訴えを本件無効確認訴訟に併合して適法に提起することができる。 解説 本肢は正しい。無効等確認訴訟は抗告訴訟の一種であり(行政事件訴訟法3条4項)、他方で国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求訴訟は民事訴訟であるから、両者は訴訟手続の種類を異にし、民事訴訟法136条が定める「同種の訴訟手続による」との併合要件を満たさない。しかし、行政事件訴訟法16条1項は、取消訴訟には関連請求に係る訴えを併合して提起することができる旨を定め、同法13条1号は「当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求」を関連請求として掲げている。そして同法38条1項は、13条及び16条から19条までの規定を取消訴訟以外の抗告訴訟について準用しているから、無効等確認訴訟においても関連請求の併合が認められる。本件建築確認が違法であることを理由としてY市に対して提起される国家賠償請求は、本件建築確認に関連する損害賠償請求として13条1号の関連請求に当たる。さらに、38条1項により準用される19条1項によって、原告は口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えを追加的に併合して提起することができる。したがって、Xは本件無効確認訴訟の提起後においても、国家賠償請求に係る訴えを本件無効確認訴訟に併合して適法に提起することができる。よって本肢は正しい。 ○× 解説 2011年 司法試験 第34問 肢ア 無効確認訴訟と国家賠償請求訴訟とは同種の訴訟手続ではないものの,Xは,本件無効確認訴訟の提起後に,本件建築確認が違法であることを理由として,それにより生じた損害について,Y市に対する国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求に係る訴えを本件無効確認訴訟に併合して適法に提起することができる。 解説 本肢は正しい。行政事件訴訟法38条1項は、11条から13条まで、16条から19条までなどの規定を取消訴訟以外の抗告訴訟に準用しており、無効等確認訴訟についても関連請求に係る訴えの併合が認められる。ここでいう関連請求とは13条各号が定めるものであり、同条1号は「当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求」を掲げる。本件建築確認が違法であることを理由とし、それにより生じた損害の賠償を求める国家賠償法1条1項に基づく請求は、まさに本件建築確認に関連する損害賠償請求であるから、13条1号の関連請求に当たる。 確かに、民事訴訟法136条は、数個の請求を一の訴えですることができるのは同種の訴訟手続による場合に限る旨を定めており、抗告訴訟である無効確認訴訟と、民事訴訟である国家賠償請求訴訟とは訴訟手続を異にする。しかし、行政事件訴訟法16条以下の併合に関する規定は、同一の処分をめぐる紛争を一回的に解決し、審理の重複や判断の抵触を避ける趣旨から、この原則に対する特則として、手続を異にする関連請求の併合を許したものである。したがって、手続が同種でないことは併合の妨げとならない。 さらに、19条1項は、原告が口頭弁論の終結に至るまで関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができると定めており、この規定も38条1項により無効等確認訴訟に準用される。よって、本件無効確認訴訟の提起後に国家賠償請求の訴えを追加的に併合提起することも可能である。被告の点でも、本件建築確認の処分庁である建築主事が所属する行政主体はY市であるから、無効確認訴訟の被告はY市となり(11条1項1号、38条1項の準用)、国家賠償請求の被告(国家賠償法1条1項の「公共団体」)もY市であって、齟齬はない。以上より、本肢は正しい。 ○× 解説